趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★同居人のロードレーサーをVersion Up

自転車

※注意。例によって長文です。(・∀・)(初出:2016/10/11)

Version Upという言葉から皆さんは一体何を連想するだろうか?
私などはアタマが古いというか、真っ先に連想するのは「ソフトウェアのVersion Up」で、むしろ「それ以外」がすぐには浮かんではこないのです。恥ずかしながら。
もっともデジタルカメラの本体やレンズのファームウェアのアップデートなどはサクっと思い浮かびますけど、それも広義では「ソフトウェアのVersion Up」なので、連想はするけど「ソレじゃない」って感じでしょうか。
似たような単語に「2.0」というものがあります。かなりアバウトで暴力的な修辞だとは思いますが私は「大きく進化した」とか「(大幅に)改良された」とか、そういう意味で捉えております。
二つの言葉はどちらもなんらかの「改善」もしくは「一部の改善によって本体が大きく進歩したこと」という意味では似たような意味あいではないかと思いますが、ニュアンスとしては違いがあるように思います。
これも完全に個人的な解釈で恐縮ですが、Version Upというのは「次の段階に進んだ」という意味あいが大きいのに対し「2.0」というのは「最初の進化」みたいなイメージを持っております。そりゃそうですよね。既にVer.3だと「○○2.0」っていうのは退化になっちゃいますからね。

翻って今回はの同居人ロードレーサーの話。
「ロードレーサーの場合、これはVersion Upというべきか、最初の機能改善だから2.0とすべきなのか」と、タイトル? についてはちょっと悩んだので冒頭のつまんない話になってしまいました。申し訳ない。
具体的には同居人のロードレーサーが最初の「パーツ交換」を行ったという事なのですが、感覚的には最初なので「2.0」かな、とか思いつつも、Ver.1からVer.2.0って「がらっと変わった」的なイメージがありますから、それはちょっと大げさな気がするんです。少なくとも見た目は全くとはいいませんが、殆ど変わってませんからね。
なのでVersion Upが適当かな、と現時点では考えております。

同居人のロードレーサーは、実の所ミドルクラスとして充分なパーツ構成を持ったバイクだと思っています。なんというか「それ以上はゼイタクでしょ?」というレベルにあるということですね。もちろん私の主観ですが、名の通ったメーカーのフルカーボンフレームに、コンポーネントはフル・アルテグラ(6800シリーズ)ですから、ある意味ゼイタクかもしれません。
というか、私が去年買ったバイクより同じミドルクラスながらも確実に1クラス上の装備を纏っております。実際にワンクラス上の値段でしたし。
さらに、同居人のバイクの場合、いわゆるツルシというかカタログ上のスペックのままではなく、ホイールセットをワンランク上のもので納車されていますので、納車時に既にVersion Up済みだったとも言えます。
ツルシの状態がVer.1.0だとすると、同居人の場合、納車時に既にマイナーVersion Upがなされていて、Ver.1.2いや1.3くらいには鳴っていたんじゃないかと思います。
ホイールの差って実際の体感はどうあれ、スペック上はそれなりに大きいですからね(主に重量とかで)。

今年、すなわち2016年の6月に納車されてからこっち、同居人は機嫌良く基本的にノーマルのままの初めてのロードレーサーに乗り、休日のライドを楽しんでいます。
実にいいことでございます。
ロードレーサーは私が一人でやっていてもつまんないし、モチベーションが続きにくいし、ということで、一緒に出来たら楽しいだろうと、同居人に勧めたというか要するに引っ張り込んではじめたものなのですが、初めて見ると気に入ったようで何よりでございました。
最初は嫌がるかと思ってたんですが、さに非ず。今では私よりもライドに積極的です。降水確率が40%越えていると走る気を無くす私とは違い、同居人は「これくらいだと午前中くらいは(天気が)保つから、ちょっと走ろうよ」と実に前向きです。
そう言えば同居人はもともと体育会系であった事を思い出しました。
そもそもは
「ホノルル・センチュリー・ライド(HCR)というライドイベントがあるんだけど、楽しそうじゃない?」というのが同居人をロードレーサーに乗せる「エサ」だったのですが、先日そのHCRを実際に走り、つまり目的は達成したわけです。となると満足して飽きる(燃え尽きる?)かと思いきや「楽しかった! 来年も走るぞ! 来年はもうちょっと頑張って75マイルに挑戦するぜ!」とばかり、ライドが終わった直後に宣言。なんと帰国する前から練習(走り込み)に意欲を燃やしまくりでございました。
まあ、海外でサイクリングする機会ってなかなかありませんし、せっかく季候のいい南の島にやってきたのですから走らない手はないというのは私も同意ですが。

