趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★Xマウントボディの決定版!……なのだろうか?【FUJIFILM X-E3】その3

カメラ

さっそく次にいきましょう。

・チルト液晶がない
いや、これはX-E1からのX-Eラインモデルのユーザーなので痛い程知ってます。というか理解してます。
付き合い始めてしばらく経った時、ガールフレンドから改まった感じで「話があるの」なんて言われて「すわ、別れ話か?」なんて緊張してその場に臨んだら「実は私、女なの」とか超アタリマエの事を言われた、みたいな感じですかね。
いえ、たぶん違いますね。というか、そんな事言われるといろいろと悩みというか疑問が出てきますね。価値観のパラダイムシフトが起きるかもしれません。

この話も面白そうですが、我に返ってX-E3の話をしましょう。
ようするに「ンなこたハナからわかってるってーの」みたいな。
なので(チルト液晶派X-Eラインにこそ)あって欲しいけど、ないのはわかってたことなのでここはマイナス点じゃないという事で(持ち点はあと85点)。

単焦点レンズキットの主な中味

・Fn2ボタンが割愛されている
X-E2とX-E3を並べて、背面にあるボタンを見比べていて発見しました。
これは「え?」的なものではなく「むむ?」的なものでしょうか(ニュアンスをおわかりいただけると幸いです)。
微妙なコストダウン(こだわりのワードですな)だけど、やっぱりないモノはないわけで、新しいカメラを買ったぜ、なんて上がった気分がちょっと下がります。
このFn2ボタンっていうのは後述のマクロボタンやAEボタンと違い、純粋にプログラマブルなボタンです。なのでFn2ボタンのリストラはマイナス以外の何ものでもないと考えます。
よってマイナス10点持ち点はあと75点)。

・十字ボタンがない
男の子の股間には○○がぶら下がっているのがアタリマエなように、ネコにしっぱがあるのがアタリマエのように、デジタル時代のカメラには、もはや「ついているのがアタリマエ」とも言えるもの、それが十字ボタン(あるいは十字キー)。
FUJIFILMはこれをバッサリと削ってきました。
男の子に例えると、これはもう言ってみれば去勢といっていい状況。想像するだけでムズムズしますよね。
でも、私はホンネではそう思ってません。
むしろX-E3は「デジカメの進化の過程における突然変異種」として認定してもいいんじゃないかと思ってます。主にインタフェイス的な意味あいで。
ええ、マジで思ってますよ。
言ってみればこれは「X-E3ミュータント説」ってやつですかね。
後世の歴史家が私の説が正しかった事を証明してくれる事を願っております。
とと。
またまた話が脱線しそうなので戻ります。

X-Pro2が出た直後に、とある場所でFUJIFILMの中の人に「アレ(フォーカスレバー)は素晴らしい。あれがあればもはや(十字ボタンは)不要じゃない?」って言ったんですが、こんなに早くそういうモデルが実現するとは。
本当に驚きました。
もちろん冗談交じりの私の意見が採用されるなんて、すげえぜオレ! なんてことではなくて、X-Pro2にフォーカスレバーを搭載する事を考えた頃から「十字キー廃止案」はあったに違いありません。

とはいえ! マイナス面はちゃんとあります。X-E3の場合は。
だって十字ボタンは何も「方向を決めるだけのボタン」ではありませんから。
現象だけをとらえると「上下左右に散らばっていた4つのボタンが(X-E3では)なくなった」と言い換えるべきかもしれません。
もう少し意味合いを説明しましょう。
「十字ボタン」ってざっくりした言い方で流してますが、実は十字ボタンには機能ボタンが1つ含まれてます。
マクロボタンがそれです。


この機能ボタンはX-E3に改めて設置されていません。つまり十字ボタンがなくなったどさくさに紛れてマクロボタンをこっそりと廃止してしまったというのが「真実」なのです。

そしてついでに書いちゃいますが独立系ボタンであるAEボタンもこっそりなくなっていました。

で。
問題はアレです。
「じゃあ聞くが、十字ボタンとAEボタンとマクロボタンがなくなって、お前はなんか困ることがあるのか?」と問われても答えに窮するに違いないっていう事です。
実の所「個人的には」まったく困らないんですよね、これが。

考えても見て下さいな。
X-E3ってミルクス(MILCS=Mirrorless Interchangeable Lens Camera System)なんですよ? つまりレンズ交換式カメラでも進化した方の種なんです。レンズ側にあるならともかくボディ側に「マクロボタン」って……。
いえ、FUJIFILMがXマウントを立ち上げた頃にはFUJIFILM的には意味のあったボタンなんですよ。
マクロボタンを押してモードを切り替えないと近接域までレンズの繰り出しがおこなわれない仕組みのレンズがあったって話です。
要するに「AFリミッター解除ボタン」ですね。

AFに弱点を抱えていたFUJIFILMが合焦速度を稼ぐ為に講じた苦肉の策です。
でもそれも今は昔。平成もそろそろ終わろうって時代にはいった今、レンズ交換式カメラボディにあるAFリミッター解除ボタンなど、もはや笑い話ですらありません。
変なリミッターなんか使わなくても問題のないAFシステムを手に入れた現在、FUJIFILMにとって「マクロボタン」といおうのはレガシーどころか「恥」の象徴ではなかったでしょうか。おそらく「見たくもないボタン」に違いありません。いわゆる黒歴史ってやつです。
なので黒歴史は削除すべし。
なのでしょう。

