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★【RP-HD600N】東西ワイヤレスヘッドフォン対決【WH-1000XM3】

オーディオ系

これはまさに大阪vs. 東京の因縁の対決

などと思っている人はだれもいないでしょうけど。
奇しくもそうなっているだけですし、ええ、こじつけですとも。
だがしかし。
BOSE vs. BeatsというBB対決ではなく、日本企業同士の戦いになったのは我ながら地産地消系経済活動にとって望ましい結果ではあります。

というわけでそれぞれのレビューをするより比較対決をしたほうがわかりやすいかも、と思ったので各個レビューはやめて、まとめる事にしました。
(個別にレビューを書くのがめんどくさくなったわけではありません)

◎哲学が違う

RP-HD600NとWH-1000XM3を使い比べるとですね、なんというかPanasonicとSONYの両者、いや両社の哲学の差のようなものを感じてしまうわけです。
要するに相当違います。

簡単に言えば、「物理ボタンにこだわったPanasonic」と「タッチパネル操作のSONY」です。
どちらも「使いやすさ」を考えて採用したメソッドだと思いますが、みている方向が違うのが面白いところです。
また、操作系が右側ユニットに集中しているRP-HD600Nに対し、物理ボタンは左側ユニット、タッチパネルは右側ユニットに分散しているWH-1000XM3というのも面白い違いです。

では実際にどう違うのか(同じなのか)を比較していきましょう。

◎電源ON/OFF

これについては違いはありません。
両者ともに物理的な電源ボタンが存在し、そのボタンを押すことで電源がONになり、もう一度押せばOFFになります。
なおどちらも誤動作を防ぐためにチョンと押しただけでは電源が切れない仕様なのも両社同じ。少し押し続ける必要があります。

違うのは物理ボタンの位置と音声案内です。
電源ボタンはRP-HD600Nは右側に、WH-1000XM3は左側にあります。

またどちらも音声案内があるのですが、RP-HD600Nは安心でわかりやすい日本語案内です。
「電源が入りました」
対するWH-1000XM3は英語。もちろん日本語英語ではなくネイティブっぽい発音の英語です。

実はこの手のBluetooth機器でのアナウンスは聞き慣れた当たり前のものなのですが、最初にRP-HD600Nの電源を入れて流れてきた案内が日本語だったのを知った私は思わず涙しましたね。
RP-HD600Nの高感度がハネ上がった瞬間でございました。
日本のメーカーが日本国内向けに売っている製品が日本語で説明をしてくれる……これ、当たり前の事だと思うのはまちがっているのでしょうかね?
ちなみに初めてです、日本語対応したBluetoothデバイス。
で、そのRP-HD600Nに慣れてしまった私が、遅れてやってきたWH-1000XM3の電源を入れると……当たり前のように英語の案内。
思わず「死ねよ!」と叫んでしまいましたよ。
なんというか、SONYはPanasonicの爪の垢を煎じて飲め、といいたいところです。
たぶん私のこの意見はSONYの人には理解されないでしょうね。
「ちょっと何言ってんのかわかんない」的に思われるに違いありません。

それだけにRP-HD600Nの日本語案内は貴重だと思いました。
なお、日本語が嫌い、もしくは英語大好きな人、あるいはSONYの人の為に、RP-HD600Nの音声案内は英語に切り替えることが可能です。

◎Bluetoothのペアリング

こちらもやり方はほぼ同じと言っていいでしょう。
「電源OFFの状態で電源ボタンを長押しし、ペアリング状態にする」というもの。
初期の頃にあったペアリング用の独自ボタンなどというムダなものは存在しません。

この手のデバイスの常で、ペアリングが完了すると(あるいはペアリングが解除されると)アナウンスが流れるわけですが、当然こちらもPanasonicは日本語、SONYは英語です。

なお、WH-1000XM3には通常のBluetooth接続方法とは別にNFCを使ったペアリングも可能です。
です……が、別のNFC対応機器なんかを日常的に使っている人ならいざしらず、そうじゃない人はBluetooth接続でいいんじゃないでしょうかね。初回のNFC設定などを考えると、Bluetooth接続のほうが(たぶん)早いですし、一度BTせつぞくしてしまえばヘッドフォンの電源を入れたら自動的に繋がりますので(ペアリングしている端末が1つだけの場合ですが)オートマチックに使えます。

