趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★再考 Canon PowerShot S90 その処遇

カメラ

(初出:2010/04/16)

もう使わないつもりだったS90。
でも、それだと今までと変わらないアホな私。
生まれ変わっ……てないけど、最近の私はちょっと違うはずだ。

と言うわけで、今日一日、時間が空いたらコイツ(S90)をいぢり倒してみました。

結果を最初に書くと「これからも使ってあげようと思う」です。
「使ってあげる」なんて、上から目線ってヤツですけど、まあそんな感じ。

短気は損気というわけでもないけど「何となく肌が合わない」というのは人間にもあって、職場では結構これがストレスになるもの(らしい)。
「らしい」というのは、アレです。私の場合は生まれてからこの方、周りの人たちに恵まれ続けているという事もあってそういった人間関係のストレスとは無縁で生活しているからです(単に超鈍感なのかもしれませんが)。
そんな私でも他の人のそう言うグチは結構聞かされたり相談されたりしています。なので「人間関係って面倒くさいなあ」といつも思っております、ハイ。

でもまあ、腕を組んでじっくり考えてみると「生きるか死ぬか」なんていう場面に対した時、この人と一緒にいるといろいろとめんどくさそうだな……と思う人は私にもいますね、うんうん。

翻ってS90です。
「コイツのここが大嫌い!」というポイントがないままに捨て去るというのはどうなの? って思いまして。

なんというか「ちょっと可愛いなあ」なんて思って「今度デートしない?」って誘うような人がいたとします。そんでもって週末デートをしてみたけど、どうにもピンと来なくて「なんか違ったみたい。ごめん」的な感じなんですよね、S90って。

SIGMAのSD15とかだと「出来ちゃった婚」みたいな感じなのでアレなんですが、S90は「とりあえずツバ付けたけど、可愛いだけで一緒にいても話が弾まないし、なんか共通の話題自体が少ないし、わくわくしない」っていう感じでしょうか。
とはいえ「じゃあここで」なんてそのまま帰すのはさすがに失礼に当たると思って、なんか流れで別れ際にキスまでしちゃったし、向こうはもうそれで何かその気になってるし、当然ながら周りはそういう風な目で見てくるしで、私としてはどうにも息苦しい、みたいな状況なんです。

そんな中途半端な状態のまま「今週末は隣のクラスのアノ子と遊ぼうかな」なんて思ってるとS90子に呼び出しを受けて、昼休みに体育館の用具室にいったら「なんで私の事無視するの?」みたいになじられて、迫られて、据え膳食わぬはということで○○○で……。
って今はそんな感じなんですよね。

で、今日一日S90の体の隅から隅まで味わって見て、ようやくキスではわからなかった魅力が見えてきたかな、と。
「S90子、お前、なかなか可愛いじゃないか!」なんて思ったわけですよ。

胸に手を当てて考えててちょっとわかった事があります。
たぶんね、私はS90子に多くのものを求めすぎていたんです、きっと。
一緒にグループ交際してたDP1s子があまりにバカでドジでスカタン&グズなノロマ子だったので、S90子は何でも出来ちゃう子、才色兼備で家柄もいいし、性格も優しくて見た目も整っていて笑うと愛くて、おならなんか絶対しないアイドルみたいな子だと勝手に決めつけてたに違いありません。

思い起こせばAF枠が移動出来ないのを知った時に愕然とした事がたぶん、発端なんでしょうね「S90子、イマイチなんじゃ?」とか思い始めた……。

DP1s子が意外な事に持って生まれた? ボケ加減がむしろが「弄られキャラ」として確立していたのかどうかわかりませんが、少なくとも私のツッコミ体質とマッチし手板のは事実。それに反して、S90子はボケとツッコミという関西のノリが理解できず、ボケはもちろんツッコミもムリ。いつまでたっても「ですます口調」で笑顔も愛想笑いっぽい平面的な感じで……。

