趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★MAVIC Ksyrium Elite UST(2017)/YKSION Pro UST 25c 世界で最もいい加減なインプレッション 前編「走り出すまで」

自転車

まずは、数値的な部分から。(初出:2017/08)

Fulcrum Racing ZERO Carbon Clincher/Continental Grand Prix4000 SⅡ 25c/Panaracer R’Air(長いので、以降は「旧セット」と表記します)
という組み合わせのホイールセットからの交換です。
フィーリングの違い云々の前に、もう少し冷徹なもの、つまり物理的な変化、つまり重さの違いがもっともわかりやすいと思いますので、まずはその差を。

◆旧セット:合計1963g(前893+後ろ1070)

◆MAVIC Ksyrium Elite UST/YKSION Pro UST 25c:合計2077g(920+1157)

カタログデータを見ればわかる通り、ホイール交換すると重量が増す事はわかっていました。
でも予想より差が大きくなりました。
カタログデータとしては、ホイール前後セット1490g。タイヤは(チューブレスにしては)けっこう軽くて2本セットで520g。
なので合計2010g。
旧セットと比較しても大した重量増にはならないと高をくくっていたのです。
なのに実際は計算より67gも重い。

敗因はカタログデータがデタラメ……
じゃなくてフランス人はやっぱりウソつきばっかり……

じゃなくて所詮MAVIC商法……
でもなくて、個体差。
そう、MAVIC製品は個体差が大きいのでしょう。
ただ、今まで買ったカンパニョーロのZONDAや旧セット、シマノのDuraAceホイール、WH-9000-C24-CLなどがほぼカタログデータ通り、いやたいがいカタログデータよりも軽い数値を叩き出し? ていたので、正直に申し上げて個体差とはいえここまで重いとは予想だにしておりませんでした。なのでこの冷徹な数値には叩きのめされて……まではいませんが、けっこうガッカリしております。

しかし、ここでハタと思い至りました。
「ひょっとしてチューブレスシステムって、ホイールとタイヤ、どっちのカタログデータにもバルブが含まれてないんじゃ?」
わざわざ取り外してバルブの単体重量など量っておりませんでしたが、一つ30gだとすると2010+60=2070gということになって、何となく納得がいく数値になります。

まあ、どちらにしろ結果としては旧セットより100g以上、正確には114gも重いことが判明しました。
ただし、この比較は実はフェアではありません。
なぜなら旧セットのタイヤは大した距離ではありませんが、それでもライドに使用した中古だからです。
つまりゴムがチビってて、言い方を変えるとすり減っていて、その分が多少なりとも軽くなっていると思われます。もっともContinentalのGrand Prix4000SⅡというタイヤ、相当減りが遅いきはしますが……。

ともかく100gを優に越える114gが暫定的に重量増になる事がひとまず確定しました。
暫定的、といういい方にはもちろん意味があります。
実は重量増はこれだけではないんです。結局最悪の? シナリオを選ぶはめになり、結局ホイールセットの重量はさらに増える事になったのです。
その点でも大いにガッカリしているのですが、その辺の事情はまた後ほど説明します。

さて、話を少し前に戻します。
私がチューブレスタイヤを使うと決めた時の話。

具体的にはその時考えた選定条件の話です。
あまり細かい事を言っても仕方がないので、条件は3つに絞りました。

1)アルミホイールである事(貧乏性なのでCarbonリムをキャリパーブレーキで運用するなんて畏れ多いから)
2)CampagnoloのZONDAよりは軽い事(さすがにね)
3)セットで税込み10万円以下である事(だって庶民だもの)

私がチューブレスタイヤを使おうと思ったのは、MAVICがUSTの日本発売を発表したというニュースを見たからです。
ホイールとタイヤがセットになっているMAVIC(抱き合わせ商法とか悪口を言われるけど私はアリだと思っている)が満を持して「簡単でっせ」と発売したものなので「だったら今までのような苦労はしなくて済むにちがいない」と妄想したのが直接のきっかけです。
ちなみに「今までのような苦労」とは何かというと、
・タイヤを填めにくい
・タイヤを外しにくい
・チューブがないのでタイヤとリムの相性などもあり、空気漏れが多い
・空気を入れにくい(ビードがなかなか上がらない)
などです。

