「サイクルロードレースなんて、ラスト10分だけでOK」
前編ではそう書きました。
最初はそれでいいと思います。
というか、最初からレーススタートから全行程視聴なんかしちゃったら、「やっぱりつまんない」ってなるはず。というか、途中で寝ますね。
というわけで後編ですが、「ラスト10分で充分と言っている私が、なぜスタートから全部見ちゃうのか? しかも生中継で!」その理由みたいなものについてです。
あ、そうそう、最初に書いておきますが「前編」と違って超長いです。
しかも文字ばかりです。
◎サイクルロードレースとは?
「そもそも」系のお話になりますが、避けて通れないのでいちおう順番にいきましょう。
サイクルロードレースというのは、文字通り自転車レースの一種です。
正確には「自転車レースの一つのカテゴリー」というべきでしょうか。
競技用自動車にもいろいろあるように、競技用自転車にもいろいろあります。
代表的なものはロードレーサー(ロードバイク)とMTBでしょうか。
オートバイでいうとオンロードレーサーとオフロードレーサーみたいな感じですね。
サイクルロードレースは山や野原ではなくロード、文字通り「道路」を使うレースです。
レースなので基本的には公道を「閉鎖」して行います。
まあ、アタリマエですよね。
でも、言い換えると「公道を閉鎖しないとサイクルロードレースは開催できない」ということです。
日本にはサイクルロードレースの文化がないので地元警察を巻き込まないといけない「公道閉鎖」なんて気軽にできるものではありません。
なので、要するに日本では本格的なサイクルロードレースはほとんど行われていません。
「え?やってるじゃん?」
と思われるかもしれませんが、本場のサイクルロードレースに比べたら、あんなのは子供だましです。
「本格的な」サイクルロードレースはほとんど行われていないのです。
2020年に開催予定の東京オリンピックでは、その「本格的なサイクルロードレース」が見られますので楽しみです。
というか、個人的に東京オリンピックで楽しみなのは自転車競技系のみだったりしますが。^^;
◎話は変わるけど、日本のマスゴミはなぜプレ大会を報道しないのか?
その「公道を閉鎖して行われる本格的なロードレース」に不慣れな日本において、先日(2019年7月21日)いわゆる「予行演習」が行われました。
「本コース」の短縮版ですが、同じコースを使って行われたプレ大会です。
結果は予想どおりで日本人は「ただ参加している(させてもらっている)だけ」レベルで、上位はすべて外国人でございました。
それはさておき、日本では珍しい「長距離の公道を閉鎖して行われるラインレース(後述)」、それも東京オリンピックの予行演習的な、各国選手がやってきて実際にレースをしたにもかかわらず、NHKの朝のニュースなんかでは一言も触れませんでした。
かなりどうでもいいような○○とか××を紹介するくせに。
受信料返せ!(はあはあ)
すみません。ちょっと取り乱しました。
話をもとに戻しましょう。
◎サイクルロードレースの種類
で、公道を閉鎖して行われるサイクルロードレースには、大きく分けて2種類の形態があります。
1.ラインレース
2.クリテリウム
です。
○ラインレース
例外がいろいろありますが、要するにスタートとゴールが違うレースです。
大阪の万博記念公園の太陽の塔をスタートして、モリコロパークがゴール、というようなイメージです。
ただし、いろいろ走ってスタート地点に帰ってきてゴールする、というラインレースもありますので、あくまでも原則的なものだと思ってください。
万博記念公園をスタートして、京都の教王護国寺(東寺)を経由、その後奈良の東大寺大仏殿から四天王寺を回って、再び万博記念公園に帰ってゴール、というようなレースもラインレースとなります。
要するに「同じ場所を何回もまわって距離を稼ぐのではなく、町と町を結ぶようなルートを走る」のがラインレース。
ライン、つまり一筋のい線を引くコースを使うレースです。
○クリテリウム
対するクリテリウムは大雑把に言うと「周回レース」です。
短い周回コースを設定し、そこを何回も走って距離を稼いで「いっちょ上がり」とするレースです。
スタート・ゴールは興福寺前。奈良の飛火野外周を30週回る、なんて言うパターンがあったらそれがクリテリウム。
少し書きましたが、日本でいう「サイクルロードレース」は、実は大多数がこの「クリテリウム」です。
日本では主催者に力もないし、警察は各方面から文句を言われるのが嫌だし、要するにいろいろと面倒なことが多くて上に書いたようなラインレースの開催は実際には難しいのが実情です。
近年ではそのクリテリウムさえ地元の理解を得られにくい状況で開催が危ぶまれる状況にあるとかないとか……。
マラソンや駅伝ならOKだけど、自転車はダメ。これが日本の現状です。
まさに文化の違い。
全く根付いていないという証左であります。
これでは選手の裾野が広がるわけがありません。
日本なんかにいても世界では通用しませんから、才能ある選手は本場であるヨーロッパに渡らないといけないわけで、主に経済的な問題で実にハードルが高い状況にあります。
このままだと「こいつ、ひょっとして異世界から来たんじゃね?」みたいな他を圧倒するようなとんでもない天才が突然現れでもしない限り、ツール・ド・フランスで日本人がマイヨジョーヌを着る日は永遠に来ないでしょうね。
○タイムトライアル
ロードレースとは別に「タイムトライアル」という競技があります。
これも公道を閉鎖して行われるのですが、これはいわゆる「ロードレース」とは呼ばず「タイムトライアル」という別競技として扱われます。
陸上競技だと100m走とマラソンは別競技っていうのと同じで、まあアタリマエの感覚なのだと思ってください。
