趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

☆ホノルル・センチュリー・ライド(HCR)に備える アイテム編 その5【X-RIDE サイカム B-1】

ホノルル・センチュリー・ライド

「インカム」(初出:2017/08)

先日盆休みの炎天下に敢行した「湖北100kmライド」でテストしたHCR用のアイテム評価第五弾です。
なお、100kmロングライドで使用、評価したHCR用のアイテムは次の通りその1:日焼け止め「アグレッシブデザイン Sun Protect”Fighter”」(既報)
その2:疲労低減カーボンハンドルバー(既報)
その3:チューブレスタイヤ&ホイール(既報)
その4:シートポジションの変更(既報)
その5:インカム(今回)
その6:盗難防止装置&ウインカー
その7:モバイルバッテリー
その8:その他(←追加)今回は「その5:インカム」を。まずは「インカムとは?」ですね。
収入?
いや、それは「ダブルインカム・ノーキッズ」というか、昭和的な単語解釈ですな。
もっとも調べてみると今回の「インカム」というのは「Baby in car」とか「オープンカー」と同列、すなわち和製英語のようで。
もともとの意味あいは「インター・コミュニケーション」=内輪での会話システム=近距離通信機みたいな感じ。
ようするに走りながら手ぶらで会話出来るトランシーバーみたいなもの、という理解でいいかと思います。
そういうわけで今回は和製英語だという事を理解しつつ、それでも「インカム」という単語を使っていきたいと思います。

現在ではオートバイでツーリングするライダーの間ではけっこう普及しているアイテムのようなイメージを持っております。
まあ、個人的なイメージなので実際問題どれくらい普及しているのかはまったくわかりませんが。
ラリー競技しているとかじゃないか切り、四輪同士だったら別に必要無いんですよね、インカム。
同じ車内にいるもの同士だったら今のクルマなら普通に喋れば会話ができます。アタリマエですね。それくらい現代のクルマは静かだってことですね。
複数のクルマ同士の会話はって言うと、今はもう必要に応じてケータイ電話を使えばいいだけです。
ハンズフリー装置がいくらでも出てますし、私の車もそうですがもともとメーカー側で標準装備しているクルマも多いです。

でもモーターサイクル、つまりオートバイ同士だとなかなかそうはいかない。
基本的に自動車ほどのハンズフリーが装備出来るモーターサイクルは少ないでしょうし、そもそもモーターサイクル同士のコミュニケーションってグループライドなので短距離でOK、というかむしろ短距離専用でOKです。
さらに言えば、モーターサイクル同士ではなく、同じモーターサイクルに乗っているライダーとタンデムライダーとの会話が重要です。
以前と違って高速道路でタンデム走行が許されてからこっち、タンデムライダーとの会話需要は高まったものと思われます。
まさかケータイ電話同士でいちいち通信しあうとかちょっとアレですからね。
そういうわけで常時通話が可能な手放しで使えるトランシーバー的なモノがドンピシャ。

そんなわけでインターカムはそれなりに進化していったのではないかと勝手に考えるわけです。

翻ってモーターのないバイク。
一部の特殊なバイクを除き、こちらは基本的にタンデムライダーはおりません。
青春の一ページとしてアニメ的にお約束な違法なタンデムライダーは存在しますが、その場合、バイクはロードレーサーではありませんので私の範疇で語るべきシチュエーションではなさそうです。

つまりバイク同士で会話を楽しみたい=そうだ、インカムがあるじゃないか、という事で導入してみました。
「インカムがあるじゃないか」とは言うものの、実の所選択肢がそうそうあるわけではありません。
需要と供給のバランスなので、まだまだモーターサイクル程の「要求」がないのでしょう。
まあ、週末ライドをしていても、すれ違うサイクリストは圧倒的に「お一人様」が多いのがこの趣味? の実情です。
お一人様がインカム?
要りませんよねー。(・∀・)

たぶん、我が家のように「走る時はいつも一緒」というパターンは少数派だと思われます。
でも言い換えるといつも二人で走っているいわゆる「ペアサイクリスト」やあとは「仲の良い同士」というか決まった少人数グループにとっては常時会話が出来る環境ってけっこう求められると思うんです。
ペアでも別に男女ペアである必要は無く、仲間二人もしくは三人っていうのはそれなりにいつも会話をしていたいと臨んでいるのではないでしょうか?

