ファーストインプレッション、その2、です。(初出:2014/10/06)
ちょっとスカしてローマ数字の2を使ってみました。
ローマ数字、実は個人的に大好きなんですが、実用的じゃないってのはマジで思いますよね。アラビア数字の偉大さを改めて感じます。
そもそもローマ数字って4000までしか表現できないんですよね。
マジ?
現代はギガとかテラとかペタとかの時代。アラビア数字なら難なく表せるのにローマ数字は4000までって……。
笑っちゃいますよね。
まあ、古き良き時代の数字って事です。ゼロも無いしね。
ちなみに地味子、XC60ですが、この60をローマ数字で表すと LX です。Lは50、Xは10なので並べて60。Mac OS XのXをエックスではなく「テン」と呼ばせているのはローマ数字だから、というのは……常識ですね、すみません。で、XC60はXCLXみたいに表せます。V40だとVXLですね。ちょっとカッコイイ。
そうそう、これ、BMWとかだとかっこ悪いッスよ。
たとえば320。 CCCXX です。Cは100、Xはさっき書いた通り10ですからこうなります。せめて420とかだったら、CDXXで、ちょっとマシ?
EVOQUEは……数字ないので面白くないッスね。
とまあ、BMWのモデル名はさておき、今回は地味子のエクステリアデザインについて。
「デザインなんて好みさあ」で終わりなんですが、それでも地味子の名誉の為に私は地味子のデザインについて弁護というか擁護というか、実は見てくれに惚れて買いました、という事は書いておきたいと思うわけです。
まずは地味子のプロフィール。
けっこう綺麗だと思いませんか?
一見、何の変哲も無いようなクルマに見えて、こうやって眺めると彫刻的な造形にハッとします。横からだとわかりませんが、地味子、実はコークボトル型の体型で、寸胴のEVOQUEとちがって、ボン・キュッ・ボン型なんですよ。
V70というFF車ベースの派生モデルにしては、特に前のオーバーハングの短さは頑張っていると思います。緊張感があって私はなかなかのディメンションだと思います。
SUVなのである程度のアプローチアングルは稼いでおかないといけないという事情もあるのでしょう、デザイナーは頑張ったな、と。この辺を全然頑張らないのが日本のSUVですよね。
私は最初にこのサイドビューにホレちゃったんですよね。
V40CCは「カッコイイ」でしたが、ショールームの端っこに置かれていた白いCX60を見た私は「綺麗なラインのクルマだなあ」と思ったんです。第一印象で「あ、この子目立たないけどよく見ると綺麗だな」なんて思う、アレです、アレ。
もちろんEVOQUEなんかはもう、合コンにいると全員の注目の的、的な派手なかっこ良さに溢れています。CX60なんて隣に並んでいたら引き立て役でしょう。
でも、地味子だってよく見ると実は綺麗な子なんです。
EVOQUEのような存在感というかオーラというか、ぱっと見のわかりやすい外見があるわけではないので見過ごしがちなキャラなんですけど、その気になってちゃんと眺めると美意識がある人なら「いいカラダしてるじゃん。ゲヘヘ」的な劣情が生まれるはず。
はず。(・ω・)
少なくとも私はそうでした。
XC60なんてこの世にそんなクルマが存在している事すら知りませんでした。未知ですれ違ったりしていたはずなのに、記憶にのこってないんですもんね。
顔、つまりフロントまわりのデザインですが、こんな感じでかなりプレーンですから、引っかかりがないんです。EVOQUEみたいなつけまつげ&マスカラ的なDRLの強い眼力もありません。
銀縁メガネで、白いブラウスに紺のスーツ着て、後ろで髪を纏めてます、的なOLのような佇まいと言いましょうか。
で、そのOLと偶然カフェで相席になったとしましょう。「今時地味な感じだな」なんて思いながらチラチラ観察すると、何の変哲もない無地のスーツは見るからに生地が上等で仕立てもいい。髪はちゃんと手入れされていて毛染め痛みもない艶々した漆黒のロングヘア。ノーメイクと見紛うほど自然な肌、でも血色が良くて唇もいい色をしている。メガネであまり気にしていなかったけど、その向こうにあるのははっきりした目鼻立ちのしっかりとした意志と知性と教養を感じさせる眼差しの強さが印象的で、思わず見とれてしまうじぶんがいた……みたいな?
で、いったん気になっちゃうと、その女の子を自然に目で追う様になってしまうわけですよ。いわばそれが恋の始まりってヤツですね。
いったん惹かれてしまい、観察しているといいところばかりがドンドン見えてくるようになって、そうなるともう「首ったけ」状態になるという流れでしょうか。
そうそう、あまり目立たない地味子なんですが、アフターファイブはちょっと違うんです。
出勤時は綺麗なんですが、前述したような風景に溶け込んでしまうような地味さで目立たないんですが、仕事が終わった後の地味子はちょっと、いや結構変身するんです。
アフターファイブ。すなわちクルマがライトを付け始める時間。地味子もランプを点灯させ、その後ろ姿を見せつけるわけです。
そう、XC60はリアのデザインに個性があります。
新型フィットと揶揄される……逆か。(・ω・) あの縦長を基調としてグッと折り曲げた印象的なコンビネーションランプこそが、地味子のアフターファイブの姿。
これ、結構カッコイイと思いますし、思ってました。
EVOQUEに乗って走っていても、夕方から夜にこのテールランプを見て「VOLVOかあ。あのテールランプはかっこいいなあ」と思っていました。
VOLVOである事だけは認識出来ましたが、それがXC60である事はまったくしりません。何やらVOLVOでもかなりカッコイイテールランプのクルマがある、程度の認識だったんです。
EVOQUEはたぶん、デザイン的にこの点では地味子にかなわないと思います。EVOQUEのあの個性の強いロボ的なリアデザインはかっこいいんですが、アフターファイブでさらに輝く、というタイプではありません。予想通りのテールランプが想像通りに光るだけです。
持っているイルミネーションというアクセサリではXC60がEVOQUEを大きく上回っている、というのがEVOQUEに乗っている頃からの私の感覚だったんです。
なんというかテールランプをちょっぴり自慢したくなるクルマなんです。
テールランプだけでなく、VOLVOという書体のバッジの配置やフレームレスのガラスを貼り付けた小振りにみえるリアゲートの佇まいなども含め、フロントマスクからは想像できないほどリア回りは個性的だと思います。
「VOLVOワールド」を感じるデザイン文法なのでしょうね。
個性という単語を使いましたが、実のところXC60でもっとも個性的なデザインだと思えるのはコレです。
これ。
わかりますか?
わかりませんよね?
私は最初にこれを見た時に「あれえ?」って思ったんですが、どうも言われないと気付かない人が多くて。
でも、私も今まで路上で眺めた事があるであろうXC60のリアを見た時に何も感じませんし気付きませんでしたから、まあ世間的にはそういう事なのでしょう。
ただし、自分の好きな子の事はすぐにわかっちゃうようになるもんです。
「これ」とは、ハイマウントストップランプの事です。
この場所にあるのは珍しいと思うんです。
通常、リアスポイラーの下側でしょ?これ、上方、さらに奥に設置されているんですよね。「超」地味な個性ですが、これはXC60ならではだと思います。
皆さんも今までスルーしていたであろうXC60、その後ろ姿を路上で見かけたら、この個性的なテールランプの位置に注目してやってください。