これはつまり「ロードレース」の日本チャンピオンと「タイムトライアル」の日本チャンピオンは別に居る、ということです(同じ人がチャンピオンをとってもかまわないわけですが)。
これはツールを観戦する場合、微妙に重要な項目です。
◎ステージレースとワンデイレース
さて、サイクルロードレースのレクチャーの後は、開催されるレース・イベントの種類について。
ワンデイレースはそのまま、1日で終わるイベントです。
サイクルロードレースにはよく「クラシックレース」などと呼ばれるものがありますが、形式はこのワンデイレースです。
ワンデイレースの中でも歴史の長いものを「クラシックレース」と呼びます。
対してステージレースというのは、開催場所を変え、数日間に渡って行われるレースの事です。
それぞれ1日のレースを「ステージ」と呼び、その日の優勝者はステージ優勝の栄誉を得ます(区間優勝ともいう)。そしてその複数のステージの総合結果(タイム)で優勝者を決める競技です。
これはどういうことかというと、各ステージで優勝しなくても、総合タイムがトップならレースの優勝者ということになるのです。
F1を例にすると、レースでは一度も優勝しなかったけど、リタイヤは一度もなく、毎回表彰台には登って確実にポイントを稼いでいたら、年間チャンピオンになっちゃった。みたいな感じですね。
実際問題として、F1でそんなチャンピオンはいませんが、ステージレースというのはそういうことがありえる、というお話です。
今年のツール・ド・フランスはマイヨ・ジョーヌ(その時点での総合首位の選手である事を表す黄色いジャージ)制度が始まって100年目にあたる記念大会風の雰囲気が漂っていますが、その最初の年の総合優勝者はフィルマン・ランボーというサドル職人上がりのレーサーなんですが、実はこの人、その数年後にステージ優勝を一度もしないままツールの総合優勝を果たした珍しい選手でもあります。
ちなみに確かいまだに「最年長総合優勝者」でもあるんじゃなかったでしたっけね。
引退してまたサドル職人に戻ったなんていうストーリーにもグッときますし、ちょっと面白い選手なんで、私、実はファンなんです。^^;
話をもとに戻しましょう。
その日その日の優勝者などを決めるのは当然ですが、もともとの目的は「全行程を走りきった時点で、誰が一番速かったか(タイムが短かったか)」でで優勝者を決めるのが「ステージレース」なのです。
ツール・ド・フランスというのは当然ながら「ステージレース」です。
○グランツールとその他
さて、お次はどちらかと言うとどうでもいい用語解説です。
ステージレースにもいろいろあります。
具体的にはステージ数(レース日程)が色いろある、ということです。
3日のステージレースもあれば、一週間程度のステージレースもあります。
ツール・ド・フランスはその中でもトップカテゴリとなる「グラン・ツール」と呼ばれるものです。
グラン・ツールはなんとまるまる三週間、21日に渡って争われるステージレースなのです。
その「グラン・ツール」は3レースしかありません。
自転車レースの元締め、UCIは「グランツールは現行の3レース以外に設定しない」と断言しています。
なのでこれから増えることはないでyそう。
なぜならあまりにも過酷、そして開催にあたってのさまざまな準備が異常に大変。
要するにそんなにカネがかかるレース、これ以上はムリ、という事です。
要するにツール・ド・フランスはサイクルロードレースとしてはトップカテゴリーであり、「特別な」レースなのです。
○その他のグラン・ツール
7月に行われるツール・ド・フランスは、その「グラン・ツール」でもトップレースというコンセンサスで一致しています。
ではそれ以外の2つのグランツールとは?
5月:ジロ・デ・イアリア(イタリア):略称「ジロ」
8月:ブエルタ・ア・エスパーニャ(スペイン):略称「ブエルタ」
ではこの中でもツール・ド・フランスが別格なのはなぜか?
それは「一番注目度が高い(つまり、スポンサーの宣伝になる)」からです。
世界的な観光地であるフランスを舞台に行われるレースが最も注目度が高い=カネが集まるからです。
一度そういうサイクルが生じると、そりゃあもうどんどんそういう方向に転がりますので、現在に於いてもツールが最も華やかであり、頂点のレースと呼ばれているわけです。
まあ、当然賞金なども一番なのでしょうから、頂点と言って問題はないと思います。
誤解を恐れずに例えますと、高校野球の最高舞台であるところの甲子園大会は春夏ありますが、ツール・ド・フランスは夏の甲子園、ジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャはともに春の甲子園、というイメージでしょうか。
もっともコースやレースの内容が面白いかどうかとは別で、私は個人的には見ていて一番面白いのは、毎年ブエルタ・ア・エスパーニャです。
◎サイクルロードレースの特殊性
ツール・ド・フランス(以下、ツール)についてはご理解いただけたと思います。
では、ツールを楽しむ前に、今度はツールにかかわらず、サイクルロードレースが持つ特殊性についてご理解を頂きたいと思います。
これを理解していないと「なんか変」「理解できない」という拒否反応が生じたまま観戦しなくなる恐れがありますので重要な項目です。
ちなみに「特殊性」というのはあくまでも「私視点」なので、その点はご承知おきを。
○個人戦なのにチームで参加しないといけない
一番おかしいのと思うのはここですね。
ツールにもいちおう「チーム賞」というのはあるのですが、そもそもが後付けの賞だし、どちらかと言うとどうでもいい? 賞かな、という感じです(あくまでも私個人の考えです)。
あくまでも賞をとるのは個人。
でも、チーム参加が前提です。
ちょっと変じゃないですか?