そんな同居人を見て、私は以前から温めていた計画を前倒しにする事を決めました。
計画。それはすなわち機材(自転車)のパワーアップです。
というかパーツを「イイモノ」に換えようという事ですね。
一応目標だったHCRを大過なく完走し、より上を目指して頑張るぞという決意を表明したわけですから「ご褒美」ってやつです。
いえ、別に本人からリクエストがあったわけじゃありません。
私の同居人は(私と違って)物欲がそっち側のベクトルを向いてませんから、放っておくとフレームが折れるまで「そのまま」で満足して走り続けると思います。
なので私から勝手に行動するしかないわけでございます。
ええ、お節介ってやつですね。でもいいんです。こういうのは同居人じゃなくて私が楽しいので。(・∀・)

もともとは1年くらい納車時のスペックのまま乗った上で上級パーツに移行する予定でした。でも上級移行については早くて悪い事はないだろうと思い直し、モチベーションが上がっている今がいいタイミングであろうと結論。季節もスポーツの秋ですしね。
さらに言えば、今月、つまり10月末には日本の3500人規模の大規模なライドイベント「しまなみサイクリング2016」に参加予定ですから、それまでに交換しておくのがいいのでは? と考えたわけです。
「今がその時」ってヤツですな。
既に述べたようで本人は機材に対してはある程度のブランドの好みはあるにせよ、基本的にデザインとカラーリング意外にあまり感心はないようで、現状に対して特に「これ」と言った不満があるわけもありません。
むしろゴキゲンで乗ってますから、交換して今のゴキゲン? なフィーリングが変わっちゃうと、私のそれは「余計なお世話」になってしまうかもしれませんが、私は同居人のそんな不平よりも自分の自己満足を優先することにしました。

「善は急げ」
「鉄は熱いうちに打て」
「思い立ったが吉日」
「物に時あり」
「機失うべからず」
などと申します。
なので、帰国を待たずにハワイイでポチってしまいました。秘密兵器を! (・∀・)
素晴らしいぞ、インターネット。どこに居てもどこにだって注文出来ちゃうんだぜ。
ハワイイにいる間にポチったら、帰国するとブツが届いているっていう寸法っすよ。

で、その交換パーツですが、ロードレーサーで最初に換えるパーツです。そう、当然ホイールすよ、ホイール。

え? 納車前にすでに1.0から1.3にあがるホイール交換してるんじゃ? というお話でございましたね。
そうなんですが、交換して手っ取り早く性能を上げるパーツって、ホイール以外に何かありますかね?
まあ、今考えたら納車時のちょっとしたVersion Upはムダなカネだったかも? って事になるわけですが、標準ホイールより少しマシなホイールだったからこそ、納車時から今まで楽しく乗れていたに違いない、と考えると決してムダだとは思いません。
実際、ベーシックもでるではなくて、一つグレードが上のモデルでしたから、悪くない交換だったと今でも思います。
というかそう考えるのが幸せに生きるコツってもんですよね。

で、そのホイール。
実は既に「これ」と決めていたものでして、あまり迷うことなく「ポチり」に辿り着く事ができました。
購入したのは定番中の定番、シマノのいわゆる「完組ホイール」であるところのWH-9000 C24 CL(クリンチャー)です。


(付属品。クイックレリーズとマニュアル、10速カセット用スペーサーそしてニップル回し)