で、いつも会話していたいので「併走」しながら走っているサイクリストを頻繁に見かけます。
特にライドイベントやサイクリングロードではしょっちゅう見ます。というか規模が大きいとアタリマエの風景みたいな?
サイクリングロードでも「併走」は×ですが、クルマが来ない=自分達は安全という身勝手な理由でタガを外しちゃうのでしょうが、あれ、けっこう良い迷惑なのでやめて欲しいところです。

そこでインカムですよ。
「自転車程度のスピードでインカムとか大げさだな」
って思う人もいらっしゃるでしょう。
かく言う私も多少はそう思ってます。主に見た目で。
でも併走しないで走っていると、実際問題として会話は信号待ちの時くらいしかできないのですよ。
声って主に前方に向かって行く為に、指向性が強いんです。
なのでスリップストリームが効くほど近く(速度にも依りますが、およそ1m以内)を走っていたとしても、顔を後ろに向けてけっこう大きな声を出さないと前の人の声は後ろの人には聞こえないものです。
指向性の問題で、逆に後ろの人の声は比較的前に届きますが……。

でも、単純におしゃべりをするだけでなく、前方を走っている人の方が後ろの人よりもいろいろな状況発見が早いので、安全のためにそれらの情報伝達が早期にできるに越したことはありません。
現在、ベテランの方々は、それらの情報伝達を「ハンドサイン」という合理的な手法で行っています。
穴があったり枝が落ちていたりするのを見て指さししたりするアレですね。
意味あいは「ここに注意」というもの。
後続者はそのハンドサインを見て、同じサインを、自分の後続に伝えるという手法です。

それはそれでいいと思うのですが、個人的にはあまりに原始的かつ中途半端にすぎると感じています。
否定はしませんし、むしろそういう注意喚起はライドイベントなどのマスなグループライドではやらないより絶対にやった方がいいのは明らかでしょう。

原始的で中途半端だと思う理由はいくつかありますが、一番の問題は「それ(ハンドサイン)を誰もがとっさに出来るわけではない」という事です。
まず大前提としてハンドサインを出す際、ライダーは片手運転です。たまさかボトルから給水していた時に路上に枝を見つけるとハンドサインを出すときは両手放しをしないとダメな可能性もあります。
敢えて書きますが、両手放しをして安定走行ができるライダーって、ロードレーサーを趣味にしている人の何パーセントくらいいるのでしょうか?
もっとレベルを下げましょう。
走りながら安定してボトルから給水できるライダーって、ロードレーサーを趣味にしている人の何パーセントくらいいるのでしょうか?

普通に出来ちゃう人はできない人の事がわからないのでしょうが、できない人は一定以上います。
さらに「走りながらの給水をやっている」人の中にも、実は「毎回ドキドキしながら不安の中でやっている」人がけっこういるはずです。
厳密な事を言うと走りながらボトルの水を飲む行為は「安全運転義務違反」に抵触する可能性があります。
なので本来はあまり褒められるような行為ではないはず。
「停車してから飲む」が正しい給水方法でしょう。

ま、給水が安全運転義務違反になるとかならないとかを議論したいわけではありません。
かく言う私も基本的には停車してから給水するスタイルをとっていますが、シチュエーションによっては走りながら飲む事もありますので人の事をとやかく言える立場ではないですしね。

前振りが長くなりましたが、インカムです。
選択肢がほぼないので、選んだのはX-RIDE サイカム B-1。その「2台セット」という製品です。
1台分だけ買っても何の意味もありませんから、二台分はアタリマエですね。
ちなみにこのインカム、4台までペアリングできますので、小グループや親子4人とかでもOKです。
ただし、通信はペアリングした順番の直列方式なので3台以上ペアリングする場合は、注意が必要です。
例えばA-B-C-Dという順番でペアリングしたのに、走る順番がA-D-C-Bとかになって、そのうちBの人が遅れ始めて圏外になったりすると、たとえAとDの距離が近くてもAとDの人は圏外になる仕様です。
ペアリングの順番はくれぐれもよく考えて(あまり考えてもアレですけどね)。