◎音楽を聞く

さて、ここから違いが顕著になってきます。

○RP-HD600Nの場合

右側ユニットにある電源ボタン・NCモードボタンの隣に「マルチファンクションボタン」という物理ボタンがあります。
操作位置的にはヘッドフォンを装着した状態で耳の後ろ側に来る感じです。

それを押下するとPlay。
Play中にそのマルチファンクションボタンを押下すると「停止」となります。
物理ボタンを使うというロジックは非常にわかりやすい反面、マルチファンクションボタンはマルチなファンクションを持っているので、ボタンとしての機能、つまり「押下」とレバーとしての機能を間違えないようにしないといけません。
つまりいい加減に操作すると、ボタンを押したつもりでもレバー操作になってしまうのです。
そうなるとマルチなファンクションが与えられているので違う操作になってしまいます。

○WH-1000XM3の場合

右側ユニットの外側の平面部分がタッチパネル(正式名称は「タッチセンサーコントロールパネル」と言って長い)になっていて、そこを操作します。
ダブルタップするとPlay。
もう一度ダブルタップすると停止です。
SONY的には「0.4秒以内に2回タップ」したらダブルタップと判定してくれるそうです。

個人的にはとても使いやすいロジックだと思いますが、電車の中でこの操作をやっているときは、知らない誰かと目が合わないようにしないといけないな、と思います。

「お前、頭おかしいんじゃないの?」なんて挑発している勘違いされたらトラブルに発展しかねませんからね、このご時世。

○勝者は?

『WH-1000XM3』

とっさに操作しやすいのは的がでっかいWH-1000XM3。
操作中の「見た目」はちょっとアレですが。

◎ボリューム調整

○RP-HD600Nの場合

「マルチファンクションボタン」を使います。
ただしボリューム調整についてはボタン的に押下するのではなく、「+」方向と「-」方向にレバー的に動かすという操作方法です。

は常に中央にあって、上下(左右?)に動きはするものの、手を離すと中央に戻る、という非固定型レバーです。

ボリューム調整を行うには+側にクイッとレバーを一回押せば1段階ボリュームが上がり、逆に押せば1段階ボリュームが下がるという、なんというか単純かつわかりやすく使いやすいレバーといえるでしょう。

○WH-1000XM3の場合

当然ながらタッチパネル操作です。
ボリュームアップは指でパネルを下から上にスーッとなぞる。
ボリュームダウンはその逆で上から下にスーッとなぞります。
感覚的に極めてわかりやすいですね。

○勝者は?

『RP-HD600N』

WH-1000XM3はタッチパネル操作をするとイチイチ「ピッ」という電子音が鳴るのが個人的に極めて煩わしい。
嫌いなんですよ、ピッっていう電子音。
「確実に操作してまっせ」的な案内のつもりなのかもしれませんが、申しそうだとしたらSONYの人、バカなんじゃないかな。頭が良すぎてバカ、みたいな典型ですな。
音が変化してたらわかるってーの。

これはなんというか、スマートフォンやケータイ電話でタップするごとにピコピコ音を出している人いますよね、いまだに。電車の中とかであの音がすると本当にイヤなんですよね。ピッ的電子音、大嫌いな私にとって。
反応しているかどうかなんて画面見てたらわかるでしょ? なんでイチイチ音出してんの? とまあ、そういう操作をしている人ことがさっぱり理解できない私などは思ってしまうのですよ。
WH-1000XM3の操作音をON/OFFできるのなら評価は少し変化するのですが、見つからないので×。

そもそもボリュームの上下などはとっさにやる必要がなく、むしろ確実にできるレバー式のRP-HD600Nの方が安心感があります。

◎曲の操作

○RP-HD600Nの場合

当然ながら曲送りやリピートなども「マルチファンクションボタン」で行います。
まさに「マルチファンクション」ですね。

Panasonicのwebサイトより拝借しました

で、ボリューム調整などはあれでいいんですが、こと曲の操作となると、微妙にめんどくさいんです。

「次の曲に飛ぶ」という操作は「+」方向にすばやく二回押す。
「今聞いている曲の頭に戻る」「前の曲の頭に飛ぶ」操作は反対に「+」方向にすばやく三回押します。

ついでに説明すると、「早送り」はすばやく二回押して、押したまま(ホールド)にする。「早戻し(なんだそれ?)」はすばやく三回押して、押したまま(ホールド)にする、です。
なんかめんどくさい。

