とはいえ、納車されてまだ二日。(初出:2014/10/06)
今週末にロング・ツーリングの予定を立てておりますので、詳細な感想はその後に改めて書く事にしたいと思います。
それでも第一印象っていうのは大事ですよね。
実際に過去に所有したクルマで、納車直後に感じたキャラが変化したことはほとんどありません。
まあ、それだけ最初は私の方がセンサ能力を極限まで高めて接しているということなのでしょう。
要するにテンション高いけど、超冷静でもある、と。
何しろ何かあったら早めにディーラーにご注進しなければなりませんしね。
塗装などの外装周りはこの後すぐにだすコーティングの業者さんにじっくり丹念にチェックしてもらえますのでお任せするとして、私はひたすら地味子の挙動に耳を傾けることにしました。
まあ、あと会話とか対話も?
もちろんACCについてはなめるようにチェックしましたよ。
ACCね、アレはもうね……。
うふふ。
ACC。
うふふふ。(・∀・)
ACCの事はおいといて、というかギミック系の話は別途ということで、ここではそれ以前の、よりプリミティブな部分を各論的にいきたいと思います。
◆ポジショニング
最近は少なくなりましたが、コレだ、というポジショニングが決まらないクルマも結構あるんです。
私がイタリア車やフランス車を大好きなのに、イザとなると契約書に印鑑を押せないのはこのポジショニングに納得いかないからです。
もっとも最近は候補車にイタリア車やフランス車が入る事がないのでこの項目についての事情はわかりませんが、結構マトモだよ、という評価を聞きますのでマモトになっている……のでしょうかね?
アルファあたりがブレラ的なDesign手法でSUV作ったら一目惚れしそうなんですがねえ……。
EVOQUEはこのポジショニングについては全く問題ありませんでした。
地味子ことACC……別名XC60も試乗時の短時間での調整で「こいつも全く問題無し」だと感じておりましたので納車後にこの評価が覆ることはありません。ついでに言っておくと比較対象候補であったV40CC T5もGLA250 4MATICも全然問題ありませんでした。ドイツ系はたいがい問題無いッスね。
いわゆる調整幅ですが、XC60はEVOQUEのそれを大きく上回っていて、このクルマなら相当のチビ……もとい規格外の小柄な方で無い限りダイジョウブだと太鼓判を押しましょう。もちろん手を伸ばしてもステアリングの上部にギリ届かない程シートバックを寝かせるような人の評価に対して聞く耳は持っておりませんが(あ、140cmにも満たないない私の母上はムリだな)。
ポジショニングの決め方は人それぞれでしょうけど、基本は守らないとイケマセン。
基本は次の2つプラス1つの合計3つ。
1)「床に穴が空くほど? ブレーキペダルを踏み込める位置」です。
それから
2)「シートバックは『深く』背中を預けたままで、ステアリングの最上部を握った時、肘が曲がる程度の余裕がある角度にする事」
その上で、
3)メーターの表示が全て見える角度の座面高
私はこれを若い頃に某ドライビングスクールで某有名ドライバー(某ばっかりですな)に叩き込まれ、以後実践しております。
キモは急ブレーキをキチンと踏める事と、どんな状況になってもステアリングから手が離れない距離にいる事です。
メーター表示については基本的には私の持論です。
見なくてもいい部分があるって言う人もいるでしょうが、私は一部が見えないのはイヤなので。
評価:★★★★☆(9点)
覚え書き:基本的にチビ向けじゃなくて標準以上の体格がある人向け。つまり大柄向きには結構余裕があります。V40とは3回りほど違う気がします。
◆シートの快適性
シートって、座った瞬間にアタマより先に体が評価してしまうところがありませんか? もちろん官能評価です。
何より座面長がたっぷりとしているのがいいと思いました。言い換えるとこの時点で小柄な人向けではない事がわかります。
地味子のシートはショールームに置かれたモデルのそれが最初の体験でしたが、まさに座った瞬間「これは快適だ」と思いました。
試乗したXC60 T5はR-Designでしたのでシート表皮の仕上げが違って、やや平板に感じました。快適性ではノーマルのレザーの方が上だと思います。
最近はシート調整が5だとか8だとか12だとかで非常に多いですが、上記3つを満たした中で、あとは好みに併せて調整すればいいと思います。
ちなみに地味子は8way調整の電動調整シート(運転席・助手席とも)ですが、私が触ったのは前後はもちろんトルソ角と座面高、あとは座面前部の高さ調整の4つのみ。ランバーサポート(これは手動ダイアル式)もノーマルが一番しっくりきました。
座面の前部の高さ調整があるのは非常に嬉しいです。私はフトモモがシートから浮くのが大嫌い(浮いていると長距離で疲れます。体重が狭い面積に集中することになる為。フトモモも使って分散する方が疲れにくいのです)なので、座面上端を上下させて調整しています。
昔はサイドサポートがタイトな方が好みでしたが、最近はワインディングを飛ばすのが楽しいと感じなくなり、むしろ流してマイペースで走る方が好きなのでシートは大振りな方がくつろげます。もっとも体がズレてしまうようなものは論外ですが、そうならない範囲で大きい方がロングツーリングでは疲労は少ないと思います。