私達の場合は二人のみで使用しますから、そういう難しい事は考えずにただペアリングすればOK。圏外だとアタリマエに繋がらないだけで考える事はありません。
仕様は以下の通り。

X-RIDE サイカム B-1
・Bluetooth バージョン : Bluetooth ver.4.1
・主なBluetoothプロファイル : A2DP、AVRCP、HFP、HSP
・連続通話時間 : 最大10時間
・待機時間 : 最大15日間
・通信距離 : インカム通話 最大500m
・防水性能 : IPX4相当
・バッテリー : 400mAh
・充電時間 : 約2.5時間
・本体サイズ : 90mm x 65mm x 20mm(片側)
・本体重量 : 74g(左右セット)
価格:16,800円(税抜)、2台セット 29,800円(税抜)

私がこの手のアイテムを選ぶ際に一番のポイントとするのは「バッテリの保ち」です。
このサイカムB-1は仕様上は「最大」で10時間とありますので、私達の普段のライドではまずバッテリ切れを心配する必要はなさそうです。
通話時間の長さに比べて充電時間が短いのもメリットだと思ったのでポチりました。
まあ、バッテリ容量が400mAhしかないので2.5時間はむしろ「長い」んですけど、そんな事より絶対的な時間の方が運用上は重要ですからね。

通信距離は500m。
さすがバイク用で培ったテクノロジー。
我々的には本当に充分すぎるほど充分です。
途切れるとすれば、上りで同居人に千切られる場合くらいでしょう。
それ以外で500mも離れる事はまずありませんし、呼びかけて返答がないということは500m以上離れているということでそれ自体が異常サインだと思えば何もないより気付くのも早くなると言うものです。

とは言え、10時間も500mも所詮は「カタログデータ」です。
シェイクダウン? は30kmコースの朝練でしたが、その程度は保ってアタリマエ。
なので100kmライドで本格運用です。
「みせてもらおうか。B-1の実力とやらを」
というわけで、簡単なインプレです。

湖北100kmを休憩含み、グロスで5時間半程度で走りました。
その間、休憩時もスイッチは入れたままです。
結果としてバッテリについてはまったく問題なし、です。
10時間保つかどうかはわかりませんので、確実に保たせるつもりならHCRでは10分程度であっても、休憩時にモバイルバッテリから充電を行った方がいい気がします。
もしくは切れた時点で素直にあきらめるか。

さて、肝腎の通話品質ですが、ここで少し補足説明を。
インカムというと、両耳もしくは片耳にイヤホンもしくは耳を覆うスピーカーを被せる方式をイメージしませんか?
私はします。
でもそれって自転車を運転している時には「違法」ってことになります。
サイカムB-1は耳を塞ぎません。
耳の近くにスピーカー(φ30mm)を置くという方式で耳を塞ぎません。周りの音をいっさい妨げることがないので安全性については問題がないと言っていいと思います。少なくとも使っていて検挙される謂われはない製品でしょう。

実の所、使いはじめる前はこう思っていました。
「これだと音は聞こえにくいんじゃないの?」と。
周りの音と混ざってしまい、実用に耐えないのではないか、あるいはマイクに向かって大声で怒鳴らないとダメなんじゃないかと。

結論。
◎:「もはやサイカムB-1なしのサイクリングは考えられない」(・∀・)

いやあ、想像以上に便利というか、サイクリング中に普通に会話が出来るのってちょっとした事のように思えるけど、実に素晴らしい。
まずは音声品質ですが、これが私の予想などはるかに上回る高品質。
かなりクリアに聞こえます。
もちろん耳の近くに比較的大きなスピーカーがあるとはいえ、周りの音も普通に同時に耳に入るわけですから、周りの音がうるさいと当然ながら相対的に聞き取りにくくなります。
が、それは普通に歩きながら会話をしていても同じ事です。
つまり周りが騒がしいと聞き取りにくいけど、そうじゃなければ普通に会話が出来ちゃうレベルというわけです。
別段大声を上げなくても、普通に話す程度でオッケーです。
もちろんボリューム調整ができますのでうるさければ下げればいいですし、もう少し大きい方が良ければ上げれば良いだけなので、最適な音で通話が可能です。

