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★X100FのFはFinalのF【FUJIFILM X100F レビュー】その5

カメラ

「最短撮影距離の短さや基本的な描写の良さを維持したまま、開放、近接付近の収差を軽減した新設計レンズを希望」というのがレンズに対する感想というか、時期モデルへの期待という重いお話の後は、やっぱり軽くいきましょう

なので。

◆ボタンレイアウトの刷新

X100FではX100Tよりボタンが少なくなってます。
主にフォーカスレバー搭載による「インタフェイスの見直し」があって、仕訳されてしまったのでしょうね。

X100T

 

X100F

◆メディアルーム(バッテリとかSD入れるところ)の蓋のヒンジ位置

いやあ、細かいしタイトルがベタベタでアレですが、Xマウント系のカメラボディが持っている欠陥の一つがそれだと思っている私は、Xマウント系ボディはX100Fを見習え、と言わせていただきたい。
ここはこうあるべきです。


ヒンジが短辺にあることで、SDカードの挿抜にストレスを感じません。あと、紛失したり破損したりする可能性が相当低くなりますからね。
そう言えばX100Fからバッテリも変更され、従来のNP-95からXマウントボディと同じNP-W126Sに。
これをみてもX100シリーズが「次なるステージ」へ向かっている「徴(しるし)」、ステップの一つだと思いませんか?
まあ、単純にバッテリの種類を整理したかった(減らしたかった)だけかもしれませんが。
あとは内部基板やパーツ類のシュリンクが進んで、以前からそうしたかった大きめのバッテリの搭載がようやくFで実現したのかもしれません。

◆伝統?の「FUJINON LENS SYSTEMのロゴ」

レンズ交換式のXマウント系ボディではこのロゴマークがリストラされていますが、X100系では存続中です。


個人的にはどうでもいいと思いますが、X-E2からX-E3に持ち替えた際に自分でも思ってもいなかった「喪失感」というか「ずんべらぼー」感を覚えたので、これはこれで個性として次期モデルにも受け継いでいった欲しいという気持が芽生えてまいりました。なんというか「ムダなコストをかけているんだぜ」感、すなわち「ちょっと贅沢なカメラ」感が出ますね。こういう自己満足ポイントをくすぐる事こそX100系のレゾンデートルの一つだと思いますのでFUJIFILMさんには是非ムダなコストを容認する度量をこれからも見せ続けていただきたいものです。

さて。
お次は「F」でリストラされたモノたち

◆Generationバッヂ

これも削られたこと自体が「朗報」とされるものです。
以前のモデルはあろうことかボディの前面に「S」とか「T」とかこれ見よがしなバッジが貼り付けられていました。
醜い。


敢えて言っちゃいますが、センスがまるでヤンキーですな。
「GT」とか「R」とか「S」のエンブレムを、しかも赤とか目立つ色に変えたヤツをこれ見よがしにクルマに貼り付けたがるセンスと同じニオイを感じて鼻白んでおりましたのでX100Fがクリーンになってイラっとして買う必要がないので本当にホッとしました。

◆X100F けっこう気に入っている点

それは「シャッター音」
本当に静かです。
シャッター音は静かなのに越したことありませんからね。
特に飲食店などででっかいシャッター音を響かせて撮影している連中をみると「親の顔が見たい」なんて思ってしまう人間なので、無音じゃないカメラは使いません。
まあ、飲食店で料理の写真を撮っている時点で同じ穴の狢なのは棚に上げているわけですけど、気分良く食べている時にスマートフォンの「バシャ!」なんて音がすぐ隣でするとドッチラケ(死語)じゃないですか?
やっぱりシャッター音は暴力だと思うんです。
「シャッター音が大きいと気分が上がる」なんて言う人もいますが、聞かされるこっちは「気分が下がる」んですけど。でっかいシャッター音が好きなら、誰も居ないところで思いっきり連写して気分を上げていただければいいんじゃないかと思います。なんというかもう、一眼レフの連写とかスマートフォンの大シャッター音とかは受動喫煙と同列ですね。音の暴力。ムリヤリ聞かされる第三者の気持ちになっていただきたく。

ま、そこはさすがのレンズシャッター、X100F。ここまで小さいと音を消す為にわざわざ電子シャッターに切り替える必要はまずないでしょう。それくらい、メカニカルシャッター音が小さいです。
因みに手持ちのGR2やQもレンズシャッターですが、それらより断然小さいです。
「良い仕事したな、FUJIFILM」と、ここは手放しで褒めたいポイントです。

反対に気に入らないのは、あろうことかそのシャッター音をわざわざ大きくする仕組みを搭載している事。
要するにフツーのコンパクトカメラでよくある、あの電子音がX100Fにも搭載されちゃってるんですよね。
まあ、私のような無音派はあっても使わなければいいだけですから実害はありません。

もう一つは「ボディ同色コマンドダイヤル

冒頭の比較写真を見ていただければおわかりかと。
Tではボディがシルバーでもダイヤルは黒のままでしたが、Fではより丁寧に作り込んでいただいております。
ま、だからどうだって言うのでもないですし好みの問題もあるでしょうけどプラスチックのまんま的な黒ではなく、シルバーにはちゃんとシルバー用の部材を使いました、という心意気?がいいと思います。

