趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★SONY Cybershot DSC-RX100 超簡単レビュー その5

カメラ

(初出:2012/06/23)

結局RX100ってどうなの? という極私的な結論を出す前に、果たして私はRX100を他人に勧められるのか? というお話しをしたいと思います。
最初に断っておきますがと、私はRX100はとてもいいカメラだと思っています。
ええ、嘘偽りなく。(・∀・)
ただ、同時に誰にでも勧められるカメラではない、とも思っているんです。

まず、いわゆる初級者(初心者ではありませぬ。私は初心者とは関わらないようにしているので)にこのカメラを私が勧めるかというと、絶対にそれはない、と言い切ってしまいます。
言い方を変えます。
「私、RX100を買おうかなって思ってるんだケド?」
と尋ねられたら
「ふーん。買えばいいんじゃない?」
と答えます。
これはまあ、初級者だろうが中級者だろうが上級者だろうがプロだろうが、そう尋ねらた場合、私はそうとしか答えないでしょうけど。
でも、初級者から
「何かオススメのデジカメない?」
と問われた時、RX100は決して候補には入らないという事です。

もちろんそういう行動をとる私なりの理由があります。
1)圧倒的に寄れない(マクロモードというものが基本敵には存在しない)
から。
寄れないコンパクトカメラは色々あるけれど、私は初級者には寄れるカメラを勧めたいから、RX100は選択肢に入らないのです。
初級者が目指すべきはピクセル等倍の解像感の良さや周辺まで流れのないビシっとした描写のレンズ性能ではないと思うからです。
必要なのは
「できる事が多い事」
だと思うんですよ。
だから寄れない(この場合、倍率はあまりもんだいではなくて、被写体に近づけないという欠点が重要)カメラであるRX100は窮屈である意味退屈なカメラだと思います。

次に、中級者以上。
もっとも、そもそも中級者以上なのに私ごときにコンパクトデジカメの購入相談をしてくる時点で、「中級者以上」疑惑が持ち上がるわけですが、世の中の中級者がみんなデジカメの情報に詳しいわけでもないし、ましてやいろんなデジカメをとっかえひっかえ買っては手放し、なんてしている人はそれほど多くないでしょう。
従って、そういうつまみ食いをライフワークとしている(いや、してないけど)私に感想を聞いてくるのはまあ、アリなのかもしれません。
話を元に戻しましょう。
そんな中・上級者から尋ねられた場合は「寄れないよ」という欠点その1に加えて、こう付け加えます。
2)「GR Digital程の機能はないよ」
と。
その人がGR Digitalを知っているかどうかでこの辺のニュアンスは変わりますし、一概に言えない部分もありますが、それでもRX100にはGR Digitalほどの機能はないと私は思ってます。
まあ、GR Digitalに比べるとほとんどのコンパクトカメラはシンプルな機能しかないわけですが……。
中級者という言葉の前提ですが、これは「自分がデジカメにどういう機能を求めるのかがわかっている人」の事です。
よく勘違いをされている方がいらっしゃいますが、「良い写真を撮る人が中級者とか上級者と呼ばれるわけではない」のです。
良い写真はサルでも撮れるんです。初心者であっても初級者であっても、写真のいい、悪い、好み・好みじゃないなんていうのは関係ありませんから。
私なんか自分では上級者だと思っていますが、良い写真なんてほとんど撮れません、要するに腕とセンスは別の話です。

で、こういう「自分の求める機能がわかっている」中級者は、私がそう言うと自分が欲しい機能がRX100にあるかどうかを私に聞く、あるいはネットなどで仕様表をチェックしたりしてRX100が自分に合致するかどうかという確認作業にはいるわけです。
あとは自分の判断ですよね。