距離ですが、500mはさすがに言い過ぎかな、と思いました。
もっともこの距離は周囲の電波状況に大きく左右されるので「どこでも500m」じゃなくて「条件が超オッケーな場合は500mいくよ」と好意的に捉えておくべきでしょう。
実際としてはだいたい300mくらいまでは問題なく通話ができました。
個人的には充分だと思います。
長電話の代わりではなく、同じ空間を共有している状況下でのおしゃべり用なので。

さて、インカムの効能です。
既述の通り、注意喚起には絶大な威力を発します。
腕を伸ばして指さしてクルクル回したりするより「枝あるよ!」「バラストが!」「ウヘ、犬のウンチ発見」とか即反応できますし、何より具体的な伝達が可能です。
「速い」
「具体的」
こんなのハンドサインじゃ逆立ちしてもムリでしょうね。
サイクリスト用手話なんてのができれば通信内容は具体的にすることも可能でしょうけど、まあゲンジツ的じゃないですね。
やっぱり声ですよ、声。
言葉なんですよ、人間って。
「まずロゴスありき」って言うじゃないですか。
あ、私は信心が全くない成り行き仏教徒です。(・∀・)

宗教の話はさておき、注意喚起には絶大。
あと、経路確認なんかも事前に、しかもその気になれば密にできます。
「次を左ね」
「直進じゃないの?」
「え? ナビ画面だと左なんだけど」
「直進しても同じところに出るはず。むしろ近い」
「なるほど。直進だと幹線でクルマが多いんじゃない? 左折した方が田舎感のある道だけど」
「うむ。左折で」
「了解」
なんてのもあるし、うっかりしてて
「おいおーい、どこ行くんやぁ? ここで右折やで~」
なんて大声出さなくてもすぐにツッコミが入ります。
「待たずにゆっくり先行ってて、追いつくから」
「らじゃー。全速力で逃げる」
「おいおい」
的なやりとりも普通にできます。

給水なんかも
「そろそろ水飲もうか」
「止まるなら日陰がいいかな」
「了解。道端に止まっても邪魔にならない日陰を発見したら止まります」
止まる時も予め止まる場所を伝えられるので前の人に急に止まられてヤバイ、なんてこともありません。
「あの辺りで止まりま」
「はいなー」
的に。

こういう業務連絡的なものは当然として、それよりインカムの真骨頂は「リアルタイムに感動を共有出来る」事でしょう。
「感動の共有」と書くと大げさな感じですが、要は
「あ、オロナミンCの看板や!」
「おお。サビサビですな」
「かろうじてソレとわかるレベル状態ですな」
「ああ言うのでもヤフオクとかだと高値で取り引きされるんだろうか?」
「うーむ。もしそうなら既に盗まれてるかも」
「なるほど」
みたいな、些細なことを話題にすることが出来るってことなんです。
これが今までだと、休憩時の会話になるわけです。
「そう言えばさっきサビサビのオロナミンCの看板あったでしょ?」
「え? どの辺?」
「○○あたり」
「ふーん、全然気付かへんかった」
で終わり。
それも覚えていたら話題にする程度です。
それがリアルタイムにやりとりできるわけですから、そりゃあ楽しくないはずがないじゃないですか。
「今日はアイス食べる?」
「きな粉とワサビ行ってみようかな」
「ミソにチャレンジしたいけど、失敗するとガッカリ感がモチベーションに響くから、やっぱり黒ごまかな」
「並んでないといいねえ」
などと「これからのお楽しみ」について他愛のないやりとりも可能。
もちろん、
「おお、梅花藻が咲いてる! 可憐やなあ」
「ホンマや。初めて見るけどこれは可愛いなあ」
「さすがにハリヨは見られへんか」
「ハリヨ?」
「絶滅危惧種」
「ふーん」
「ちなみにハリヨはトビウオ科なんですぜ?」
「ええ? マジ? 飛ぶの?」
「ウソです」
「ウソかい!」
「トゲウオ科。以前読み間違って『すげえ、トビウオ科が淡水魚にいるのか』って思った事があって」
「なんやソレ」
などと、文字通り感動の共有とその後の他愛ないボケ話などもお手の物。
※ちなみに梅花藻は醒井宿を流れる堀で見られます。今が旬。

