(初出:2010/06/27)
(GF1/LEICA DG45mm)
明け方まで土砂降りだった雨も朝には上がり、蒸し暑い日曜日。
そんな中、SD15を簡単にシェイクダウンしてみました。
SD15にグチるのは、ほとんど弱いモノいじめというか幼稚園に通う子供に思いっきりケリを入れているような反社会的行為をしているような後ろめたさがあるものの、やっぱりそれでもケリに手加減をするわけにもいかない私のドSな性格があるわけで。
全体のフィーリングはSD14よりもいいんです。
まさにSD14の改良版と言ったところ。
シャッターのフィーリングは軽めで歯切れも良く感じるので好み。
傍若無人で育ちの悪そうな音をたてるD700と違ってちゃんと親の躾が身についているようで、数百倍いいと思います。
K-7も好きですが、K-7が「ツン」な委員長タイプだとすると、SD15は気の弱い書記という感じ(ぜんっぜんわかりませんね。はい)。
ファインダをのぞいた感じは、SD14の時から変わらず。
ちなみにこれもとてもいいと思っています。
地味なSD14/15だけど、ファインダの見栄具合は美点の一つでしょう。このままD700と取り替えたいくらい(取り替えませんが)。
マニュアルフォーカスでもピントの山が比較的つかみやすいのに、けっこうクリアに見えます。
メディアがCFからSDに変わったから、ではなくてバッファが増えた分、私の普段の撮り方ではまったく書き込み待ちが無くなったのはまさに朗報です。
これでなんとかまともなカメラになったという感じ。
そう、ここまではストレスなく使える普通のカメラ。
それがSD15。
「カメラじゃなくて計器なんだから」などと自分に言い聞かせながら撮る必要もなくなった初めてのSIGMA デジタルSD、という感じ。
で、普通のカメラっぽいのはここまで。
シャッターを押して一枚撮影すると、SDがただ者ではない事がわかります。
何がただ者じゃないって、アフタービューの液晶の色。
これはないね!
ないない。
SD14からサイズが大きくなってやっと3インチになったのは歓迎です。
画素数も3倍くらい上がったのもまあ、今時ですから標準においついた、と。
そう。ここまでは改良されたなあ、って思います。
スペック上はいいこと、なんですが、実際この液晶を使うと……戸惑うと思うよ~。
何がって?
色がヘンだから。
そりゃもう、めちゃくちゃと言っていいレベルじゃないでしょうか。
もちろん、赤が青になったり、風呂上がりの彼女の頬がゾンビみたいな色に写る、というわけじゃないので、その辺は期待しても? ダメですが。
薄いんです。
色が出ていないと言った方が適当かもしれません。
最初は「カラーモードがニュートラルとかフラットとか、そういうのにしてたんだっけ?」と思ったくらい。
けれどそう言う問題じゃなくて、ただ薄い。
壊れかけたカラーテレビが白黒に向かってまっしぐらに進む途中の状態、と言えばわかりやすいのではないかと思います(わかりにくいよ)。
おそらくたぶん、いや、間違いなく現行一眼レフの液晶では最低の色再現性。
それもぶっちぎりです。
だからSD15を買おうかなって思っている人は液晶の色を見て愕然としちゃダメ。
写っているかどうか、ピントが合っているかどうかはわかりますから「モノクロに塗り絵をして見やすくしてくれてるんだ。親切だな、SIGMA」と考えましょう。
そうすれば撮影がきっと楽しくなりますよ?
さて。
その色なんですが、液晶で愕然とした後に、もう一度愕然させてもらえます。
それはパソコンに画像を取りこんでチェックした時。
むしろこっちの方が愕然とします。
つまり、二段階愕然カメラ。それがSD15。
こんな愕然っぷり、KISS X4なんて買っている人には味わえない感覚でしょうね。
お得感満載カメラ。それがSD15。
得したな、同士達よ!(・∀・)
我々はすばらしい選択をした!!
だって、本当に色が出てないんだからな!!!!
私のかわいいCanon IXY 30Sのイエローモデルを撮った画像をお見せして証拠としましょう。
ちなみにSIGMA Photo Proの最新ヴァージョン、Mac版でオートで現像したファイルだよん。
(SD15/70mm DG MACRO/SPP)
いやあ、びっくらだよねー。
SIGMAのSDマウントレンズ達の描写や色はいいと思う。
金色とかもいい色出てるし、黒も悪くない描写してくれてると思う。
でも、勝手にIXY 30Sに新色を出してもらっても困るよねー。
前から黄色は苦手そうだなって思ってたんだけど、まさにこれは愕然モノですよ。
いやはや、すごいよねー。
で。
SD14はさすがにこんな事がなかったなーと思ってたら、思い当たる節を発見。
というか、思いついた。
SIGMA Photo Pro 4.1(Mac版最新Ver.)
コイツがヘンなんじゃないだろうか?
と言うことで、Adobe Camera RAW (以下ACR)6.1で現像してみた。
(SD15/70mm DG MACRO/ACR6.1)
WBはACRの「自動」を使うと異常な感じ(たぶんSD15のX3ファイルに正式対応していないから?)なのでWBは撮影時のモノを使い、露出をオートにするとこんな感じ。
つまり、色情報はあるんだと思います。アタリマエですが。
試しにSIGMA Photo Pro 4 Windows版で現像してみたけど、あまり大きな違いは無いように思いました。
うーん、山吹色っぽい30Sの色は、SD15では再現が非常に難しいみたいです。
つまり、こういう事でしょう。
Canon IXY 30Sのイエローをきれいに撮りたいと思うなら、SD15は向いていない。
というか、拡張感度のISO50はコントラストカーブが急過ぎて? 普段使いには向かないんじゃないかと言うことですね。
今日はそれがわかってラッキーでした。
タネあかし?
をすると、標準感度のISO 100なら、ここまでひどくは飛びません。
拡張感度のチェックをしてみたら、予想以上に使えないと言うことがわかったという備忘録でした?
おまけとして、ISO感度別の描写の違いを。
・ISO100
・ISO200
・ISO400
・ISO800
・ISO1600
・ISO3200
以上、RAW前提のようなSD15なのにその肝心の純正現像ソフトであるところのPhotoProがこんなにISOごとにころころと色味を変化させるようでは安心して使えませんがな。
まだ発売されたばかりだからと言い訳をしてしまえばそれまでだけど、それだと初期購入者はまさに「βテスター」なのか、とグチを垂れたくもなるというものです。
待たせて待たせてこの程度の仕上がりで、「これで精一杯なんです」って言うのはさすがに認められないんじゃないでしょうか。
さらに言えば、撮像素子自体は5年も前のモノなんだから5年もかけてこれかよ? と考えると情けないとしか言いようがないですよね。
今回の作例に限って言えばISO200が一番安定した色出しをしていると思いますが、そもそもIXY 30Sの色はこんな色じゃないので根本的なところではお話にならない。
まさに「使い途が難しいカメラ」
それがSD15。
14が15になっても、その本質は一切変わらないという点では一貫していて好ましい……
な訳あるかーーーー!!!σ(`´メ∂