(初出:2010/12/25)
(K-5/DA21Ltd./ISO6400)
雪で飛行機が飛ばないのは、滑走路が使えないからではないらしい。
2010年12月24日。
ブリュッセル空港は全便欠航になった。
結局今回の取材旅行に持って行ったのは、K-5、K-rをメインに、GR Digital IIIをお手元用としました。
レンズはDA18-135と、DA Limited全部。
要するに一眼「レフ」二台にレンズ六本というアホなラインナップです、ハイ。
同居人がE-P2とG20mmのセットをメインに、CX4がサブ。
なんだかんだでE-P2は二年連続で海外用カメラの栄誉を得ました(我が家では非常にマレ)。
最後まで悩んだのはGH2と14-140を軸にするか、K-5と18-135を軸にするかでしたが、結局今回のシチュエーションを踏まえて「高感度撮影に特化」した布陣を敷く事にしました。
そうです。
ヨーロッパは(いや、全世界ですが)クリスマスシーズンなので、どこもかしこもクリスマスマーケットが花盛り。
それが映えるのが暗くなってから。
つまり、高感度必要。
さらに、ヨーロッパの冬ですから、そりゃもう昼間でも暗い訳です。
そして天気がいいわけありません。
いきおい、さらに暗い訳です。
あまつさえ高いところに上りたがる属性を持つ私の場合、塔に上ったりするのは火を見るよりも明らかで、内部はどこも暗い訳です。
つまり、今回のテーマは「そのカメラは暗所に強いか?」でした。
そういうわけでボディは去年のK-7に続いてPENTAXの一眼レフ、K-5に決まりました。
今回18-135を軸に考えていたわけですが、そうなると結構バッグに空きができます。
試しにDA Limitedを入れて見ると全部入る!
「じゃあ、いっそのことDA Limitedメインにしてみる?」
みたいな流れが私の中で生じてしまい?
「だったらレンズ交換面倒だから、ボディ二台体制でいこうか?」
的な?
「でも、K-5二台はさすがに業腹というかややツーマッチというか、重いしなあ」
と思いとどまろうとはしたものの、
「あ。K-rって言うテもあるね。アレもサブとしては暗所でも十分な性能なんじゃ?」
方面へ。
で、結局二台六本体制になりました。
まあ、アレです。
結果として18-135は様子見で初日に使っただけ。
あとはほとんど使わず、ホテルで留守番になりました。
描写は旅行用に使うには普通の人には十分かもしれませんが、予想通りというか、思った通りというか、わかっていた事と言うか、私には普段使いできないレンズだと言う事がわかりました。
描写とかそう言う問題ではなくて、要するに「寄れない」レンズなのです。
135mmで40cmまで「寄れる」のに「寄れない」というのも変な話かもしれませんが、それじゃあ使いにくいんですよね。
18-55WRなどの方が「一本」としては使いやすいと思います。
もう一つの理由は、
「でかい」
からです。
18-135mmという事を考えると十分にコンパクトなんですが、フード付けて肩や首からブラさげているとものすごい塊感でストレスがあるんです。
「一眼レフ持ってます。ぶら下げてます。撮る気満々です。ええ、観光客です」
感で自分自身が押しつぶされそうというか、なんかいろいろツーマッチに思えるんです。
K-5と18-135でコレですから、もうまともな一眼レフシステムを旅行に持って行こうとは思えなくなってきました。
幸い、PENTAXブランドにはDA Limitedという極めて小型なフード込みでもコンパクトなレンズが五本もあって、コレこそ旅行用しすてむじゃなイカ? などと今回つくづく感じました。
そういうわけで、DA Limitedを装着したK-5とK-rで今回は結構満足な町歩きができたと思います。
同居人はE-P2とG20mmという組み合わせが「ギリギリ」な大きさという感じでした。
GF1と20mmの方がよりコンパクトなのですが、いかんせんその組み合わせでは手ぶれ補正がないので、暗い場所での撮影を考慮するとオリンパスのボディしか選択肢はない感じで、これがやっぱり正解でした。
GR Digital IIIとCX4ですが、こちらも思う存分ISOオートの上限を上げて(具体的にはISO1600まで)記録に徹したおかげで期待を裏切らない働きをしてくれました。
ええ、要求水準を低くすれば十分でした。
私のGR Digital IIIは実のところ一度交換。さらに交換個体が一度故障して修理済みというもはや万全の? 個体ですから旅行中も壊れる事はありませんでした。
CX4はイカれる可能性大でしたが、まあGR Digital IIIが一台あればなんとか、と。
つか、二人で五台カメラ持っているってどうよ?と、今更ツーマッチ感にさいなまれております。
ちなみに、今回持ち出した五台、全部バッテリが違います。
これは何を意味するかというと、バッテリチャージャーも五つ。予備バッテリも使い回しができないのでそれなりに、という水面下?のツーマッチ感も相当なものでした。
軽やかに、シンプルに行こうとあれほど思っていたのに、コレですから反省しきりです。
ま、そんなわけで二日目からはDA LimitedとK-5/K-rが大活躍。
氷点下のベルギーでもへこたれずにがんばってくれました。
ちなみに狭いベルギーの場合、どこに行くにも二時間あればおつりが来ますので、首都ブリュッセル滞在が一番効率的でした。
でしたが……。
ま、今まで訪れた都市では最低な印象でしたけどね、ブリュッセル。
二度と行きたいとは思いませんが、まあ一度くらいは行っといても損はなかったかな、という感じです。
K-5における旅行での使い勝手や個性?もいろいろわかったので、それについてはまたおいおい。
とりあえず、今回は夜のグラン・プラスのスナップを二枚ほど。
扉のはISO6400。下のものはISO12800。
ブログで使うだけなら51200でも問題なさそうなくらい、K-5は使える高感度性能保持者だと思いました。
D700はもう手放してしまったので直接比較ができませんが、使った感触では同程度以上の高感度性能じゃないかと思います。
にしても、夜景を普通に手持ちでバシャバシャ撮れる時代がくるなんてね。
死ねよ三脚 という呪詛を吐く必要がなくなってきた感じです。
(K-5/DA15Ltd./ISO12800)
ああ、そうそう。
雪で飛行機が飛ばないのは、滑走路が使えなくなるからではなく(使えなくなる事もあるけれど)、雪が機体に付着する事による機体破損や可動部の動作不良(フラップ固着やタービン破損、脚のリッド開閉不良等々)を危惧して「見合わせる」事によるものらしいです。
でっかいエアコンプレッサーのようなもので機体の雪を吹き飛ばす事は可能らしいのですが、降雪し、かつ気温が相当に低いとエプロンから誘導路を通り滑走路に移動する途中でもう固着するそうで、相当やばいのだとか。
それにしても今まで色んな空港の職員や税関の人を見ていますが、ブリュッセル空港の各係員は過去最悪の対応の悪さでした。
二度と行きたくないと思うのはそう言う部分が大きいんです。
つか、私の手荷物の固形蜂蜜返せ!(固形化していても100ml以上の蜂蜜はジャムやマーマレード扱いでダメだそうです。蜜蝋はいいのに? つか、他の国じゃ今まで全部持ち帰れてるんですけど?)