キーです。(初出:2014/11/19)
日本語で言うと、鍵。
フランス語だと、クレ。
ちなみにフランス語をしゃべれなくてもフランスのホテルなら大丈夫。という有名な都市伝説がありますが、これは伝説じゃなくて本当にOKです。
部屋の中に鍵をおいたまま外に出て、オートロックで閉め出されてもフロントのブロンドのお姉さんにこう言えば通じます。
「鍵、くれ」
なんということでしょうか。
フランス語では鍵は「クレ(clef←fは発音しない)」。なのでブロンドのお姉さんは平たい顔族の言っている事がわかるわけです。
「ああ、このサル顔の田舎もん、オートロック知らずに鍵を閉じ込めたんだな」と。
私などはオートロック恐怖症なので常に鍵を身につけてますから閉じ込めとかしたことないですよ?(・∀・)
そういうわけで、XC60のキーのお話。
最近はみんなこういう感じのキーですよね。
私はキーシリンダーにキーブレードを差し込んで、それを捻ってエンジンをかける、という仕組みのクルマにに長らく乗っていましたので、EVOQUEで手にした初めてのスマートキーが嬉しくて嬉しくて。(・∀・)
そしてその便利さにあっと言う間にどっぷりつかってしまい、もうスマートキーのないクルマを運転できないカラダになってしまいました。ような気がします。
というか、キーブレードをシリンダーに刺してエンジンかけるとかもはやあり得ません。それって自動車なの? なんて言ってしまいそうです。
と・は・い・え。
実の所まだまだキーブレードのお世話になるシーンはあります。
いえ、人によっては全く無い場合もありますが、それは
1)イザと言う時
2)ある機能を使う時
というキーブレードが活躍するシーンに遭遇しない、あるいは想定しない人に限ります。
言い換えると
1)いざという時
これはトラブルに遭ったことがない人が前提です。
思えば私もEVOQUEの納車説明時に、キーブレードの位置をレクチャーしてもらった時に(と言うか、既に知ってましたが)こう言った記憶があります。
「まず使いませんよね」
営業氏もにこやかにうなずいていらっしゃった事を記憶しております。
「ええ、まず使いませんね」
だがしかし、まさかキーを割って、中に納められているキーブレードを取り出す行為を頻繁に行う羽目になろうとは……。
そうなんです。
EVOQUEのキーはデルリン、というか「ぷらっちっく」ボディとステンレスのフタ? で出来ていますが、そのステンレスのフタをズラすとプラの本体から外れて、そこにキーブレードが安置されている、という仕組みになっています。ちなみにキーブレードもステンレスです(たぶん)。
私はそのEVOQUEのキーを「Morning CHRISTINAトライアングル」と呼ばれる、私を含めて3名のEVOQUEオーナーとお揃いのキーケースに入れて使用しておりました。
ちなみにMorning CHRISTINAというのはEVOQUEをリバプールから日本まで運んできた輸送船の名前で、トライアングルな三人は同じ船でやってきた者同士、という意味です。決して三角関係ではございませんぞ。念のため。
要するに「イザ」というときにボディスーツばりにピッタピタのケースからキーを取り出し、それをかち割って細いブレードをつまんで取り出す、という、要するに「イラっ」とする作業を行う必要があるのです。
イザって時は私の場合、だいたいすでに「イラっ」としている状況ですから、そこにさらに苛立ちが加わるわけです。そう。簡単に想像できると思いますが、キーをかち割る時にはもはや「出来上がっている」状態と言っていいでしょう。
「アベノミクスの失敗も、カラスが黒いのもみんなランドローバー・ディーラーのせいだ。異論は認めない」などという図式が出来上がっているわけです。いや、出来上がってしまうワケなのです。
そしてやってきたXC60のキー。
最初に手にした時の感想はこうです。
「これってホンモノっすか?」
EVOQUEのキーはステンレスのパーツ含有量が豊富だったこともあって、持った時にずっしりとした重みがありました。
納車時に受け取った時に感じたその重みはEVOQUEの高級感を演出する名脇役でもありました。
が、しかし。
EVOQUEと同じ値段、そして車重はより重いXC60のキーはどうでしょう。
「これ、中身、入ってんの?」
みたいな?
