「隙間レンズ」とは?
さっき私が名付けたレンズの分類項目の一つでして、定義は
◆手持ちのレンズを見直したとき「そう言えば○○mmって持ってないよね」と気付く、そんな焦点距離のレンズの事
主に単焦点レンズを指すことが多いですが、人に依ってはもちろんズームレンズである場合もあります。
てな感じです。
そして私の場合の「隙間レンズ」、つまり穴になっている焦点距離は75mm~85mmくらいの単焦点レンズです。
理由は「必要が無いから」「欲しいと思わないから」「なんとなく、ないよね」「標準ズームでカバーできるしね」という、まあ普通の理由?
これがポートレート撮影が趣味の人なんかだと85mm相当の単焦点レンズを複数持っている事が容易に想像できます。
私の場合は28mm近辺の画角がまさにそれ。単焦点レンズ付きのコンパクトカメラを含めたら一体何本あるのか、と。
一時は標準ズームコレクターだったので、その時に28mmをカバーするレンズは最高で20本くらいありましたっけ。
そう考えると趣味って怖いっスね。
必要が無く、当然欲しいとも思わないのに、じゃあなんでXF50mmF2 R WRを買ったのか?
それはまあ、こういう流れです。
1)X-E3を手に入れたぞ(・∀・)
2)キットレンズのXF23mmF2 R WRがかなりよくて気に入ったぞ(・∀・)
3)どこが気に入ったって、写りも当然だけど、無理はしない。でも、それなりにちゃんと明るい解放値に押さえ、コンパクトさを追求しつつも、安物ではなく金属鏡胴などで高品位な仕上げをし、かつリーズナブルなプライスタグをつけて手が届きやすいように頑張った、ってところが気に入ったぞ(・∀・)
4)それに最新のステッピングモーター搭載でAFは速いし、防塵防滴ってところにも安心感があるし(・∀・)
5)そんでもってこのXFのF2は共通デザインでシリーズ化してあって、他のレンズも良さそうだぞ(・∀・)
6)XF35mmF2はまあ、既にXF35mmF1.4を持っているから必要無いんだぞ。むしろXF35F2よりコンパクトだしな(・∀・)
7)でも3本目のXF50mmF2はちょっと興味があるぞ(・∀・)
8)何しろFUJIFILMの既存の50mmクラスのレンズと違ってこいつは「寄れる」じゃないか。XF56mm系が70cmという使えない仕様なのに対し、最短撮影距離は39cmだぜ(・∀・)
9)しかも200g。これはXF56mm系の1/2以下だし(・∀・)
135判換算で85mmと思うと、XF56mm系の最短撮影距離70cmは批難されるほどひどいわけではありません。むしろ普通ですね。75mm相当のXF50mmが39cmまで寄れる事を大いに褒めるべきでしょう。
良い仕事したな、FUJIFILM!(・∀・)
そんな流れで「よし、XF23mmがこんなにいいレンズなんだから、XF50mmの写りが悪いわけがない」と思ったわけです。
そして冒頭の焦点距離の「隙間」の存在。
白状すると実は135判換算で90mmとか85mmの単焦点レンズはあるんです。
でも、それはアスペクト比が4:3のマイクロフォーサーズ用レンズで、3:2フォーマット用のレンズでその画角になるものを今は持っておりません。
というか、しばらく持ってませんね。
そう思った時に「買わない理由」をなくしてしまったというわけです。
「1本くらいあってもいいよね」みたいな?
要するに「このF2シリーズの中望遠レンズの写りに興味津々」ってわけですね。
買ってきたレンズをさっそくX-E3に装着。
XF23mmはキットレンズだったのでシルバーでしたが、ブラックボディのX-E2もあるし、ここはやっぱりブラックで、という感じで無難なセンをチョイスしました。
基本的にはXF23mmとまったく同じデザイン文法。まさに3兄弟、3姉妹と言った感じ。いや、むしろ一卵性の三つ子かな。
XF23mmF2のレンズフードはフジツボ型でしたが、残念ながらXF50mmF2のレンズフードは常識的な筒型。
デジタル時代になってからレンズのコーティングが著しく高級化というか高性能化しているので、もはやこんな筒型フードはいらんと個人的には思っております。なのでオプションでいいからフジツボフードを用意してくれませんかね?
だって実際問題として「ハレ切り」としてのフード機能が必要なシチュエーションは少ないと思いますよ。
そもそも初級者とかフードの意味をわかってませんからね。
キットズームのレンズフードを収納時にやるような逆付け状態で撮影し続けている人がいかに多いか。
で、実際問題としてフードがなくてもきちんと写っちゃいますしね。
なのでレンズ保護したいだけの私の様なユーザーはフードを装着する事によってレンズの実効長が長くなるのがイヤなんです。ズームレンズの花形フードも同じ理由で大嫌い。どうせ望遠側ではハレ切り効果なんてほとんど期待できないんですから。
さて、写りと使い心地ですが、結論からいきましょう。
「Xユーザーなら、これは買うべし」
まあ、アレです。
私の様に実は75mm相当なんていう画角は必要ない人にとっては必要の無いレンズなんですが、それでも必要無いと決めつけるんじゃなくて必要じゃなくても楽しめるんだという観点から使ってみてはいかがかな、と「強く推奨」できるレンズです。
その理由はもう既に書きまくっているとおり、
1)軽量コンパクト
2)寄れるは正儀! と再確認できる快感がある
3)その上で「いいもの感」がある作り
キットレンズでカバー出来てしまう画角ながら、ズームレンズにはないF2という明るさを活かした表現が楽しいレンズです。
ポートレートだけじゃなくて、室内ブツ撮りなどにも使えます。
倍率は0.15ですが、同じ倍率だとしても広角系レンズと違って遠近感の誇張を押さえた素直な形で撮影できますし、ワーキングディスタンスが取れる事により光線のコントロールにも幅が出来ます。
キットズームと違って開放が明るいので、最短距離でアウトフォーカス部分をボカした表現もお手の物。
なのでこの画角が「隙間」になっている人で「なんかちょっといい新しいレンズが欲しいかな。でもあんまり高級じゃないやつで」なんて思っている人は是非このレンズを候補にいれていただきたいと思う次第です。
ええ、私はFUJIFILMの回し者ではありませんぞ。念の為。