サイクルロードレースって、自転車使ったマラソンみたいなものですから、そのマラソンに当てはめてみればその異常性が分かると思います、。
「チームで参加するマラソン」
それがツールです。
優勝者はあくまでも個人ですが、チームは個人であるエース一人を優勝させるため、あの手この手を使っていろいろやる、という感じです。
マラソンだと、風よけ役&ペースメーカーとしてずっとチームのアシスト役がエースの前を走るとか、勝負どころでチームの選手が全員でライバル選手の進路をブロックして前に行かせないように妨害するとか、そういうことをやるのが、いや「やってもいい」のがサイクルロードレースであり、ツール・ド・フランスなのです。
マラソンくらいの低速の競技だと「風よけ」と言ってもしれてますし、エースと同じペースで走れる人がどれくらいいるのかわかりませんが、自転車の場合はマラソンと全く速度が違うので「空気抵抗」は最大の的です。また「勝負どころ以外はサイクリング」なので、そのサイクリング状態の時に風よけになってエースにより体力を温存してもらうとか、そういうのができるわけです。
簡単に言うと、マラソンに比べるとサイクルロードレースでは「あの手この手」の作戦がいろいろできる、ということです。
そしてそれこそがサイクルロードレースを観戦する醍醐味ではないかと私は思う次第です。
「ラスト10分に至るドラマ」こそがレース全般を観戦する楽しみなのです。
○談合OK
これも普通のスポーツではありえませんね。
例えばなぜか日本人が好きな大学駅伝。
優勝候補ではない選手達が結託して「候補連中を先にいかせないようにしようぜ」「アンカーまでそれでいって、全員で脚を温存、ラスト100mで勝負な?」なんて感じで示し合わせ、スタート直後に優勝候補の数名の選手の前にでて人数にまかせて完全ブロック。
ローペースで最後まで行っちゃう、みたいなことができるんです。
サイクルロードレースの場合はブロックよりむしろ先頭を走らせて風よけになってもらうパターン、つまりわざと遅く走る、みたいな作戦のほうが多いです。
もしくは自分のチームの選手を一人先に行かせて、残りのメンバーでブロックを続けるという感じですね。
まあ、細かい話はあれですが、要するにサイクルロードレースの場合はレース中の駆け引きが結構複雑です。
そして利害が一致するチーム同士っていうのがでてきます。あるいは利害が一致する個人同士。はたまた交換条件で結託するなどなど。
というわけで簡単に「共闘」という名の談合がいくつも存在するのです。
例えば、そうですね。
思いっきり大まかな話ですが、
「今日は俺、地元を走るから、いいカッコしたいんだけど、協力してくれない? もし協力してくれたら俺のチームは総合優勝狙いじゃないから、お前の総合優勝狙いについてはけっこうサポートしちゃうよ」
的な話を事前に個人、あるいはチームレベルでやっちゃうとかもOKなのです。
この手の談合はレースの流れの中でチーム間、個人間でいくつも交わされまます。
また、「頂上にたどり着いたら、順位によってはポイントをあげる」みたいなものがあるとします(いわゆる山岳賞)。
そして先頭で登っている選手が二人いるとします。
その二人で毎回山岳賞を争うと消耗しちゃいますよね?
なので二人は談合します。
「ここ、お前がいけよ。そのかわり次は俺にくれない?」
「OK」
みたいな感じ。
という感じで、サイクルロードレースは談合OKのスポーツなのです!
