ONKYO(のX1シリーズ)ではバランス接続すると上記2つをチョイス出来ます。(初出:2017/04)
バランス接続のバランス接続、という事になってややこしいのでACGの対を成すバランス接続のほう、という意味で以下BATと表記します(GRANBEATの上部のバーにはそう表示されるので)。
このうちA.C.G.(Active Control GrouND。以下、ACG)というのはONKYO独自の技術によるもので、興味があればここをご参照下さい。
まあ、これを読んでも「ふーん」という感じですけど(私の場合は、ですが)。
要するに音はどう違うの? というのが問題ですからね。
私もそこには大いに興味があったので、バランス接続を試したあとは、ACGとBATの差をじっくりと聴き比べてみました。
webのAudioの専門家? の感想記事なんかを読むとACGを絶賛しているものが目に付くので私もACGにかなり期待をしておりました。
そして聴き比べた結果として、私はACGよりBATの方が「断然」いいと感じました。
違いはけっこう大きいんです。思っていたよりも大きくて戸惑ったほどです。
もちろんアンバランス接続からバランス接続に変えた時ほどの違いはありませんから、まあ「大きい」と言ってもそれなりなのは確かです。
ただし、聴き比べると歴然とした差があります。
微妙だから何度も切替ながら差を探していくなんて必要はありません。
じゃあどういう差があるか、ですが……。
私の好みはBATの方です。
そもそもACGにすると私の場合は全体に薄いベールがかかったようにこもった音に聞こえるんです。
対してBATではそんなものは感じません。
実は切り替えるとACGはボリュームが少し落ちます。言い換えると、ACGからBATに換えると、ボリュームが大きくなります。
なのでボリューム差をして音の違いと勘違いする可能性があるわけですが、もちろんそういう違いではありません。どちらも同じボリュームにして聴き比べての違いです。
fhanaの「青空のラプソディ」でバックコーラスが「コングラッチュレーション」と「ズ」を発音していないのがわかりやすいのはACGよりBATの方なんです。
なお、ACGとBATの切替は、プルダウンメニューの中にあって簡単にスイッチできるようになっています。
webの記事なんかだとACGの方が繊細だとか解像感が高いとか再現性が上とか書かれてますが、そんな事より何よりBATの方が明らかにクリアで音がいいと思うんですが……。
強いて違いを表現するなら、「静」のACGと「動」のBATという感じでしょうか。
コントラストがハッキリしていてダイナミックな音がするのがBATだとすると、ACGはよく言えばよりフラットに均(なら)されているというか、悪く言えばメリハリがない音というか。
これをしてACGはクラシック向きでBATがロックやポップスやアニソン向きとかというのとはちょっと違うようにも思います。
まあ、この辺は基本的に「私の耳とあなたの耳では同じ音を聴いているわけではない」と言うしかないのでしょうね。
という事で、皆さんも是非GRANBEATを買って、まずはリケーブルして、つまりアンバランスとバランスの差を楽しみ、さらに今度はそのバランス接続でACGとBATの音の差を楽しんでほしいと思います。
ただの高音質DAPではなく、色々と音の追い込み方、楽しみ方があるDAP、さらにDAPとしての音質をスポイルしないスマートフォン機能まで付いているという点で、このONKYO DP-CMX1、GRANBEATはなかなか飽きの来ないというか、面白いプロダクトだと思います。
結果としてGRANBEATにSE215/SEをバランス接続してから、なんというかこれまでとは全く違う音質のDAPを手に入れたというか、そんないい気分でどっぷりと通勤時音楽鑑賞を楽しんでおります。
そして私などは既視感を覚えるわけです。
「ああ、これって、はじめてSONY Walkmanを聴いた時の、あの気持、あの感動にそっくりなんじゃないか」と。