だからといって盲目的にMAVICを買う私ではありません。
それなりに「現時点でのチューブレス事情」とやらをいろいろ調べました。
その上で私が探した範囲で上記の3つ全てを満たすものはKsyrium Elite USTしかなかったというオチです。

件のMAVICによると、「我が社のUSTはそれら『今までの苦労』を全て払拭した」と言い切ってます。
商用サイトによるMAVIC USTの「ウソかマコトか試してみた」的な紹介記事を読んでみても、まさに同じ事がなぞられていて、本当に簡単になったようです。もちろん商用サイトの記事なんて提灯ぶら下げている事前提で読まないといけませんが、それでもさすがに「カラスは白かった」とは書かないでしょうしね。

実はこのMAVICのUST発表記事を読むまでは、ぼんやりとですがチューブレス導入は来シーズンの2018年春からかな、と考えておりました。一応ホイールとタイヤにもアタリはつけておりました。

「来シーズンはBontragerのParadigm Elite TLRとIRCのスタンダードタイプのチューブレスタイヤの組み合わせでチューブレス化してスタートしようかな」
みたいな。
※ちなみに同じElite同士ですが、重量はParadigm の方ががKsyriumより26g軽いのです(カタログデータでは)。

こんな感じで具体的な製品まで決めていて「ぼんやり」もないわけですが、実際にチューブレスホイールを買う時までには市場に変化があって、別の選択肢が出現するかも? 程度の事は考えておりました。
で、その通り別の選択肢が出現しちゃったわけですね、MAVICのUSTが。
しかもその内容は、思っていたよりインパクトがあった、と。
何しろMAVICのUST発売は、私の行動を一気に半年以上前倒しにさせたわけですから。

ご存じの方はご存じのように、クリンチャー用ホイールの多くは、チューブレス対応と謳っていなくても実際にはチューブレスタイヤを使えるものが多いようです。
ただし対応を謳っていないわけですから、「付けてみたらついちゃった」的なものなので、いわゆる一つの「ユーザーの自己責任」モノではありますが。

※※ちなみに構造的にはチューブレスもチューブがいるものもどちらも「クリンチャー」なので、正確には「withチューブタイプ」もしくは「チューブド」のクリンチャータイヤとチューブlessタイプのクリンチャータイヤとか書くべきなのでしょうが、そうすると読む方もややこしいでしょうし書く方はかなりめんどくさいので、ここからは単に「クリンチャー」と表記していれば「withチューブ」、「チューブド」タイプの事、というローカルルールを発動したいと思います※※

「使えちゃう」という視点で見ると、実はMAVICの既存ホイールの多くが既にチューブレスタイヤを装着出来ているようなのです。ですが私は敢えてそれらを無視しておりましたし、今も、そして今後もそういう使い方を受け入れる事はないと思います。
理由は「だってそれはチューブレス用のホイールではないから」です。

実際にチューブレスタイヤを付けられて、チューブレスで使えているのなら実質的にOKな物件でしょ?
そう言われれば確かにその通り。
なのですが、いろいろと調べれば調べるほど、私はそれら「メーカーが対応を謳っていないホイール」をチューブレス化する人の気が知れないと思うようになりました。
理由は私がかなりの安全マージン好きで、かつ相当にチキンな性格だからです。

たぶん、実際問題として普通に使えるのでしょう。ユーザー自身がそう書いてあるブログがけっこうありますから。そして私が杞憂しているようなクリティカルな問題が起こる事などはきわめてマレなのでしょう。
いや、クリティカルな事態に陥った人はブログなんて書けなくなってしまうので、顕在化していないだけかもしれませんね。
どちらにしろ私はリスクを増やすという選択肢を採る気持ちちちが理解できない人間なのです。

では、私の言うクリティカルな問題、つまりそのリスクとは何か?
それはチューブレス対応ホイールと普通のクリンチャーホイールの構造(設計、デザインと言ってもいいでしょう)が違うから。
具体的にはチューブレス対応を謳っているリムには「ハンプ」と呼ばれるビートが落ちない(落ちにくい)「ビードストッパー」的な突起が設けられているのです。そうでない普通のクリンチャーにはそのストッパーがない。ビードが落ちやすい、外れやすい、という事になります。
つまりチューブレス用としての安全が担保されていない構造のホイールだということなのです。

