趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★パリ・ブレスト・パリへの道 その4

自転車

「その3」で一応完結済みだったのですが、愛車が納車されたので、気分が上がってもう1エントリーです。(初出:2015/07/15)

土曜日、会社帰りに我慢できずに? 受け取りに行ってきました。
本当は台風の問題もあって確実な日曜日を予定したのですが。

購入したのは、ORBEAのAVANT OMP(オルベア アヴァン オーエムピー)のシマノ105コンポを使った完成車、つまり「レディメード」「吊し」モデルです。

ORBEAのイメージカラー、オレンジを使ったカラーリングに一目惚れのJapan Limited Editionでございます。

前回、決め手になったのがこのカラーリングと「機能性」と書きましたが、実はこのORBEA AVANTはそんじょそこらのロードレーサーとはひと味違うんですよ。
その「ひと味」が決め手だったと言っても過言ではありません。

その機能とは?

★ディスクロードにもなる

これです。
ロードレーサーの事をあまりご存じない方に説明しますと、現状、ロードレーサーはリムブレーキが主流なんです。
MTBなどではとっくに標準化されているディスクブレーキですが、ロードレーサーの場合、レースで禁止されていたので普及していないのです。
あるにはありますし、ロードレースのルールを勝手に改編しまくるUCIが認めてないだけだったのですが、ついにそのUCIも折れて、数年後にはツール・ド・フランスでもディスクブレーキロードが主流になる可能性が出てきました。
まあ、雨が降ったり、山岳コースだったりするとディスクロードに乗るのではないかと思います。
なぜなら
「ディスクブレーキの方がそりゃもう圧倒的に安定して利きがいいから」
です。
圧倒的、なんて書くとリムブレーキ派からクレームが来そうですが、どう考えてもブレーキ機構としてはディスクブレーキの方が圧倒的に優れていますので議論すら私はいたしません。
「そうですか、良かったですね」
と言ってスルーするのみです。
もちろん、じゃあディスクロードが最高か、というとそうではなくて、ディスクブレーキにする事により、フレーム自体(というかステーやフォーク)に相当以上の強度が求められる事になり、要するに重くなります。またディスクとキャリパーを足すとサイドプル、中でもダイレクトマウントのサイドプルなどよりかなり重くなるでしょう。
何よりディスクがホイール側に付くことにより、ホイールの扱いに異様に気を遣う必要が出てきます。薄いディスクをぶつけたりしたら台無しですし、そもそもディスクのユニフォーミティを維持する為にものすごい取り付け精度が求められることになるでしょう。だって、そうしないと引きずりますからね。

まあ、そういうネガを論っても尚、ブレーキ本来の性能ではアドバンテージがあるのですから、普及は時間の問題ではないかと考えています。

翻って私の目標はPBP、つまりパリ・ブレスト・パリです。
このイベントを全く知らない人の為に簡単に説明すると、
「パリ〜ブレスト間の往復1200kmを90時間以内に完走する」といういちょっと頭がおかしいイベントです。

まあ、要するに夜でも雨でも走らないといけない、というもの。
PBPを含むこの手のライドはレースではありません。ラリーに近いかも知れませんが、順位はつかないのでそれもちょっと違います。
単純に時間内に名知りきれるかどうか、です。○か×。デジタルです。中間はありません。
こういうイベントを「ブルベ」と言って、日本では最低200kmから最長1200kmまでのブルベがあり、結構頻繁に日本全国で密かに行われているのです。
もっとも夏場はオフで、春・秋、そして一部冬がシーズンです。

何が言いたいかというと、私はこのブルベに参加するためにロードレーサーをチョイスしたのです。
つまり、ブルベ仕様のロードレーサーが当座の理想のバイクなのです。
なのでバイク選びの時に真っ先に考えたのは、
「ディスクロードにしよう」
というものでした。
ディスクの何がいいって、雨の日の安定感が違います。
サイドプルなどのリムブレーキって、雨の日はあっと言う間にシューがすり減る……というセコイ話も避けては通れませんが、そもそも利きが異様に低下します。これは高校時代に経験しているので確かです。今だって変わるわけありません。
ついで、コントロール性です。
これはサイドプルなどのリムブレーキでも、高級品であれば結構コントローラぶるになっていますが、それでもまだディスクにはかなわないでしょう。
さらにディスクには「油圧」という飛び道具があります。
なんで油圧がいいかというと、「ブレーキレバーを握るのに、力はいらない」からです。

長い下りを想像して下さい。
ドロップハンドルの場合、強いブレーキをかける為にはハンドルの下を握り、ちゃんとブレーキレバーを握り混む必要があります。
上側のブレーキレバーのブラケットを握りながら指で上から押すようなブレーキではちゃんと力が入らず、時速40kmとか50kmとか平気で出てしまう自転車を止める事はできません。
また、長い下りではブレーキを握り締めている時間が長くなりがちで、つまりは握力の限界がやってくるのが早いのです。

