にゃんぱす~
いきなり核心を突くタイトルに、我ながらビビっております
その前に、私が制作した絨毯スピーカーのコストをおさらいしておきましょう。
なお、表示はすべて税込みです。
◎絨毯スピーカーの原価(原価?)
私の場合は次の通り。
・ニトリの一畳用絨毯(2枚)
1017×2=2034円
・セリアの花台(2個)
110×2=220円
合計:2254円
値段が高い安いというのはあくまでも個人の主観ですが、さすがにこの値段だと「かなりお安いスピーカー」という事になると思います。2個セットですし。
ただしこれは「私の場合」です。
おそらく最も価格的比重が高いスピーカーユニット(以下、ユニット)は手持ちのものを使ったので今回の「スピーカー遊び」の原価には入っていません。
なので「2千円ちょっとでできる絨毯スピーカーってちょっとおもしろそうだな」と思った人がいたとして、その人が都合よく「手持ちの小口径スピーカー」を持っているとは限りませんので、ここは人によって原価は大きく変わる、という事を(冷静に)考えておきましょう。
◎(今更ながら)絨毯スピーカーに必要な部材
なので、ここは冷静になって絨毯スピーカーを因数分解……ではなく絨毯スピーカーに必要なパーツ類を改めて列挙しておきます。
私の場合は足りない部材は絨毯と花台だけでしたが、人によって必要なものが変わってくるはずです。
・ユニット×2
・ファストン端子(メス)×2
・スピーカーケーブル(必要な長さは人による)×2
・バナナプラグ(必要かどうかは人による)×2
・一畳用絨毯×2
・花台×2
・スピーカーを鳴らせる環境(アタリマエですが……)×1
私はこれらを揃えましたが、このうち次の部材は必ずしも必須とは言えません。
〇ファストン端子(メス)×2
「ファストン端子」が何かわからない人は検索しましょう。(^-^;
簡単に言うと「ユニット」とスピーカーケーブルを繋ぐ為のジョイントです。
ユニット側には、スピーカーケーブルをつなぐためにあらかじめファストン端子のオスがついています。なのでケーブル側の端にファストン端子のメスを取り付けると脱着が簡単になります。
ですが、必須ではありません。
ユニットの端子に直接スピーカーケーブルをねじったりして取り付けることも可能です。
猛者ははんだ付けする場合もあります。
私の場合はユニットやスピーカーケーブルを交換して楽しむ可能性が高いので換装しやすいようにファストン端子接続にしています。
私はライトな自動車いじりやオートバイいじりもするので、大昔からファストン端子セットはツールボックスに常備されていますが、ごく一般の家庭にはない可能性もあります。その場合は購入が必要です。
ファストン端子と一口に言ってもいろんな規格がありますので、スピーカーユニットに合ったものをチョイスする必要があります。
スピーカーでは通常「平型」を使っています。
少し無駄になるかもしれませんが、ファストン端子についてはセット品をおすすめしておきます。
理由は……。
私が使っているユニット、フォステクスのFE83En側のファストン端子は、いわゆる「110の平型オス」と呼ばれるタイプです(たぶん)。新しいユニットは平型205の物が増えているようですが。
じゃあ「110の平型メス」だけ用意したらいいのか、というとこれが結構そうじゃない。(^-^;
モノにもよりますが、少しオーバーサイズのものの方が取り付けやすいんです。
187か、205をお勧めします。
緩い場合はラジオペンチ(ちゃんとしたものを推奨)などでクイって軽く締めて隙間をへらしてやればOKです。圧着ペンチなんていう専用工具もあります。
あまり強くすると脱着しにくくなりますから脱着する必要がない場合は取り付けた後でラジオペンチでぐいぐいって挟みつけるといいでしょう。
その場合は250オスあたりが良いのではないかと思いますが、そういうサイズ調整や色々試してみるためにも、最初はちょっと割高だな、と思ってもセット品を買うほうが結果として損をしないと思います。
そしてセットをムダにしないようにオーディオ遊びを趣味に……^^;。
なお、写真のような絶縁パーツ付きのものがベターです。セットだとたいがいついています。
〇スピーカーケーブル
ケーブルのポイントは長さです。
アタリマエですが、左右二本要ります。念のため。
個人的にはスピーカーケーブルのお勧めとかはありません。
いや、なくはないのですが、スピーカーケーブルというのはオーディオマニア的にはかなりの「地雷源」なので今回の趣旨からはどんどん外れていくため、あまり触れたくないというのが本音です。
それより重要なのは長さです。