◆X100F けっこう重要な欠点

・次のとき、プログラムシフトは使用できません(いろいろと制限が多い)

1)フラッシュ設定が発光禁止以外のとき
固定式だから面倒なのかな。ポップアップストロボだとそんな面倒は(きっと)ないのに……。
2)画質設定の「ダイナミックレンジ」が AUTO のとき
これもいろいろ想像できますが、使いたいのはAutoなんですけどねえ。
なので結局ダイナミックレンジは100にしている私。

・フィルムシミュレーションブラケットやデジタルテレコンだとRAW保存ができない

これもオリンパスを見習うべき

・フィルムシミュレーションブラケットが3枚のみ

全部、つまり全てのフィルムシミュレーションを使わせて欲しい。せっかく搭載されているきのうなんだから思う存分楽しませてくれてもいいんじゃないかなあ。なんで3つだけなんだろう。反対に「3枚でも多い、2枚にしろ」という意見もあるでしょうし、ここは任意にユーザー側で選べるようにして欲しいところ。
これもオリンパスの「全チョイス可能:アートフィルターブラケット」を見習うべき

さてさて。
この際なので気になっていた点の改善具合はどうなのか、をまとめてみたいと思います。

1)デザインが微妙に気に入らない

劇的に改善。許容範囲に。

2)レスポンスが悪い

劇的に改善。許容範囲に。

うん?
つまりかなりいい感じになってきた、ということで。

3)Qボタンの位置

悪すぎ。
不用意に押し易すぎ。
なんであんなところにデデーンとボタンつけたのでしょうか。

4)ボタンやダイヤルのタッチ

伝統的にX100のボタンやダイヤル類は全体的に高級感がなく、タダボタンがある、みたいな感じなのでフィーリングをもう少し追い求めて欲しいところ。

5)露出補正ダイヤルのCポジションを硬く!

気がつくと回ってる。で、Cポジションの近くって±で3とかなので偉い騒ぎに。


まあ、3EVも露出補正されているのですぐに気付く、というのがせめてもの救い?

6)絞りリングの「A」の位置

FUJIFILMのポリシーなのか、絞りリングにあるオート、つまり「A」の位置が最大絞り値の次になってます。
ちょっと意味がわかりません。


普通は絞り開放の隣がAでしょう?


インタフェイス的にも失敗写真を撮る可能性が低いのは開放地の隣のはず。
だって、リングがちょっと動いて「A」の位置から外れているのを知らずに撮影しちゃうと、いきなりシャッター速度が激遅になってブレブレの写真が……。
「ああ、そうか、又動いたのか」と舌打ちをして撮り直すということに。
撮り直せるならいいんですが、一瞬のシャッターチャンスだったりすると呪詛が口から出るわけですよ、「FUJIFILMの開発者には毎朝起きたらこむら返りする呪いをかけてやる」とかね。
まあ、そういう失敗も防ぎたいので私はシャッター速度の最低を1/125にしているわけですが。

これ、いい加減意地を張るのを止めて他社のように絞り開放の隣に移動してくれませんかね?

◆X100F 私の設定

レビューの中間サマリーとして、私がX100Fで撮影する際の【現時点での】設定をご紹介しておきます。
いちおう「あんまり参考にならないですよ」という事を先に言っておきますね。

・カメラ設定

アスペクト比 3:2
画像サイズ F
プログラムオート
AWB
プログラム測光(マルチ)
ISO Auto(下限200/上限12800 最低シャッター速度1/125)
フィルムシミュレーション:PROVIA(カラー+4)
ストロボ 発光禁止
AF補助光 OFF

・ファンクションボタン設定

Fn1:顔検出設定
FN2:NDフィルター

・MYメニュー

フィルムシミュレーションブラケット設定(のみ)

補足しますと「カメラ設定系」は「あくまでも手振れを嫌った設定」を軸にしています。
135判換算で35mmの単焦点レンズなのに最低でも1/125秒のシャッター速度を確保するのは「やり過ぎじゃね?」と思われるかも知れません。
そうかもしれませんが、高感度域の描写が私的には好感度なので、篤く保険を掛けてます。実際は1/60くらいでも大丈夫な気がしますが、私は自分の手振れ発生力に信頼を置いてますのでもう一段の保険を掛けています。