WH-9000-C24-CLというのは、クリンチャーではハイエンドモデルのカテゴリーに入る製品です。
ロードレーサー買って3ヶ月なのにいきなりハイエンドかよ? それってもったいないんじゃね? と考える方がいらっしゃるかもしれません。
しかし同居人には私と同じ轍は踏ませまい、と決めていたのです。

私は今シーズン(6月)から、最初からついていた標準ホイール(これも悪くないスペックのホイール&タイヤセットでした)をいわゆるミドルクラスのホイールに換え、順当な「Version Up」を行いました。
つまり私の場合は、一足飛びにハイエンドクラスは狙わず、段階を踏んだんです。
モノはこれも定番中の定番、カンパニョーロのZONDA(2way fitではなく、クリンチャー)です。

私の場合は「いきなりハイエンドクラスは宝の持ち腐れじゃね?」と考え、まずは順当にミドルクラスにいくことにしわたけですね。あとは経済的な問題。だってハイエンドクラスのホイールって基本的に10万円コースですからね。バイク自体がミドルクラスってこともあり、あまり高いパーツを選ぶのはやはり二の足を踏みました。
それがミドルクラスのZONDAだと5万円以下、私の場合はだいたい消費税込みで4万円前半で購入しました(既に記憶が曖昧ですが、そのくらいでした)。
ではお仕着せホイールから評判のいいZONDAに換えてみてどうだったかというと……。
入れ替えた直後に書いた感想を簡単にインプレしたので、それを引用しましょう。

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ZONDAについての風評を(webのblogで)読んでいると、いろいろと「すごい点」が見受けられます。
それらをざっくりとまとめると

1)曰く「漕ぎ出しからわかるその軽さ」
2)曰く「2、3枚分重いギア(スプロケット)で回せる」
3)曰く「同じように走っても、巡航速度が5km/h以上アップ」
4)曰く「路面に吸い付くようなスムーズ感、そして(路面)追随性の良さ」
5)曰く「今まで100kmで疲れていたのに、200km走ってもまだ平気」
6)曰く「パワーロスがなく、ダイレクトに進む力に変換されている感じ」
7)曰く「向かい風が平気になる」

ホンマかいな。(´д`)
なんというか、ほとんど怪しい通販かボブとナンシーが掛け合うテレビショッピングの乗りですね。
とは言え、否定する前にまずは自分自身で試して見る事が肝要です。
何しろ悪い評判は聞かないんですよね、ZONDA。
「ミドルクラスのホイールとしてはベスト」
「最初に交換するホイールとして鉄板」
みたいな評価ばかりですから。
というわけであまり先入観を抱かないようにしつつ(まあ、ムリなんですけど)、7項目について「私が」感じた事を率直に書いて見ます。

1)曰く「漕ぎ出しからわかるその軽さ」

わかんねーよ。ヽ(*`Д´)ノ
マツダの初代ロードスターとLotusの初代ELISE(111)で比較したらクラッチミートした瞬間にELISEの軽さがロードスターとは全く別物だってわかるくらい違いがわかるわけですが、ああいうのを期待したらイカンというわけですね。
少なくとも漕ぎ出した瞬間に「お?」という感覚は全くもってありませんでした。
そもそも物理的な重量差は225g。貧脚初心者にそんな物理的な体感差を感じとれという方が無理難題ってやつじゃね?

2)曰く「2、3枚分重いギア(スプロケット)で回せる」

回せねーよ。ヽ(*`Д´)ノ
回せるなんて書いてる人は、新しいホイール履いて、ハイな気分になって脳内麻薬とか出まくってるからなんか踏めちゃった、みたいな話ではないでしょうかね?
私の様なハイな気分になりにくい人間(とは言え、ローな気分にはもっとなりにくい)に言わせると「同じ」ですね、はい。
これも思い込み症候群によるものだと言い切ってしまいましょう。

3)曰く「同じように走っても、巡航速度が5km/h以上アップ」

……。
同じように走ったら同じ巡航速度だろ、JK。
苦笑じゃなくてこの辺りからもはや嘲笑が……。

4)曰く「路面に吸い付くようなスムーズ感、そして路面への追随性の良さ」

路面に吸い付いたらさあ、回転重くなるんじゃね?
というか、それってホイールじゃなくてタイヤの話じゃね?
23cと25cの違いとか銘柄によるフィーリングの差じゃね?