あらかじめスピーカーを設置する場所を想定したうえで、アンプとの距離をはかりましょう。
この際、間違っても最短距離を測らないようにしましょう。
丸めた絨毯の筒の中を通ってケーブルを出しますので、その辺も考慮しないといけませんし、そもそもギリギリだといろいろとアレです(どれ?)。
余裕を持った長さにしておきましょう。
ちなみにアンプの場所の問題で左右で長さが違う場合、まさか二本とも短い方に併せる人はいないと思いますが、ここは長い方に併せてそろえた方がベターです。
だって「アンプからスピーカーに電気信号が伝わる時間が左右で変わるじゃないですか!」っていう、いかにももっともらしい理由があるからです。
「いや、それくらいは無視していいから」という理性的な突っ込みを入れる人の意見はごもっともなのですが、そのあたりは「作法」とでも思っておきましょう。
というか、「シンメトリ」がオーディオ趣味の基本です。もちろんあくまでも基本ですけれど……ね。
書かない、といったものの、少しだけケーブルについて書いておくと、基本的には安いものでOKです。なんならもう使わない電源の延長ケーブルなんていうのがあれば剥いて使って構いません。全然オッケーですが、その場合は多分太いので、ファストン端子とか使わないとユニットにつけにくいと思います。
いちおう、スピーカーケーブルとして売っているものだと安心ではありますね。
こういうBELDENのツイストケーブルで十分です。
私もこれは1組持っています。十分いい音で満足できるケーブルです。
あ、くれぐれも「評価欄」は読まないように。地雷……というか、深淵を覗く覚悟があるものだけが覗けばいいというか、ぶっちゃけ「オカルト談義」なのでスルーしましょう。大丈夫、普通に鳴りますから。(^-^;
なおオーディオマニアの間では「一般的には細いケーブルだと高音が強調され、太いと低音が強くなる」なんて言われてますが、個人的な経験を言わせていただけるとオカルトです。全く同じ素材で直径をかえた心材のケーブルを使った定量的な計測値を示した(信用が置ける)サイトがあれば教えていただきたいです。
たいがいは「個人の感想」レベルなので、マニアでないひとは「気のせい」だと思っていい話だと思います。
あ、そうそう、LANケーブルがあればそれも使えますよ。
変な高級品を選ばなければけっこう安いし、いろんな長さのものがあるので選びやすいスピーカーケーブルです。
LANケーブルを選ぶ時のポイントは、必要な長さのLANケーブル×2を買うのではなく、必要な長さ×2の長さのケーブルを1本買う事です。
その方が安いですし、ケーブルを切断する手間が1回減り、無駄になるRJ45端子が2つ減ります。
10mのを買えば5mが2本できるという事ですね。
私はスピーカーケーブルもそれなりに色々な種類を持っているのですが、実は少し前に引っ越しをして、その時に余ったLANケーブルを使ったりしています。
現在使っているメインスピーカーのケーブルはCAT6のLANケーブルです。
興味本位で使ってみたらこれが結構いい音(と本人がオカルト的に思った)のでそのまま使い続けています。
調べてみると「LANケーブルをスピーカーケーブルとして使う教」というのが存在していて、ケーブルの種類やらCATの種類で音がいいだの悪いだのと、一大宗教紛争が勃発していてビビりっています。
ちなみに私がつかったのはいわゆる単線のCAT6モノです。
ここまでLANケーブルの流用について無責任におすすめみたいに書いてきましたが……今、重要なことを思い出しました。
LANケーブルは先の部分を「剥く」作業がやや面倒なんです。
知っている人は知っていると思いますけど、LANケーブルって、細っそい8本のケーブルの寄せ集めですから。
つまり8本全部剥いて、それぞれ4本ずつ束ねて「ホット」と「グランド」に分ける作業がけっこう面倒です。それを全部で4回やらなければですからね。
私はその手の細かい作業が好きというか内職属性が高い人間なので夢中でやっちゃいましたけど。
そもそもLANケーブルは自作しちゃうタイプだったりしたのでLANケーブル用の「皮むき器?」を持っています。なのでもともとハードルが低かったんですが、そうじゃない人はまあ、アレです、ここまで書いてきてなんですけど、素直にスピーカーケーブルを買いましょう。(^-^;
〇バナナプラグ
いわゆる「バナナプラグ」って何ぞや? てな話ですが……こういうヤツです。
これも必須ではありませんし、オーディオマニアの中でも「バナナプラグ」否定派の声は大きいのですよ。