休憩のタイミングなども立ち止まった時じゃなくて、いつでも相談しながら出来ます。
ちょっとしんどいかな、なんて思っても走り続けている時って大声で声かけしにくいし、田舎道だと信号ストップもないしで、なかなか意思疎通しにくいもの。
もちろん本当にしんどいな、と思った時は声を出しますが、たいがいその時は既にレベル5。
それが簡単に、レベル1くらいから相談しつつ5になる前に適当な場所で休憩する事が可能になるのでお互いムリしなくてすみます。
「けっこう走っているけどそろそろ休憩しようか」
「まだ大丈夫そうだけど」
「まだ大丈夫な時に休憩しとかないと。本当にダメになってから休憩してもリカバリできないしね。効率悪い」
「だったら座れるところがいいかな」
「○○にする?」
「いいね」
と、まだまだ余裕がある時に休憩ポイントの「○○で休憩」という目標ができるとモチベーションを保つのも簡単です。
もちろんロングライドではだいたいの休憩ポイントを予め予定として考えてはいますが、その日その時間の体調や天候(風など)で予定通りに行く事は希ですから、こういう「リアルタイム会議」が出来ると大げさではなく疲労軽減に繋がります。

そうそう、懸念していたことがもう一つありました。
「風斬り音」と「上り坂の時はお互いの『はぁはぁ』が耳にはいってうるさいのでは?」というものです。
しかしこれらは杞憂でした。
風斬り音はまったく気になりません。これはまあ想定内ですが、驚いたのが「はぁはぁ」音(?)。
ノイズリダクション的なアルゴリズムでうまいことやっているのでしょうけど、基本的に息づかいはあまり聞こえません。多少は聞こえているのでしょうが、外界の音と混ざることでマスクされているのでしょう。その程度のレベルです。
もちろん心拍が250を越えて「もう死ぬかも」的な状況下の、つまり一定以上の音量になると聞こえますが、普通のヒルクライム作業(ヒルクライムなど「作業」以外のなにものでもありませんよね?)の息づかい程度であればほぼ聞こえないと言っていいでしょう。
これには感心しました。
「はぁはぁいっているの聞こえる」
「いや、全然。こっちの声は?」
「聞こえない」
「おお」
って感じでけっこう感動しました。

というわけで、サイクリングにインカムというスタイルはおすすめです。
あ、会話がない夫婦とかには不必要かもしれません。

×な点。
良いところばかり書きましたが、もちろん「×」つまり今ひとつな部分もあります。

まず、これはけっこう重要な欠点なのですが、「見た目がかっこ悪い(特にマイク)」
このサイカムB-1はデザイン的にもけっこう頑張っているとは思います。そうじゃなくてこの手のデバイスを装着している図がそもそもかっこ悪いというお話です。
サイクルヘルメットのサイドにある黒い箱からマイクがふにゃ~と伸びている図がカッコいいわけがありません。
これは本体及びマイクのさらなる軽量化、ステルス化を頑張っていただくしかありません。

カッコ悪いから使わないとなるともはや全否定ですからどうしようもありません。
個人的もかっこ悪いから本来使いたくないシロモノです。
そもそも最初の頃は「インカムもいいけど、でもかっこ悪いしアレはちょっとないわ~」と否定していたくらいです。
でも、走り慣れてくるにつれ、カッコ悪さについてはまあある程度妥協しつつ、安全性と「楽さ」を求められる程度の経験値を積んだとでも言えばいいのでしょうか……つまり導入によるメリットを評価する理性が「みてくれが悪い」という感性を抑える事に成功したとでもいいますか……。
これはサイクルジャージにも言えますね。
私達は安全性を重視する立場から目立つ事を重要視してウェアを選びます。
もちろんいわゆる「悪目立ち」は避けますし、ただ目立てばいいというわけでもないので「目立つ」「派手」というキーワードを踏み外さない中で予算や入手のしやすさなども適当に考えてチョイスする感じでしょうか。
単純にウェアとして「いいな」と思えるものはたいがいシックな感じになってしまって存在をアピールするという性能は低いものになってしまいますから。
ならばインカムも同じように考えてはどうか? と思い導入に踏み切ったというわけです。
使ってみると
・カッコ悪いのはそのうち慣れる
・そんな事より便利で楽しいから使わない手はない
という評価に落ち着きました。