○ルール以外の「掟」が多い
ツールはいわば村社会なのです。
例えば「総合トップの選手を抱えるチームは風よけになって集団を引くこと」というようなものがそう。
もちろんその時のチームの思惑などもあるので絶対ではありませんが、暗黙の了解的なものがあります。
他には「総合優勝争いをしている大物選手が落車などの不慮の事故で遅れている」なんてことになった場合、集団はスローダウンしてその大物選手が集団に復帰するのを待つ、というようなことが本当に行われます(最近はその辺、かなりドライになってきつつありますが……)。
優勝争いの一人が落車で止まったとしましょう。
その時、「これはチャンス」とばかり優勝を争てちるライバルがいきなりペースを上げる……他のスポーツではむしろ常識とも言えるこの行為、いや作戦ですが、サイクルロードレースではタブー視されているのです。
ライバルがそれをやると他の選手に思いっきり軽蔑されます。そして最悪の場合、その後のレースに於いて、全部のチームを敵に回して戦うことになったりします。
ある意味いじめですね。^^;
でも、そういうのがあるのです。
昔よくあったのが、若くて才能に溢れた新人がなんと総合を争っていい位置に付けていたりして、ベテランのレジェンドと呼ばれるライバルが落車した際にここぞとばかりにダッシュ、タイム差をつけようとぐんぐん走り出す……。しかし他のチームのエース格が揃ってその選手を追走、ブロックしたりして叱責し、停止させたりの図。
そこへベテランがやってきて「若いの、ツールには掟がある。それに従わないとお前は選手をやっていられなくなるぞ」的に諭す……なんて感じです。
まあ、最近は皆無線がついてますので監督から指示がでるのでそんな跳ねっ返り行為も見なくなりました。
とうかそういうときは監督同士が無線や電話でやり取りして「すまんが今回待ってくれるか? この借りは返す」「わかった、お互い様だ」なんて感じで話をつけてそれを選手に伝えるみたいな感じでしょう。
なんというか、談合するけど妙に正々堂々的なところもあったりする不思議な競技です。
○試合中にトイレに行く
タイムトライアルの日を除くと、ツールの各ステージはそれぞれマラソンなど比べ物にならないくらいの長丁場です。
5時間とか6時間とかザラです。
今でこそ最長でも200km台ですが、昔は500kmくらいのコースが組まれていた時もありました。
つまり、いくら汗をかくといっても別の生理現象が発生します。
でも「はーい、ここで全員トイレにはいって5分は出てこないでね」なんていうトイレ休憩など設けられていません。
というか、そういう場所自体が用意されていません。
どうなるかというと、選手はみんなタイミングをはかって道端で「いたす」わけです。
要するに立ちションですね。
立ちションという軽犯罪が容認される超法規的なスポーツ、それがサイクルロードレースなのです。
面白いのはこれも「暗黙の了解」があって、だいたい同じようなタイミング(場所)でトイレタイムをとります。
昔はいろいろありましたが、最近ではテレビに映らない(カメラで映さない)エリアというのを主催者側がブリーフィングで伝えていて、選手はそのエリアのどれかでおこなう、みたいな感じになっています。
そして当然ながらそういうエリア付近では、「暗黙のルール」という掟パワーが発動していて、ペースアップやアタックなどという行為は行われません。
サイクルロードレースにおいて、本場ヨーロッパでも男子に比べると女子のレースはかなり注目度が落ちます。
その原因がこのトイレ問題です。
と、私は思っています。
というのも、アレです。
たとえ「カメラには映さないから大丈夫」なんて言っても、女子選手に「道端でやれ」と言うのは流石に酷。
では女子選手はいったいどうするのかというと、答えは簡単で「トイレに行かない」です。
いや、言い換えましょう。
トイレにいかなくてもいいように、短時間で終わる(つまり短い)レースしか原則的に組まない、のです。
とはいえ、トイレの近さは人によりますし、その時の体調にもよります。いくらコースが短いとはいえ、出るものは出ます。
ではどうなるのか?
この辺はまあ、大人の事情としてあまり語られることはありませんが、実情としては「垂れ流し」となっています。
(公衆トイレなどを見つけて駆け込む選手もいますが……)
それを考えるとものすごく過酷ですよね、女子のサイクルロードレース。
裾野が広がるわけがないと思います。
それだけに真剣にやっている選手たちはもう、メンタル含めてものすごい猛者ばかりなのではないかと思う今日このごろです。
ちなみに長丁場のレースになると雨が歓迎されるそうです。
だって「(垂れ流しても)バレなくてラッキー」ですからね(本当です)。
こういうのって想像するとアレですけど、前を走っている選手から何やら飛沫が飛んでくるのってちょっとヤですよね。^^;
まあ、お互い様ということなのでしょうけど。
おしっこの話じゃないですが、男女問わず、「鼻水」はレース中に飛んできます。
もちろん迷惑にならないように鼻をかむ場合は集団から少し離れて道端によってから「チーン」と手鼻を噛んで捨てるわけですけど、まあ、事故はおこりますわな。^^;
上りとかで口をあけて走っている時に運悪く底に入ってくるなんていうことは普通に考えられますね。
ちなみにヨーロッパではロードレースをやり始めた初心者に最初に教えるマナーっていうのがその「レース中の鼻のかみかた」だそうですから、基本はできているそうですケド。
そうそう、どうでもいい情報ですが、そのサイクルロードレース・女子の東京オリンピックのコースは147kmで獲得標高約2700m。
結構な長丁場になりそうなんですけど、大丈夫ですかね。
真夏だから全部汗ででちゃうか……。
などと今からいらぬ心配をしてそわそわしている私。
そのコースの詳細はこちら。
(季節を考えると、男子のコースは過酷すぎてちょっとヤバい気がする)
○レースしながら食事も行う
想像してみてください。
例えばテニス。これなんかも混戦になるとけっこうな長丁場なります。
で、当然途中で水分や糖分補給を行います。
それと一緒と言ってしまえばそれまでですが、テニスなどはインタバルの間に行いますので何の問題もありません。
野球でいえば自軍の攻撃中にベンチで水を飲む、みたいな感じでしょう。
サーブを打ちながらバナナ食べたりしませんよね?
