(初出:2011/02/11)
(E-PL2/LEICA DG45mm)
このカメラを使うには、いくつかの確認事が必要です。
簡単に言うと、要するに大人になれ、って事です。
一つ、所詮屈曲光学系レンズである
二つ、所詮富士フイルムのカメラである
三つ、所詮実験機である
四つ、所詮安カメラである
以上。
これら四つのルーン(呪文)を何度も唱えて自分のものとして会得したなら、もうあなたは立派なFINEPIX REAL 3D W3のオーナーです。
おめでとう。
(E-PL2/LEICA DG45mm)
さて、詳しい感想? に入る前に、まずは四つのルーンの確認をしておきましょう。
問題なのは一番目です。
カメラとしてのRaison d’etreを確認するパーツ。すなわちレンズ。
◆屈曲光学系レンズ
屈曲光学系レンズには決まり事があります。
それを認識する事が重要なのです。
一つ、屈曲光学系レンズは結局画質が悪い
二つ、屈曲光学系レンズは35mm換算からのスタートが多い
三つ、屈曲光学系レンズに明るさを求めるな
四つ、屈曲光学系レンズを使うとボディが分厚くなる
まあ、どれもメーカーが本気でやれば克服できる項目でしょうが、コストダウンが至上命令のコンパクトカメラ界にあって、そのさらにコストダウンが要求される系カメラに搭載されるレンズが屈強系というのが実情なので、なかなか開発リソースが投入されないのがゲンジツ。
特に画質では基本的に絶望的だと思った方がいいでしょう。なので画質重視のカメラはそもそも採用しません。つまりレンズにコストはかけない。こんなモンでいいでしょ、的なところで落ち着く感じ。
焦点距離や明るさはサイズのとバーターなので薄型前提だとそういうレンズは前提として採用しないし、たまさか採用したとしても今度は撮像素子を小さいものにしてバランスを取ろうとするから、結局それは画質に跳ね返ります。
そんなこんなでコニカミノルタのDiMAGE Xから始まった(と思われる)屈曲光学系レンズは広角に不利で画質の悪いカメラをあまた量産し続けているというわけです。
もっとも利点もあります。
DiMAGE Xのうたい文句は確かこうでした。
・薄い
・
・レンズが飛び出さない
ボディの中に高倍率なレンズを完全に埋め込んじゃうすばらしい技術。それが屈曲光学レンズ!
というわけ。
DiMAGE Xはね、私も予約までして買いましたよ。
ティザー広告に胸を躍らせつつ「チッ、発売は年明けかよ!」みたいに焦れて待ちましたっけ(記憶はもはや定かでは無いですが)。
海外に渡航する際もその薄型によるポータビリティの高さからサブカメラとしてポケットに入れて持っていった記憶があります。
でも、結局(自称)すばらしいレンズを生み出したコニカミノルタは滅亡(カメラメーカーとしては、です。念のため)。
遺産は各メーカーに受け継がれていますが、この屈曲レンズ、結局はハイエンド系のモデルには使ってもらえていません。
いわゆるイロモノ系に採用されています。
ここで言うイロモノというのは、
◆スライドスイッチ系
◆防水防塵・およびタフ系
そして、我らが? REAL 3D W3の
◆3D系(系って(^_^;)
さあ、ようやくW3のお話だ!
(E-PL2/LEICA DG45mm スライドスイッチを入れると、数秒間3Dのバッジがこうやって光る。プロパガンダだあ!)
そんなこんなでイロモノにはイロモノを。
3Dには屈曲光学系レンズとスライドスイッチを、てなわけです。
さすがにこれに防塵防滴タフ系骨格を入れると大きさがエライ事になるのでスルーですが、イロモノの集大成として、次期モデルのREAL W5? では是非採用してほしいところです。
くれぐれもサイズはこれ以上大きくせずに、ですよ?(誰に言ってるんだ?)
