趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★【VOLVO C40】試乗レポート XC40以下、XC40以上

VOLVO XC40

ちゃろー\(^o^)/

行ってまいりました。

VOLVOジャパンが主催する純EV、C40の試乗会

全国3箇所で行われるそうで、私は一番近い神戸会場をチョイスです。

全国で3箇所……。
やる気があるのかないのか……。
結構カネがかかるでしょうし、限られた予算内で開催できるのは3箇所が限度ってことなんでしょうかね。
しらんけど。^^;

◎1st.インプレッションは……

最初から結論というか簡単な言葉でワタシ的な評価を述べると「素晴らしいけど食指がピクリとも動かないクルマ」です。

え? 高評価なのか低評価なのかはっきりしろ!

ですよね。
ではその辺りを毎度おなじみのダラダラ文章で説明していきましょう。

◎会場はポートアイランド

の、先にある神戸空港島(と呼ぶのだろうか?)。
の、西端にあるラヴィマーナ神戸という結婚式場。


の、瑠璃という会場が試乗会の基地となっておりました。
ちなみにここ、披露宴会場が5つ、チャペルは3つあります。
政治家さんが代理人をたてずに本人自身で短時間で結婚式のはしごが可能な便利なところといっていいでしょう。

https://www.ravimana.com/

結婚式だけでなくグランピングとかも可能です。
ここで挙式後、そのままグランピングで新婚初夜というパッケージが大人気だそうです(う・そ)。
ちなみにここのグランピングは「私が思っているグランピグとは違うんだけど?」とつぶやきたくなる内容です。
いや、けっして揶揄しているわけではございませんよ?
ここを見ればなぜ私がそう思ったかを理解していただけるかもしれません。
なんとうか、私ごとき庶民が考えるグランピングって、狭い価値観のものだったんだな、と思う次第です。

【公式】グランピングリゾート ラヴィマーナ神戸
兵庫県神戸市の中心部、三宮から車・電車共に約25分とアクセスの良いポートアイランドの南、神戸空港島に位置する「グランピングリゾート ラヴィマーナ神戸」 時間の移り変わりで違った表情を見せる美しいグラデーションの空や海の色を眺めながら、喧騒か...

グランピングはさておき、結婚式場としては神戸にいながら微妙に異国風?南国気分を味わえる、なかなかいいロケーションの式場ではないでしょうか。
クルマはもちろん、JR東海道線の三宮から「ポートライナー」にのれば終着駅がほぼ会場です(シャトルバスも出てますが、鉄ちゃんなら迷わずポートライナーです)。
さらに言えば遠方の参列者なら神戸空港から徒歩で来られますからね(シャトルバスが出てます)。
繁華街までシャトルバスと鉄道(?)で直結していて、会場自体はゴミゴミした繁華街とは無縁の広々とした空間ですし、結婚式場としてそこそこ評判がいいのもうなずけます(お値段もそこそこ……いやかなり高いのもうなずけます)。
ぶっちゃけハワイイとか沖縄なんかにありそうなテイストの建物の見た目と間近に飛び交う(ほど発着は多くないけど)飛行機が「その気」にさせてくれます(どの気?)。


私は非神戸民なのでいまだにポートアイランドと六甲アイランドと行川アイランドの違いがあやふやです。
どうでもいい話ですが行川を「いくかわ」と読んでしまっても関西人としては恥ではありません。むしろ胸を張っていいと思います。
……しらんけど。

ちなみにこのポートアイランドから真南に線(線?)を伸ばすとKIXこと関西国際空港があります。実は海路で直線でつなぐとけっこう近いんです。
まあ、神戸はそこに目をつけたわけですが……。

おっと、C40の試乗会の話でしたね。
駐車場はラヴィーナ神戸の道路を挟んだ正面にあります。
交通量が少ないので問題にはならないのでしょうが、結婚式場としてこの導線はどうかと思うのは私だけではないはず。
まあ、ゲストはエントランスでおろして、ショーファーだけが道路を横断すればいいだけの話なのでしょうけど。
そんな「余計なお世話」的なことを考えながら、まずは会場である瑠璃へ。

スタッフに予約時間と名前を告げたあと建物に入り、玄関正面で待ち構えているスタッフに迎えられ、首からかけるゲストカードを受け取ります。
ゲストカードには「ゲスト」と書かれていて実にわかりやすくていいと思いました。
あと、試乗するクルマのナンバーも。
ようするにここからゲストは名前ではなく数字で管理されることになります。

なお受付では当然のように手指消毒剤が設置され検温も行われています。
検温は顔を映す系のアレです。
いつもは判で押したかのように「36.5°」を叩き出す私ですが、この日は珍しく36.1°でした。
というのも当時は気温も高くなく、けっこうな風が吹いていたのでおでこの表面が冷えていたのでしょう。

瑠璃という会場は披露宴会場としては珍しい(私が知らないだけ?)立体的なつくり、すなわち上下の2ゾーンに分かれており、試乗待ちのゲストは1階?に通されました。
各人、というか各グループごとにテーブルが一つ。
まずは免許証を提示。有効期限確認のみなのだとか。
私は昨日届いたばかりの更新されたできたてほやほやの免許証を得意げに(?)提示したのでした。ちなみにもちろん?ゴールドです。
もうずっとゴールドです。
が。
マカンに乗り換えてもこの先ゴールドが保てるのかどうかが不安でたまりません。

テーブルに着くとまずはお通し……じゃなくてVOLVOマーク入りのミネラルウォーターが置かれます。


で「お飲み物はどうですか?」とメニューを示されるわけです。
(いや、あんた今、飲み物おいたじゃん?)と思いつつもコーヒーを頼みます。
「温かい飲み物はどうですか?」と尋ねるほうがスマートだと思いましたがジュース的なものやアイスコーヒーも選べる以上、そう尋ねるわけにはいかないのでしょうね、わかります。