5)曰く「今まで100kmで疲れていたのに、200km走ってもまだ平気」

200km走った事がないからわからない。
というか10kmで疲れる私にはこれについての検証はムリ。

6)曰く「パワーロスがなく、ダイレクトに進む力に変換されている感じ」

貧脚にとってのパワーロスは健脚が言うパワーロスとはわけが違います。そりゃもう大問題なわけですよ。
でもね。その貧脚のなけなしのパワーがロスされているとかされてないとかダイレクトに伝わるとかそんな事がわかるほどの差は感じませんでした。

7)曰く「向かい風が平気になる」

なるか!ヽ(*`Д´)ノ
それこそオカルトじゃん。脳内麻薬じゃん。

というわけで、心苦しいのですが「風評はまさに風評で、根拠無しの思い込みと断定」という残念な結果報告をせねばなりません。
これを読んでいる人もあんまり風評を鵜呑みにしない方がいいっすよ。
というか、個人のblogなんて、情報としては所詮ゴミなんだと再確認しただけでございました。

じゃあ、ZONDAに換えてメリットは何もなかったのか? というと実はさに非ず。
「乗り心地が激変した」
という、もともとの目的は綺麗に達成出来ていたのです。
ただし、その乗り心地の良さがZONDAによるものなのか、23cを25cに太くしたから当然の結果として良くなったのか、タイヤの特性によるものなのかは、いっぺんに換えちゃったのでわかりません。
私に言える事は、今の私のバイクは、親友Aに載せて貰ったSynapse Carbon 2015に勝るとも劣らない乗り心地を得た、という事実でございます。
************

要するに「体感出来るほどホイール交換の恩恵は感じなかった」という結論に達しているんです。
ええ、単に私が鈍いだけかもしれませんけどね。
ただし、物理的に225gの軽量化が成されたことは確かで、これは登り坂やロングライドでビミョウに影響が出るのは間違いないところでしょう。
あと、その後1000km以上走ったわけですが、その間思ったのは「コースティング時にスピードの落ちが遅い(気がする)かも」というもの。
つまりペダルを踏んでいない時の空走時、以前よりも抵抗なく軽く走っているような気がするってヤツですね。もっともこれもタイヤの違いによる部分も多少なりともあるのでZONDAで変わったと言い切るには検証不足ではありますけどね。

しかし。
同居人の場合は私と違って生体センサの性能が卓越していて、「全然違う!」とか言い出す可能性がないとは言い切れません。
それを確かめる為には事前に検証するという手があります。
で、あれば同居人のボントレガー RACE TLR/R2 25Cと今私が使っているZONDA/GP4000S2を入れ替えて試走してみればいいんですよね。ミドルクラスの定番とも言われるZONDAに換えると、同居人のSILQUE S6はVer.1.5くらいになると思われますし。
という事を考えてみたものの……。
「ま、めんどくさいよね」ということになりました。私らしい怠惰振りです。
「だったらもうハイエンドクラスから選ぼう」ですよ。
同居人がZONDAを履いてみて「かなり違う!」と言うのであれば、ハイエンドにすればその差はもっと大きくなるわけです。
「よくわからない」だと、ミドルクラス購入はある意味「失敗」になっちゃいます。
でもハイエンドクラスに換えても「よくわからない」のであれば、それはそれで物理的な重量差を得られた事に満足しておこうと割り切れます。ホイール換えたって意味がないっていうデータが得られた事は今後のさらなるパーツ交換に対する心構えができるってもんです。
まとめると、こういう感じ。

「下手にちょっと上(ミドルクラスのホイール)を履くより、最初から一番いいやつに換えた方が面倒がなくていい」

で、そのハイエンドクラスからなぜシマノのDURA ACEを選んだのか、です。
もちろん最初は候補がいくつかありました。
WH-9000以外では、
・FULCRUM RACEING ZEROシリーズ(候補はNITE)