という事でイロモノカメラ、W3を使ってみたの簡単な感想を。
まずは順不同で気がついた事を。
◆デザイン
古くさい感じです。
さすがにレンズが2系統あるので、それぞれにスライドカバーをするとコストがかさみます。
かといって手で着け外しするレンズキャップなんか、このクラスのコンパクトカメラでは論外です。
あれは画質重視(とメーカーが主張する)ハイエンドのフラグシップコンパクトカメラだけに許されるロジックですからね。
あ、私はフラグシップだからといって許しませんけどね。
まあ、私が許さなくても関係ないんですが。
で、コストと利便性の兼ね合いでW3はスライドスイッチ採用なのですが、このせいでデザインがどうにも厚ぼったく見えるんです。実物以上に。
実際問題として私はフジはけっこう頑張って薄く仕上げたなと思っていますが、指かかりなどを考慮したのでしょう。スライドスイッチが無駄に分厚くなってしまい、そのせいでなんとなくブタっとした雰囲気を醸し出してしまっています。
救いはサイズが横長で、しかもでかいので、なんとなくこんなものか? という保持バランスが保てている事ところでしょう。
◆質感
フジフイルムのコンパクトカメラって、マテリアルはともかく、質感は悪いんですよね。
昔のFINEPIX 700とか、あのへんは良かったんです。確かライカブランドでOEMされてましたっけ。
でも、今はちょっとねえ(遠い目)。
最近も一応フジ的フラグシップコンパクトは何台か購入していますが、箱を開けて手に持った瞬間にゴミ箱に放り投げたくなる質感のものばかりで、少なくとも富士フイルムは私のようなユーザーをターゲット層とはしていないんだな、と言う事を思い知る事になり続けているわけですが……。
(E-PL2/LEICA DG45mm)
そういう刷り込み?と言うか諦念というルーンを唱えながらW3の箱を開けて本体を取り出してみると……
「おやあ?」
さらにさらに撫で撫でスリスリしてみると……
「こ、これは!」
いや、結構いいです。
初代2レンズ2CCDイロモノ3Dカメラ、W1も触った事在りますが、あれはてらてらで主さはあるけど、金属だけど、なんかプスチッキー? な安っぽさに包まれていたんですが、W3はその辺をきちんと修正してきました。
要するに富士フイルム、意外に? やる気があるみたいです。
表面はテラテラだったW1と違い、ボディの一部とスライドカバーは目の細かい梨地系処理がなされ、手の脂などが目立ちにくくなっていますし、トレシーなどのクロスでさっと拭いて綺麗にとれるようになりました。レンズがある前面パネルはヘアライン処理されていて、こちらも目立ちにくい。全面梨地にしなかったのはボディカバーとのコントラストをさりげなく出すためでしょう。これは悪くないセンスだと思いました。
いつも思うんですが、富士フイルムのコンパクトカメラは、デザインだけは悪くないんです。
特にフラグシップ系はwebでサムネイル見ているだけだと結構いい感じに見えます。
問題は実際の仕上げ。
つまり、デザイナーはいい仕事してるんだけど、制作側の口癖がコストコストで、実際に出来てくるモノは全く駄目、というかユーザーナメてる、というのがフジのダーク面なんですが、この3Dはある意味コスト度外視的な部分があるプロダクトなのでしょう。デザイナーというか作り手のこだわりを感じます。
ただ、シャッターボタンやらレバーやらのサイドをぐるりと取り巻いているパネルはステンレスに塗装をしただけ(に見える)のものなので、こちらは指紋や皮脂が目立ちます。もっとも黒じゃないので多少マシですが。
このステンレスの枠は視覚的にリズムを付けて、ボディを少しでも薄く見せようとする手法だと思いますが、もうそんな時代じゃないでしょ、と個人的には苦言を呈しておきましょう。
自動車の話で恐縮ですが、まだまだ見かける、ドア下の線がまさにソレじゃないかと思います。
フロントからリアまで、ボディサイドに走るいわゆる「サイドモール」。あれみたいなものです。
あれもモールをつけて横から見たところを上下に二分割し、ボディを薄く見せるというデザイン手法(ドアバンパーを兼ねているとメーカーは主張。だまされてはいけません)ですが、私は大嫌いです。パンと面を張って、そのデザインで勝負しろや、と思う人間なので、愛車を乗り換える際にも「サイドにモールがない車」という項目が上位にあります。
閑話休題
そんなこんなで、実はW3、箱を開けて手に取った瞬間「これはいいかも?」と思っちゃいました。
最近の富士フイルムでは初めての事です。
富士フイルムって、一眼レフ(メーカーのベースモデルを改造したヤツね)でも「うわっ」って思うデザインでしたからね。
「どうしてオリジナルボディをココまでひどく出来るんだろう?」ってな感じで。
W3は古くさいデザインながらも質感がいい事で高級さ、こだわり、いい物感が漂っています。イロモノではありますが、普通にコンパクトカメラとしても悪くないかも、って思わせてくれました。
(E-PL2/LEICA DG45mm)
◆カメラとしての足腰
問題はこれです。というか重要項目ですね。カメラですし。
3Dカメラという特殊用途専用に使うにはやっぱりアレでしょ?