市場前の簡単なアンケートを記入した頃に各テーブルに10インチサイズと思しきタブレット端末が設置されます。あとでここに映像が流れるのだとか。


私は「VOLVO」とだけ表示されたタブレット端末の画面を見ながら……もといiPhoneでナンプレしつつコーヒーを飲みながらヒマを潰しました。


そう、1階スペースは「待合所」みたいなものなのです。

ほどなく今風イケメンスタッフが段取りを説明。その後VOLVOジャパンのえらいさん?の挨拶が続き、いよいよ?タブレット端末が火を吹く時?がやってきました。
面白いとおもったのは映像は手元でみつつも、音は会場の音響施設を使っていたことです。
「なるほど、これありだな」と。
映像は各自手元ではっきり見つつ、音のクオリティは保てるアイディアです。
というか、各テーブルが一斉にiPadで同じYou Tubeの動画を見始めることを想像すればわかりますよね。音は一箇所にしておくのが無難です。

なんというか、こういう会場のイベントでは当たり前だと思っていた「大画面をみんなで見ながらいろいろなレクチャーを」みたいな時代が変わりつつあるのを感じた瞬間でございました。

動画はC40の概略と、モータージャーナリストに加え、一般の人の試乗後の感想インタビューという感じで構成された10分くらいのものでした。
モータージャーナリストは伊藤梓。
使っているのが一旦停止標識を無視する動画を平気でYou Tubeにアップするようなマインドしか持ち合わせていない竹岡圭でなくて良かったな、と個人的に思う次第です。
女性モータージャーナリストを使っているのはVOLVOも基本的にはC40は富裕層の妻用、つまりセカンドカー需要を見込んでいるのだと思われます。
しらんけど。^^;

試乗後の感想インタビューは役者とかのヤラセでしょうね。
ヤラセでアピールしたいポイントは「ワンペダル」「スムーズ」といったところでしょうか。
「スーッと走る」とか言っている人がいましたが、今どき普通にスーッと走らないクルマがあるのか、と突っ込みたくなりましたよ。
あの人がどれだけボロいクルマに載っているのか知りたい。
あ、MT? そんでもって下手くそなんだ。本人じゃなくて運転している連れ合いが下手くそなのかもしれません。
自己完結。^^;


余談ですが「MT」にこだわっている知り合いに乗せてもらうと、ほとんどの人がシフトチェンジのたびに私の首を前後にガクガク揺すってくれます。
ええ、MT派は私の中では「運転が下手くそ」の代名詞です。
ええ、もちろん超スムーズで上手い人もいますけど、私調べではいまだにこだわってMTに乗っている人の95%はシフトチェンジのたびに同乗者を前後に揺らす程度の下手くそが多いです。
というか、もともと運転が上手な人って少ないのでしょうね。
ATはそんな下手くそを目立たなくしてくれる素晴らしいトランスミッションだといえるでしょう。
少なくともAT時代になってクルマに酔わなくなった同乗者は数え切れないほどいると思われます。

おっと脱線。

動画はだいたい10分程度。
10分というのはトレンドを抑えているな、と思いました。今の人はこういうのに集中できるのは10分が限度だそうです。
私はもっと構造的な部分とかスペックとかVOLVOが(試乗で)「ここはチェックして欲しい」「見て、聞いて、考えて欲しい」という思いがあふれる暑苦しい動画であってほしかったなと思います。
つまり個人的にはC40の試乗に来ている人はC40に興味があるんだから、にこれじゃあC40のアピールが薄いぞ、と思った次第です。
別にメカニズム的に詳細な説明はしなくてもいいけど、ちょっとざっくりし過ぎだろう、と。

もっともVOLVOジャパンもその辺は考えているのでしょう。
試乗には1台につきC40に精通した? 専属スタッフが1名ついているので、なんか聞きたいことがあったらその人に聞いてね、といことかと。

動画を見たあとはいよいよ試乗です。

◎試乗へ

会場建物前の駐車スペースにはすべて同じカラーのC40がズラッと並んでいました。
フィヨルドブルーというグレーがかった深みのある青です。

好みの色です。
かっこいいです。
C40は現在のところ「Twin motor」というモノグレード展開です。


価格は719万円。
Twin motorのデザインは基本的に「R-Design」準拠。
なのでルーフとミラーがグロスブラックになっています。


この後上陸予定のフロント1モーターモデルはボディと同色になるそうです。

C40のデザインをパッと見てかっこいいなと思いました。
写真で見てても思いましたけど、初めて実物をみるとXC40の派生ボディとは思えないクーペSUVとして完成度が高いデザインをしているなと思いました。
フロントグリルの処理も「とってつけたようなEV処理」というのではなく、上手にシンプルにまとめているという印象です。

動力の問題は無視して今XC40とC40のどちらを選ぶ?と言われたら積載性、つまり機能的な問題でXC40しかチョイスできませんが、ロードバイクを2台縦積みする必要がなければC40のデザインを選ぶと思います。
XC40のちょっと浮世離れした無機質感あるリアビューも大好きなんですがC40も日本車離れした(日本車じゃないので当たり前っちゃ当たり前ですが)ちょっとサイバーな感じのリアビューも悪くありません。


ただ、テールゲート後端にあるエアスポイラーは蛇足かな。私はああいう後付感というか別部品になっているスポイラーって好きじゃないんですよね。色違いとか特に受け付けません。
同じエアスポイラーでもテールゲートとパネルが一体式になっているとかせめてボディと同色とか、そういうシームレスな仕上げをしてあるならいいんですが……。

