XQDメモリカードかよ……
私、Z6とZ24-75mmF4のキットを予約する気満々だったんですが、直前になって細かいことに悩んで、結局保留としました
◎保留の理由は記録メディア
Z7とZ6の場合、記録メディアはXQDメモリーカード(以下、XQD)という、私から言わせれば「未知の記録カード」を使わねばならないのです。
Nikon、最近こういうメインストリームから外れた事が好きですよね。
端子がむき出しじゃないとかそういうことよりもむしろ、記録速度が速い、なんて理由でプロ仕様のD5が「性能を突き詰めたらメディアもXQDを採用」っていうのはいいんです。
多分、D5を使う人はそんなことはあんまり問題にしないでしょうけど。
でもね、Z7とZ6がXQDのみの対応っていうのは「ちょっと違うんじゃないの?」と思うんです。
記録メディア:SD版ってのを別途用意してくれたら良かったのに。
ある程度枯れた技術の集大成で作り上げているボディなのに、使う記録メディアは先端なのかもしれませんが、実はマイノリティってどうなの?
デジカメ界に於けるXQDカードって、USB界(?)に於けるType Cポートとはわけが違うんですよ。
XQDって、当然ながら数が出ないから値段高いままですしね。
SDカードの安値に慣れている身としては「ありえない」と思える値段なんですけど……。
「XQDが高いなんて言っているやつはそもそもZ7とかZ6とか、買っていただかなくて結構」と、切り捨てられている気分です。
これが格差社会ってやつか!みたいな?
◎Nikon 1を思い出す
振り返ってみるとNikon 1もメディアではイラっとさせられたものです。
デジタルカメラの記録メディアはSD(HC)カード主流なのにもかかわらず採用したのはmicro SDカード。
「どうせお前らはカメラ本体にUSBケーブル挿してPCとつなぐんだろ? だったら小型化できるmicro SDカードを選ぶってーの。お前らが大好きなスマートフォンもmicro SDカードだろ? そのまま使いまわしできるんだし、つまんない文句言うな」的な理由でしたっけ。
Nikon 1だけを使う人は問題にならないのかもしれませんが、他のカメラと併用している私からすると、Nikon 1を長く使い続ける気持ちになれなかった理由の一つが、あの記録メディアの特殊性でありましたっけ。
◎レンズキット以外にもいろいろと揃えないといけない
そんなわけで、D5のユーザーじゃない私としては、Z6を買うということは必然的にXQDを(も)買う、ということになります。
まあ、私の場合はあまり容量はどうでもいいのですが、一枚だと運用が面倒なので二枚買うことになると思います。
カメラ本体とPCをケーブルで繋いでデータを取り出す、という運用は私の場合考えられないので、XQD用にカードリーダーも買わねばなりません。
「いろいろ」って書きましたが、要するにカードとカードリーダーなんですけどね。
でも、Z6のためだけにそういうのを揃えるという事自体が「億劫」に感じるわけです。
あと、ボディやレンズとは別にプラス数万円かかっちゃう。
そもそもXQD自体もどうなの? と感じます。
この先デファクトスタンダードになるのはXQDじゃなくてCF Xpressだとすると、現時点ではXQDはそれと互換性があるそうなのでいいんですが、数年後には違うフォームファクタの、つまりCF Xpress 2.0とかで、mini XQD規格とか、のSDカードサイズ micro XQDなんてのが出ないとも限りません。
しかもそれ、SDHC互換とかだったら笑っちゃいますが。
まあ、そういうのは今から夢想しても意味がありませんけどね。
◎結局、Z7とZ6はNikonハイエンドユーザーの「おもちゃ」なのかも
というわけで、私のようなNikonシンパでも現Nikonユーザーでもない「外野」から見ると、XQDを採用したのは「時期尚早」としか見えないのですが、一方でNikonが考える「Z7にカネを払ってくれる層」というのは、すでにXQDを持っている層、つまりD5をポンと買っちゃってる人たちと考えるのが自然でしょう。
テレビの取材コメントなどで中の人は「スマートフォンでインスタグラムなどに投稿して写真の面白さを知った『若い世代』をNikonの本物の技術が詰まったZシリーズで取り込みたい」というようなことを言ってましたが(NHKの朝のニュースで見ました)、XQDを使っている時点でもはや「冗談言うな」としか思えません。