W3は決してどこをどうやっても3D写真しか撮れない、というカメラではなくて、普通に2Dの写真も撮れます。
そうなると普通のデジカメとしての評価は避けて通れない、というか私的にはそっちの方が気になります。
だって私、3Dなんてどうでもいいんだから!!(だったら買うなよ!という突っ込みは甘んじて受けましょう)
で、普通のデジカメとして見た場合これがショボい。
ショボ過ぎる!
これなら、もはやケータイで充分。
以上、全否定でした。
だって
1)屈曲光学系の暗くてショボくて換算35mmスタートのレンズで
2)コンパクト系でもっとも小さなサイズの撮像素子で
3)手ぶれ補正機能もない
わけです。
マクロに強いリコーのコンパクトカメラを使っているから見方が厳しいのかもしれないけど、コイツはマクロも全然ダメだしね。
2Dカメラ(つまり普通のカメラという意味)としてみた場合は実売1万円以下のデジカメと同等レベルだと考えましょう。
だから、コイツを使うと言う事は、3Dカメラという特殊なカメラを使っているのだから、という前提がなければダメなんです。
ようするにコイツの2Dは余技であって、本分ではないんだと割り切る事が重要です。
そこでコイツに愛想を尽かさないためのルーン、その認証文をお教えしましょう。
「わあ、すごい! このカメラ、2D写真も撮れるんだ~」(棒読みでOKです)
(E-PL2/M.ZD 14-42/II GR Digital IIIとのサイズ比較。それほど大きくも分厚くもない、とも言えますね)
◆画質
これも要するに1万円以下のデジカメだと思えばいいと思います。
ケータイよりちょっとマシかな?と考えてれば、たたき壊したくなる事もないでしょう。
PENのようなミルクス=MILCS(MIrror Less Camera System)系に近い? などと妄想してはいけません。
ミルクスのサブと考えると、ミルクスよりでかいボディ、という事にもなりかねませんので、注意が必要です、はい。
(E-PL2/LEICA DG45mm)
色は派手です。
一番地味なモードを選んでも派手です。
色味はある程度調整できますが、そんなまで事して撮るカメラかよ? と言うのが私の正直な思いです。
ただ、フジのカメラはたいがいそうなんですが、色がおかしいとかそういう事は何も考えずに、プリントしてみると意外にも? 見栄えのいいL判プリントができます。なので、旅行スナップなどを友達にプレゼントすると喜ばれるかもしれません。
少なくとも人物はゾンビになったりせず、体調が悪い人でも健康的で明るい表情になります。
ちなみに、2Dカメラというか普通に撮る場合、撮影者的に左手側(カメラに向かって右側)が撮影用カメラとなります。
◆3Dは?
さて、ようやく3Dについて。
これはもう、一言でいいでしょう。
「うわっ、何これ、すごいじゃん!」
え?
一言じゃ短すぎる?
じゃあ、もう一言。
「わ、うそ! 面白ーい!!」
こんな感じでいかがでしょうか。
要するにこのカメラ、3Dを「楽しむ」為の「おもちゃ」なんです。
そう、お・も・ち・ゃ。
お餅屋ではありませんぞ?