・CAMPAGNOLO BORA ONE C50(クリンチャー)

どっちもカンパニョーロと言ってもいいかもしれませんが。
まあ、BORAはちょっと冗談入ってましたが「見た目で変わったとわかりやすい」のはディープリムじゃね? と思ったから候補に入れたんですよね。でも実の所フルカーボンのクリンチャー用ホイールについて、個人的にはまだ全幅の信頼を置いてません。
私の様なベテラン(まあかなりの初心者なんですが出戻りですから、実はサイクリストとしてはベテランでもあるわけで)だとそれ(ネガ)を理解してそれを前提で走り(というか操作方法)を変える事ができるので覚悟して乗れますけど、あまりめんどくさい要求を同居人にはしにくいです。そもそも同居人にもしもの事があったら、死んでも死にきれないだろうなと考えてしまい、カーボンクリンチャーのセンはボツにしました。
あとリムハイトが高いのは体重軽いライダーだとやっぱり突風の横風なんかに煽られると危ないだろうな、と考えました。
そもそもアルミクリンチャーのリムの場合、いわゆるディープリムは考えないでいいわけですけどね。

フルクラムのレーシングゼロ・ナイトを候補に挙げているのに、双子ホイールとも言うべきカンパのシャマル・ミレを候補に挙げていない理由は、あのカンパ独特のG3組ホイールのあまりに特徴的なデザインと、ちょっと目立つカンパニョロのロゴがシックなTREK SILQUE S6のデザインにマッチしないんじゃね? と勝手に考えたからです。視覚的マッチングの問題ってやつですね。

フルクラムもカンパと一緒みたいなもんですが、それでもフルクラムのスポークワークはちょっと日和っているというか、クセが押さえられていてカンパのMEGA G3と比べてもデザイン的なアクは弱く、相対的に汎用性が高いと思いました。
だったらBORAは? MEGA G3じゃん、とツッコミを受けそうですが、BORAだとむしろBORAである事を誇示する方向でいいんじゃね? と勝手な事(都合のいいこと?)を考えて候補に入れました。(・∀・)

シャマル・ミレもそうですがレーシングゼロ・ナイトもブレーキ面まで黒くて見た目はいいのですがトレードオフがあります。すなわち「専用ブレーキシュー」が必要って事に引っかかって、決断出来ませんでした。私が付けるならいいんですが、カ同居人のバイクはあまり特殊なパーツが必要な物にしたくないというよくわからない思いがあるんですよね。
というか本人にそういう説明をすると、おそらく特殊性をめんどくさがる、というか「そんな特殊なモノが必要なパーツになぜ変えた?」と糾弾される可能性がありますので、回避するに越したことはないだろうというもの。

じゃあ、価格もこなれてきたし普通のブレーキシューが使える無印の(というかオリジナルの)レーシングゼロ? っていうのも考えたんですが、

実の所ゼロ・ナイトはBORAと一緒で「見た目重視」で選んだんですよね。
見た目がいいから、ネガには目をつぶってもいいんじゃね? という、ホビーライダーだからこそ理由にしてもオッケーな理由で、です。
ネガっていうのは、専用ブレーキシューが必要という事ではなくて、「固い」と言われる乗り心地です。
25Cと表記しながら、実は27Cくらいの太さがあるコンチネンタル・グランプリ4000S Ⅱをはめていれば固さは気にならないんじゃない? なんてことも考えました。ですが実は試乗するとよくわかるんですが、同居人のバイクは、現状でかなり固い感じなんです。同居人のバイクから自分のバイクに乗り換えると「これはゆりかごか?」と思うくらいで、カ同居人のバイクのライドフィールは「ソリッド」なんです。もっとも、単に固いんじゃなくて、オブラートで包まれた芯の太い固さ、みたいなかんじですが……。
まあ、そういうわけで「固くて死ぬ」とまで言う人がいるアルミスポークのレーシング・ゼロを履かせてアレよりも固くしちゃうと、ロングライドで疲れはしないかな、といらぬ心配をしたんです。
いえ、ゼロ・ナイトでも疲れるんですけど、そこはそれ、見てくれがいいからガマンしろよ、とこれまた買ってな理由で知らんぷりを決め込むことができるいい加減な私です。