マラソンでも水は補給しますね。
あとはせいぜいスペシャルドリンク的なものの摂取でしょうか。
サイクルロードレースの選手達がレース中に摂取するのはドリンクだけじゃありません。
走りながら、つまりレースをしながら背中のポケットに忍ばせた「お弁当」をむしゃむしゃとやるのです。
道路脇に立って補給袋にいろいろと入れて、やってきた選手にそれを手渡す、なんてシーンを見たことがある人もいるかもしれませんが、実はサポートカーが選手の近くにやってきて、窓から水や食料を渡したりするのもOKなんです。
そういえば砂糖水であるコーラ、それも缶コーラとかを受け取って飲んでいる選手も結構いますね。
マネージャーは選手それぞれの好みの補給食やドリンクを用意しているみたいで、食べているものを画面でチェックするのも楽しかったりします。
あ、そうそう。バナナは食べてもOKですが、その皮を道路にすてるのはアタリマエながらタブーとなっているそうです。
ちなみに落車などで怪我をした場合、走りながら治療します(もちろん走れる状態の人に限りますが)。
具体的には作業しやすいようにドクターカーはフルオープンのコンバーチブルが採用されているのが常です。
選手はクルマにつかまって(ミラーあたりを持っていることが多い)並走状態。ドクターが身を乗り出して消毒したり絆創膏を巻いたりするのです。
一歩間違ったら自転車がバランスを崩したりして、一歩間違ったら巻き込んで轢いちゃうんじゃないの?
みたいな、治療しようと思ったら轢き殺しちゃった、みたいなシーンをいつも想像してしまう私です。
○平気で道路(脇)にゴミを捨てまくる
食べかす、捨てますね。
行儀のいい選手はポケットに戻したりしていますが、みんな結構捨ててます。
昔は放置でしたが、今は基本的にはダメ、という事になっていますが、それでペナルティを取られたという話は聞きません。
あと、ボトル。
これも空になったら捨ててます。
道路脇の観客へのプレゼントになるのが実際なのでゴミにはならないのかもしれませんが、やっていることは投棄です。
面白いのはゴール直前、「これからが勝負」というタイミングになると、みんな持っているボトルを一斉に捨て始めるんですよね。
もちろん少しでも軽量化するということなのでしょうけど、アレを見るたびに、敵機を発見して増槽を捨てる戦闘機みたいだな、なんて思ってしまう私は特にミリタリーオタクというわけではありません。
○最終日はまともに走らない
これは主にグランツール、その中でも特にやりすぎなのがツール・ド・フランスでして、まさに「暗黙のルール」です。
それは「優勝は最終ステージの前日に決定する」です。
最終日にもレースがあるんですが、それは総合優勝争いに関係ない選手たちのみで争われる、言ってみると「消化試合」扱いなんです。
最終日は「パレードの日」といって、主要な賞のトップの連中は、もうちゃんと走りません。
まさに「サイクリング」です。
スタート時にワイングラスを持って、暫くの間はワインを飲みながら走ったりしていますからね。
これ、どう見ても飲酒運転なんですが、これもまたなぜか容認されている超法規的競技、それがツール・ド・スランス。
ドーピングにはヒステリックに反応するくせに飲酒運転はいいのかよ、と毎年突っ込む私です。
まあ、前日のレースが終わった時点で首位と二位との差が1秒しか無い、みたいな場合になったら実際にはどうなるかわかりませんが、いちおう「最終日前日に首位のやつが優勝。最終日はとにかく無事に完走」という不文律がある限り「優勝は最後の最後までわかりません」などというセリフは、ことツールに於いては存在しないのです。
変でしょ?
ツールは好きですけど、個人的にはここだけはいただけないと思います。
今年のジロはそれを回避するためかどうかはわかりませんが、最終日に個人タイムトライアルを持ってきました。
つまり最終日まで真剣に走らないといけない構造にしたのです。
でもツールは「最終日はパリをサイクリング」というのが伝統のようで、ジロのような形態にしにくい「空気」があるのかもしれません。
私は悪しき慣習だと思いますが、世間一般にはそれが求められているのでしょうかね?