言い換えるなら、チューブレス対応を謳ったホイールは、構造がクリンチャーとは違って、チューブレスタイヤを使う事に対する安全が担保されているから、です。
ちっとも具体的ではありませんね。(´д`)

例を挙げましょう。
峠を越え、ダウンヒルで高速走行を楽しんでいる時です。何らかの原因で突然タイヤがパンクしちゃったとしましょう。
チューブレス用を謳っているホイールならば、縦方向にいくら力がかかろうとハンプがあるのでビードはそこで引っかかり、タイヤがホイールから外れる事はありません。
一方普通のクリンチャー用ホイールに「使えるから」という理由でただ填めたタイヤは、ハンプというストッパーがないわけですから縦方向の力でも簡単にビードが落ち、リムからタイヤが外れ、それがフレームとの間に挟まって強制的な制動がかかり、結果としてライダーは高速なまま放り出されることになり、大惨事になる可能性があるからです。
もちろんハンプがあるチューブレス用ホイールからは絶対タイヤは外れないのか? と問われても「絶対ありません」なんて言い切れないでしょう。
同様にチューブレス用ではないホイールだと「絶対タイヤは外れてしまうのか?」という問いにも「必ず外れる」なんて言えません。
これはそういう話ではなく、「外れないように考えられているもの」と「そもそも(チューブレスタイヤをチューブなしで填める事を)想定していない」ものとでは、どちらが安全性が高いかわからないのですか? という話なのです。

私は基本的にはかなりのOptimistだと思いますが、この命が関わってくるアイテムやデバイスに関しては人一倍慎重派なんです。だから「問題なく普通に使えるから」と言われても構造を知れば知るほど「問題がないなんてよく言えるな」と思ってしまうのです。
なのでクリンチャー専用ホイールにチューブレスタイヤを履かせて喜んでいる人が「問題無し」「普通に使える」なんてネットに書き込んでいる記事を読むと「コイツ、アタマがおかしいんじゃないのかな」と思ってビビってしまうのですよ。
チキンな私はとてもではありませんが、そんな冒険はできません。
ましてや我が家の場合、私の分だけでなく、同居人の機材管理も私が責任を負ってやってますから、イリーガルというかイレギュラーな事は全て避けて通るのがセオリーというものでしょう。

さて、脱線しちゃいましたのでそろそろ本題に戻りましょう。
ああでも、ついでだからここで私がなぜチューブレスタイヤに変えたいと思った(ずっと思っていた)かについても少し言及しておきます。
ポイントってやつですね。

もちろん理由はクリンチャーよりもチューブレスタイヤの方にメリットがあると思ったからです。
世間的に、クリンチャーとチューブレスの違いとしては次のようなメリットが挙げられています。
・乗り心地がいい
・転がり抵抗が少ない
・パンク耐性が高い(いろいろな意味で)
もちろんどれも魅力的な項目です。
でもこれらは「傾向」であって「チューブレスタイヤにすると全部この通りになる」と言うことではありません。
クリンチャーでもタイヤとチューブの組み合わせによってはチューブレスより乗り心地がいいいものはあるようですし、数値化できる転がり抵抗についても探せばデータとしてのエビデンスがあります。
パンク耐性については構造的にチューブレスタイヤの場合、いわゆる「リム打ちパンク」がない、という点を除くと遭遇機会は同じくらいと分析できます。
まあ、リム打ちパンクの心配が皆無という点だけでも素晴らしいとは思いますし、それだけとっても相当なメリットである事は間違いありません。
でも、それだけではちょっと弱い。
少なくとも私のように毎回走り出す前にエアを充填するようなタイプのユーザーはリム打ちパンクとは基本的に無縁なのですから。