X100Fの場合、手ぶれ補正機能対策は暗所だけでなく仕様から発生する突発的なモノがあって、その対策のためでもあるんですが、それは後述します。

デフォルトのフィルムシミュレーションがPROVIAなのはいいとして、カラー+4ってのは「やり過ぎじゃね?」と思われるかも知れません。
そうかもしれませんが、この「カラー」調整、+2くらいだと「プラスした感がない」んですよ。微妙にかわるくらい。
VELVIAだと異世界の風景になってしまうので避けたいし、PROVIAも派手だけど、もう少しガツンとした感じが富士っぽい感じがするなあ、と考えてPROVIAに色を乗せて自己満足している感じです。
この辺の調整はいろいろやって見ればいいと思います。
FUJIFILMのカメラを買ったのなら、その特殊な色設定を堪能しないと損じゃないですか。
極端はダメとか言わないでいろいろ遊べばいいと思います。
だってFUJIFILMのフィルムシミュレーションって、そもそもどれも「色はおかしい」んですから。正確な色再現性を求めるなら他社のカメラを買った方が面倒が泣くていいと思います。
色で遊ぶ為、色を楽しむ為のカメラなんですよ、FUJIFILMのカメラって。

デイライトシンクロとかアイキャッチなどで内蔵ストロボを使う事がそれなりにあるんですが、基本的には発行禁止にしています。
X100系がGRなどに比べて使いにくいのはこういう所ですね。
ストロボはポップアップ式に限るんです。
ポップアップ式だとストロボ設定は「強制発光」でオッケーなんです。
ポップアップさせればストロボは発光するし、閉じておけば発行禁止なんですから。
でもXF100の場合は内蔵式なので明示的に「発行禁止」「強制発光」「発光オート」なんかをメニューで設定しなければなりません。


とっさの時でもパッと処理できるポップアップ式に比べて「えーっと」とメニューをほじくるX100F。
スマートじゃないし、エレガントさの欠片もありませんね。
対処としては、ストロボ設定をQメニューの上位に置いて、少しでもアクセスしやすいようにしております。
X100Fはこういう部分がちょくちょくあって、「さっと撮る」に向いてないなあ、と思う事があります。

ファンクションボタンについては、暫定感があります。
通常は顔検出、瞳検出はオフにしておきたいものの、人物を撮る時は便利なので使いたい。なので簡単に呼び出せるボタン割当を行いました。
本当は常時顔検出ONがシームレスで便利だと思うんですが、X100Fの顔検出はオカルト系が大好きのようで「おいおい、なんでそこにAF枠が出るんだ?」ってことが日常茶飯時です。
「膨大なフィルム情報から得た技術は世界一。顔検出は俺に任せろ!」的なドヤ顔をするFUJIFILMですが、個人的にはハリセンものだと感じております。少なくともX100Fでは。

Fn2のNDフィルターですが、シャッターをメカニカル+電子シャッターにしておけば1/32000までの高速シャッターが切れますから実際のところ通常のスナップ系ではあまり出番は無いと思います。なのでそのうち変えちゃう気がする設定ナンバーワンです。
というか、本当ならNDフィルターとかはオート設定ができるようにすべきなんですよね。そうすればわざわざプログラマブルボタンを一つつぶす必要もないし。
こういう点もFUJIFILMの気が利かない点です。ファームウェアレベルで実装出来るんじゃないでしょうか。
他のメーカーはできているんだから準拠?して欲しいところです。

本当はこのFn2ボタンにはデジタルテレコンを割り当てたかったんですが、意外にも選択不可能なんです。
デジタルテレコンの割当ができるのはコントロールリングのみ。
こんな所にもFUJIFILMの「わかってないなあ」感が滲みでてます。
あんな回しにくいリングをいちいち回させるんじゃねーよ。でございますわ、まったく。
こういうタコっぽいインタフェイスは他社をもっと研究して欲しいです。

MYメニューにはあまりゴチャゴチャ入れるのを止めていったん全部削除した上で、しばらく考えてからこのフィルムシミュレーションブラケット一つだけを放り込んでおくことにしました。
設定変更のほとんどはファンクションボタンとQメニューで可能です。
それでは解決出来ないもので、メニューをほじくるのが面倒なモノ、でもけっこう使う機能なんだぜ?
とかんがえるとコレかな、と。

既に書いた通り、だいたいブラケットが3種類だけというケチ臭さが良くないんですよ。
もっといろいろ比較したいじゃないですか。
オリンパスみたいに「全てのアートフィルターをブラケット撮影出来る」ってのがスタンダードでしょう?
要らないモノはユーザーがチェック外すとかでいいんです。

で、ここで設定を呼び出して違うセットを作る、みたいな。
でも、きっと面倒くさくなってきてやらないきがしますが。

そうそう、ブラケットのセットをいくつか作って呼び出せるという仕組みでもいいんですけどね、X-T20は2つあるのでサクっと6枚は撮れるんですが、最低でもあんな感じで。

 

さて、今回はこのへんで。
次回は「ライバル達との宿命の対決」です。

ライバルって?
しかも「達」って?
刮目して待て??

コメント

  1. ひでたけ より:

    フジフイルムってボタンの位置コロコロ変えますよね〜。
    Qボタンとか再生ボタンとか機種によっても世代によってもバラバラなんで、複数機使うときは困りますw
    そしてRAW保存の柔軟性の無さも困りますわ。T10初めて使った時はAUTOレバーは単純にオートになるだけだと思ってら、
    RAWは保存されてなくてショボーンとなりましたw

    次回対決、刮目して待っております(・∀・)