次にAEボタンの削除問題ですが、もともとこのボタン、AEモードというか測光方式を変更する画面を直接呼び出すためのボタンでした。


これ、はっきり言ってフィルムカメラ時代を引きずったものだと言っていいと思います。
様々なデータの蓄積や基礎研究が進んだおかげでカメラメーカーとしてはとっくに「いつまでも中央部重点測光とかないわー」ってな感じ、でより賢い測光ロジックであるところのいわゆるプログラム測光推しなわけですが、頭の硬いいわゆるハイアマとかプロの皆さんにはこのプログラム測光はあまり評判がよろしくない。

で、新しいテクノロジーを受け入れられない層は口を揃えて「プログラム測光など使い物にならない」と言うわけです。ご丁寧に「ほら、中央部重点測光の方が露出が正しいだろ?」なんて作例まで出してきて。
そりゃあ100%プログラム測光の方がベターであればいいのでしょうが、完璧なものなどこの世にあるわけがありません。それぞれに得手不得手があるものの、その中でも最新の理論で構築された演算プログラムの測光がもっとも歩留まりがいい、という話をしている、のに「そういう苦手な例」をわざわざ見つけ出して突き付けてるんですからね。
しかしメーカーの技術者はそんな頭が硬いアホのいいなりにはなりませんでした。
「だったらお前らは好きな測光使っとけや。普通の人はプログラム測光が一番失敗がないからそれ使うし」
ってなわけで「測光の切替」はプライオリティの高い作業とされていたのですね。

でも平成も終わろうとしている今日この頃にいたっては、もはやいわゆるプログラム測光をディスる人も少なくなりました。それくらい精度が高い測光方式になっていると思います。
というか、今のカメラって、プログラム測光以外の選択肢は、スポットとか中央部重点じゃなくて、マニュアル測光でいいと思います。
「ちょっとレンズを動かすだけで露出が変わる」
なんて文句を言う人がいますが、
「アタリマエだってーの」
としか言いようがありません。
そんなの中央部重点測光でも一緒、というか補正ロジックの問題でプログラム測光の方が精度が高いはずでしょうに。
そんなトンチンカンなクレームを付けるくらいならアイリスもシャッタースピードも固定しておけばいいだけのはなしなんですから。

個人的にはそもそもこんなボタンを独立させていた事が驚きですが、主たる顧客である老人が「なんでもかんでも機械任せかよ」なんて拒否反応を起こさぬように「ほら、AEボタン、ちゃんとありますからね」なんて感じで搭載していたのでしょうね。ま、意味もちゃんと理解されずにただ使われている流行の言葉を使うなら、FUJIFILMの忖度ってやつでしょうか。

しかし、時代は巡り、X-E3のターゲットユーザーはうるさがたの老人からチャラ男くんへシフトしました。
つまりそんなの(測光モード)イチイチ弄らねーよ、というアタリマエの声に寄り添った、と。
これは個人的にも正解だと思います。AEボタンなどデデーンと設置しておく場所があるならFnボタンを付ける方がいいわけです。AEボタンをいまだに望む人がいても、それを割当てれば済むだけですから、言ってみれAEボタンを廃してFnボタンを新設するのは、両者にとってハッピーな「改善」です。
もっともFUJIFILMはAEボタンを廃ししただけで、その代わりとなるプログラマブルボタンを設置しなかったわけですが。

まあ、そうはいってもAEボタンなんてものがなくなって、ようやくコンテンポラリなミルクスっぽくなったと言うべきでしょう。

なのでコレら(十字ボタンと独立したマクロボタンとAEボタンの廃止)による直接のマイナス点はなしとします(持ち点はあと75点のまま)。

・上部にあったあのマーク
あのマークとはあのマークですよ。
「FUJINON LENS SYSTEM」とかなんとか書かれている、2つのレンズを組み合わせたようなあのロゴマークです。
あれ、正式名称はなんていうんでしょうね。
「FUJINON LENS SYSTEMのロゴマーク」? まあどうでもいいですけど。

で、X-E2にはあったあのマークがX-E3からは削除され、ついにFUJIFILMというロゴだけの寂しい風情になっちゃいました。X-Pro1からX-Pro2になった時にも同じ感慨に耽りましたっけ。

実際問題としてロゴマークには何の機能もないし、当然性能とはまったく関係ないもので、かつ個人的にはX-Pro1を最初に買ったときに「なにこれ? ダサいマークだなあ」なんて思っていました。実際、中の人と話す機会があったときには「このマーク、カッコ悪いしなくした方がすっきりしていいよ。ムダなコストも削減できるでしょうし」なんて言ったことがあるんですが、イザまったくなくなったボディがを見ると……。
「なんか寂しい」
勝手か!(・∀・)
X-Pro2の時もそうだったんですが「すっきりしてイイネ」なんて言っておきながら一抹の寂しさがあるわけですよ。
こうやって実際にX-E2と並べてみると「なんか違う」感が漂って微妙な気分になりませんか?
まあ「来る日が来た」のかもしれませんね。
地味なコストダウン、ご苦労様です。
もっとも、これについてはマイナス点とはなりませんが(持ち点はあと75点)。

・全体的に(佇まいが)安っぽい
FUJINON LENS SYSTEMのロゴマークがなくなったから、ってんじゃないですが、X-E3のボディを箱からとりだして最初に思ったのがこれ。
「安っぽくなったなあ」

X-E2も別に高級っぽくは見えませんでしたが、2つを並べてみるとX-E2の方が1.5倍以上高いカメラに見えます。
まあ、個人の感想です。
あと、シルバーの塗装が安っぽく見えるのかもしれませんね。ブラックだったらここまで安っぽさはなかった「かも」しれませんが、まあなんともいえません。

とはいえ安っぽくなるのはやっぱりいやなので、ここはマイナス5点持ち点はあと70点

続きます。