さて、既に微妙ないい方で言及はしたのですが、次のネガは充電についてです。
サイカムB-1は充電池式です。軽量化と堅牢性? を考えると正解でしょう。
充電は付属のUSBケーブルを使って行います。
端子は汎用のMICRO USBなので、ありがたいのですが、実はけっこう充電作業はめんどくさい。
理由は2つ。
・普通の汎用ケーブルでは使えない(ものが多い)
・USB端子のカバーの取り付けがやりにくい
2つめの端子カバーを元に戻す作業がやりにくいのはまあ、あまりに細かいパーツなのでどうしようもないというか、人に依るというか不器用だとたたき壊したくなるだろうな、などと思える程度のレベルなのである程度は慣れたり我慢できたりするものなのですが、問題は汎用ケーブルが使えない事です。
端子の形状は確かにmicro USBなので汎用端子なのですが、端子の周りにある開口部が狭いのです。つまりソケットが大きなUSBケーブルは端子にちゃんとささらないのです。
いわゆる「先っぽだけ入っている」状態です。充電はムリです。
もちろん付属のケーブルを使えば問題なく差し込めるので文句をいう筋合いはないのですが、付属ケーブルってムダに長いんですよね。家だけで充電するのであればまあ問題はありませんが、普通の汎用ケーブルが使えるに越したことはないじゃないですか。

そもそも最初に充電しようとしたのは付属のケーブルではなくて、チャージャーに刺さっている汎用ケーブルだったのですが、これがささらない。
「ああ、なるほど」と思って、こんどは手持ちのUSBケーブルをいくつか試してMirkoとにしたのですが、予想に反してほとんど使えませんでした。
なんというか、絶妙にちょっと小さいんですよ、穴。
仕方がないので付属のUSBケーブルを使っておりますが、微妙に不便なんですよね。

最後は「お作法がめんどくさい」というもの。
製品いにはマニュアルとは別にペライチの「注意書き」というべきものが同梱されておりまして、それにはあれはダメ、これをしろ、という脅迫文が書かれております。
まあ、手順通りにやればいいだけです、はい。
でも
注意:ペアリングする時はマイクを装着せず、外した状態ですること。
というのがあって、これを守らないとどうなるかというと
「ノイズが乗るぜ?」

マジかよ。挿してペアリングしちゃったぜ。念のためにやり直すか。(´д`)

注意:マイク端子は○だけど、穴には切り欠きがあるからな。きちんと差し込まないと奥まで差し込めないぜ? あとけっこうキツイからな。中途半端に挿すと音が出ないぜ?

マジかよ。だから音が出なかったのかよ。故障かと思ったじゃん。(´д`)
まあ、ちゃんと読んでから使いはじめたら良いだけなんですが、マニュアル読まずにだだっとやっちゃう私のような人はミスるので、念のため。

ということで、インカム、おすすめです。
みんなでどんどんつかって需要がある事をアピールし、どんどん改良品を出してもらいましょう。

そうそう。
地味ですが○な点をもう一つ。
バッテリ残量のチェックですが、こいつは音声で案内してくれます。
指定のボタン(早送りボタンと巻き戻しボタン)を二つ同時に押すと「音声」で残量を教えてくれます。
「バッテリ残量は90%以上です」
ってな感じで。
なので走りながら「あとどのくらい保つかな?」と思った時にも簡単にチェックできますし、その時点でのざっとしたリミットが計算可能です。
つまり長時間のライドになった時、途中で充電が必要かどうかをライド中でも判断しやすいという仕様です。
言い換えると電源をオンにしないとバッテリ残量がわからないということなので、まあ欠点でもありますね。

以上、「インカム最高!」レポートでした。