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★【FUJIFILM X100Fと愉快なライバル達】vs. RICOH GRⅡ

カメラ

そもそもGRⅡはX100Fのライバルなのか

確かに共通項は多いんですよね。
・センササイズ(APS-C)
・ボディ一体型(コンパクトカメラ)
・レンズは単焦点(焦点距離は違う)
これだけ同じ土俵に立っているなら当然ライバルでしょう、という感じです。
少なくとも私は。
言い換えるなら、この共通点を比較しても意味はない=比較項目ではないということです。

なので違う点を挙げてみましょう。
・レンズの焦点距離
・レンズの格納方式
・サイズ感(重さも含む)
・ファインダーの有無
つまり両者を比較する上で焦点になるのはこちら側ですね。

例によってグダグダと思いついた事を書き連ねていくわけですが、最初に結論を書いておきましょう。
「カメラを選ぶのではない。レンズを選ぶべし」
もう少し詳しく書くなら「問題は焦点距離」ということですね。

GRⅡとX100Fでは発売時期にかなりの差があります。
一応現行機種ですが、GRⅡはすでに廃番の噂が流れています。それくらい古いモデルです。
2015年7月発売ということは、X100Fよりもざっと1年半ほど前に発売されています。
が。
実はGRⅡは前機種であるGRにWiFiを搭載しただけといっていい超のつくマイナーチェンジモデルです。
つまりGRⅡは基本的に2013年5月発売のカメラだと言い切っても問題はないと考えます。
前モデルからキャリーオーバーしたのはレンズだけといっても過言ではないX100Fとは4年近い差があると考えていいでしょう。

なので直接比較するとGRⅡがかわいそう……とはならないのがこの対決です。
とはいえ、いわゆる画質については今回の対決では言及しません。
なぜなら両機種とも私の要求水準を上回っているからです。つまりどちらの画質にも私は基本的に満足しているのです。それこそ画質の違いは個性の差くらいにしか思えません。
つまり両者は純粋にそれぞれの持つ「機能(個性)」でのみ評価されることになります。
その個性の最たるものがレンズの焦点距離、画角というヤツです。

ここでおさらいしておきましょう。
※ややこしいので、これから記述する焦点距離は全て135判(ライカ版)換算とします(・∀・)

GRⅡ:28mmF2.8
X100F:35mmF2

これだけ見ると「比べんな!」というくらい違いますね。
なんというか「対決、28mmレンズと35mmレンズ。開放値も違います」というナンセンスでバカっぽいタイトルと一緒です。
まあ、私はバカなので敢えて比較しているわけですが。

さてこの両者の焦点距離を「レンズ」と言い換えた上で、もう少し脚色してみましょう。

GRⅡ:明るさをF2.8に押さえ、できるだけコンパクトにまとめた28mmレンズ
X100F:コンパクトさと明るさのバランスを考えて、F2とした35mmレンズ

どうですか?
なんとなく両者の個性が感じられる気がしませんか?
こうなるとアレです。
「うーん。35mmが好きなんだけど、大きなカメラはいやだな」という人や
「28mmが好みだけど明るいレンズじゃなきゃダメだ」と言う人が悩みそうじゃないですか。

本気モードでストイックに撮影に没入したい向きは、GRⅡとX100Fで悩む必要はありません。その場合は性能第一主義で行けばいい。大きくてもいい、明るくて高級なレンズを一眼レフやミルクス=MILCS(Mirrorless Interchangeable Lens Camera System) 系のボディに取り付けて撮影すればいいんです。
GRⅡかX100Fかを考える時は「気軽に持ち出すカメラとしてどちらがいいのか」というシチュエーション縛りがあるのではないでしょうか。
私はそうです。
これが人に依っては「子供と出かけるとき」だったり「犬の散歩の時」だったり「ウインドウショッピングで繁華街に出る時用」だったりと人それぞれだと思いますが、まあ要するに「ライトな」目的じゃないかと思います。
スポーツカーで言うとLOTUSのELISE的なものですね。ランボルギーニのガヤルド的なものではなく。
国産だとマツダのロースター的なものであってホンダのNSX的なものではない、という感じ?

