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★KING JIM PORTABOOK XMC10 今さらながらのインプレッション その3

PC IT系

pomera DM200とPORTABOOK XMC10についてもう少しクドクドと書いてみる(初出:2016/11/24)

さて、pomera DM200とPORTABOOK XMC10について、対決的にはわずか数時間も使わないうちからPORTABOOKの「圧勝」扱いになったわけですが、なんと申しますかそれではさすがにDM200の立場がないんじゃないかという憐憫の情が芽生えてきました。まあ、そういうお情けをかけられる時点でDM200の立ち位置が「負け犬」確定なわけですが、あくまでもこの評価は一個人によるものであって、絶対的な価値観による評価ではないわけです。
というわけで、少し冷静に? なって考えてみました。
なぜKING JIMの中の人は胸を張ってDM200を売り出したのか、を。

●大幅な機能アップはしたものの、それ以上は望めないATOK
→ フル機能のATOK PASSPORTであれば常に最新のVersionが使え、辞書の語彙が増えたりしてもすぐに取りこんで対応可能。複数の端末で使用している場合はそれぞれの端末で使った内容を学習し、クラウドを通じてそれぞれのATOKにフィードバックされ、どこで使おうと常に最新の状態のATOKであるのに対し、DM200では辞書は自分で追加するしか方法はなく、軽微なバグがあったとしても、ヴァージョンアップすら行われず放置される。

●プアな編集能力
→ 標準装備されているエディタソフトの言わずもがなの低機能振り。こちらも世代を重ねるごとに機能アップはしているものの、PCのエディタソフトには遠く及ばない。むしろどんどん離されている。当然ながらこちらに関してもヴァージョンアップして機能が増える事は望めない。

むう。
冷静に考えれば考えるほど「やっぱりダメじゃん」という感想しか出てこないので再度自分に言い聞かせることにしましょう。
「KING JIMにとって私は、決してpomeraの客ではない」のだと。
そして同時に思い出すべきは、ずっと前からKING JIMの中の人が口にしているこの言葉です。
「究極のメモマシン」
たぶんこの言葉にヒントがあるのでしょう。
きっとそうです。

そもそも、誰がいったんでしょう。「執筆マシン」なんて。KING JIMの人が言ったとしたら、それはギルティですが、たぶん舞い上がったライトなユーザーが思わず口走っちゃっただけのような気がします。
つまり「執筆マシン」なんてこっちが勝手に思うから不満だらけの感想しか出てこないんです。それはまさに的外れなスタンスで叫ぶヤジのようなもの。だってDM200は「メモ」の為の端末であって、執筆用に作られたわけではないのだから。
ソフトバンクのペッパー君は、デンジエンドを出せなくて当然なんですよね。
そう。
つまり私はトヨタのアクアを買っておいて、やれロードレーサーが室内に2台積めない役立たずだとか、やれスキーホールがなくてゲレンデエクスプレスたり得ない能なしだとか、メルセデスのEクラスのレザーシートを引き合いにだして、剛性感がないとか座り心地がイマイチだとか座面が短くて長時間運転すると疲れてきてグランドツーリングにまったく向いてないとか、ガスペダルを床まで踏んでるのに加速が遅いだとか、純正オーディオの音質が気に入らないだとか、そんな事ばかり言っているようなものなのです。

ええ、わかってるんです、そんな事。
無いものねだりだという事は。
だがしかし。
物理的な問題としてアクアの室内に大人二人とロードレーサー二台を分解せず載せられはしませんが、ソフトウェアでどうとでもなるpomeraなら、WZ Writing Editer 2と同等の編集機能を持たせる事は可能なはず。
50000万文字なんていう使えない文字制限を外すことはたやすいはず。

ATOKの辞書の補強に関してだけは、PCのATOK辞書のインポートが可能なので、なんとかユーザー側でフォローする事はできますが、毎回毎回辞書をエクスポートして、そのファイルをDM200にコピーして、それをインポートとか、手間も時間もかかりすぎで、ようするに超面倒。
せっかくWiFi機能を搭載したのだから、消化不良で中途半端な機能に留めず、せめて有力なクラウドサービスのファイル同期機能さえ搭載してくれればまだ多少なりとも手間が省けるのですが。
いや、この際そんな機能はなくても、簡易なブラウザだけでもあればオッケーなんですよ。
あと、搭載している辞書。せっかくいい辞書を搭載しているんだから串刺し検索くらいさせてくれればいいんじゃないでしょうか? 宝の持ち腐れとはまさにこの事です。

執筆マシンじゃなくて、メモ機なのだから別にいいじゃないか。徒に多機能を求めてほとんど誰も使わない機能にコストをかけるより、ほとんどの人が恩恵を受ける機能に絞ってブラッシュアップした方がpomeraという製品のコンセプトに沿っている。
そう反論されると確かに私の主張はそこまでです。

1ファイル50000文字はメモとしては充分。いや多すぎて意味がないと考える人の方が多いかもしれません。
ATOKだって今までのままでも目を三角にして文句を言うほどじゃない、なんて思っている人の方が大多数かもしれません。

編集機能にしても、もちろんWordと同じ事ができるとありがたいけど、どうせそんなのムリだし、そもそも下書きのメモだから機能なんてあまりいらないという人の方が多い気もします。

とは言え、マジで無機能なメモパッドと無能なIMEしかない、単なるキーボードと白紙画面のメモマシンだとしたら、5万円はないんじゃないかな、5万円は。
嫌なら買うな、と言われそうですが、それでも言わせていただきます。
「ま。pomeraはメモマシンっスから」といいつつも、さすがにずんべらぼうのメモマシンに5万円という値段を付けるのは気がひけるでしょうし、新機種を出す理由も必要です。最新は最良である必要がありますから。
なので機能をアップさせるわけです。
で、私の様なバカなユーザーが夢見るわけですね。
「今度のpomeraは使えるかもしれない」と。
(意訳:今度こそ、あたらしいpomeraはただのメモ機じゃなくて、執筆マシンになるかもしれない)
が、そのアップ度はやっぱり中途半端だな、と。

DM200をしばらく使ってみて、そしてその後同じKING JIMが別ラインで出しているPORTABOOK XMC10を使ってみて、よくわかったことがあります。
pomeraは、やっぱり多機能だけど、基本的にはメモ機なのだと。
pomeraが私の要求を満たすようになるには100年かかるかもしれません。それはKING JIMもわかっているのでしょう。なので100年も待てない私のようなユーザーの為に、KING JIMはPORTABOOKを用意してくれたのでしょう。「お前らはガタガタ言わず、しばらくは黙ってPCを使っとけ」というのがKING JIMの現時点での回答かと。
まあ、用意してくれたのはいいけど、そのあまりのご無体(高額)ぶりに、(たぶん)ほとんどの高スペック希望者には無視かスルーされてしまったわけですが。
そしてここに来て突如はじまったのがそのスルーされた「執筆用pomera」ことPORTABOOKの(大)暴落。
それは言ってみれば、突如出現した【DM200の半額で買える「ぼくが考えた、最強のpomera」】

長々と書いてきて何が言いたいかというと、こういう事です。
「同士よ、在庫があるうちにPORTABOOKを買え」

同士じゃないけど、VAIO Pの後継機を首を長くして待っていた人にも同じ言葉を贈ろうじゃありませんか。
「繋ぎにぴったり、在庫があるうちにPORTABOOKを買え」