というわけでじっくりC40のデザインを眺めていたいところですが、そうも行きません。
受付時に渡されたゲストカードに記載されているナンバーと同じナンバーがつけられているのが該当試乗車ということで、すぐにスタッフに案内され、私が乗るC40の担当ドライバーと顔合わせ、挨拶の後さっそく運転席に乗り込みます。

わかってはいた事ですが……なんというか……さっきまで乗っていた我が愛しのXC40と変わり映がなさすぎて気分が上がりません。^^;
もちろん加飾パネルやらシートフェイシアのマテリアルなどが違うので厳密には「違う」わけですが、感覚的には違う気が(まったく)しません。
強いて言うならシートの感触がややソフトかな、という感じでしょうか。
私のB4 R-Designのシートはやや「張り」を感じますが、C40のシートは普通に沈み込む感じです。その沈み込みが勝手な私の予想より少し多めというかなんというか。
まあこのあたりの官能評価は各人それぞれなのでアレですが、ようするに「XC40と何も変わらなくてつまらない」ということです。

まあXC40オーナーならそうですよね。そもそも姉妹車みたいなものですから。

C40ではドアの内張りとカーペットなどの偽装をチャコールかフィヨルドブルー(試乗車のボディ色)かのチョイスが可能です。アップチャージはなし。素材はマイクロテックと呼ばれるものでフェルトっぽい感じです。ちなみに外装色がフュージョンレッドとセージグリーンを選ぶと内装色はチャコールに固定でブルーは選べません。このあたり「なんで?」っていつも思います

担当ドライバー氏は現役レーサー。つまりモータースポーツ界の人だそうです。
若くてイケメン。笑顔も爽やかで受け答えにも「隠しきれないバカっぽさ」など微塵もなく、社会人としてきちんとした教養を身に着けている感じがして好印象です。

改めての挨拶の後、実際に走り出す前にとりあえずはC40のレクチャー。
担当氏が私にまず示したのがセンターコンソールの設定画面。
その中にあるバッテリの充電管理系の画面でした。
「満充電を何%にするか」を予め設定できるそうで、その設定画面です。
100%から0%まであって、タッチ画面を利用してスライドさせて任意の割合を選ぶわけですが、リチウムイオンバッテリーなので100%はできるだけ避けて90%か80%にしておくのだとか。

うん、そう言うよね。
悪いけどリース(サブスクリプション)で乗る場合は遠慮なく100%にさせてもらいますよ、私は。
満充電が原因でバッテリライフが云々っていうまで長く乗らないもん。
せいぜい5年でしょ? 関係ナッシングですよ。そんな「いたわり」より航続距離を少しでも稼いでおきたいですからね。
その航続距離が必要なのかどうかは問題ではなく、精神衛生的に長いほうがいいんです。

と、思ったけどもちろんクチにはしませんでしたよ?

長期間乗らない場合についても注意があるそうです。
「完全放電で0%になるのもバッテリによくないので、長期間乗らないばあいは20%とか40%あたりに設定しておけばバッテリをいたわれます」

うん、そう言うよね。
でもここで私の脳裏に素朴な疑問が生じました。
「長く乗らない時って、充電ケーブル繋ぎっぱなしで放置しておけってこと?」
なので、私は素朴な疑問を担当氏に投げかけてみました。
「例えば100%充電しておいた状態から0%になるのに何日くらいかかるんですか?」と。
素朴な疑問ですよね?
例えばだいたい20日ですっからかんになるって知っていたら「だったら10日くらいの旅行で家をあけるときは電源ケーブルを繋ぎっぱなしにする必要ないよね」って判断できるわけで。
が、しかし。
担当氏はそれは教えてもらっていなかったようで「確かに。後で確認しておきますね」ということになりました。
うーん。今まで誰もこの疑問を投げなかったのかな?
まあ真剣にC40を買おうって思って試乗会に来ている人は殆どいないので気にもしない、もしくははやく試乗したくて気もそぞろでそういうどうでもいい(?)説明なんかはどうでもよくて聞き流しているだけなのかも。

あとはワンペダルの説明やらセンサスから取って代わったgoogleの説明などを簡単にして、いよいよ走り出すことになりました。

ああ。
もちろんシートやミラーのキャリブレーションはきちんと行いました。当然ですね。

◎いざ試乗!

C40はテスラと同じで「スタートボタンを押す」という儀式がありません。
キーを身に着けて(あるいはダッシュボード周りの置いて)シートに座り、ブレーキペダルを踏んでセレクターをDもしくはRに入れ、ガスペダル(C40の場合はエレキペダルと言うべきか?)を踏めば発進します。
シートベルトを外したままだとどうなるか、というチェックは残念ながらできませんでした。「あとでやってみよう」と思ってそのまま忘れてしまったのです。
たぶんインペねに「シートベルトをしてません」的なアラートが出るんだろうとは思いますが。

そろっと発進した直後の感想は「(車体が)重っ」でした。
思わず声が出てしまいました。
XC40を運転しているのと同じ感覚でガスペダル(笑)を踏んだら思っている半分もパワーがなくて「どっこいせ」って感じで動きだしたのでした。

あー、これは踏み始めの信号をだいぶ絞ってますね。
XC40ですら絞っている感があるのにC40はそれに輪をかけて0発進時のペダルレスポンスを落としてます。
なのでじわっとでようとすると2トンを超える車体の重さをもろに感じるような感触。
クラウンに自然吸気の1000ccエンジンを積んで発進させたらこんな感じじゃないですかね。
私の感覚だけかもしれませんが、スムーズにスタートするには普段より5割増しの踏み代が必要な感じでした。

それがわかってからは感覚のキャリブレーションを行い、以降は「ドッコイセ」感なく走ることが出来ました。

ラゲッジもこうやって眺めるとXC40と「何も足さない」「何も引かない」みたいな?