いわゆるズームレンズ付きのカードタイプのポケッタブルなコンパクトカメラやスマートフォンのカメラ機能ではなく、敢えてこの両者を選ぶのですから、それはレベルの高い画質や懐の深い表現力をカメラに求めているわけです。つまりプリウスやアクアを選んでいるのではないわけですね。
だからこそ、悩ましいというか。

ズルズルと脱線しそうなので、少し冷静になってもう少し焦点距離以外の両者の個性を掘り下げてみましょう。

GRⅡ:撮影するまでは存在感がない(存在感を楽しむ事を個性としていない)
X100F:撮影しない時でも存在感がある(見たり触ったりする事自体も個性として売りにしている)

「ちょっとこじつけじゃね?」と思われるかも知れませんが、ここは重要な違いだと私は思うんですよ。
かなり意訳して言い換えるとこういう事も言えます。

GRⅡ:コートや上着のポケットに入る(ジーンズの後ろポケットにも突っ込める)
X100F:ポケットに入れようとは思わない(鞄にしかはいらない)

上記を踏まえてスタイルブック的に記述するとすれば、ポケットインというステルス性を持つ軽やかなGRⅡに対し、ネックストラップで首からぶら下げてカメラをファッションの一部として見せる(見せざるを得ない)X100Fと言ったところでしょうか。

さらにいいましょう。敢えて書きましょう。
カメラを持っている事を意識させないGRⅡ、普通の人から見るとちょっとキモいX100F。
キモくないGRⅡ。
キモいX100F。

かなり簡略化出来ましたね。
まあ、キモい、キモくないは冗談にしても、視覚的な楽しみがあるX100Fに対し、GRⅡは道具感が漂います。
「カッコいいなあ、GRⅡ、いつ見ても惚れ惚れするぜ。はあはあ」的な人も当然いらっしゃるでしょうが、間違いなく少数派です。
あと、「はあはあ」はさすがにちょっとキモイです。

さて、そんなGRⅡとX100Fの二台を通勤鞄に放り込んで、一週間ほど過ごしてみました。
まさにライバル対決ですね。

で、思いました。
X100Fはカメラカメラしていて「さわる楽しみ」があるなあ、と。
でも、GRⅡがあると「撮影」はほとんどしないなあ、と。
そう。実際に何かを撮ろうと思った時、並んでいるこの二台から私はX100Fを取り出す事は皆無に近いのです。
要するにGRⅡがあれば、X100Fはお呼びじゃないということですね。
しつこいようですが「私の場合」です。

理由は冒頭に書いた結論の通りです。
私には35mmって狭すぎるんです。
つまり28mmが広すぎる人はX100Fで決まりでしょう。
理由はほとんどその1点じゃないでしょうか。

物理的な大きさ(小ささ)については「今撮るカメラをこの2つから選ぶ」という選択時にはアドバンテージになりません。撮り終わったらまた鞄に放り込むわけですし。
どちらもシャッターONから撮影できるまでのタイムラグは気にならないレベルですし、レンズ前10cmくらいは同等に寄れます。
GRⅡはマクロボタンを押す必要がありますが、片手で構えて指が届く所でのON/OFFなので手間でもなんでもありません。
デジタルテレコンなどは右手だけでON/OFFができるGRⅡの方が操作が簡便ですし、露出補正やプログラムシフトもパパっと操作できますし、そもそもGRⅡの方が制限がなく使いやすいのです。
使いやすいと言えばデジタル水準器。
GRⅡは設計が古いにもかかわらず上下左右、つまり二軸対応なのに最新のX100Fは未だに一軸しか対応していません。
アニメーション手法で比較するなら、サザエさんとヴァイオレット・エヴァーガーデンほどのクオリティ差があると言わざるを得ません(言い過ぎか?(・∀・))
ただ、AFポイントの変更はフォーカスレバーのあるX100FがGRⅡなど寄せ付けない強さを見せますが。

というわけで、画角の好みがあってX100Fは通勤鞄カメラとしては落第という結論に達しました。

というわけで、今回のまとめ。

「X100Fのレンズが28mmであったなら!」

次回はLEICA Qとの対決……の予定でしたが、考えてみればそちらも28mmと35mmの対決。しかも相手は換算などしなくていい物理的な、まさに本家であるライカ版の28mmですから「相手にもならない」ということで不戦敗は確定しています。
なので次回のこのムリヤリなライバル対決はPanasonicのGX7ということになります。