長所はバナナプラグ対応のターミナルがあれば、接続が「きわめて」簡単であることです。
短所はバナナプラグ対応ターミナルがないと接続できないことでしょうか。(^-^;
あと、否定派的は「音が悪くなる元凶である」と主張しています。
私は駄耳なので直付けした場合とバナナプラグで接続した場合とで音の差異は認識できません。なので便利な方法をとっています。つまり「バナナプラグ最高!」であります。
今回の絨毯スピーカーの場合はターミナルなどは使いませんので、問題はアンプ側のターミナルです。
ここがバナナプラグ対応の場合はスピーカーケーブルの端をバナナプラグにしておくと脱着が簡単なのでおすすめです。
因みバナナプラグ対応のターミナルはこういう形のヤツ。
こういうのだったらバナナプラグ非対応です。
〇一畳用絨毯
私は先人のブログなどを拝見して、ニトリの一畳用絨毯をわざわざ購入したわけですが、これも余っている絨毯がなんでもいいので、まずはそれを使って試して(遊んで)みましょう。
ニトリの絨毯は安いですけど、タダではありませんしね。
〇花台
花台である必要はありません。
ようは密閉型になること避けるための方便?ですから、丸めた絨毯の筒を少し浮かして空気が抜ける部分が作れるのであればなんでもいいのです。
とりあえずは焼き肉用の金網とゴルフボール3個で代用してもいいのではないでしょうか。
むしろ両者が手持ちであればそっちを推奨します。
〇スピーカーユニット
実はこれが一番の問題だったりしますね。(^-^;
手持ちがあればかなり気軽に「ちょっと試してみよう」という感じで遊び感覚でトライできますが、ユニットがないと少しハードルの高さを感じるはず。
でもね、実はユニットもさほど恐れるような値段ではないのです。
私が使った何十年物?とも思えるユニットはフォステクスのFE83Enという超ロングセラーでしたが、去年、つまり2019年に後継機にバトンタッチしています。
現行品はFE83NVというモデルで、お値段は一つ5,500円ほど。
NVは試したことがないのでアレですが、FE83シリーズは良いスピーカーなので、これからのことを考えてえいや、で買うのもあり……かとは思いますが、2つで1万円を超えるとちょっと悩みどころですね。
だったらFE83みたいな高級品?にこだわらずに別なやつにしましょう。
おすすめはこれ。
同じフォステクスの8cm口径のスピーカーユニット、P800Kです。
これなら2個セットで2500円くらい。
2500円くらいなら「趣味」の出費としてはリーズナブルなのではないでしょうか。
後述しますが、このユニットは安価でも実はけっこう出来るやつなんです。(^^)
この他にもAmazonやYodobashiを検索すると色々あるとおもいます。
口径8cmにこだわらず10cmとか5cmとかでもいいでしょう。
ただ、タイムドメイン・スピーカーの特性というか、絨毯スピーカーの実際を考えると、あまり口径が大きいものは意味がないというか本領を発揮できないと思われますので、ざっくり「最大10cm」としておいたほうがいいと思います。
○スピーカーを鳴らせる環境
さて、色々書いてきましたが、最後は根本的な部材のお話を。
現在、オーディオ装置をお持ちのばあいは、そもそも今鳴っているスピーカーと絨毯スピーカーを繋ぎ変えればいいだけなので話は早いんですが、そうじゃない人もたくさんいるのではないかと推察します。
この記事で書いている絨毯スピーカーというのは、いわゆるダイナミック・スピーカーというものです。
パッシブ・スピーカーなんて呼ぶこともあります。
これは別途アンプにつながないと音が鳴らないタイプのスピーカーなのです。
最近はPCオーディオの普及もあって、スピーカーといえばアンプが内蔵されているアクティブ・スピーカーを思い浮かべる人のほうが多い気がしていますが、そういうスピーカーじゃないのです。
ちなみにわかりやすい両者の違いはスピーカーに電源ケーブル(ACアダプター)がついているかどうか、です。
絨毯スピーカーのようなパッシブ・スピーカーはアンプからスピーカーケーブルを経由して電気信号をもらい、それでユニット(コーン)を動かして音を鳴らすタイプです。
「あ、だったらオレはそもそもそのスピーカー鳴らすアンプとかも持ってないわ」
って人はアンプを買う必要が生じます。
「うわー、またカネの話かよ」ってな話ですね。
まあ、オーディオアソビは多少はお金かかっちゃうんですって。^^;
でも今はいい時代で、そのアンプもそこそこ安くて素晴らしい性能のものがかんたんに手に入るんです。
探せば色々と種類がありますので、予算と相談して選びましょう。
