(初出:2010/11/27)
(GF1/LEICA DG45)
いやあ、今年のフォトキナはセーフだったなあ、と今でも思います。
何がセーフって、思わず「か、買った!」的衝動に駆られるプロダクトがなかったという点において。
もっともSD1だけは驚天動地のまさにサプライズでしたけど、シグマだからどうせ出るのは数年先。その頃には「今更なによ?」ってな感じになっているでしょうしね。
期待していたレンズ交換式レフレスカメラ、ミルクス(MILCS=Mirrorless Interchangeable Lens Camera System)には目立った動きがなかったし「思わずポチッちゃったよぉ」的な魅力を備えたブツはなし。
そう思っていた時期が私にもありました。
まあ、アレです。
そのときはこんな感じの感想でした。
◆CANON 60D
うーん。いいんじゃない?7Dの立場が微妙かもね。
みたいな?
◆Nikon D7000
ふーん。D300sじゃなくてもこっちでいいのかもね。
みたいな?
◆SONY α55
いやいやいや。ここはもうミラー自体なくそうよ。ブリッジとかやめようよ。
みたいな?
◆OLYMPUS E-5
ふーん。出せば?
みたいな?
◆HOYA PENTAX K-5
K-7のブラッシュアップで、ネガを地道につぶしてるんだね。地味子、えらいぞ。
みたいな?
基本的に一眼「レフ」は「もういいや」 と思っている私ですが、まだまだハイエンド系機材としての一眼レフの優位性は崩れていない事も理性で認識しているわけです。
だから「もう絶対一眼レフなんて買わない」と思った事もないし、書いた事もないんですが、基本的には「よほどの事がない限り、私にはもう一眼レフは必要がない」と思っているのも確かでした。
その後各社の2010年メインモデルが実際に市場に出回り始めてました。
そんな折、ちょっと事情があって、ある一眼レフを使って撮影する必要が出てきました。
詳しい事情は書けませんが、要するにとあるメーカーのとある一眼レフを使ってみて、率直な感想くれ、という関係の話です。
私はそもそも空気は読まない人間なので相手が誰であろうが率直な感想しか言えませんから、もちろん率直な感想だけを言いました。
ところが、です。
その感想を自分自身の中で定着させるプロセス上で相対的な比較対象が欲しくなった私は、別の一眼レフを借りる事にしました。
まあ、借りると言っても実戦投入ではなく、単純に操作性や感触などをチェックするだけのつもりだったんです。
それがいけなかった。
大失敗です。
「セーフ」と思っていたのに、いきなり「アウト」宣言です。
ええ、比較対象として触っちゃったのが、HOYAのK-5だったんです。
最近まで一番しっかり使っていたのがK-7。
そのマイナーチェンジ版だから、感触はわかっているし、比較対象の基準としてはまあいいかな、と。
でもねえ。その足で(手で?)DA18-135mmとのレンズキットを予約しちゃうとはもう、思いっきり想定外でした。
予想だにしてませんでしたね。
つまり、ちょっと使っただけでK-7より断然良くなっている事がわかってしまうほどのモデルチェンジだったことがわかったからです。
GH1からGH2はマイナーチェンジにしか感じませんでしたが、むしろよりマイナーチェンジだろうと思っていたこちらがフルモデルチェンジに思えてしまいました。
OLYMPUSがE-3を二階級特進させてE-5にしたのに対し、HOYAもまたK-7を二階級特進させた結果、名前が同じ「5」に。
作法というか文化が違うのでたまたま今年が5でかちあったわけですが、何となく皮肉めいたものも感じたりしますね。
E-5は私の心に何一つ響かせてはくれませんでしたが、K-5はハートを鷲掴み。
どちらも地味子ですが、その対決は「技の百貨店」的なK-5に軍配が上がった、という事なのでしょう。
予約したおかげで発売日に無事手に入れる事ができて、要するにまだちゃんと使い込んではいないんですが、レンズ交換式レフなしカメラをメインにしつつも、滅び行く恐竜の最後の栄華を手元においておくのもわるくないか、と思うようになりました。
勿論、使ってみてやっぱり普段使いに持ち出そうという気にはなりませんが、重厚長大でツーマッチなのもアリかもしれません。
まさに滅び行く直前の一眼レフは、腐る直前の芳香を放つ果実にも似てなかなかに捨てがたい魅力があります。
たぶん、すぐ飽きると思うんですが、それでもちょっとの間コイツとつきあってみようかなって思っています。
そうそう、すぐに買わずにDA18-135mmとのキットを待ったのは、勿論そのレンズにも興味があるからです。
18-55も悪くはないですが、横着して一本付けっぱなしという向きには断然こっち(18-135mm)でしょう。
HOYAもようやく便利ズームを出してくれたか、とご祝儀もかねて。
DA18-55mmWRは知っているレンズですが、新しいレンズはやっぱり使ってみたいですしね。