EVOQUEは座面が少し窮屈でした。特に腰回りが絞られているというかバケット風な仕上げになってて、悪くはないのですが少しサイドが固く当たって長距離ではそこがだんだん気になってくるような感じでした。
決して大振りではありませんでしたが、シートバックはコートを着て乗らない限り充分でしたので、まあまあのシートという印象です。
もともと私のEVOQUEはノーマルではなくて、チョイスする人がほとんどいないと言われるスポーツシートでしたし、EVOQUEを考えている人には参考にならないかもしれません。とは言え別のEVOQUEに乗った限りではたいした違いは無いように思いましたが……。
で、地味子のシートですが、やっぱり快適で、これはもう現時点では「今まで乗ったクルマで最高のシート」だと言い切れます。もちろんスポーツカー的な判断基準ではないので、横Gがかかった際のサポート性を云々される方には参考にならないと思います。あ、ついでに書いておくと私が今まで乗ったスポーツカー的なクルマの中でもっとも快適だったのはLOTUS ELISE(オリジナルのシリアル2桁のマジで初期モデル)のバケットシートでした。いまだにあれ以上のシートはありません。
なお、XC60のシートに対するこの手放しの評価は私だけのものではなく、同居人(身長差は9cmで日本人女性としては大柄)も全く同じ感想で、はじめて座った瞬間に「このシートいいねえ!」と声を発したくらいでしたので、地味子好きの個人的なひいき目意見ではないと思っております。
ここまで書いてきてアレですが、シートの快適性などというものはロング・ツーリングでこそその真価が問われるというのが私の持論なので、実際に疲労しにくいシートかどうかの検証は改めて行います。従ってこれは最終結論ではありませんが、一応。
評価:★★★★★(10点)
覚え書き:シートヒーターはもちろん付いていますが、これからはクーリング機能付きが高級車のオプションとして必須になると思われます。EVOQUEも確か2014年モデルからオプションでチョイスできるようになっていたと思われますので、XC60もさらなる拡充をお願いしたいところ。
◆シートの機能
EVOQUEは同じく3個までプリセット可能なメモリ機能がなんと助手席側にも付いていました。
正直にいって助手席側のメモリ機能って使いませんでしたねえ。
というかあまり必要性はないように思います。
まあ、敢えてチョイスしたオプションではなくて、勝手についてきたものなのでどうでもいい、というか、まあ、あればあったで便利に使う人もいるのでしょうけど、少数派でしょうね。
それからこのシートメモリですが、ただその機能があればOK、と思っていた私は、 EVOQUEの使いづらさで目が覚めました。
「シートメモリだって、使いやすい方がいいに決まっている」と。
EVOQUEのそれはドアパネルにあるんです。
で、近すぎ、後ろ過ぎで右手で操作できません。というかできる人もいるのでしょうが間接機能がハイパーというか、おかしい人だと思います。あとタコかな。
要するに左手で操作しないとダメなんです。
左腕が四十肩とか五十肩の人は座ったままだと操作できませんです、はい。
片や地味子は、BMWなどと同じ。普通に座面右横にあります。
これだと手を上げる必要も無く、ダラっと下げた所にあるわけで、たとえ右腕が四十肩であろうが五十肩であろうが調整可能です。
まあ、問題はここにあると走行中も微調整してメモリさせたりしてしまいがち、というところでしょうかね。安全性を考えると走行中にはするな、と思いますが、乗り始めはどうしても運転しながらついつい微調整しちゃうんですよね。
これがEVOQUEだとムリ、というか出来なくはないけどマジでアブナイのでしません。結果としてはEVOQUEの方がフールプルーフで安全なのかもしれません。
そうそう、メモリ呼び出しについても両者の考え方は違っていて、EVOQUEはボタンを1回押して指を離せばメモリ呼び出しですが、地味子方式は押し続ける必要があります。
これは安全性を考えるに今度は地味子方式の方いいんじゃないかと思います。
誰かがイタズラでとんでもないポジションにシート位置をメモリしていたとして、それを走行中に押しちゃったりしたら……。
アレ? と思ったら指を離せばOKな地味子方式に対してEVOQUE方式はパニックになると解除方法がわからなくなり、ヘタすると最後まで行っちゃう可能性があります。
もっともアブナイと思うのはものすごく小柄な人が運転していて、シートが一番後ろに持って行かれることでしょうかね。ステアリングから手が離れますからヘタすると事故ります。
ああ、超メタボな人がステアリング側に押しつけられるっていうのもなんか切ない感じですね、ハイ。
この辺のギミックは各メーカーによって考え方があるのでしょうけど、面白いな、と思います。
あ、私は地味子方式の方が断然好きです。BMWで慣れていた、という事もありますけどね。
評価:★★★★(8点)
覚え書き:シートメモリのボタンの感触がもう一つ。明確なクリック感と「コクッ」とした押下感が欲しい所。あとメモリ登録に時間がかかりすぎる気がします。
という事で第一弾はシート篇でした。