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★はじめてのディスクロード【TREK MADONE SLR】ディスクブレーキの使い心地

自転車

にゃんぱす~

熱戦が繰り広げられている今年のツール・ド・フランスですが、な、なんと! 昨日の第6ステージで、(弱小)TREKの選手が総合トップの印、マイヨ・ジョーヌ(イエロー・ジャージ)を手にしました!

いや、びっくりです。
マイヨ・ジョーヌをきた選手がTREKのバイクに乗ってるのなんて一体何年ぶりかしら??
総合争いとか全然ムリ。せいぜいステージ優勝狙いって感じの力しかないのがトレック・セガフレードチームの正体だったのに!

おそらく1日天下だと思いますが、それでも今夜は応援に熱が入るというものです。
まあ、マイヨ・ジョーヌを着るチッコーニって、平地でもバイクはEMONDAなんですけどね……。
MADONEに乗れや!(TдT)

というわけで、今回はディスクブレーキについて。

「ディスクブレーキなどゲテモノである。世界はいまだにリムブレーキで回っている。というか、まだ終わらんよ」

答えは既に出ているというのに、この期に及んでもアンチ・ディスクブレーキな声が多い中、私が選んだのはディスク・ロード。
まあ、ギリギリまでリムブレーキモデルを買うつもりだったんですけどね。
今回はそんなディスク・ロードの1st.インプレッション

◎率直に言って「何も変わらない」

1st.インプレッションはまさにそのとおり。
今まで使っていたリムブレーキと比べても特に大きなフィーリングの違いはありませんでした。
平地で普通に使う限りは。

それくらい調整されているということです。
リムブレーキから乗り換えても違和感を持たれないように。
なので「ディスクブレーキだから」と何も構える必要はありません。
本当にフツーに使えばいいだけだと思います。

◎下り坂ではちょっぴり本性が見える

とは言え、スピードが乗る下りで強めにブレーキレバーを引けば、今までとは違う(ブレーキの)フィーリングに「おや?」と思うはず。
感覚的な擬音で恐縮ですが、両者の違いはこんな感じ。

リムブレーキ:「ぐいいいいいい……いい」
ディスクブレーキ:「ぐーーーーーい」

必要な握力に明らかな差が出ます。
握っただけ効いてくる、というフィーリングはほぼ同じ感じなのですが、リムブレーキではレバーの握りをだんだん強くしていかないと加速度に負けてくるくらいの下り坂であっても、ディスクブレーキだとそこまで握り込む必要がないのです。
ケーブルを引っ張る方式とピストンを押す方式の違い、と言われてもよくわかりませんが、必要な絶対握力にはけっこう差がある感じです。

とは言え、思っていたよりもグイグイ効く感じではありません。
当初はもっとちょっと握っただけでガツンと効くのかな?と思っていたのでむしろ肩透かし見た以下何時です。
でも、リムブレーキだと下ハンドルを持ってしっかりレバーを握り込まないといけないような下りのシチュエーションでも、ディスクブレーキだとブラケットポジションのまま、鼻歌を歌いながらちょっと深めにレーヴァを「押す」だけでスピードコントロールができてしまいます。
それにブラケットポジションだと上体が起きるので、結果として空気抵抗を併用して速度を落とす事が可能。相乗効果も考えると減速性能は相当上だと思います。

短い時間しか乗っていないのでいい切るのは止めますが、ロングライドの後半、疲労が溜まってからの長い下り坂でのブレーキって、結構「くる」んですよね。
今後、そういうシチュエーションになるたびに「(油圧)ディスクブレーキで良かった」って思うことでしょう。

よく効くとか雨に強いとか、そういうことよりも「疲れても安全」「長時間ブレーキを掛け続ける時に力がいらない」という点において、ディスクブレーキにアドバンテージはあると思います。
コントロール性という言葉が正しいのかどうかはわかりませんが、制動力を制御するのがイージーである、ということは間違いないところです。

誤解があるようですが、実は絶対的な制動力についてはリムブレーキもディスクブレーキも同じようなものだと思います。
リムブレーキであっても(そしてそれがそれなりの性能のものであるという前提ですが)強く握ればホイールが簡単にロックしますし、それ以上はつまりブレーキではなく「あとはタイヤ任せ」の話になります。
なお、私が感じる範囲では急ブレーキに関してはむしろ初期制動はリムブレーキのほうが上かもしれません(注:ORBEAのリムブレーキは前後デュラ・エース仕様)。
※テコの原理的に、リムブレーキのほうが力点と作用点が非常に近い為と思われます)。

ただし晴天時に限る。(^^)
雨天時はリムブレーキはあからさまに性能が落ちます。それはもう、あからさまです。
なので制定時より強く握ります。かなり強く握ります。すなわち晴天時より握力が必要になるのです。
幸いなことにまだディスクブレーキで雨中走行をしたことはありませんが(そして一生雨の中を走らない自転車ライフを送りたいものです)、ディスクブレーキの特性としてリムブレーキのような「雨落ち」はありません。

