「成功を祝うのかまわないが、より大切な事は失敗から学ぶことである」(ウィリアム・ゲイツ)
朝5時45分。
レーズン入りのパンが焼ける匂いが漂う早朝のリビングに、焼き上がりを告げる「ピーッ、ピーッ」という電子音が鳴り響きました。
朝食の準備をしていた私は手を止めて「よしよし、今朝もありがとね」などといいながら、ホームベーカリーのスイッチを切り、コンセントを抜きました。
ここまではいつものルーティン作業。
そしてその後は、オーブントレイ用のミトンを両手に嵌めると、いつものようにホームベーカリーの蓋を開けて焼き上がり具合、というか膨らみ具合を確認して「今日も上出来ですな」とか「うーん、今日はちょっと(膨らみが)足りない?」などと一喜一憂? するわけなのですが……。
今朝私が蓋を開けての第一声は
「え?」
という驚きの一言でございました。
私の目に飛び込んできたのは扉の写真の状態のモノ。
ごらんのようにパンになってません。
ショックのあまり、「腐ってやがる、早すぎたんだ」などとわけのわからない事をつぶやいた私は、冷静になれ、と自らに言い聞かせながら失敗の原因を推理しました。
「早くも故障?」
可能性は無きにしもあらず。
「レシピを間違えた?」
もうすっかり記憶している材料の分量配分ですが、石橋を叩いて渡る系の一面を持っている私は、パン作りにかんしては、いくら慣れていても毎回プリントアウトしたレシピを確認しながら計量しています。今回もそうしましたので、これはまずありえません。
故障というセンはひとまず置いて、他に考えられることはないかと思い、焼き窯の内部の惨状……というか状態をじっくりと観察しました。
一番上にレーズンが固まっています。
これは蓋にセットしてあった自動給餌器的なケースがパカっと開いて焼き窯に落ちた、まさにその時の状態のままのようです。
通常であれば、パン生地と混ぜ合わされて、まんべんなく……というか、白い部分は粉そのものじゃね?
「これって要するに材料がまったく混ぜ合わされていないんじゃ?」
そこでハタと思いつきました。
そして「それ」を探しにキッチンへ走りました。
食洗機ではあらえない食器やカトラリーなどは手洗いして、乾燥させるために網に洗い上げておくわけですが、予想どおり「それ」はそこに存在していました。
そう。
生地をこねるための羽根を付け忘れていたのでした。٩(๑´0`๑)۶
いつかはやるのでは? と思っていた「ホームベーカリーあるある」的な失敗を、私もついに経験してしまいましたとさ。
ちなみに「なんとか食べられないかな、これ」と思って焼き窯から取り出した「パンになれなかった物体」ですが、流石にちょっと無理っぽかったです。
今回は豪華にレーズンを100gも投入していたので、高い授業料になりましたとさ。
トホホ。(;´д`)
ま、通過儀礼ということにしておきましょう。
冒頭ではビル・ゲイツの格言をご紹介しましたので、今度は私から愛すべき全世界のホームベーカリーユーザーに、この言葉を贈ることにしましょう。
ホームベーカリーでパンを焼く人は、ざっくりと二種類に分類される。
それは「パン羽根を付け忘れた事がある人たち」と、「いずれパン羽根を付け忘れることになる人たち」である。
(意味:次はお前たちの番だ)
そういうわけで汚名返上。
明日は全く同じものを作る予定。
ちなみに作ろうとしたのは「レーズン入り全粒粉100%パン」でございました。