じゃあいったい私はチューブレスタイヤのいったい何に魅力を感じたのかというと……それは「安全性」です。
パンク遭遇機会が少ないということではなく、パンクした後の安全性に魅力を感じていたのです。
そもそもこれはパンク耐性の一部に入れ込むべきなのでしょうが、構造的にチューブレスタイヤは「クリンチャーと違って、パンクしても一気に空気が抜けない」のです。
もちろんここでも「絶対」はありません。でも、相対的には抜けにくいのは事実でしょう。
だって考えてみて下さい。
密閉をチューブだけに頼っているクリンチャーだと、チューブに穴が空くということは、ゴム風船に穴が空くようなものです。つまり空気を充填してパンパンになっているチューブは、元に戻ろうとする力が働いて、一瞬で空気を吐き出してしまうのです。
もちろん極々小さな穴だと一瞬ではないでしょうが、自らの圧で空気を押し出す構造なのは間違いない所でしょう。
翻ってチューブレスタイヤの場合、密閉はリムとタイヤで分散しています。しかもチューブと違ってタイヤ自体は構造が強固ですから、たいして伸びません。要するにチューブに比べると「元に戻ろうとする力」が弱いわけです。
穴が小さければ小さいほど、空気が洩れる時間差は広がります。もちろんタイヤが避けるほど大きな穴が空いてしまったらどちらも同じでしょうが。

下り坂でそこそこ速度が乗る度に、私はいつも恐怖しています。
「今タイヤがバーストしたらどうしよう」というヤツです。
直線ならまだマシですが、カーブを曲がっている時に突然パンクをしたら?
そうなると落車はまずまぬがれませんし、下りですから速度も高い可能性がありますし、位置エネルギーがそこに加わるわけで、転倒すれば大けが、場合によっては崖から落ちて命を落とす可能性だってあります。
恥ずかしながら私はかつて、下りのワインディングロードをオートバイで走っていて、転倒、反動でそのまま道路を越えて文字通り崖から落ちた事があります。
大きな声では言えませんが、私がその事故で大渋滞を引き起こしたすぐ後、その(オートバイ乗りに人気の)ワインディングロードは「オートバイ(二輪)通行禁止」になってしまいました。
そんな経験があるので、「下り」「崖から落ちる」というキーワードには敏感なのです。
なので安全性が高い方をチョイスしたい気持ちが満々なのですよ。

そんなこんなでチョイスしたKsyrium Elite UST。
MAVICなのでタイヤは最初からセットでついてきます。
当然チューブレス用のタイヤ。その名もYKSION Pro UST。
ちなみにYKSIONは「いくしおん」と発音します。
スペリングは違いますが、私の側にいる方(ハイファンタジー好き)ならピンと来る方がいらっしゃるかもしれません。その通り、ギリシヤ神話の登場人物ですね。
しかも「イクシオン」なんてクスっとしちゃいますよね。
実はそんなわけで個人的な趣味的に「イクシオン」なんて名前がついたタイヤを使ってみたいなあなんて思っていたんですよね。
最初に使ったロードレーサー用タイヤが、実は同じMAVICの下位グレードの「アクシオン」だったので、イクシオンにはそういう意味でも憧れがありました。
あ、Ksyriumは「きしりうむ」と読みます。
こちらは意味不明。語源を調べたがKsyriumは当然として、キシリウムでも出てきません。
私が思うに、これはギリシヤ語の「Xylon」(ザイロン=キシロン)から来た造語ではないかと。
木は水に浮きますから、一般的な金属より軽いわけです。
高級ホイールとしては軽さは一つの売りでもありますので、その軽さを表す対比として「木」を名前に冠したのかな、と。
で、「木で出来ているかのように軽い合金(金属)」という意味でXylonに金属元素を表すiumを付け、xylonium → キシロニウム → キシリウム Xylium→Ksyrium=キシリウムという造語をつくりだしたのではないかと。
いや、知らんけど。(・∀・)

この辺は名付け親に真相を聞いてみたいところです。
そういうわけで趣味として名前にはどうしてみ意味を見つけたがる私でございました。

でっかく脱線した流れを元に戻しましょう。
「善は急げ」となって入手したMAVIC Ksyrium Elite UST。
おそらく日本のエンドユーザーとしてはもっとも早くに手に入れた一人ではないかと思います。
まあ、この手の初期ロットに手を出すとロクなことがないとはわかっちゃいるんですが、「変えるなら早く変えたい」と思っちゃったんですよね。というかボーナスが残っているうちに勢いで! (・∀・)