デートの途中で入ったお好み焼き屋でもS90子は「もんじゃ焼きはないんですか?」とか言い出しすし「ここは大阪だぜ? もんじゃ焼きは府の条例で販売も飲食も禁止されてるんだぞ?」と私が真顔で言うと「そうなんですか。すみません。じゃあ私はなんでもいいです。DP1s子さんと同じもので」とか言うタイプ。
DP1s子なら間違いなく「何でやねんっ」と突っ込んでくれるところです。

要するにS90子、優等生なのに実は結構不器用で空気を読みすぎる結果として自分を強くアピールしたり出来ない内気な子だったわけです。下手に出来がいいだけに周りの期待も大きくてだんだんストレスが溜まっている感じ。
その点、誰にも期待されていない? DP1s子なんかは「私、要らない子ですからあ。あははははは」とあっけらかんと笑って自由にボケ路線を邁進していく図太さがあります。

ぶっちゃけられない、開き直れない良家の子女S90子は「お前さ、シャッターボタンの位置、おかしいだろ?」と言われても何も答えられずに引きつった顔を見せるだけ。
DP1sに「お前、シャッターボタンの感触悪すぎだろ? 絶対ブレるぞ」と突っ込むと「いやあ、もう、オカンが酒飲みで。酔っぱらったまま陣痛が始まって、私が生まれた時は二日酔いでしてん。そのせいでこんなことに、あっはっは」みたいな返し技で来ますから、私は「アホらし。もうええわ」と許してしまったりするわけで。

「十字キー周りのホイールダイアルがだらしなさ過ぎだろ、S90子」と突っ込むと「いわれてみればそうかもしれません」と煮え切らない曖昧な返事を返すS90子。
対して「ダイアルの一つくらい付けろや、DP1s子!」といじめても、「あ、あれは付け忘れてもうたんですわ。オトン、老眼で設計図修正する時消しゴムでダイアルまで消してしもて、そのまま工場にGO! したらしいですわ。あほな両親でえろうスンマセン」と切り返す感じ。

どっちも電源がボタン式なので「お前ら二人ともパナ高のルミ子を見習えや」と言いたいところですが、S90子なんかは「他校の方の話をされましても……私、ルミ子さんという方とは面識ありませんし」とうつむくだけだし、DP1s子に至っては「ここだけの話、実は設計段階では電源ボタンもなかったんでっせ。本当はあれ、ISO変更ボタンでしてん。これはマズイな。しゃあないからこれを電源ボタンにしよ、と言うことでああなったんですわ」と、「ひょっとしてそうかも?」とか思わせるようなボケをかましてくれるわけで。

とまあ、本人も何を書いてるかわからなくなってきましたが、要するにDP1s子とDP2s子の苦手なシーンを任せるには小型軽量でズーム域も充分だし、何よりレンズが明るくてイザって時には「ローライトモード」なんて言う便利なんだか使えるんだか、という裏技も持ってる。
なによりDP姉妹にはない手ぶれ補正機能という教養があるS90子はリリーフとして頼もしい限りです。

それから、たぶんこれに一番キュンと来たんだと思うんですが、ストロボが自動的に上下する様がなんというか、ちょっとけなげで可愛いな、と。
DP子達はレバー動かすと「パッカン」っていう感じで「お前はびっくり箱か?」的な容赦のない飛び出し方をしてきます。そこにはエレガントさはみじんもありません。そこは家柄の差といいますか、S90子の自動昇降ストロボはまさに「お嬢様」的な楚々とした振る舞いで、気に入りました。

私はこういう「一点萌え要素」があるとオッケーな人間なんだ、と言うこと知った今日この頃でございました。

(広角端)

(望遠端)

 

ちなみにトビラのS90を載せているCanon純正のソフトケースですが、実はオリジナルIXY(APSフォーマットのフィルムカメラ)の標準添付品です。
初代IXY digitalが発売された時、適当なケースがないなあ、って思って試してみたらコレがピッタリ。「なんとか使えるよー」と言うことで私が当時ネットで宣伝したおかげで、キヤノンの不良在庫が一挙に捌けた、という伝説のケース。(たぶんマジな話(^^;)
で、S90にも使えます。

あ、ひょっとしてこのケースが使えるからもうちょっと付き合おうかな、なんて思ったのかも知れません(違うって)。