だとすると私もサイクルロードレースファンとしては、まだまだ修行が足りないということです。
◎サイクルロードレースの流れ
さて、これはらレースの流れです。
サイクルロードレースにはパターンがあります。
と言っても1パターンです。
法律で決まっているかのようなパターンです。
「レース序盤~中盤に集団から飛び出した選手が逃げグループを形成する」
ほぼ間違いなくこれです。
要するにサイクルロードレースというのはソレしかないのです。
そういう意味では極めて単純な競技と言えるでしょう。
序盤が中盤くらいにずれ込むこともありますが、集団スタート、ずっと集団走行、そしてラストは集団でスプリント勝負、なんていうレースはありえません(たぶん)。
「逃げグループ」ができたあとの流れはいくつかに別れますが、それでも単純なものです。
具体的には……。
1.「逃げグループ(グループソロの時もある)」がそのままゴール
2.「逃げグループ」が途中で吸収。でも「新たな逃げグループ」が出来る(そのグループがそのままゴールということもある)
3.ゴール前で逃げグループが集団に吸収。ラスト数百メートルでスプリント合戦
要するに3パターンしかないので、サイクルロードレースの「ハイライト」を編集する担当者は非常に楽ですね。
ハイライトシーン1:スタート
ハイライトシーン2:アクチュアルスタート(だいたい開始から10分くらいはパレード。街なかを抜けて開けたあたりまできてから本当にスタートというパターン)
ハイライトシーン3:逃げグループが形成される
ハイライトシーン4:ゴール手前100m
以上、ざっと1分で終わり。
これ以外に挟まれるハイライトシーンはだいたい落車シーンです。
◎サイクルロードレースのまとめ
その日の内容にもよりますが、本場のヨーロッパのラインレースはかなりの長丁場となります。
なので手に汗握る「競争」だけをみたいなら、ぶっちゃけゴール前3kmくらいからを見ればオッケーです。
もっと言うとゴール前500mくらいからでOKかもしれません。
独走の場合は別ですが、複数でゴールを争う場合、魂かけて競争するのは最後の最後の200mだけ。
サイクルロードレースというのはそういう競技です。
そう、その日の結果だけをみたいのであれば。
マラソンに例えると、みんなで一緒にゴールの競技場に入ってきてトラックを周回。
42km走った後で、最後の直線195mの短距離走を行う、というような感じです。
なので「見どころは?」と問われたら「ラスト500mくらい?」と答えざるを得ません。
だがしかし。
「楽しみ」はそれだけではないのです。
これから「楽しく見る方法」について。
◎いくつかのキーワードを覚えよう
マラソンなどには専門用語というか大したキーワードは存在しませんが、サイクルロードレースにはこれが結構多いんです。
その中でも「これだけ覚えればサイクルロードレースが判ったも同然」といえるキーワードをいくつかピックアップします。
○脚質
選手の特性です。
個人競技といいつつチーム競技でもあるサイクルロードレースの場合、選手の特性を考えた戦略を組む事が重要になります。
またそもそもその日のコースがどの脚質の選手向きなのか、という話題はレース中しょっちゅう出ます。
覚えておいて損はない、というより必須ワードだと考えましょう。
・スプリンター
その名の通り、短時間にパワーを出し切って走る事を得意とする選手の事です。
つまり筋肉量が大きい大型な選手が多い。
簡単にいうとゴリラ。
・クライマー
こちらもその名の通り「上り」が得意な選手の事です。
ガリガリでひょろっとしている選手人はだいたいクライマー。
というかスプリンターであるはずがないですね、そんな体型だと。^^;
・オールラウンダー
スプリントも行けるし、山も登れる。
ある意味最強。
総合優勝を狙うのは基本的にはオールラウンダーということになります。
・パンチャー
定義が少々難しいのですが、「ゴリラではないがスプリントも強い。あとレースの途中で勝負どころが複数回あっても全部に絡める」「短ければ山も登れる」みたいなイメージを持っていると間違ってはいないと思います。
・ルーラー
長時間不自然な体勢に耐えられる人。
……じゃなくて淡々と高速走行を続けられる人。
まあ、不自然な体勢云々は冗談じゃないんですけどね。
スプリンターやパンチャー系とは明らかに違い、ゴールのスプリント勝負にはなかなか絡みませんが、逃げ切って優勝、なんていうのがあるのがルーラーの怖いところです。
なお、ルーラーは同時に「タイムトライアルスペシャリスト(クロノマン)」であることが多いです。
どうでもいい情報かもしれませんが、私はこのルーラーという脚質の選手が好きです。
「我が名はルーラー。風の使徒だ」みたいな?
ちなみにある程度のスピードを長時間維持するためには、体格がよい必要があります。
向かい風を引き裂くパワーが必要ですからね。
追い風特定のルーラーはルーラーとは呼ばないのです。
つまり風の影響を受けやすい軽量級選手はルーラーには向いていないと思います。
◎キーとなる選手を覚えよう
最初に覚えるのは3人でOKです。
最初は顔と名前が一致しなくてもOKです。
皆ヘルメットかぶってサングラスしているので見分けにくいですからね。
でも大丈夫。
1.黄色いジャージを着ている人(総合トップ)
2.緑のジャージを着ている人(ポイント賞)
3.白地に赤い水玉ジャージを着ている人(山岳賞)
他にも
4.白いジャージのヤングライダー賞(新人賞)
5.赤地ゼッケン(数字が白)の選手(前日の敢闘賞)
6.黄色ゼッケン(チーム総合周囲の選手全員)
などがありますが、まずは3賞の選手をマークしておくといいでしょう。
これは持論ですが、個人的にグランツールで最もすごいと思うのは総合優勝者ではなく、ポイント賞の選手です。
ええ、あくまでも持論です。
で、ポイント賞こそが最高、という意識改革が行われると、ステージレースはより熾烈なものになって面白くなるような気がするんですけど……。
◎見るべきは戦略と戦術、そして駆け引き
談合あり、と書きました。
ブロックあり、と書きました。
チーム戦、とも書きました。
そしてレースの華はラスト200mのスプリント合戦である、とも。
ラスト200mは確かに見ごたえがあります。
でも、そのラスト200mを二倍、三倍楽しめる方法、それがレース全体を見る事なのです。
つまり、ラスト200mのスプリントに参加した選手たちは、いかにしてそこにたどり着いたのかというストーリーこそがサイクルロードレース観戦の「醍醐味」なのです。
駆け引きとアクシデント。
それにより生じるドラマ。
ゴールに至る道中にはそれがあるのです。
その日、生まれ育った町を通過するコースに臨んだある選手は、ツールの選手として故郷に錦を飾りたいと思うでしょう。
チームは当然その選手をもり立てようとします。
具体的には逃げグループに乗らせて、できればその町を通過するときは逃げグループで談合してトップを走らせて欲しいと他のチーム監督に頼んだりするかもしれません。
あるいはその日が誕生日の選手がいたら、ちょっとした見せ場が欲しいと思うでしょう。
昨日、子供が生まれた選手がいたら?