そういうわけで同居人用と私用とで一気に2セットをゲット。
Ksyrium Eliteは3色からハブの色が選べる(黒・黄・赤)のですが、MAVICなら黄色でしょ? という、まるで「フェラーリだなら赤でしょ?」的な思考停止も甚だしい理由で黄色をチョイス。ちなみに私はフェラーリ買うなら圧倒的に黒にしますけどね。もっともフェラーリなんて買えはしない(もしくは多少見栄を張ると「たとえ買えても飼えはしない=ムリして買っても維持出来ない」)ので色なんてどうでも良いんですが……。

まあ、折しもツール・ド・フランス真っ最中でしたので「イエロージャージ」とか「MAVICカーは黄色い」とかを毎晩毎晩、思考力が低下した状態で視覚的刷り込まれている時期ですから仕方がないといえば仕方ありません。
同居人と色違いにしてもいいかな、と思ったんですが、どちらにしろそれぞれの愛車のフレーム色を考えると、黒以外はマッチングしない事がわかっていたので、だったらイエローでしょう、と(何が「だったら」なのか?)。

MAVICのホイールはタイヤ付き販売です。そういうわけでやってきた箱は今まで買ったホイールよりも一回り、いや二回りくらい大きくて、具体的には「宅急便」では取り扱ってくれないサイズでした。
実はゆうパックでもギリ取り扱ってくれないサイズでした。
なので佐川さんが持ってきてくれました。(・∀・)
まあ、ヤマト便なら扱えるわけですが。

結局ビワイチは「想定外のことがあったらめんどくさい」ということで今までのホイールセットで走り終えました。
まあ旧セットとの最後のライドがビワイチになったという感じです。
旧セットの味を噛みしめて走りました。
その時は既に貰われる先が決まっていましたので、転倒したり傷を付けたりしないように無事に帰れてホッとしております。

さて、ビワイチも無事に終了し、いよいよホイール交換の時を迎えました。
まずはそれぞれの旧ホイールセットからスプロケットを外します。
そしてバラしてきちんと洗浄しました。

そしてKsyrium Elite UST。
初めて梱包を解いたわけですが、なるほどハブが黄色い。(・∀・)
黄色を買ったのですからアタリマエですが。

まずは1本取り出した私は、おもむろにビードを落としていきました。
目的は二つありました。
一つは念のためにチューブが入っていないか確認する為(海外からはリムとタイヤの保護の為に、従来品のクリンチャーと同様にチューブ入りで出荷されるらしいので)、もう一つは「ビードを落とした状態でも、MAVICが言うように本当に簡単にビードが上がるのか?」試すためです。

初めてのチューブレスセットということもあり、思ったよりも硬くはまっていてビードを落とす作業には困難を極めました。が、思い切って力を入れるとなんとか外れて全周を落とす事に成功しました。
一応中にチューブが入っていないのを確認した上で、フロアポンプを使って空気を入れることにしました。

結果。
いとも簡単にプレッシャーゲージの針が動いていきました。
特に「バン」なんて音もなく、スムーズに空気が入っていき、規程MAXの7barまで入れ込みました。
というか、感覚的にはまるっきりチューブドです。
まったくもって何ら変わりません。
チューブが入っていないのはこの目で確認していますのでチューブレスである事は間違いありませんが、なんというか拍子抜けです。
「USTは簡単」という記事を読んではいたものの、それでも多少の「ウソつけ感」を持っていた私は、この時点で「あの記事は本当だった」という事を(この時ようやく)認める事になりました。

残りの3つはビードは落とさず、そのままの状態から空気を入れました。同じく7barまで充填です。
次に元のホイールから外して洗浄しておいたカセットスプロケットをそれぞれ取り付けて、バイクに装着。
空回りさせてフレなどをチェックしましたが、4本とも特に問題なさそうでした。

さっそくローラー台で回してみました。
我が家のローラー台は固定式、しかもフロントフォーク固定式で、リアはいわゆる3本ローラー的なものです。
回してみた感触は……不明。
そりゃローラー台で違いなんてわかるわけないよねー。(・∀・)

わかったのは、付属する純正のクイックレバーの感触が良かった事。

しっかり力が入る感じ。グイっと倒すとグイっと閉まる感じ。意味不明でしょうかね?
今まで使ったCampagnoloやFulcrum、DuraAceと比べても一番しっかりと倒し込める感じです。
レバー自体がプラなのでCampagnoloやFulcrum、DuraAce達と比べると高級感こそありませんが、しっかり感は一番じゃないかなあ。
まあ、この辺はただの官能評価なので。