注意点はACアダプターが別売りのものもありますので、安いからと即ポチせず、説明はちゃんと読みましょう。これは結構「あるある」です。
それからポイントは「スピーカーターミナル」があるかどうか、です。なければ使い物になりませんので、念の為。
「おすすめ」というわけではありませんが、少し前にこんな記事で5000円クラスのLEPY LP-S69Sというデジタルアンプを紹介しました。
ターミナルはバナナプラグには対応していませんが、これがあれば手持ちのスマートフォンなどとBluetoothで接続して絨毯スピーカーから音を鳴らせます。
DAC機能がなく、ステレオジャックかBluetoothかに限定されますが、バナナジャック対応でこういうのもあります。
それからソース、すなわち音源との接続方法も考えておきましょう。
スマートフォンから音を出すつもりであれば、Bluetooth接続機能がついたものを。
PCやMacに繋いで音を出したいのであれば、3.5mmステレオミニジャックの入力があるもの、より良い音を目指すならUSB入力できるものを。
◎原材料?コストまとめ
0から揃える事を考えた場合のコストをまとめてみましょう。
値段はこの記事を書いている時点でのAmazon.comの税込み価格です。
・ユニット×2
例)フォステクス P800K
1236×2=2472円
・ファストン端子(メス)×2
1980円
・スピーカーケーブル(必要な長さは人による)×2
1400円
・バナナプラグ(必要かどうかは人による。最大8個)
1699円(10個入り)
・一畳用絨毯×2
例)ニトリの一畳用絨毯
1017×2=2034円
・花台×2
例)セリアの花台
110×2=220円
・デジタルパワーアンプ
例)LEPY LP-S69S
4999円
最大必要経費:14,804円
つまり、15000円以内の投資でできる「オトナの遊び」というわけですね。
◎鳴らしてみた!
さあ、それでは鳴らしてみましょう。
いや、こんなときこそこのセリフを使うべきでしょう。
「見せてもらおうか、絨毯スピーカーの実力とやらを」
諸般の都合?で、というかスピーカーを複数系統繋いだまま、スイッチで切り替えができるので、メインのオーディオ用システムではなく、テレビ視聴に使っているAVアンプにつなぎました。一応、比較用に10cmフルレンジユニットを使ったバスレフタイプのスピーカーと、12cmフルレンジタイプのユニットを使ったバックロードホーンと聴き比べました。
○第一印象
「能率悪っ」
能率が悪い10cmバスレフより更に更にボリュームを上げないと音が大きくなりません。
おっと……。
これは絨毯スピーカーではなくてFE83Enの仕様でした。^^;
リテイクです。
○第一印象
「…」
「……」
「………」
「…………」
ペシっ。
○第一印象
すみません。
ちょっと取り乱して、リモコンをクッションに投げつける際の擬音で済ませてしまいました。次はちゃんと言語化しますね。^^;
○第一印象
「えーっと……」
「なにこれ?」
「ショボっ」
「つか、スッカスカじゃね?」
ある意味で期待はずれ。
そしてある意味で予想通りの結果でした。
ええ、これでは「音が出ている」というだけで、個人的にはちょっと使い物になる音ではありません。
個人的には、ですよ?^^;
何しろ人間ってみんなちがいますからね。人はまったく同じ音を聞いていても、それぞれ違うように聞こえているものなのです。
あしからず。
○重りを付けてみた
まずはタイムドメイン・スピーカー的に、ユニットに糸でおもりを取り付けて見ます。
おもりは適当に500mlのペットボトルに水を入れてぶら下げてみました。
水の量を替えて音が変わるのかをチェックするためですが、結論として全くかわりませんでした。正確に言うと「私は音の違いがさっぱりわからなかった」です。
なお、重りがある場合もない場合も同じく「全く違いは感じない」でございました。
つまり重りの意味はなし、でした。^^;
重りはユニットの振動をキャンセルするためのもののようですが、絨毯スピーカーの場合はユニット取付部(置いているだけですが)の密着度を上げる効果のほうが高いように思いますが、それでも音の違いは感じられませんでした。
次にエージング、すなわち「慣らし」不足についてですが、これは考慮する必要はないと思われます。
というのもこのFE83Enというユニット自体はもう何十年(嘘こけ(^^;)使っているかわかりませんのでエージングが進みまくっています。
じゃあ、エンクロージャー側か? というと絨毯にエージングってどうよ? ではないでしょうか?