そんなこんなで、ある意味消去法のように見える化もしれませんが、当初から同居人の次のホイールはDURA ACE WH9000 C24クリンチャーがベストだろうな、と考えておりました。
見た目については換えたかどうかわからないくらい地味でありながらも、WH9000の場合はリムを指さして「ホレホレ、これ、カーボンホイールですぜ、うぇっへっへ(ラミネートだけど)」と所有欲をくすぐるトークが可能。
「それに何と言ってもDURA ACEはシマノの最高グレード。加えて日本(メーカー)製の安心感」などと自己満足してもらえるに違いありません。
地味なのは実は◎です。
カンパのような主張がないのが汎用性の高さを感じさせますな。
美意識がないというよりは無個性ってヤツでしょうか。
下手するとホイールのデザインが派手過ぎて、ホイールだけが走っているように見えてしまうロードレーサーもありますけど、そういう方向性は(シマノの思惑はどうあれ、少なくとも同居人は)目指していないでしょうし、地味だけど別にかっこ悪いわけではないので「どのフレームにも合う」というか「フレームよりホイールが主張している」っていうアンバランスさにはなり得ない定番感がいいと思う次第。
カーボンラミネートはハブ側だけなので、ブレーキに当たるフランジ面はちゃんとアルミになってます。つまり普通のブレーキシューが使えてメンテに面倒さはないというのも○。つまり財布に優しくサスティナビリティがあるってヤツじゃないでしょうか。
そしてレーシングゼロ・ナイトやシャマル・ミレにはない「性能」がWH-9000-C24-CLにはあります。
「断然軽い」という「絶対性能」です。
ボントレガーのRACEと取り替えるだけで、たぶん400g近い軽量化が見込まれますからね。
現在同居人のSILQUE S6は、ペダル、サイコン台座、ボトル台座込みで実測約8.4kgですから、WH-9000-C24-CLに換えると実測で8kgが狙えます。

ってなわけでサックリ入れ替えました。
色々考えたんですが、RACE/R2のホイールセットは売り払わずに「予備」として採っておく事にしました。
予備ですから予備らしい「いつでも出られます!」状態が望ましいわけですね。
すなわち
・スプロケット
・タイヤ/チューブ
は取り付けたままにしておく事が肝要です。予備ですから。
ということで、スプロケットとタイヤ/チューブはホイールに併せて新調する事にしました。
スプロケットは当然ながらアルテグラの11-32T、つまり同じモノに。
タイヤについては新調すると決めた時点で、迷わず私と同じモノ、すなわちContinentalのGrand Prix 4000S Ⅱ 25cに。


(いつも思うんですが、Continentalのオバサン達、なんでこんなに偉そうなんでしょうか?)

因みにContinentalのバイク用タイヤはドイツ製だそうで、パッケージにも誇らしげに? 印刷されています。

チューブはPanasonicのR’Airです。

私はタイヤとチューブのセットを買ったのでチューブもContinentalなので、同居人とはチューブが違う事になりますが。
R’Airを選んだのは、Continentalの純正チューブより前後併せると50gほど軽量化できるからです。

で、セットアップ開始。

タイヤ内部にタイヤパウダーを

附属のスポンジを使って

まんべんなく塗り込み、

スプロケットを装着したホイールにチューブもろとも填めました。
ZONDAの時はタイヤレバーなど使わず簡単に填められたContinental Grand Prix4000S Ⅱですが、WH-9000-C24-CLにはどうかな~と思ったら、こちらも全然苦労せず手だけでパコンと填められました。

問題は……。
内径15mmのWH-9000-C24-CLに25cを填める事の功罪、というかネガですね。

交換前のRACE/R2の場合、同じ25cのタイヤですが、ホイールもコンテンポラリーというか今風なワイドリムでした。なのでタイヤとリムの間に段差が少なかったのですが、WH9000だとそれなりの段差が生まれます。
まあ、私のZONDAも2015年モデルなので内径は15mmで、要するに私と同じ状態になっているということでございますね。