ガスペダルのモードはいわゆる「ワンペダル方式」でスタート。
「ワンペダル方式」というのはEVならではと言っていい装備?で、ペダルの踏力を抜くと即座に回生モードに入るというものです。
具体的な現象としてはペダルを踏む力を抜くといきなり減速します。
もちろん力を抜いた途端にフルブレーキをしたように減速するわけではなく、抜いた力にあわせて原則Gも変化します。
ゆっくり抜けばゆっくりブレーキを踏んだような感じでパッと話すとガツンとブレーキがかかるような感じをイメージしていただければいいかと。

私ははっきり言ってこのワンペダル・ドライビングが大好きです。
私だけでなく同居人も「全部のクルマがこうだといいのに!」と言うほど大ファンです。私も同居人と同意見で「クルマはすべてこれだと楽しいし、何より運転が楽ちんなのになあ」と思います。

実は今でもラインナップに載っていて購入できるBMW最初のEVがi3というモデルなのですが、日本に上陸した際に3日ほどお借りして走り回った事があるのです。
i3はいわゆるEV感を前面に出すようなクルマで、その時の感覚が残っていたこともあって、C40の走り出しが重いと感じたのでしょう。
i3はちょっと踏んでも「かろやかにグっと出る」ところが実にグッドだったんです。

i3のドライビングは楽しすぎて市街地や渋滞は当然、高速道路から田舎のワインディングまで走りまくりました(レンジエクステンダーがついていない純EVのほう)。
充電は近所にあるイオンの急速充電器を使わせていただきました。
当時は無料開放だったのでバッテリが少なくなるたびお世話になっていたんですけど、今はどうなっているのでしょうね。

VOLVO車の伝統の一つ、ラゲッジのセパレーター的な折りたたみ式レーキは健在。
XC40と違うのは三角停止表示板の格納位置がここに移動されていること

i3の何が楽しいかって、加速もリア駆動ならではのトラクションやハンドリングもそう、低重心によるコーナーでの抜群の安定感なんかもそうなんですが、なんといってもイチオシの体験はワンペダル・ドライビングでした。
右足の角度だけで巡航から前車との車間調整は当然、0km/hつまり完全停止まで全部こなしちゃうんですから。それも特別な練習などふようなくらいイージーにできちゃいます。
冗談抜きに借りている間にブレーキペダルを踏んだのは本当に数えるほどでした。
そんなi3の体験があるから、私はEVに対してはかなり肯定的な意見を持っているんです。

付随効果ではありますが、ワンペダルEVだとブレーキパッドもブレーキローターも車両生涯において一度も交換する必要はないと思います。

もっとも最近のヌルいEVはワンペダルの、つまり回生力を数段階から選べるようになっているみたいですが、個人的には意味不明です。EVなんだから全力で回生しろよ!それが一番Ecoだろーが!、と声を大にしていいたい!!
なんていう意見を担当氏にぶつけると「いや、実は全く同じ意見です」と(私に話を合わせてくれて?)大に盛り上がったのでした。
言葉は濁していましたが、ワンペダルが初めてという人だとなんか全否定する人が多いようで……。そりゃ最初は違和感ありますけど、楽しくないですかねぇ、あれ。

三角停止表示板はここが定位置のようで、面ファスナーを使って固定されていました。つまり別のところにも移動可能です。個人的には荷物を載せているとトレイ下にアクセスしにくい場合があるし、特に非常時にはサクっと取り出せるほうがいいはずなのでここへの搭載は反対です。XC40と同じ様にテールゲート裏側に積載スペースを作るべきでした。最近のVOLVO車って安全がモットーのVOLVOらしくない仕様が増えてきている気がします。気のせいだといいのですが……。

XC40はテールゲートをあけたこの部分に三角停止表示板を格納。リッドのレバーをひねると顔を出します

そのさらに下はパンク修理キット

C40はワンペダルの「オン・オフ」が可能です。中間とか、そういう中途半端なモードがないのはわかってるな、と思います。

なおワンペダルをオフにすると基本的に回生はしないので不経済です。
代わりに得られるのはトルコンATのような停止時からのクリーピングと、走行時の場合はワンペダルでは不可能なコースティング、いわゆる「惰性走行」が可能です。

ワンペダル・オフの利点は条件がそろった時、高速道路で低負荷走行が可能だということでしょう。というか、それだけのような気がします。
ACCが実用化されている現在、あえてコースティングなどを使って燃費(電費)を稼ぐ必要性があるのかどうかは議論の余地があるとおもいますが、少なくとも私には不要なモードです。

そのワンペダルのオン・オフですが、物理ボタンなどはなく、ディスプレイから行います。でもメニューのけっこう深目のところにあるので走行中は不可能と考えるべきでしょう。
というか、やっちゃいけませんね。
私の場合は助手席の担当氏が操作してくれたので問題はありませんでしたけど。

「よく切り替える人は物理ボタンが欲しいですよね」というと、担当氏も我が意を得たりで「そうなんですよ!」と前のめりに賛同してくれました。
私も駐車場なんかでクリーピングに切り替えたい時はあるとおもうので、そう考えるとやっぱり物理ボタンか、プログラマブルなショートカットボタンが欲しいところです。
ステアリング上のスイッチにソレがあるのが理想ですね。

そうそう、i3はたしかワンペダルのみでオフは出来ない仕様だったと思います。
載っている間はそれでまったく痛痒は感じなかったのでクリーピングに切り替えるとかの必要はないのでしょう。

で、走り出してからの走行フィーリングですが、これはもうXC40とは別物です。
別物なので当たり前ですが、ドライバーズシートからの視界がXC40なので別物なのに同じ風景というのがどうにもアレです。