◎絨毯スピーカー遊びの感想文みたいな?
絨毯スピーカーとはつまり、ユニットの裏側から出る逆位相の音を吸音材を使ってなくす(減らす)事を目指した構造なのです。
実はスピーカーって前だけじゃなくて裏からも音が出ています。
一般的なエンクロージャー、すなわち硬い材質の箱でできているスピーカーというのは、むしろその裏から出た音を「利用」して音を出しているのです。
つまり絨毯スピーカーとは、「硬い箱スピーカー」とは違い「表側から出る音だけ」を抽出して鑑賞しましょうというものなのでしょう。
で、実際に出てくる音は「なんかスカスカ」である、という事実。
もちろんユニット自体の特徴がありますのでユニットが変わると多少変化するはずです。
今回使ったFE83Enはいわゆる「ハイ上がり」で低音はあんまり出ません。共鳴装置(硬い箱)もないのでスカスカなのアタリマエというか。^^;
○絶賛しているサイトも多い
こればっかりはなんとも言えないですね。
そもそも絶賛されている方のスピーカーと私のスピーカーは作り方は同じでもユニットが違ったり、アンプが違ったりで、想像するまでもなく同じものではありません。
聞く環境も違います。
今回、リビングで試しましたが、我家のリビングは広さが30畳以上あって粗底広く、壁紙の材質等を含めて反響が低めのいわゆるデッド寄りな部屋なのです。
そして感覚。
「いい音」だと思う音は人ぞれぞれ。
オーディオ的評価なんていうのは「計測したらこんな波形でした」「絨毯スピーカー、作ってみたら私も同じ波形でした」「やっぱり絨毯スピーカーの波形は最高」みたいな話にはなりませんからね。
あとは形状の問題もあります。
絨毯スピーカーはユニットが上向きです。これではいわゆる「定位」がプアになります。
もっともタイムドメインは定位に重きは置いておらず「どこにいても立体的に聞こえる」という方向性のようなのでそれでいいのでしょうけど、この「立体的に聞こえる」という説明もかなり怪しいというか「え?そうなの?」と言わざるを得ません(個人の感想です)。
もともと私はどちらかというと定位にこだわるタイプなので。
もちろんBGM的に流す場合は問題にはならないとおもいます。
※絨毯スピーカーの定位能力不足の問題については、いわゆるレーキ(衝立)的なものを立てて対策する、などの手法があるようですが今回は「そもそもそんな価値を見いだせない」レベルだと判断したので試していません。m(_ _)m
絨毯スピーカーを絶賛している人と私との違いは他にもあります。
というのも音がいいとか悪いとかいう評価って、相対評価だと思うのです。
つまり、何に対していいのか?
今まで自分が聞いていたものと比べて「素晴らしい」というのであればそれは理解出来る気がします。
例えば比較対象がテレビ内蔵スピーカーであったり、パソコンの内蔵スピーカーであったり、たとえ外付けであってもとても「オーディオレベル」ではないアクティブスピーカーであったり。
私の場合は当然ながら今使っているオーディオシステムとの比較になります。
テレビ用、音楽鑑賞用と2系統ありますが、どちらもそれなりに満足している音と比べたわけなので、「そりゃハードル高いよね」と言わざるを得ません。
◎最終評価
なので「今のオーディオ用スピーカーを100点とした場合」の絨毯スピーカーの点数出して、相対的評価としてみましょう。
30点。
というわけで、私に限っては「絨毯スピーカーはないわ」というのが現時点での結論です。
◎逃げ道:その1
今こそ私がフォステクスのP800Kを「おすすめ」した理由を明かしましょう。
これを買いましょう。
これとは「FOSTEX スピーカーボックス P800-E」フォステクス純正のP800Kユニット用のエンクロージャーです。
絨毯スピーカーではなく、普通のスピーカーとしてP800Kを活用するのです。
メーカー純正品というか専用品なので、その音が好みかどうかはともかく「ちゃんとしたそれなりの音」が鳴るはずです。
そう、私は皆さん?に逃げ道をちゃんと用意しておいたのですよ。うぇっへっへ(?)。
P800Kじゃなくて違うスピーカーを買った人は、そのスピーカーにあったエンクロージャーを探してみてはいかがでしょう?