たとえ晴天時であっても、長い下り坂を走る際など、軽い力で制動力をコントロール可能な油圧ディスクブレーキの方が楽ちんなのはまちがいないところでしょう。

ロングライドの後半、疲れ果てたところに立ちはだかる山岳セクション。
やっとの思いで上りきったと思ったら雨が急に降ってきた。
疲労困憊だけど先を急ごう……なんて時に長い坂道をリムブレーキ車の場合はレバーを握ったまま下り続けるのはかなりの苦行でしょう。
油圧ディスクブレーキだと「楽しい」わけではありませんが、疲労による握力定価で思わぬオーバースピードでカーブが曲がりきれずに落車なんていう「事故遭遇率」が下がるのは間違いないはずです。

こうやって見ていくと、ディスクブレーキは貧脚ライダーこそチョイスすべきと言えるでしょう。

◎160mmか140mmか

結論というか結果というか現象的なことをかきますと、TREK MADONE SLRは前後160mmのディスクローターを標準装着しています。
これはTREKが現時点ではレースに使用するハイエンドモデルであってもローターのサイズは前後160mmがスタンダードだと判断している証拠です。

ローター径は大きいほど制動力が高いとシンプルに考えていいと思います。
テコの原理ですね。

で、そのローター径に関する議論が結構あるわけです。
大きくワケて三派に別れます。

1.160mm派
2.140mm派
3.前160mm/後140mm派

直径の大きい160mmの方が物理の法則に於いていわゆる「効き」はいいはずなのに、なぜあえて140mmの方が良いと主張するのか?
彼らはバカなのでしょうか?
いえ、問題はそうシンプルなものではなくて、要するに「ウェルバランス」がどこにあるのかという好みの問題の話です。
160mm派は効き重視でいわゆる「大は小を兼ねる」という観点から良しとしている、もしくはメーカー推奨なんだから別にそれでいいでしょ? という感じ(私はこれ)。

140mm派の主な主張は「ロードバイクなら140mmで充分。160mmは過剰」という「俺様感覚による充分論」を押し付けているように思えます。

「充分論」派はその俺様感覚とは別に物理的なメリットとして2項目を挙げています。
すなわち「小さい方が軽い」「小さい方が空気抵抗が小さい」というもの。
ちなみに重さは、アルテグラで20g/1枚ほど。
空気抵抗についても理論的には正しいと思いますが、数値的にどれくらい減るのかは不明。

160/140前後アンバランス派の主張は「もともとリアブレーキはガンガン効くひつようはない」という「新しいものを古い価値観で置き換えようとしている」ような理論展開をしています。

私の考えは
1.標準の160mmで特に不満はない
2.同じパーツが使い回せるので前後同じでいい(私は絶対やらないと思うけど、前後のローターをローテーションして無駄なく使い切るなんて考え方もありかもしれません)w
3.140mmと160mmとの選択性だとしたら、当然ながらより効きの良い160mmを選ぶ
です。

ブレーキに関しては「効きすぎて悪いことなどない」と考えてます。そんなの自転車とか自動車とか関係なしです。
要はコントローラブルなフィーリングであれば最高制動力が高いに越したことはないのですから。

20gの重量差が私に関しては一切関係してこないのはまちがいありませんし。
あと、あんまり直径が小さいとかっこ悪い。

という感じで、TREKとしては160mmが「現時点ではベスト」と考えていて、私もそれに反論はないという感じです。
今後どうなっていくかは不明です。

◎ネガはないのか?

重くなりますね。
でも、リムブレーキとディスクブレーキの微々たる重量差など、スルーアクスル化による剛性アップがもたらす「ロスが少なくなる」というメリットの前には霞んでしまいます。

「ブレーキ性能などどうでもいい。1gでも軽くないと死ぬ」という特殊な競技をされている人はブレーキ形式など見ていません(悩んでいない)のでそれはそれで問題ないと思います。

その他にあるネガとしては、音が上げられます。
オートバイに載っている人であればご存知の通り、摺動音というディスクブレーキの「仕様」です。
自動車でもしています。仕様ですから。
オートバイはエンジンを切って押して歩いたりしている時にわかりますが、さすがにクルマはあまりエンジン切って押して歩かないので耳にしないだけ。

「そういうもの」なので不具合ではありません。

ちなみに私のMADONE SLRですが、押して歩く時には音には気づきません。
真っすぐ走っているときにも今の所音らしきものは特定できていません。
が、山道を下っているときなどには少し聞こえます。
主にコーナリング時ですね。
コーナリングをするとホイールがたわみますので、それにより少し触れることになるからでしょう。
私のMADONE SLRはまだブレーキのアタリなんかもついてませんので、これからもう少し変化してくるかもしれません。

ちなみにディスクの特性を知らずにショップにクレームを付けてくる人が結構いらっしゃるようで、納車時には「これこれこういうわけですからこういう音がするかもしれませんが、そういうものなので大丈夫です」的な説明をくどいほどされていました。
ご苦労が忍ばれます。

個人的には、ディスクブレーキにはメリットしか感じていません。
それよりもディスクブレーキ化に伴って、ホイールの固定方式がクイックレバーからスルーアクスルに変わった事によるネガの方が「個人的には」問題です。

そのへんはまた別記事にでも。


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