○WH-1000XM3の場合

こちらも当然ながら使うのはタッチパネル。
次の曲への頭出しは後ろから前にスーッとなぞり、曲を戻す時はその逆で前から後ろにスッとなぞるという操作です。

○勝者は?

『WH-1000XM3』

なんというか、言うなれば「圧倒的じゃないか、WH-1000XM3は」的な勝利ですね。
曲飛ばしや一曲リピートなどをしょっちゅうする人はタッチパネル操作の快適さに涙するに違いありません。
逆にほとんど使わない人はRP-HD600Nの操作ロジックを忘れてしまいそうで、そんな場合でもWH-1000XM3の直感的な操作だとまず大丈夫。
だって「上下でボリューム」、「前後で曲送り」ですからね。
これはもうなんと言ってもRP-HD600Nが勝てるステージではないと思います。

◎ボイススルー(クイックアテンション)機能

ここで言う「外音取り込み機能」とは「(必要に応じて)一時的に外の音を聞く」という機能であって、「周囲の音を取り込みつつ音楽も聞く」という複数あるノイズキャンセリングモードの一つとは違う意味合いです。
わかりやすく言えば「ミュート機能」みたいなものですね。

例えば人に話しかけられた時。
電車に乗っていて「あ、今どの駅だっけ?」と思った時など。
具体例を一つ述べるなら、それは飛行機の中。
すっちー(死語ですよね、知ってますとも)に「ビーフかチキンか」と尋ねられた時などに「どうせオレはバンジージャンプを飛べなかったよ。悪かったな!」と相手を一瞬フリーズ(スタンか?)させる魔法を唱えるために一時的に音楽のボリュームを下げて外の音が聞こえるようにする機能についてです。

Panasonicはそれを「ボイススルー」と呼び、SONYは「クイックアテンションモード」と表しています。
なんとうか、こういうところにも企業カラーが出ますよね。
「クイックアテンションモード」とか、もうスカしまくってますね。
というか、「飛行機での使用を意識している俺らって、やっぱクール? あと言っとくけど俺らはビジネスクラスだから。そこんとこヨロシク」みたいな?

くそ、いいな、ビジネスクラス……。
という話じゃなくて、わかりやすいのはボイススルーですな。和製英語気味な気がしないでもないですが、たとえカタカナであってもわかりやすさを重視してくれているPanasonicにシンパシーを覚える私です。
よってこのネーミング勝負はPanasonicの圧勝!

○RP-HD600Nの場合

右側ユニット全体を手のひら(ちゃんと接触して)で覆うと、音楽のボリュームが下がり、外側にあるマイクを使って外部の音を取り込んで聞かせてくれます。

Panasonicのwebサイトより拝借しました。

○WH-1000XM3の場合

右側ユニット全体を手のひら(ちゃんと接触して)で覆うと、音楽のボリュームが下がり、外側にあるマイクを使って外部の音を取り込んで聞かせてくれます。

SONYのwebサイトより拝借しました

○勝者

当然『引き分け』
強いて言えばネーミングセンスでPanasonicの勝ち。

いや、これ本当に便利だと思います。
私の場合は通勤途中でしょっちゅう人にモノを尋ねられるんですよ、主に道を聞かれるんですけどね。
だって職場が京都市内ですからね。観光客に捕まるんですよ。
いつも思うんですが、わざわざヘッドフォンをしている人間に声を掛けるという無神経さ……じゃなくて考えなしの積極性に頭が下がる思いです。

あ。
ひょっとしてイヤーカバーだと思われているのか!
コードが出てないもんね。Wirelessヘッドフォンなんていう概念が無いのかも。
声かけてくる人、だいたい老人だし。

おっと、長くなったので続きます。