そんな情報があると、該当選手は実際にどうするのかな? などと思いながら観戦できます。
予定調和的に逃げていたら、それでも「頑張れ、故郷に錦を飾れ」なんてその選手を応援してしまいます。
というか、応援すると楽しく見られるのです。
なんというか、そういう浪花節的な部分がまずは結構いいな、と思います。
そういうドラマ系以外だと、戦略や戦術、各チームの思惑を読み解くという楽しみになってきます。
ぶっちゃけ、サイクルロードレース観戦というのは、「大ぜいのおっちゃんたちがサイクリングしているのを眺めている」という行為にほかなりません。
一瞬一瞬で目まぐるしく戦況が変わるような競技ではないのです。
まさにマラソンとか駅伝を見ているような感じです。
しかしマラソンや駅伝とサイクルロードレースが根本的に違うのはマラソンや駅伝が基本的に「ずっと思いっきり走っている」のに対し、サイクルロードレースの場合、道中の殆どはレースというより「サイクリング感」が強い事です。
そもそも150~250kmもの距離を走るのがサイクルロードレースなので、当然ながら選手は最初から最後まで全力で走る、などという狂った競争には成りえません。
なので途中は流しながら走る時間が長いのです。
マラソンや駅伝ではありえない状況を具体的に説明しますと、おっちゃんたちは皆、けっこう楽しそうにくっちゃべりながら、時には談笑しながら走っているんです。
同じチームメイト同士、あるいは別のチームの仲のいい選手といろいろとおしゃべりをしながら走っているのをテレビ越しに眺めるのがサイクルロードレースのもう一つの楽しみです。
仏頂面か、無表情、あるいは苦しそうな表情で黙々と走っているだけのマラソンなどと比べると見ていて楽しいといえるかもしれませんが、そうは言ってもマラソンより時間が長いですからね。
おっちゃんたちがいくら楽しそうでも、それだけだとさすがに飽きてきます。
じゃあ何が楽しくて私屋世界中の(主にヨーロッパですが)サイクルロードレースファンは延々とおっちゃんたちの楽しげなサイクリングを眺めているのか?
そう、そこが「ツール・ド・フランス」を楽しむ秘密? なのです。
楽しげなおっちゃんたちのおしゃべりの裏には、様々な思惑が見え隠れしているのです。
今日、ステージ優勝したいチーム(や個人)。
今日は疲労回復日にしたい。なので事なかれ的に過ごしたいチーム(や個人)。
「ポイント賞には協力するから、今日は勝たせてくれない?」
なんてやっているのかもしれません。
ここからは独断と偏見による「サイクルロードレースが楽しくなる具体的観戦方法」について
○複数人で見る
高校時代からサイクルロードレース好きだった私は、さすがに初心者でもなんでもないのでツール・ド・フランスのどこが面白いのか? なんていう初心に帰ることはもはや不可能です。
だって一人で何時間見ていても楽しくて飽きないんですから。
というか、むしろ至福の時間です。
でも「普通の人がそれなりに楽しく観戦するなら」という件については、それなりの意見を持っています。
その1が複数でワイワイと観戦することです。
これはもうサイクルロードレースに限りませんよね。というか、説明は不要でしょう。感動の共有というものはすべてのイベントにおいて「より大きな楽しさ」を生む最高の調味料でしょう。
あと、おしゃべりは眠気防止にもなります。
そしてできれば一緒に見ている人がサイクルロードレースのことをそれなりに、もしくはある程度知っている人であれば、モアベターです。
なぜなら実況を見ながら、聞きながら、疑問に思ったことを都度質問できるからです。
「あの選手、今なんか起こっているみたいだけどなんで?」とか。
映像がクローズアップされていたとしたら、番組内でそのあたりをサクっと解説してくれそうですが、チラっと端の方で見えたようなものだとそうは行きません。
もちろん一緒に見ていた人が見過ごしていることもあります。
なので、基本的には生で見るとしても、番組自体は録画しておくことをおすすめします。
ほぼリアルタイムの追いかけ再生を視聴するのがベストと言えるでしょう。
思いついた時にそのシーンを簡単にリプレイできますからね。
「ああ、あれは撮影用のオートバイが近すぎるって言って起こってるんじゃないのかな」などという回答が得られやすいと思われます。
もちろん彼氏・彼女とふたりだけで見るとして、二人共サイクルロードレース初心者でも別に構いません。
そんなお二人でも楽しめる道があるのです。
○日本語解説のある番組を見る
これが最終回答みたいなものです。
サイクルロードレースでもツールのようなメジャーなレースは問題なく日本語の解説者付きの実況が行われています。
でもマイナーなヤツは現地実況のみでの垂れ流しとか平気でやってますからね、DAZNとか。
「ふざけんな、有料番組なんだから真面目にやれ」といいたい。^^;
ごほん。
で、テレビ画面を眺めながら、その実況をじっくりと聞く事がサイクルロードレースをより深く理解する最短かつ王道なのです。
あまりレースのことを知らなくても、実況を聞いているだけでも結構理解できてきます。
基本的には「あるていど事情を知っている人向け」なところがあるのは他のスポーツと同じです。
つまりフジテレビNEXTのF1放送のカワイ氏のように「徹頭徹尾マニア向け。初心者は何を言っているのかさっぱりわからない」という状況にはならないので安心して見ましょう。
私が見る限り、サイクルロードレースの日本語解説は、野球放送のそれよりよほど初心者向きです。
野球解説って「三振とは?」みたいな用語解説なんてしませんよね?