そう、スッカスカに軽いんです。
実測してませんが、EVOQUEのキーの半分の重さもありません。
まあ、じっくり見ると軽いのはわかります。
ご覧の通りボディは全部「ぷらっちっく」で、EVOQUEのようなステンレスカバーはありません。そしてEVOQUEのソレと違って、一部が露出しているキーブレードは、なんと「アルミ」なんです。
そりゃ軽いわ、という感じでしょうか。
オーナーとしては、そこまでしてキーを軽くする努力をするより、クルマ自体のボディを軽くする努力をしてくれた方が嬉しいわけですが。
キーはなんというか、それなりの重さがあった方がポケットに入れていても安心感があるというか、VOLVOのキーは「あれ? 持ってなかったっけ?」的な、なんともうしますか「存在の耐えられない重さ」的軽さ?
要するに安っぽいとまではいいませんが、高級感ナッシングです。
EVOQUEのキーが「なくしたら一個3万円ですからね」と言われたら納得しますが、VOLVOのキーは3000円くらいの感覚です、ハイ。
キーの値段というか見た目の高級感のあるなしの話はまあ、今回の本題ではありません。
前振りが向かう先、つまり今回の「キーワード」は「キーブレード」です。
ご覧のように完全格納型のLAND ROVERものと違い、VOLVOのそれは言わば「半格納型」です。というか私に言わせれば露出型ですが。
この点についても、初見では「この辺がダサいところだよね」と思っていましたが、「イラっ」としているときはこの方が「イラっ」としないんじゃないかと思い至りました。
そうなんです。
キーブレードを取り出しやすいんですよ。レバー引くだけですからね。もっともそのレバーが小さすぎて、イラットする可能性は大ですが、普通の人ならサクっと取り出せるはずです。元に戻すのなんて差し込むだけですからね。
もっとも「いざという時」がそうそうあっても困ります。なので「引き出しやすい=しょっちゅうトラブルがある」なんて穿った考えを抱くところですが、もちろんその為に引きずり出しやすいロジックにしているわけではありません。
私の場合は日常的にそういう事はほとんどありませんが、それでも年に数回はこのロジックの恩恵に浴する可能性があるんです。
それは「キーを預ける方式の宿(もしくはそういう施設)を使う場合」です。
その場合、こうします。
1)キーブレードをサクっと外し、それを使ってグローブボックスをロック。
2)ブレードは手元に残し、本体のみを預ける。
グローブボックスをロックすると、VOLVOの場合は同時にトランク(リアハッチ)がロックされ、外から開かない状態になります。
これで多少は安心ってもんです。
VOLVOの場合、強制的に? グローブボックスにETCのカードリーダを設置されますのでカードを抜き忘れても多少は安心ですし、そもそもグローブボックス内とかあまり人に見られたくないじゃないスか。
そう言うわけで、VOLVOのキー、高級感はないけどちょっと便利だな、と思ったというお話でございました。
メルセデスの上位車種みたいに別ブレードを用意しているよりこっちの方が単純でわかりやすいっすよね。
ちなみにEVOQUEのキーにはなかったスマートキー的機能がVOLVOのキーにはありまして……
Informationボタンというのがあるんですよ。「i」のボタンッスね。
これを押すとクルマのロック状態がわかります。
ロックしたかどうかを確認できる機能です。
「あ、クルマロックしてたっけ?」
と思ってもクルマまで戻る必要はありません。iボタンを押せば現在ロックされているかどうかがインジケータランプでわかります。
当然ながら駅の駐車場に入れたクルマのロックについて、電車にのってしばらくしてから気付いても確認はムリですが近くだったら便利ですよ、というもの。
自宅車庫みたいな方もどうでもいいとお考えかもしれませんが、ショッピングモールの駐車場で、とか「合って良かった」と思う時があるんじゃないかと。
まあ、基本的に
1)ドアノブのロックボタンを押す
2)連動して点滅するウィンカーと折りたたまれるドアミラーを目視してロックを確認
という手順が身についている私の場合、いちいち確認するなんて事はまずないと思いますが、それでもあると便利だと思います。
ちなみに写真の上の方に写っているカメラですが、EVOQUEを写す時によく使っておりましたので、XC60用には別のカメラを用意したこともあり、そろそろ売り飛ばそうと思っております。