そういう違和感?と価格を無視してクルマとしてのC40を評価すると「素晴らしい」の一言です。
i3にあった荒削りなところをすべてリファインし、動力性能を2倍以上に引き上げたようなクルマです。

残念ながら試乗コースがポートアイランド内の一般道だけだったのでハンドリングチェックとか高速走行時の中間加速フィーリングなどは試せませんでしたので試乗したシチュエーションの範囲内で、という但し書きつきではありますが。

とはいえ高速道路の巡航、つまり長距離ドライブなんかは超快適だと思います。
まず、車内が静か。
エンジン音がしないのは当然ですが、エンジンやトランスミッションなどからの振動感が一切ない無いことも重要です。
音は耳だけで感じるんじゃないのですよね。体感できる振動や体感できているのか自覚できないほどの微々たる微振動(どんだけ微やねん。^^;)も人間は「ノイズ」として感じてしまうわけですが、それが本当に小さい。

ロードノイズが小さいことも特筆しておきます。
運転していてタイヤが(私のXC40とは)まったく違うことはすぐにわかりました。
後でチェックしたところ、試乗車が履いていたのは235/50R20のPIRELLI P-ZEROでした。

これは私のXC B4 R-Designの19インチよりホイール系が大きいんですが、私のコンチネンタルEco CONTACTは踏面のフィーリングが固めでややノイジーなのでしょう。ソレを補ってあまりあるC40のタイヤでした。ちなみにホイールは新デザインというかC40専用。EVは空気抵抗を以下にへらすかで航続距離がかわってくるのでEVのホイールデザインは限りなくディッシュタイプに近づけている気がします。C40のホイールも太いスポークっぽく見せつつ、スリット面積をかなり抑えていますね。

次に乗り心地。
確実に1クラス上のクルマに乗っているようなフィーリングがありました。
XC40もコンパクトクラスのSUVの中では鷹揚で乗り心地はいい方だとおもっていますが、悔しいかなそれ以上なのは間違いありません。
まあこれは当然でしょう。私のXC40より2クラスは重いわけですから。
物理の法則とまではいいませんが、重い車のほうが乗り心地はよくなります。
聞けばバッテリだけで約500kgもあるそうで。
エンジンとトランスミッションはないけど、そりゃ重くなるわなというお話です。

さらにカーブでの安定性。
常識的な速度域であればXC40もコーナーでの姿勢安定性は高く、SUVなのにロールもあまり感じず、よく出来ていると思っていますが、こちらもC40と比べると格上と言わざるを得ません。
「より安定感がある」と書くとそれで終わりですが、別の言葉で表現するなら「ロールのベクトルがかなり下方向にある」という感じです。
つまり普通のクルマが左カーブだと外側つまり右側に、地面に対して並行にイナーシャが働くとすると、C40だと左斜め下側15°ほどにイナーシャの30%くらいが引っ張られてる感じ……ってかえってわかりにくいか。^^;
まあ、下半身がドシッとしててあんまりロールを感じないってことで一つ。
長時間における高速走行において、このロール感の少なさは疲労軽減に繋がると思います。

◎加速感に脱帽!

C40の「売り」の一つが動力性能。というかパワーとトルクといったほうがいいですね。主に「進む」系の動力性能が高いということです。
公式発表だと0発進のうち0-100km/hがなんと4.7秒!
発進加速が得意なEVだからっていうのもありますけど、冷静に見ればこれはもう少し前のスーパーカーの数値です。
しかもMTのスーパーカーの場合、ドライバーのテクが為せる技的な部分がありましたが、誰でもガスペダル踏むだけでカタログ数値が得られるというテクノロジーの進化の恐ろしさよ……。

で、クルマ選びである程度の加速性能があることを基準にしている私としてもそこはかなり気になる部分でしたので、少しだけ試してみました。
もともとガラガラな道路ですが、後ろに誰も居ないことを確認し、前車との距離をそうとうに開け、助手席の担当氏に「踏み込んで加速試してみます」と確認し許可を得た上で行いました。
もちろん一般公道なので100km/hなんて出しません。
0km/hからの急発進もしません。
30-40km/hくらいで巡航している状態から、少しクイっと……感覚的には30°くらいガスペダルに角度をつけるような感じで試しましたが……。

「うわっ」

思わず声が出ちゃいましたよ。
数回試しましたが、毎回出ちゃいました。恥ずかしい。
結構な加速感です。
タイムラグなし。ガスペダルを踏む瞬間に加速感発生するあの感覚はトランスミッションを介した内燃機関(エンジン)では味わえないEV独特のものといっていいしょう。
というか、特殊なレーシングカーは知りませんが公道仕様の乗用車ではまず味わうことのできない猛烈な加速感です。
エンジン車の加速がどれだけ良かろうと、ガスペダルとタイヤの間にエンジンとトランスミッションが存在している限り、踏んだ瞬間から実際にクルマが急加速を始めるまでに絶対にタイムラグが発生します。
EVはそれがない(ほぼ感じられない)ので、感覚より加速が始まるのが圧倒的に早く、おもさず「うわ」とか「おおっ」とか声が出ちゃうという感じです。
「いや、〇〇ならこれ以上の加速しちゃうよ?」みたいなことを言う人がいるかもしれませんが、加速が始まってからの「加速力」というかGを上回るクルマはいくらでもいると思いますが、普通に巡航している状態でガスペダルに即反応できる内燃機関仕様の公道車はまずないと思います。
特殊な環境下、たとえばパワーウェイトレシオが小さいスポーツカーなんかで、エンジン回転がパワーバンドにあり、かつ思いっきり低いギア比で走行しているときにガスペダルを踏めばパワーによっては似たように爆発的な加速が得られる可能性はありますが、それって異常な状況なので比較すべきものではないと思います。