W3の売りの一つは、背面液晶でしょう。
巨大な3.5型。この液晶ディスプレイがあるからボディがでかくなったともいえますが。
なんてたって、背面はこの3.5インチ液晶にプラス、ダイアルとボタンも配置してますからね。でかくなるはずです。
(E-PL2/LEICA DG45mm)
とはいえ液晶サイズはこの手のカメラには譲れない重要なパーツなので、3.5型が4型になることはあっても3インチに下がる事は当分はないんじゃなイカと思います。
だって、3D画像が撮れたって、実際問題として、それを楽しむ環境がまだまだ整っていないんだもーん。
発売されたばかりの3Dテレビなどを持っている人はそれで楽しめばいいのでしょうけど、それってまだまだ限定されていますよね。
持ち主限定。
持ち主の家限定。
家の中でも居間限定。
限定だらけ。まさにリミテッドモデル。
だから、そういうインフラが整うまでは、カメラ単体で完結させる必要があります。
富士フイルムとしてもそれは百も承知なのでしょうから、コストのかかる3D表示可能な3.5インチ液晶をあえて搭載しているのですから(最近は3.5型液晶をペイするために他のモデルに絶賛展開中のようですね)。
で、この液晶で映し出された3D画像が実に面白いんです。
いやあ、まさに3D。
どうでもいい自宅の居間の隅っこに置かれているゴミ箱の写真を撮っても「わっはっは」って楽しめるカメラって、世界でこれだけじゃなイカ?
写真上で手前に写ってあるものがカメラの液晶よりも手前に浮いて存在しているように見えたりするんですよ。
ええ、マジで。
思わず私、指で何も無い空間触ろうとしたりしましたよ。
本当にすごい。
と言うのが3Dの感想のほとんど全て。
カメラでとって「ほらほら」ってその場で背面液晶に映して楽しむ。
そんな楽しみ方用としては、現状最高のエンタテインメントを提供してくれるカメラだと思います。
でも、それだけです。
私はすぐに飽きちゃいました。
だって3Dとかどうでもいいんです。
ちなみに自然な見え方じゃないんですよ。
ベニヤ板にそれぞれ絵を描いて、それを前後に並べたような感じです。
立体というよりは複数の平面が奥行きを持って見える、というか、そんな感じなんです。
長く見てると私の場合、気分が悪くなってきました。
3D酔い? とでも言うのでしょうかね。
面白いけど、自然じゃない。
そんな3Dを楽しむためのカメラ。それがREAL 3D W3なんです。
3Dに対する個人的な意見ですが、平面上に映し出す3D映像なんてものは結局ムリがあるんです。
立体映像は空間に映し出すべきもので、平面を無理矢理3D化すると私のように酔う人間が少なからずいるはず。
そんなもの、普及して欲しくありません。
まあ、普及してもいいですけど、2Dでも見られる様にしておいて下さいね>関係各位
だったらいくら3Dになっても文句はいいませんから。
3Dがいいと思う人は3Dで見ればいいし、気持ち悪くなるし不自然だと思う人は従来通り2Dをチョイスすればいい。で、時々3D見て「おおっ」と短時間楽しめればそれでいいや、と。
またまた閑話休題。
で。
W3の3D機能が「すごい」のは間違いないところなのですが、カメラとしての基本性能がショボいので私としてはかなり限定された場面でしか使えないカメラという判断をせざるを得ません。
でも、この方向性は育てて欲しいと思います。
だって、カメラが「面白い」事はいい事だもの。
だから普段から使える3Dカメラを作って欲しい。
なのでW5に要望するものを箇条書きしておきたいと思います。
1)24mm、最悪でも28mmスタートのレンズを使って欲しい
2)手ぶれ補正は2レンズ/2撮像素子という特殊性から考えて無理があるとおもうけど、無理を道理に変えるのがテクノロジー。頑張って搭載して下さい。どうせレンズ暗いんですから
3)背面液晶をタッチパネル化し、ボディサイズをもう少し小さく。
4)現状、縦位置では意味が無いので、将来的にはレンズを4個使って縦位置でもちゃんと3D効果を出せるように。つか、広角を広げて、1:1モードをチョイスできるようにした方が現実的でいいのかもね
5)構造上、どうても右側レンズに指がかかりやすい。ちゃんと持てばかからないんだけど、ユーザーはちゃんと持たない。右側レンズのカバーやガイドなどにもう一工夫加えて、指掛を無くして欲しい。
