趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★CANNONDALE SYNAPSE Carbon 6 105 vs. ORBEA AVANT OMP 105完成車 Japan Limited

自転車

タイトル長過ぎっすね。(初出:2015/08/04)

カンノンダレの方は全部英数字でクールだけど、オーベーの方はモデル名に日本語とか入っててビミョー。
まあ、自転車なんてそんなもんです。税抜き表記のみだし。

というわけで、びわ湖一周を「すんまへん、3分割で!」走った(そして走る予定)のチーム「ワンサーズ(仮称)」のメンバー同士の愛車を取り替えて10kmくらい走ってみました。
まあ、やりますよね、試し乗り。
クルマなんかもそうですからね。
クルマ好きな友人同士だと当然のようにお披露目会とかやっちゃって
「すんません、ちょっとそのあたり一回りいいッスか?」
というか、「是非乗ってみて」的な感じで。
それが同じような時期に新車購入とかしてたら、それが同じジャンルだったりでしかもクルマ自体が同じクラスだったりしたら、そりゃあ、お互い興味ありますから乗っちゃいますよね?
あ、もちろん保険その他に合致した範囲でね。

というわけでわずか2週間程度のタイムラグで納車された表記の2台。
メーカーは違えど、奇しくも似たような立ち位置のバイクだったこともあって、今回は「ちょっと乗せてね」イベントも楽しみだったわけです。
因みに「チーム1/3」の二人はキャラも顔も全然違いますが、実は自転車的には背格好が酷似しております。
あ、ペダルも昨日時点では(微妙な言い回し(・∀・))二台ともSPDです。
要するに調整なしでお互いにポンっと乗り換えて走れる、的なお気楽さがいいわけです。

で、タイトルの二台、どちらもいわゆるロードレーサーですが、ロードレーサーの中でもジャンル分けをすると、ロングライド向け、コンフォートモデル、とかいうジャンルのバイクです。
素材はどちらもカーボン。
コンポーネントはSHIMANOの105を中心にしており、価格帯もいわゆる中級モデルという立ち位置です。
カタログデータ(フレームの各ディメンション)も似たような感じでして、要するに机上のチェック的には「似たもの同士」の二台でして、要するに「それでも違いはあるのか?」という点が興味の対象でした。

で、結果ですが
「全然別物」
というのが正直な感想です。
初心者に毛が生えた程度のスキルしかない私ですが、それでもまたがった瞬間、走り出す前に「あ、違うわ、これ」と感じるほど、その差は歴然としたものでした。
コレを読んでいる人で両者のどちらかを候補にしている人がどれくらいいるかわかりませんが、まあ、参考までに。

殆ど同じだな、と思っていた両車ですが、実は基本的に大きな違いがありました。
わかりやすいところでは、

1)ハンドル幅
2)ギアレシオ

まあ、フレームのディメンションとはいっさい関係ありません。どちらもパーツを換えればいいだけの話ですが、それでもどちらも完成車なので、パーツにもメーカーの意図というかコンセプトが反映されていると考えていいでしょう。

で、どちらもSYNAPSEの方が「ゆったり」しているんです。
ハンドル幅はSYNAPSEがたぶん42cm。AVANTが40cmで、またがってハンドルに手を置いた瞬間に「ゆったりしている」感が漂うんです。そう、走り出す前に全然違う、と感じた瞬間でした。
ギアレシオもSYNAPSEの方はいわゆるワイドレシオです。フロントはどちらも同じで50×34のコンパクトクランクですが、カセットが違いました。
SYNAPSEのカセットは11-32の11速。対してAVANTは11-28の11速。SYNAPSEの方がローは4枚も歯が多いんです。
なので同じSHIMANO 105のリアディレイラーを使っているのですが、ワイドなギア比を吸収する為、SYNAPSEはGS(テンションプーリーとガイドプーリーの間が広い)タイプを装着していました。