これの何がネガかというと、リムとタイヤの間に段差があるとそこに乱流が生まれてエアロ的に不利になるそうです。
が。
巡航速度が20~23km/hという貧脚の我々にとって、これは全く関係ない空力理論です。
よってネガはなし。
まあ、強いて言えばコーナリング時の安定性とかソッチにも影響はあるのでしょうが、そもそも我々のコーナリングなんてノロノロですからね。これも関係ないと言い切って間違いないでしょう。

さて、そういうわけで、スプロケ・タイヤ・チューブ込みでホイール交換をした結果、物理的な違いとして、約450gの軽量化を実現しました。
具体的には
リアホイール 1667g→1412g -255g

フロントホイール 1059g→903g 156g

で、合計411gの軽量化が成りました。

400g超は大きいですね。
結果、新ホイールを装着した同居人のTREK SILQUE S6は、ついに8kgの壁を突破。乾燥重量7.9kg台に入りました(ペダル、サイコン・ヘッドランプ台座、ボトルケージ×2、テールランプ台座×2込み)。

で。
WH9000-C24-CLをSILQUE S6に装着してのシェイクダウンは昨日でございました。

河川敷を75kmほど走っての同居人の感想ですが……。
「踏み出しが軽くなったのはよくわかる」
「いつも通りに走ってるけど、ちょっと楽かも」
というファースト・インプレッション。
「うおぉ! すげえ!」
という反応を期待していたので拍子抜けですが、少なくとも私がZONDAに履き替えたときよりは変化が体感できるようです。
言い換えるとZONDAクラスに履き替えてたら「特にかわらない」といっていたに違いない、という事でしょう。

そう思って走っていたのですが、結果として本人が感じる以上の変化があったようです。
理由は「いつもよりペースが3km/hくらい速い!」んですよ。
同居人を前に行かせると、たいがい配分を考えずにいきなり「気持のいいペース」で走り出すんですが、それが普段の速度より速くて、30km/h巡航に近い感じ。
本人に聞くと「楽に走れたので」という事でございました。
つまり「VersionUpの効果はあった」と判断しても宜しいかと。

最近はAmazonの商品コメントなどを見ても、二言目には「コスパ・コスパ」と書かれていて、個人的にはウザいんですよね。
コスパっていうのはおそらく費用対効果、つまりコストパフォーマンスの略なのでしょうが、その略し方もバカっぽいし、「コスパ最高」とか書かれていたりして「何が最高なのだろう?」とツッコミを入れたくてたまりません。同じカテゴリーの製品を全て購入して数値化して評価してみたところ、最古点でした、とデータを示すならともかく、一つ二つを試してみて「コスパがいい」とか、もうね。
もともとあの手のコメントを書いている人の9割くらいは「こいつバカなんじゃ?」って感じの文章内容ですが「コスパ」という単語を使っている時点で私はそのコメントは全く参考にしない事にしているくらいでございまして……。
いえ、話が脱線しましたが、WH9000-C24-CLの費用対効果は、ZONDAのそれより相対的に高いことは間違いないというお話でした。
WH9000-C24-CLはDURA ACEシリーズが9000から新しい9100シリーズになった事で価格が多少こなれていては、ZONDAの二倍強でした。
ですが効果が殆ど感じられないZONDAに比べて、走り出してすぐに「軽さを実感」する時点で、WH9000-C24-CLには計り知れない? 効果があることが決定です。
さらに0に何を掛けても0ですから、比較相手のの価格が何倍だろうと、効果がある方がコストパフォーマンスが上と言っても過言ではありません。
その効果も整数差としてもっとも小さい「2」という数字を掛けるだけで得られたわけですから、コストパフォーマンスは上々と言ってもいいのではないかと考える次第です。

ということで同居人のホイールをVersion Upしたら、けっこう気に入ってもらえたかも、といおうお話でした。