今まで忠実だったNikonユーザーが、ちょっとした気まぐれや出来心で本来Nikonに落とすはずのカネをSONY αシリーズのつまみ食い代に化けているのが許せず出したのは明白でしょうに。
でも、そのエサがXQDだというのはどうにも……。
せめてD850準拠であれば。
つまりXQDとSDのダブルスロットなら、それこそ次世代記録メディアの為の「ブリッジカメラ」としての役割も果たしてくれたでしょうに……。
スピードジャンキーはXQD使えばいいし、そうじゃない1ショット中心の私のようなユーザーは安価でリーズナブルに調達できるSDカードで運用しますから。
マウント自体はαに比べて将来性があるとは言え、購入するのにちょっとしたハードルが設けられているというのは興ざめなところがあって、「渾身の妥協作」の大きな落とし穴であるようにも思えます。
いろいろ妥協しているボディなんだから、妥協策にも妥協せず、ここは「枯れた技術」のSDカードで行ってほしかったなあ。
Nikonユーザーからすると「我が意を得たり」なのかもしれませんが、それ、きっと少数派かも。
どちらにしろαを本当に脅かすのはZ7でもZ6でもなく、「次の機種」以降だとは思いますが、とりあえず私は「お手並み拝見」という立場で、今回は見送ることにします。
◎XQDメモリカードの今後
そもそもXQD供給元のSONY自身が採用していない(コンシューマでは。業務用ビデオでは採用していたはず)。
Nikon D5のライバルである1DXが採用していない(1DX MarkⅡからCFastを採用)。
XQDではなく、今後の標準はCF Xpressになる流れ。
ということで、「XQD先生、短い間でしたがお疲れ様でした」というのは決定事項の模様。
SONYもCanonも次期モデルでSDに代わる次世代の記憶媒体を採用するとしても、それはXQDではなくCF Xpress1.0カード。
もっともそのCF Xpress 1.0メモリカードのフォームファクタはXQD互換だそうなので、Z7やZ6が蚊帳の外になるわけではなく、普通に使い続けられると思います。そこについては安心。
◎CF Xpressの今後
これについてはNikonとCanonとSONYの三者がハンドシェイク済みのようなので、ベータvs.VHSのような争いが続くことはなく終戦しています。
なので統一規格として今後採用されていくのでしょう。
そうは言ってもハイエンド仕様の特殊カード的な立ち位置であることは違いなく、カメラ(デジカメ)市場全体が新規格へシフトするのはずっとずっと先の話でしょう。
そしてハイエンドではないモデルはどちらにしろXQD互換のフォームファクタは採用しないと思います。
理由は「(メモリスロットが)でっかいから」です。
コンパクトフラッシュ(以下CF)がハイエンドカメラでしか生き残っていなかったのはご存知の通り。
XQD互換であろうがなかろうが、CFより多少小さかろうがSDカードよりでっかいのは紛れもない事実。
さらに言えばSDカードでもでっかいから、microSDカードにしちゃう? みたいな流れすらある始末ですから、いまさらXQDのフォームファクタ的な巨大なカードスロットを搭載するわけがありません。
そう考えると、α7や9のような135版フルフレームのセンサを使っていても、コンパクトネスを追求しているモデルで果たしてXQDサイズのCF Xpress 1.0フォームファクタを採用するのかなあ、と疑問も生じます。
次世代メモリどころか、SONYはなんだかんだでいまだにメモリースティックDUOが使えるようにしてますからね。
NikonはZ7もZ6ではαと違って「コンパクトネス」は狙わなかった(むしろコンパクトには作れなかった?)ので、サイズ的余裕があって採用可能だったのでしょうね。
Canonも1DXなら余裕でXQDサイズのダブルスロットはオッケーなので、その気があれば次期モデルに搭載されるでしょう。
というわけで、私の興味は今年(2018年)中にCanonが発売(発表)するNikon Zシステムに対抗するミラーレスの新カメラシステムに移っています。
CanonがZ系と同じようにXQDサイズのメモリカードを採用するのか?
※(採用するとしたらプライドの問題でXQDではなく世界標準の新規格、CF Xpressスロットを世界初搭載!みたいな感じになるでしょうけど)
いやあ、なんだかんだでZ7やZ6本体以外に興味が移っちゃいましたよ、てへ。(^_^;