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★悪女(わる)(読書感想文)

アニメ・マンガ

(初出:2012/03/27)

悪女(わる) 深見じゅん著

オススメマンガです。

これもかなり古いのですが、私の中では名作となっているので一応。
とはいえこれを今推薦するのはちょっと迷いました。
調べて見ると、既に廃刊になっているからです。
一応、アマゾンでは中古が購入可能ですから、BOOKOFFなどを探せば全巻セットなどが手に入るのかもしれません。
通常のコミックスと文庫に再編された二種類があります。

絵はまあ、手慣れた感じでマンガとして楽しむには破綻のない画力をもっていると思います。少女漫画っぽい感じですが、嫌味の無いゆるめの絵です。あまり好き嫌いが分かれない、読みやすい絵じゃないかと私は思います。

ストーリーはいわゆる「コネ枠」で一流商社にいちおう就職した新人社員、田中麻理鈴(たなか まりりん)の成り上がり? ストーリー。
お茶くみ用員でしかない麻理鈴が、出世したいというモチベーションを持った理由はもちろん?恋愛。
入社式に一目惚れした、T.Oというイニシャルしかわからない先輩社員と会うためです。
巨大商社という「異世界」で、勇者麻理鈴が魔王と対決するまでの、role-playing マンガ(と、作品内でかかれている(・∀・))。

元ネタは映画ワーキング・ガールだと言い切るには設定がかなり違う(映画はなりすましからスタートするけど、麻理鈴はレベル1からの文字通りたたき上げなので)けど、影響はあるだろうな、とは思います。
オススメポイントは、読んでいると麻理鈴から元気をもらえるような気になること。
基本的に痛快なエピソードが多く、敵を出し抜くシーンではスカっとします。言ってみればプチカタルシスみたいなものが得られるというか。
ギャグはかなり古いので笑えるかどうかはその人次第だけど、敵だった連中が、だんだん麻理鈴の魅力に取りこまれて味方になっていく流れは古き良き時代のスポ根少年漫画にも通じる部分があると思います。
私はかなり涙腺がユルい方なので、この物語でも結構ジーンときましたっけ。

タイトルの「悪女(わる)」ですが、個人的には全然「悪女」じゃないと思いました。むしろ麻理鈴は一途でいじらしい。もう日本にはこんな女性はいないだろうな、と思える程。(言い過ぎかも)
というか、こんな子に惚れられたら死んでも悔いは無いだろうなと思えるお話しです。