バイクに装着してみると、意外な事に黄色いハブでも悪くない感じです。
ハブだけ浮いた感じで派手で目立つかな、なんて思ってましたが全然そんな事はありません。
スポーク組も普通で良い感じです。
基本的に地味だけど、なんかハブが黄色くてちょっと派手かも? みたいな微妙さがいい感じです。
ちなみにYKSION Pro USTという標準添付? のタイヤですが、GP 4000S2のように回転方向指定があるようです。
面倒な。
面倒ですが……最初から装着されてますので良く考えたら面倒でもないですね、ハイ。
後輪は間違いようがありませんので問題は前輪。
でもそれも最初だけ。
具体的には前輪にクイックレバーを通す際に間違わなければOKでしょう。
まあ、パターンを見れば誰でもわかる方向性です。

ちょっと脱線しますが、ここでパターンをご紹介するついでに、Continental Grand Prix4000S2とのタイヤ幅の違いを比較しておきましょう。計ったので。(・∀・)
まずは今までながらくお世話になったGP4000S2。
巷では「ワンサイズおかしい」と言われているタイヤです。「どう見ても太い」ので。
計ってみると、25Cなのにほとんど28Cでした。(・∀・)

Ksyrium Pro USTはほぼ25C。さすがユニフォーミティのMAVIC。

※なお、どちらも空気圧は6barで統一しました。

そんなわけでその日はそれで何となく満足して終了。
しかし内包していた問題が、翌朝に覚醒? することに……。

朝起きて冷蔵庫から水のボトルを取りだして飲みながらローラー台に固定したまま放置してあったバイクに近寄った私は、水ボトルを持って居ない方の手を伸ばし、タイヤをつまんでみました。
もちろん空気の抜けをチェックする為です。
で。
「う?」
私は我が目を……いや我が指を疑いました。
だって……
「全部抜けてる??」
ええ、抜けてました。
全部。

ネットの記事には「シーラント前提だが、なしでも問題なく使える」なんて100km走行したインプレなんかもあるんですよ。
それを読んで「さすがMAVIC。ユニフォーミティがいいんだな」なんて感心してたんですよ。
要するに私「MAVICのUSTならシーラントを入れなくても運用出来る」と期待していたのです。

気を取り直した私は、他の3本もチェックしました。
そして……。
ちーん!
全部抜けてました。
アタリハズレがあるとすれば、私が引いたのはハズレのようです、それも2セット、4本とも。
アタリなきハズレばかり。
「これはある意味品質が揃っているのでは?」などと感心している場合ではありません。

というか、さすが初期ロット。
メディア用には(空気が)抜けないやつを特に厳選して渡してたんでしょうな。
だとすると……。
「汚えぞ、MAVIC!」
こう叫ぶしかないでしょう。
もっとも恨みごとをいうのはお門違いなのでしょうけど。

そもそも説明書にはシーラント入れて使えって書いてありますし。
でもってシーラント、ちゃんと付属品として同梱されてますし。
「イレギュラーな使い方をした記事など知らん。まずは(シーラントを)入れろ。話はそれからだ」
そういう事のようで。

つまりのところ、私の野望というか思い込みであるところの「シーラントなしでチューブレスタイヤを楽しめる」なんてことは文字通り捕らぬ狸の皮算用ってヤツでした、というお話。
おしまい。

実際問題として「あのMAVICが満を持して」とか「USTはマジで超簡単」とか「シーラントを敢えて入れずに100km走った」とか、そんな煌びやかな? web情報に胸を躍らせてしまった私がバカでした。
そこまで期待が大きかったので本当にここで「おしまい」にしたいくらいブーたれているんですけど、まあ、買ってしまったものは仕方ありません。
私が勝手に仕様外の事に対して盛り上がっていただけで、仕様上はMAVICになんの問題はないんです。
わかってます。
わかってますとも。
わかっちゃいるけど……。