サイクルロードレースだとまだまだそういうベーシックな解説をしてくれることがあるのです。
○わからなければ質問ができる
また、録画ではなくリアルタイムで視聴している時限定ですが、最近はSNS(というか、ほぼtwitter)での質問を受け付けていますので、面倒がらずにどしどし質問を投げるといいと思います。
実際問題、大した数の質問などが入っているわけではありませんので、むしろ歓迎されるはずです(勝手に私がそう思っているだけですが)。
放送している彼らも、それなりにベーシックな解説をしたいな、と思っているのです。
でも毎日毎日「逃げとは」なんて話をする訳にはいかないし、基本的にはベテラン向けの濃い話題もやらないと固定客から文句がでるかも? みたいなものもありますので、SNSからのベーシックな質問はむしろ大手を振って初心者向け解説コーナーを番組内に設けることができるのでありがたがられるに違いありません。
さらに言えば、実況も長丁場となりますから、彼らとしても話題がなくなるのが怖いのです。
「質問をいただきました」系があると間がもちますし、その質問を軸に解説者から類似、あるいは関連情報を引き出して話題を広げる、なんて言うこともできます。
なので「わからないことはガンガン質問しましょう」というのが私の無責任極まりないアドバイスです。
「トイレは1レースで何回くらい行くものなんですか?」なんていう質問は大歓迎されるに違いありません。
◎まずは観光番組だと思って見てみよう
いろいろ書いてきましたが、そろそろ締めましょう。
というか、取っ掛かりの話をしましょう。
ツールくらいのメジャーなレースだと、その日のコース沿いにある名勝史跡などを映像で紹介してくれます。
何台も飛んでいるヘリがその場所を空撮して流してくれますね。
ちゃんと勉強している実況や解説者だったら、その辺の紹介を日本語でやってくれるでしょう。
そしてなにより選手たちが駆け抜けるシーン自体が一枚の絵のような場所が沢山あります。
さすがヨーロッパ。さすが農業大国フランスです。田舎の風景が本当に美しい。
「日本だと、まだその頃は国もなかったよね?」なんていうくらい古い砦や教会などもあったりして歴史的な感慨? にひたったりもできます。
そうやって映像を楽しみながら、実況と解説を聞いていると、その日、どのチームがどういう戦略や思惑で臨んでいるのか、なんていう情報を流してくれます。
それが正しいか当たっているかはわかりませんが、そんな情報があれば、そういう視点でレースを俯瞰する事ができるというもの。
そうなると、次はチームと選手に焦点を当てて見ざるを得なくなります。
◎そんなことを言われても、右も左もわからないし、なにかポイントを教えて?
と思う人も多いと思いますので、またしても独断と偏見で、いくつかポイントを上げておきましょう。
○自分のバイクと同じメーカーのバイクに載っているチーム
もしくは自分が好きなバイクに乗っているチーム、ですね。
順当にいくとこれが一番かもしれません。
自動車レースだと愛車と同じメーカーのクルマに載っているドライバーやチームを応援するというアレですね。
私の場合はそのままTREKですし、ピナレロに乗っている人はチーム・イネオス、ビアンキがカッコいいな、と思っているならロットNLユンボ。
彼氏がトライアスリートなら、Cerveloにのっているかもしれませんね(チーム・サンウェヴ)。
それから忘れちゃいけないマンガ・アニメつながり。
弱虫ペダルの好きなキャラが乗っているバイクからチームを決める、というのもアリでしょう。
たとえば東堂尽八=RIDLEY → ロット・スーダル みたいな感じ。
やはり何事にも「思い入れ」があると興味の深さが変わってきますからね。
◎まとめ
おもいつくままに、長々と書いてきました。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
マジで頭が下がります。(_ _)
というわけで、最後に本日のまとめというかポイントを書いておきますので、復習していただけると幸いです。
・番組の最初から見よう
・日本語の解説などの「おしゃべり」をじっくり聞いて楽しもう
・風景を楽しもう
・おっちゃんたちをチェックして、好みの選手を見つけよう
※ヘルメットをかぶっていない素顔はネット検索でチェック!
・贔屓のバイクメーカーがサポートしているチーム(とそのエース)を応援しよう
・イエローとグリーンと赤い水玉を着ている選手はとりあえず注目しておこう
これらのポイントを実践して一度見て、「けっこう面白いな」なんて思っていただけるととても嬉しいです。
我が家は幸いにも同居人も私もサイクルロードレースの大ファンなので、毎晩テレビを見ながら大騒ぎして楽しんでいますが、いつかもっと大勢のサイクルロードレースファンと実況を見ながらたのしめたらいいな、と思っております。