た・だ・し。
これは公道上で40km/hからせいぜい60km/hくらいまでのそれこそほんの一瞬だけの加速感に限っての話なので、ソレ以上のことはなんとも言えません。
試そうにもそういうコースじゃなかったので、そのへんが消化不良です。

私としては高速道路の加速レーンでのフル加速とか、0発進ではなく高速道路上で使う機会が多いであろう中間加速、たとえば80km/hから120km/hとか13km/hくらいとかがどうなのか、などを試したかったところです。

EVの場合は低速域からある程度までの加速はバカっぱやいけど、加速感が頭打ちになるイメージがあります。
その点トランスミッションを介して数段ロケット的に加速する内燃機関車の方が加速感が持続するというか……。
i3のときに感じたそういう点が、どれだけ情報修正されているのかをC40で試せたらな、と思っていたのですが、ソレをやりたければディーラーに配車されてからの話になりそうです。ディーラーがそういう試乗をさせてくれるかどうかはアレですけど、試せば高速道路での試乗はできるところがおおいんじゃないでしょうか。

というわけで、加速感は脱帽。
さすがEV。トルクステアリングが存在しない(感じられないというべきか)。
さすが2モーター(AWD)。タイヤの回転ロスがない(太いのでこれくらいならグリップ力がまさるというべきか)。

普段は何の不足も感じないどころか「十分速いぞ」と思っているXC40の加速など「児戯にも等しい」というか「足元にも及ばない」というか。
0-100km/hに関してはそれは間違いないところだと思います。何しろ4.8秒ですからね。
XC40だと7秒台がギリのはず。ざっと3秒も違います。
ちなみに4.7秒ってSUV視点で探すとフツーのモデルじゃ叩き出せない数値なんですよ。
Mercedes-AMGのGLC43あたりと同じ数値です。Mercedes-BenzのGLCの通常モデル、220dだと7.9秒。300でも6.5秒。ちなみにAMG43のお値段は軽く1000万円超ですから、C40は「安くて速い」ってことになりますけど、もちろんクラスが違うしクルマとして比較する意味はほとんどありませんね、ハイ。
同じCセグメントだとVWのTigan Rが4.9秒でAMG GLC43と同じ数値。内燃機関車のライバルは車格的にもこっちですね。
個人的にはちょっとお高いアルコールストーブ(キャンプで調理に使うアレのほうのストーブです)のような穴あきデザインのエグゾーストパイプを4本並べている「荒ぶる後ろ姿」が魅力的なTigan Rを選びます。値段もC40より200万円くらい安いですし。
C40のパイプのない丸いお尻もかわいくて好きですけどね。

どちらにせよローンチコントロールをきちっとしなければならない内燃機関車より、C40の方が「誰が乗っても」0-100km/h勝負においては勝利を掴むと思われます。
加えて中間加速などはタイムラグがないC40の独断場でしょうね。「時間的速さ」において。

◎ブレーキ性能

すみません、試せませんでした。
だってほとんど使わなかったんですもん。
発進時や駐車時にセレクターを動かす時くらい?
すみません。

でもまあフツーじゃないでしょうか。
オリジナル?のXC40に比べるとそうとう重く(プラス430kgくらい)なっているのでブレーキも対抗ポッドになっているかな?と思ったのですがパット見た限りでは普通の片押しタイプに見えました。こっちもその辺を確認するのを忘れました。

◎その他気づいたところ

動的性能を云々する部分についてはこれくらいです。
ここからは主に内外装や装備について気づいたことをいくつか書いておきたいと思います。

○Googleを使ったシステム

基本的には◎。現状は○かなと言ったところ。
今までのセンサスがandroidアプリに統合されたと考えるといいと思います。
言い換えるとセンサスで出来ていた事はほとんど新しいシステムでもできるということなので、ここは心配する必要はないでしょう。
ただ、ところどころ方針?に変化はあるようです。
短い試乗だったので新しいシステムについてはあまり触れることはできませんでしたが、その数少ないチェックでもちょっとした違いは感じました。

笑ったのはエアコンの温度調整をしようとした時。
担当氏が試してみましょう、と言って助手席から「OKグーグル」とシステムを呼び出し、つづいて「ちょっと暑い」と言った時。
Googleアシスタンとは「そうですね。私もそう思っていました」と回答。
ほう、やっぱセンサスと違って反応があるのはいいよね、KITT(ナイトライダー2000。ご存知ですよね?)みたいで……と思っていたのですが。
「……」
「え、終わり?」
ええ、Googleさんはエアコンの温度を調整してくれませんでした。
「ちょっと暑い」ではダメみたいで、担当氏も苦笑い「ちょっと」といったのは初めてで、こういうことになるとは思っていなかったとのこと。
リトライで「暑い」と言ったところ、今度はエアコンの温度を2℃下げてくれました。
ええ、2℃です。
センサスの場合「暑い」と言うと下げるのは1℃です。
ここが一番の違いです。
どうでもいい? すみません。

ステアリング右側のサテライトスイッチに「発話」ボタンがあります。
これを押すとイチイチ「オッケー・グーグル」なんてマヌケなウェイクワードをいちいちクチにする必要がない……と思われますが、可能かどうかの確認を忘れました。まさか電話の応答専用ってことはないですよね?