極論かもしれませんが、油圧ブレーキであれば、ブラケット部分を握っていても最大のブレーキをかけられます。
これはどういう事かというと、ロングライドにおいて疲労が少なくて済むブレーキだという事なのです。
ディスクブレーキは、まさにブルベ向きと言えるでしょう。

なので、ディスクブレーキがついたロードレーサーを、と思っていたのですが、これがUCIのアホ共……ごほんごほん……のせいでまだまだ少数なんです。
たまに見つけたと思ったらクロスバイクだったり、エントリー過ぎるフレームのバイクだったり、予算オーバーだったりして、選択肢は限られているんです。

そんなこんなで「取りあえずディスクブレーキにこだわらずに普通のサイドプルで選ぼう」と妥協してバイク選びをしていたのでした。

そこでショップのお兄ちゃんのオススメ、というコレの蘊蓄を聞いていると……
「ディスクブレーキにしようと思っても、これだと簡単です」
なんですと!?

カタログを見ると、このAVAN OMP、そもそもディスクロードとして売っているっぽいんです、海外では!
日本でももちろんディスクモデルも出ていました。全くノーマークなメーカーだったのでチェックできていなかったのです。
というか、予算を10万円オーバーしていました。(・∀・)

具体的にはディスクブレーキの台座が直付けされており、それ用のケーブルをフレームないに通す為の穴も空いています(もちろんリムブレーキモデルではオーナメントで塞いでますが)。


◆フロントフォークの左側にあるディスクブレーキ取り付け台座


◆左チェーンステー後部にあるディスクブレーキ取り付け台座。ハブに巻き付いてる黒い物体はサイクルコンピューター用のスピードセンサー

で、少し安いモデルとして、同じフレームを使ってサイドプル、つまり普通のリムブレーキタイプを用意してくれていたのです。
こちらも充分予算オーバーだったのですが、在庫セールということで望外の値段に。(・∀・)

だったらもう、これは運命だな、と。
そういう事で選んだのでした。

こういうのは出会いですよね。うん。
で、カタログで見ただけで決めてしまったので実際に乗ったときのフィーリングなどは未知。
つまり納車後、ショップから家までの焼く10kmの道程が、私とAVANとのお見合いのようなものだったのですが……。

結果として、相性はバッチリでした。
なんというか、しっくりくるというか、軽いというか、羽が生えたかのように走ってくれるというか。まあ、15kg以上あるMTBのY3との比較なので余計に沿う感じるのでしょうけど……。

まあ、ある程度以上のロードレーサーだったらみんなそうなのでしょうが、このAVANはブルベなどのロングライド用にカリカリのスピード上等タイプじゃなくて、いわゆるコンフォート向けにマイルドな感じになっているモデルなのですが、それが(やっぱり)よかったのでしょう。
クルマで例えるなら、サーキット仕様のレーシングカーではなく、ロードカーだということです。

まず、想像していたよりも乗り心地がいいです。もっとガンガン硬いかと思ってました。まあ、フルサス付きで太いタイヤのY3と比べちゃうと相当に硬いんですけど、でもレーシングカーじゃないですからね。常識的な硬さです。
ポジションは、ショップで調整した状態ではまだ実際は合ってませんでした。主にシートが低すぎる感じ。でもシートポストを後5cmくらい伸ばすだけで私にピッタリ来そうです。


◆走り出す前に取りあえず取り付けたサイクルコンピューターとヘッドランプ。私は安全の為に昼間でもヘッドランプを点灯して乗ります。

いやあ、リビングに飾って、ツマミにしながらビールを飲みましたよ。
至高のひとときとはこの事でしょうね。


◆ORBEA AVANTのチャームポイントの一つ。本来ここに在るはずのリアブレーキはここにはなくて、スッキリしてるんですよね。(・∀・)


◆リアブレーキはここ。BBの下です。

残念ながら私は大金持ちでもなく、ましてや一戸建てでなくマンション住まいなので、リビングのガラスドアの向こう側にガレージが見えるなんていう住まいではないわけです。
でも、クルマじゃなくて自転車ならこうしてリビングで寛ぎながら、愛車を眺めつつ一杯、なんてことが簡単にできちゃうわけで、まさに庶民向きの趣味といえるでしょう。

いやあ、自転車買ったら周辺機器がまた面白くて面白くて、ネットで物色三昧でございますよ。(・∀・)

さあ、PBP用の道具は手に入れた。
後は走るだけ……ですな。
まあ、200kmブルベすら完走不可能な現状ですから、まずは100km走れる体力作りからでしょうか。
いや、根性づくりの方が大事かも。