いろいろグチを垂れましたが、W3には普通にいいところもあります。
まず、内蔵フラッシュの調光性能がいいのでスナップ撮りでもあんまり変な感じにはなりません。さすがにフラッシュを焚いていないかのような感じにはなりませんが、写らないより写った方がいい、と諦めながら撮ると「結構いい感じじゃん」と思えるくらいの性能があります。
また、動画にこだわる人は3Dで撮影できるだけでなく、音声がちゃんとステレオ対応である事もプラス要素……にはならなくてもマイナス要素ではないはず。
(E-PL2/LEICA DG45mm)
そう、結構コストがかかったカメラなんですよ、W3。
忘れがちですが、このカメラはレンズが2つもついてます。そして当然ながら撮像素子も2台分入ってるんですからね。
ボディの作りの良さも考えると、これ、たぶんメーカーとしては相当売れないと大赤字になるカメラじゃないかと思います。
それだけ富士フイルムの「本気」が入っているわけです。
もはやフジフイルムはフイルムメーカーじゃないわけです。
一部のマニアの為に、ボランティアでフイルム商売やってますけど、大赤字でしょうね。
フジはもはや化粧品メーカー。
カメラ部門も「ゴミカメラばっかり売りやがって、おまえら値下げ競争をいつまでやってるんだ?」なんて化粧品部門からは言われて、叩かれているに違いありません。
「もうやめろよ、カメラとフィルム。オレ達の稼ぎはおまえらを遊ばせる為じゃねえぞ、コラっ」
とか思っている社員も多いでしょう。
たぶん、ですが、フジフイルムなんていう社名も早晩変わるでしょうね。
富士化粧品。
いや、富士コスメ?
そうならないためにも「時代は3Dだ!」「オレ達は3Dの先駆者となって巻き返すぞ!」的な意気込みが込められたカメラなんでしょう。
(以上、壮大な妄想ストーリーは終了)
そういうわけで、何か面白いカメラはないかな?なんて思っている人は、だまされたと思って一つこのカメラを買ってみてはいかがでしょう?
画質やカメラ性能は既に書いたとおり、全くの低レベルですが、これはいわゆる一つのコミュニケーションツールとして、すばらしい可能性を秘めています。
つまり、
「飲み屋スター!」
「合コンスター!」
「オフ会スター!」
そう。
コイツがあれば、場の「ツカミ」が出来るんです。
カメラ好きがいれば「お、それって3Dのやつでしょ?」って食いついてきますし(食いついてこなければカメラ好きじゃないので、それはそれで問題ありません)、カメラ好きじゃない人には「ホレホレ、どう?」みたいに撮った写真を背面液晶で見せればいいんです。
ただそれだけで、
「何これ、すごい!」
的なリアクションが期待できます(このカメラの3D画像を見せてもなおノーリアクションな人とは、たぶんそれ以上会話をしない方がいいと思われます。いろんな意味で)。
そうなると
「何なに? 私にも見せて」
「わ、何これすごい!」
という、いわば
「何これ、すごい!」スパイラルが生じるわけです。「何これ、すごい!」の輪が広がるとも言います。
ええ、そうなんです。
持ち主が話題になるわけではなくてW3が話題に、主役になるわけですね。
でも、それでいいんじゃなイカ?
場を和ませる存在。
ちょっとした(楽しい、そして誰も不幸にならない)パニックを演出する存在。
そんなツール、そんなおもちゃとして、バッグに入れて出かける意味は充分ある。
それがW3なんだと思います。
一台で完結していて、それなりにちゃんとしたカメラという事だと世界中でこれだけじゃないかと思います。
オンリーワンのイロモノ面白カメラ。
そんなカメラが手元に一台あってもいいな、と思う今日この頃でした。
私はたばこの煙が体質的にダメなのでほとんど飲み屋に行きませんし、アタリマエですが合コンには全く興味は無いし、最近はオフ会にも縁が無いので旅行用の「プラス一台」としてこのカメラを捉えています。
旅先で「ホレホレ」すると、きっと見知らぬ人とも会話のきっかけになると思うんです。
特に外国人はカメラ好き、写真好きな人が多い(「おい、そのカメラはどこの何だ? ズームは何倍だ?画質はいいのか?使いやすいか?」なんていきなり話しかけられるのはしょっちゅうです)と実感してますから、結構協力なツールになってくれるでしょう。