ちなみにどちらのシステムでも「0.5℃下げて」みたいに指定すればその様に設定してくれます(試してないですがそうおっしゃってました)。

○メーターコンソール内のMap

これ。
今いちばん後悔しているのがこれ。
試乗後に聞いておこうとおもったのに忘れていた項目その○です。
あと、写真とっておこうと思ってわすれました。

えっとですね。
フルデジタルメーターという点ではXC40と同じですが、メーター表示のデザイン自体は結構違います。
で、メーターコンソール内に地図を表示できるのはXC40と同じなんですが、その表示されている地図が……線図なんですよ。
わかります?
道路が線で表示されるだけのシンプルなやつ。

これ、既視感がありましたね。
昔あった「Map搭載レーダー探知機」に搭載されていた地図。あれ、道路を線だけで表示しているヤツが多かったんですが、アレなんですよ。
グレー地に線。
カラフルな、いわゆる「地図」じゃなくてまさに「線図」でした。
設定で変更できるのかを聞こうと思ってたんですが、担当氏の洒脱な「しゃべくり」もとい説明が楽しくて聞きそびれたまま忘れちゃったんですよね。

このあたりご存知の方はその辺教えてくださると嬉しいです。

○隠しブタ

C40で一番イケてないと思ったのがこれ。
C40はテスラに習ってEVらしくXC40では存在していたスタートボタンを廃したっていうのは記述の通りですが、XC40の内装をそのままキャリーオーバーしたC40において、スタートボタンがあったところはどうなったのかというと……。
こうなってました。


「廃した」というか「隠した」というか「塞いだ」というかなんというか。
かっこ悪!
XC40と共通だから仕方ないんでしょうけど、もう少し考えたほうがいいよね、とこれも担当氏と大いに盛り上がった点です。

せっかくもともとボタンがあるんだから、個人的にはここに「ワンペダル」昨日のオンオフボタンをつけたらいいとおもうんですけど、VOLVOさん、どうッスか?

ちなみに普通のドラポジをとっている人だと運転中はこのボタンはステアリング系に隠れて視界には入らないので気にはならないと思います。
が、何らかのタイミングで視界に入るたびに「かっこ悪」と思うに違いありません。
私だけ?

まあランニングチェンジできれいにふさがったパーツを使ってくるかもしれませんが……。

○シーケンシャル・ターンシグナル

C40のターンシグナル(ウインカー)ですが、シーケンシャル方式、いわゆる「流れるウインカー」になってました。
担当氏に尋ねると固定で普通の点滅式には出来ないそうです。

好みもあるのでしょうが、私はシーケンシャル・ターンシグナルは大嫌いなんですよ。
デコトラみたいで品がないとしか思えないんです。
まあ、そのへんは各人の好みなのでお好きな方の趣味をどうのこうの言うつもりはありませんが、各人の好みということであればこちらも設定で選べるようにしてほしかった。ランドローバーの一部車種だと切り替えができたんじゃなかったかな。見習って欲しいです。

○アンビエントライトを搭載

アンビエントライト。
流行ってますよね、主にDセグ以上のアッパークラスで。
最近ではだんだん下のセグメントにも「降りて」きていて、CセグのC40にもついに搭載されました。
残念ながらピーカンの昼間でコースにトンネルなどなかったので確認はできませんでしたが、担当氏が写真をとっていたのでスマートフォンから探して点灯状態を見せてくれました。
その写真を見た限りでは白色系の落ち着いたもので、なかなか上品でいいんじゃないかとおもいました。
光るというか照らされるのは主にダッシュボードとドアの加飾パネルのようですが、均一ではなくムラというか濃淡があって、いい演出だと思いました。

主にドイツ系のアッパークラスで採用されているアンビエントライトって、なんというかこう、田舎の安キャバレーみたいな照明で、下品にしかみえないのですが、C40のソレは上品じゃないかな、と感じました。実際に光っている状況を見たわけではないのでアレですが期待はできます。

はやりのアンビエントライト自体は歓迎というか搭載車種を羨ましいと思っていますので、C40に採用されたのはいいことだと思います。
問題はいかに「安キャバ風」に見せないか、ですね。
You Tubeのインプレ動画なんかを見ると「おしゃれ―」「エロい~」とか言ってますけど「ないわー」と思う私の個人的な意見でした。

いや、アンビエントライトほしいんですよ。
ナイトドライブ時は車内が真っ暗より落とし物を目視できるくらいの薄明かりがある方がいいに決まってます。もともとはムードランプじゃなくてそれが目的のはずですし、その場合はルーフ付近からのダウンライトではなくドアより下側に光源があるほうが運転の妨げにもならずにいいと思うのです。

XC40は当然ながら、Dセグのマカンにも設定はありません。アンビエントライトが流行る前のクルマ、つまり設計が古いから仕方ないですけどね。

○チケットクリップふたたび

一時は消えていたアレが復活していました。
昔からのVOLVOオーナーにとっては当たり前だったアレ。
運転席側のフロントウインドウ下部にあった透明プラスチックの細い板。
XC60からXC40に乗り換えた時のあの喪失感。
VOLVOと言えばアレだったのに!

そのアレがC40にはありました。


復活です。
ひゃっほーい!\(^o^)/

○リアシートのヘッドレストのアレがない!

同じくVOLVOオーナーのお楽しみ? の一つ。
それは運転席からリアシートのヘッドレストをワンタッチでたためるボタンの存在。
それまでは物理ボタンがあったのですが、センサス時代になって画面の中のタッチボタンに変遷しましたが……ついにそこからも消滅しました。
倒すにはヘッドレスト根本にあるボタンを押す必要があるそうで、担当氏が実演してくれました。

これは!
ちょっと、いやかなり残念な改悪点です。
私はこれ、チケットクリップとともにVOLVOのアイデンティティの一つだと思っていたのですがねえ。

ま、コストダウンっすね。

○ダッシュボードの加飾パネル

黒っぽい等高線をモチーフにしたデザインが施されてる樹脂。


安っぽいかなと思ったのですがそうでもなく、ランダムというか、均一なフェイシアではなく等高線が描かれていることでむしろ「いい感じ」に思えました。

○パノラマサンルーフ

大きなガラスサンルーフが標準装備されているのは○です。
曇天や雨天でも車内が明るくていい感じですし、夜は夜で市街地だとイルミネーションがいい感じでしょうね。

ただ、問題はシェードがない事。
どうなんだ?
担当氏はUVフィルムがラミネートされているっていってましたけど、熱は赤外線じゃないかな。
日本の夏でこのルーフがどうなのかはオーナーさんの声を聞きたいところです。
赤外線をカット(軽減)するフィルムを貼ることである程度対処可能なのでしょうが、けっこうお高くつきそうです。

◎C40、欲しいか?