そしてタイヤです。
SYNAPSEはツールなどでももはや最近主流となっている25C。対してAVANTは昔ながらの「ロードといえば23Cっしょ?」な23C。

そりゃもう、これだけパーツが違えば、両車の性格の違いがはっきり出てます。
どちらもロングライド用、コンフォート系と言いつつ、その実は

・SYNAPSE:どちらかというとランドナー指向の快適重視バイク
・AVANT OMP:どちらかというとスポルティフ指向のソリッド派

で、実際に乗りだしてみると、SYNAPSEの乗り心地の良さには驚きました。
固い板に乗っているようだったBROMPTONに比べると、AVANT OMPはずいぶん穏やかな乗り心地だと思っていた私ですが、それはSYNAPSEを知らないから言える台詞でした。
明らかに両車の乗り心地は全然違います。違いがわからない人はちょっとおかしいです。というくらい違います。

後は乗り比べて、自分のバイクに戻った後に実感したのですが、
・直進安定性はAVANTがかなり強い
んです。
ジオメトリには殆ど差がないのですが、これまた私ですらわかるくらいなのでたぶん相当違うのでしょう。

もちろん直進安定性は乗り心地を含めても、フレーム由来の話だけではなくて、ホイールやタイヤなどの性格に依る可能性が高いです。
ホイールはどちらもエントリーグレードで、SYNAPSEはSHIMANO、AVANT OMPはMAVICのもの。タイヤの銘柄も当然違います。モデルによって色々あるのでしょうが、SHIMANOとMAVICと聞くだけで、MAVICの方が固そう、というイメージもあります。まあ、後はスポークも?

ただし、フレームの細部の違いを見るだけでも、AVANTよりSYNAPSEの方が「乗り心地が良さそう」だと予想は出来ますね。
AVANTのフロントフォークなんか、超太いんですよ。エンドまで。
なんというか、大根足? 小股なんて全然切れ上がってません。
カモシカとかじゃなくて、ネコ科の大型猛獣の前足的に太いんです。
ネコ科というとしなやかなイメージですが、もちろん自転車ですからただ固いだけかな、と。
これはディスクブレーキ対応でムダに強化されているせいなのでしょうね。性格上仕方ないネガといったところ。

他にはパーツの個体差みたいなものも感じました。
特にリア・ディレイラーなのですが、どちらも105(SYNAPSEはGSタイプ)なのに、AVANTの105はどうにもスムーズさに欠けるんです。調整はしているつもりなのですが、エレガントに決まって、「これなら別にアルテグラとかデュラエースとか要らないよね」みたいな感じで剛性感も伴ってきちんと仕事をこなしてくれるSYNAPSEの105GSに比べ、我がAVANTの105(ノーマル)は「おらよっ!」「ヨッコイショ」的なガリガリ感というか反応が悪いというか「たたき壊すぜお前!」的な引っかかりがあるんです。

まあ、ココについてはシロウトがヘタに調整するより、新車ですから一度ショップに見てもらおうと思います。因みにワイヤー類は納車時に「伸びとり」作業をしてもらっているのでいまだに伸びた感覚はありません。というか、さすがにベテラン? サイクリストなのでその辺はチェック済みです。
なので別の要因でしょうねえ。

という事で、SYNAPSE様に乗ったおかげで、今後のチューンナップの方向性が見えてきました。

★STEP 1
1)タイヤを履き替える際、次は25Cに換えてみる(AVANTのフレームは28CまでOK)
2)リア・ディレイラーが調整後も「こんなもんです」という事なら、上位機種に換えてみる

★STEP 2
1)カセットをワイドレシオの物に換える(登りでの保険を少しでも稼ぎたいから)
2)当然、いわゆるGSタイプのリア・ディレイラーに換える

★STEP 3
1)いっそコンフォート系のホイールセットに換える

まあ、手間がないのは
1)ホイールセットを換える
2)ついでにワイドレシオのカセットを着ける
3)そのタイミングでリアディレイラー交換
4)当然、タイヤを25Cに
という一連のものを一気にやっちゃう事でしょうけど、どちらにしろもう少し走り込んでから、ですね。
タイミングとしては、今のタイヤを交換する辺りで再考してみましょう。
それまでは「素」をちゃんと味わっておかないとね。もったいないし。