白状しますと「ユニフォーミティの良さにおいてはもはや日本でしょ? だったらダダ漏れなYKSION Pro USTなんて捨てて、IRCのタイヤに変えたらシーラントは要らないのでは?」と思い、カートに2セット(4本)入れてポチる寸前でした。
まあ、IRCのタイヤに換えたらシーラントが要らなくなるなんて保証はどこにもないって事がかろうじてわかってましたので思いとどまりましたけどね。

なので自分を納得させる理由をこさえることにしました。
「シーラントを入れてたら、スローパンクチャーの心配もいらなくなって、よりストレスフリーだぜ」
「シーラントの重さ分は最外周に行くわけで、つまりそれだけ慣性が高まる。すなわち巡航する時にその分有利になると考えようぜ」
「シーラントの事をもっとよく知る良い機会じゃないか。シーラントの事を知ーらんと。てへ」
最後のはアレですが、アタリマエながらシーラントはデメリットばかりではないわけで、もはやメリットを享受する方向で心の平静を保つべきでしょう。

ということで入れました、シーラント。
MAVICの場合、USTには1セットに1本付属します。
容量は120cc。ロードレーサーの700cタイヤは1本あたり30ccくらいでOKということなので1本で我が家の場合、ちょうど4本分が賄える計算です。
おあつらえ向きに? ボトルのサイドに30cc毎に目盛りがついていて、これ幸いと目安にさせてもらいました。
ちなみに入れですが、これも説明書通りに

1)エアを抜く
2)付属の工具を使ってバルブコアを外す
3)穴のあいたバルブから直接シーラントを流し込む(流し込む前にシーラントのボトルはよく振ること)
4)付属の工具を使ってバルブコアを装着
5)空気を入れる

とまあ、こんな感じです。
簡単です。
いっちゃなんですがアホでも出来る作業ですね。
とはいえ、さすがに花畑よし子ちゃんでは不可能かもしれませんが……。
私はオッケーでした。

本当ならシーラントをいれた後はしばらく実際に走るいいのでしょうが、平日の帰宅後の夜ですからそういうわけにもいかず、メンテナンススタンドで少しホイールを回すに留めました。

ではシーラント無しでは一晩で空気が抜けてしまうKsyrium Elite USTとYKSION Pro USTの組み合わせが、シーラントを入れるとどうなったのか?
ざっと12時間後にチェックしてみました。
すると……7bar → 5.7bar

んん?
確かに完全に抜けてはいませんのでシーラント効果はそりゃあすごいものだと言っていいでしょう。
でも、1.3barも減ってます。
たった12時間で。

例えばビワイチ150~センチュリーライド160kmなどのロングライドを私が走る場合、ざっと12時間近くかかります。
するとライドの後半は、1.3barも低い空気圧のタイヤで走っている事になるわけです。
KsyriumとYKSIONというUSTの組み合わせの場合、調べて見ると私の体重だと最適な空気圧は6barあたりのようです。
6barで走り出すと、単純計算だと4.7barにまで落ちます。
ちなみにこのチューブレスタイヤの指定空気圧は5-7barです。
要するにライド途中で規程空気圧を下回るわけです。
それを回避する為には走り出しは高めの空気圧にするしかありません。

「こんなものなの?」

これがMAVICのUSTシステムに対する私の偽らざる感想であります。
言い換えると「製品レベルが低すぎる」ですね。
これならマジメな話、素直にBontragerにしておくべきだったのかもしれません。
結果としてちゃんと使える状態になったKsyrium Elite USTとYKSION Pro USTの合計重量は2077+60=2137gというわけで、旧セットより172gも重くなってしまったというお話でした。

以上、ちゃんと走れる状態になるまでの私のストレスを綴らせていただきました。

コメント

  1. クリップ より:

    購入を検討している身なので大変参考になりました。途中の箸休め話も楽しく読ませてもらいました。
    ①装着1000kmインプレッション
    ②日常の手間
    なと続きも楽しみに待ってます。

    • Natsumi Amagasehal より:

      リプライがおそくなってもうしわけありません。
      古い記事を読んでいただきありがとうございます。
      続編を書こうと思っていたのですが、そりゃもう綺麗サッパリわすれておりました。コメントを頂いたことで思い出した次第です。
      回答にはなっていないようないるような感じで先程続編をアップしましたので、お時間のある時にお読みいただければ幸いです。

      https://mono-ludens.com/20180529a/