口径やら奥行きやらで取付可能、不可能など色々あると思いますけど、問い合わせ可能であれば問い合わせて、あうエンクロージャーを探すのを楽しんでみてはいかがでしょうか。
もっとも「P800-Eより絨毯スピーカーの方が何倍も音がいい」という人もいますので、こちらが正解、と断言することはやめておきましょう。
◎逃げ道:その2
私と同じFE83Enをお持ちなら、こういうのはどうでしょう?
共立電子のWP-SP087MSというモデル。
絨毯スピーカーと同じ無指向性です。
2つセットで10000円を超えちゃいますが、個人的には「ちょっと試してみたい」と思わせる変わり種スピーカーです。
ちょっと未来的で、なにより絨毯スピーカーよりはまともな音がでそうじゃないですか?^^;
◎逃げ道:その3
変わり種といえば、もう一つ流通在庫もしくは中古のFE83Enを買って、この際「マトリクス・スピーカー」を試してみるのはどうでしょう?
音工房Zのこのスピーカー自体は試したことがないので滅多なことを書いてはいけないのでしょうが、マトリクス・スピーカー自体はなかなか興味深いものです。スピーカー遊びにおいてマトリクス・スピーカーは外せないジャンルだと思います。
長岡式の初代マトリクス・スピーカーの設計図に出会ったのが、私が自作スピーカーを作り始める切っ掛けでした。
初代長岡式のMX-1はスピーカー4つを使うものでしたが、原理的には3つのもので事足りますし、音工房Zのこれは合理的かつモダンなマトリクス・スピーカーであろうと思います。
値段も7千円でお釣りが来ます。
ただしこれ、接着剤などを使って自分で組み立てるキットなので、手間と時間がかかります。その分安いわけですけどね。(^^)
ちなみに音工房Zの中の方とは何度かメールでやり取りした事がありますが、極めて丁寧、かつ論理的な回答をいただいた記憶があります。
特にきちんと対応してくださる点において個人的に信頼しています。
ユーザーに対するその態度はアタリマエといえばアタリマエなのですが、そのアタリマエの事がなかなかできない昨今ですから特にいい印象が残っております。
というわけで、その説はこんな素人相手なのに、ご親切にいろいろとありがとうございました。^_^
◎あと書き的な?
絨毯スピーカーって、バックロードホーンとは対極にある存在といっていいのかもしれません。
バックロードホーンは、スピーカーの裏側から出る音を最大限につかっちゃうぜ、みたいなスピーカーですから、「前面以外の音は殺す」というタイムドメイン系絨毯スピーカーとはその哲学が違うのです。
ここでっは正しい正しくないという議論は無意味です。
考えてもみてください。
そもそもユニットは「硬い箱」に入れて「鳴らす」事を前提とした設計がされているはずです。
例えばFE126Enという私が大好きな12cmフルレンジユニットはメーカーが「バックロードホーン用」として開発したものだったりしますし、各スピーカーには「メーカー推奨エンクロージャー」というものがあってどれも「硬い箱に取り付けて鳴らす」事が前提に鳴っている事がわかります。
ただし、どんな使い方をしようとそれはユーザーの勝手ですし、メーカーの思惑とは違う事が不正解といい切ってはいけないのも確か。
発明はアタリマエではない、そういったところから生まれるのですから。
むしろ私は今回の遊び(実験?)で、「タイムドメイン用ユニット」をメーカーにぜひ開発して欲しいと思いました。説明書に記載される「推奨エンクロージャー」が一畳用絨毯だったりすると痛快じゃないですか?
で、私を始めとした実験大好きな連中は、そのタイムドメイン用ユニットをバックロードホーンに取り付けてみたり、ダブルバスレフに取り付けて鳴らして楽しむのです。
そう、つまり私は今回の絨毯スピーカー遊びを大いに楽しんだということがいいたいのです。
私は結果として失敗?したわけですが、改めて自分のメインシステムの音がニトリの1000円の絨毯より何百倍も音がいいと再認識(再自己満足?)できたわけですし、新たなる遊びを思いついてウズウズしたりしているわけですから。