さて、まとめです。
実際に実写を見て、触れて、乗ってC40が欲しくなったかというと、答えはNoです。
ただしこのNoは私の場合C40にだけではなく現時点では全てのEVに対してNoということなので、C40が悪いとかそういうことではないとご理解ください。

では充電環境が整っていて、かつ積載性がライフスタイルにマッチしているという前提でC40が魅力的かどうかという話ですが、これも個人的には「そうでもない」としか言えません。
理由はXC40のオーナーだからです。
乗り換えるには新鮮味がないのです。
もちろんXC40に比べて圧倒的な動力性能を誇っているとか、そういう魅力は理解しますしその点は素晴らしいとおもうのですが、運転席からの風景が何一つかわらないのにわざわざ乗り換えるのか? って話ですね。
たとえこれが車検が近づいているとかそろそろ買い替えだな、という時期であっても、「運転席からの風景」が変わらないのは個人的に「きつい」と思います。
XC40の運転席からの風景が気に入っちゃって、もう好きで好きで離れられない、みたいな人だといいんでしょうけど、私は「新しい革袋には新しい酒を」派なのでできればガラっと変わった方が気分が上がる性分なのです。
インパネ周りのデザイン言語が次世代のものにガラっと変わっていたら評価もかわってくるかもしれませんが、それにはC40のモデルチェンジを待つ必要があります。たぶん4年くらい先かな。

2つあるプラグリッドは両方とも左、つまり助手席側にあります。
リアフェンダーにあるのがチャデモ(急速充電)用。右上の電源プラグマークのボタンでリリースします

それから敢えて言うとC40にはXC40から較べて「新しい提案」が何もないと思います。
EVになった、という点を無視するとセンサスがGoogleになったのが一番大きな変更点というか、それしか無いのは地味すぎですよね。
また、EVとして見た場合も特に新しさがないというか「その他大勢のEV」感が拭えません。動力性能の高さは売りだと思いますが、シートにリアルレザーは使わないとか内装にリサイクル素材を多く使うとか、そんなのユーザーにとってはどうでもいいっておもっちゃうんですよ。いや、どうでも良くはないよっていういわゆる「意識高い系」の人たちには刺さるポイントなのかもしれませんが、現実問題としてそんなユーザーが大多数だとは思いません。私なんかも「リアルレザーじゃないと絶対ダメ」とは思いませんが、「なんだつまんないな」と思ってしまいます。

フロントフェンダーにあるこちらが普通充電用。ちなみにPORSCHEタイカンみたいに隠しスイッチに触れると電動オープンする機能はありません。ああいうのが「未来を感じさせるEVっぽいギミック」だと思う私。

フロントフェンダーにあるこちらが普通充電用。ちなみにPORSCHEタイカンみたいに手をかざすと自動でオープンしたりはしません

ちなみにC40のシート表皮は手触りもよく上質に思えました。どちらかとうとカジュアルな雰囲気のXC40とかC40にはマッチしていると思いますが、XC60やXC90もこれなの?と思うと安っぽい感は否めません。もっともそっちには高級に思える素材、たとえばリサイクル素材から作るアルカンターラ的なものとかをもってくるのかもしれませんが……。

Stitchがほどこされていて見た目の仕上げも上々

なんというか、C40はあまりに普通のクルマなのですね。
私のような人間は「どうせEVを買うんだったら、もうちょっと未来を見せてほしい」って思っちゃうんですよ。
その点でMercedesやBMWは演出がうまいなって思います。
ああいうわかりやすい「新しい時代のクルマだな」と思えるモノを求めたいというか。

「ボンネット」とか「エンジンフード」と呼ぶのは正しくなくなってしまった。フロントリッドと言うべきか。二重蓋のようになっているこのフロントトランクは充電ケーブルの贅沢な専有地状態。それでもスーパーの買物くらいは十分入るかな

未来など予測できませんが、C40、私は日本ではあまり売れないと思います。
AWDでもないし加速性能もかなり劣りますし、デザインにC40のようなインテリジェンスがない……いや、個人的なデザイン評価はやめておきましょう。とにかく私が今CセグのEVを買うならMercedesのEQAを選びます。
もしくは古いしBセグだけど「お値段以上」のi3。

とはいえ、CセグのEVでAWD、0-100km/hが4.7秒という動力性能を誇り装備もよくてあの値段はEVとしてはバーゲンですし、加えてエクステリアデザインも品が良くて顔もエグくないクルマって、探してみるとC40くらいしかないのも事実。

アイオニック5?
うーん、ノーコメントで。^^;

以上、長々と失礼いたしました。

◎おまけ

試乗後は会場の「瑠璃」へ。
今度は上階フロアに通され、ランチが提供されました。
待ち時間はアンケートの回答。
渡されたQRコードを読み取って、つまりスマートフォン上で行うものでした。

ランチは2種類のメインからチョイスするもの。
私はキッシュを選びました。


人気結婚式場のキッチン提供ということもあってかどれも美味しくいただきました。
キッシュに添えられているソースは、ソースというかジャムでしたが好みの味で満足しました。
というか、ボリュームがあって私にはちょっと量が多かったかな。
パンも美味しかったのですが、自分で作っているパンを食べなれていると、外で食べるパンはどれもバターと砂糖が過剰に感じられるのは致し方ないところでしょうね。

ごちそうさまでした。