最後に上級者。
私的な上級者の定義は、中級者に加えて「Photoshopをガンガン使える」人です。
もちろんPhotoshopじゃなくてPhotoshop LightRoomやElements、Capture NX2やDPP、C1、Apertureなどに置き換えてもOKです。
要するにRAWは扱わないけど、Jpegの修正はするよという人も含めて、いわゆる(PCの)画像管理ソフトやレタッチソフトを日常的に使っている人です。
こういう人たちは「自分流」というか「スタイル」がしっかりしている人が多いです。
さらに言えばデジカメに対して求めるものが、いわゆる機能や画質だけでなく、「インタフェイス」にまで及ぶわけです。
こうなると、私なりのRX100に対する「感想」が言えます。
初級と中級の人には「感想」はいいません。
「事実」を言うだけです。
ですが、インタフェイスに紐付けされると、その機能に対しての感想が生じます。
「Aという機能はついているけど、ほじくり出さないといけない」
とか、
「シャッター半押しのフィーリングが浅いので、バッテリをけちらずに常時AF状態にあるとミスショットが防げるよね」
とか
「RX100って、Eye-Fi対応だけど、スロットに挿すと自動的に作動しちゃうだけで、メニューから機能のon/offをユーザーがマネジメントできないのは、まあ使わないにせよなんか気持ち悪くない?」
とか、
「撮影直後のアフタービュウ状態で、拡大しようとしてレバー動かしてから、実際に拡大表示されるまでに結構またされるよね。他の動作がキビキビしているだけに、余計にイラっと来るんだよね」
なんていう話ができるわけです。

というわけで、長々と駄文を連ねた挙げ句にDSC-RX100に対する結論じみた事を書きます。

★「28mm単焦点レンズ搭載のコンパクトカメラとして使う分には、結構いい」
さらに、臨めばデジタルではない光学ズームを使う事ができるんですよ!!(・∀・)

いえいえ。
これは皮肉ではなくて、RX100はまさに広角側に重点を置いたカメラだと思います。
実のところ望遠端の描写も相当いいと私は思っています。
ただ、広角端のf1.8という明るさを知ってしまうとf4.9という望遠端の暗さに絶望してしまうわけです。
f4.9まで絞ると、1インチとは言えさすがにボケにくいんです。
というか、広角端で寄って、開放使って撮る方がよほどボケます。
ボケとかどうでもいいんですけど、表現力の問題を鑑みても広角端の方が自由度が高い。
しかも広角端なら、レンズ前5cmまでは「なんとか」寄れます。ちょっとズームするととたんに最短焦点距離が遠くなります。テレ端なんて55cmとか。
遠近強調のない望遠側で料理を撮影しようとしても立ち上がらないとワーキングディスタンスが稼げませんし、恥ずかしい事この上ない。仕方ないので広角端で寄って撮ると妙にパースがキツい写真になってしまうわけで、「だったらレンズ前1cmまで寄れるGRD IVの方が面倒がなくていいよ!」なんて気分になるわけです。
でもまあ、望遠も使えるのはGRD IVにはないアドバンテージなので。

良いところはまだあります。
★「遊べる撮影モードが盛りだくさん!」

光学ズーム機能に加え、GRD IVには存在しない、RX100の大きな魅力の一つです。
なんというか、RX100を使って遊んでいるとGRD IVって「お前、アタマ固いよね」といいたくなってきます。
ストイックなんていういいものじゃなくて、時代について行けない事を「こだわり」なんていう言葉に変換してるだけの老害ジジイという感じです。(個人の感想です)
いえ、GRD IV、私気に入ってますし、RX100とどっちか片方選べ、と言われたらGRD IVの方を選びますが、それでもやっぱり志はわかるけど、ジツブツとしての完成度が低いのは「気になります」なわけで。

閑話休題。GRD IVの事はどうでもいいんです。
RX100です。
シーンモードとか、オリンパスで言うところのアートフィルターがてんこ盛りです。
効果の強弱が三種類用意されていたりするのはこだわりというか、むしろポリシーのなさ、自信のなさを感じますが、チョイスの幅が広いのはユーザーとしてはいいのかもしれません。
ただ、階層を使ってパラメータを弄らせるわけではなくて、弱・標準・強というパラメータの同じ効果のものが同列で並んでいるので、目的のモノをチョイスするまでに途方もない時間がかかる事があります。
私は途中で自分がいったい何をしているのか忘れてしまって「もういいや」となってしまいましたよ。(・∀・)

何と言うか、アレです、アレ。
パソコンのデスクトップにズラズラズラってアイコンを並べている人、いるじゃないですか。全面に!
ああいう感じです。
私はアレ、大嫌いでダメなんです。
私のMacやPCのデスクトップって、何もありませんよ。(・∀・)
あ、Windowsにはゴミ箱だけ表示させてますが。
要するに機能の多さは大いに評価できるけど、使わせ方(インタフェイス)が大嫌いだという事ですね。

スイングパノラマはモードダイアルからダイレクトに選べるのも○です。
というかですね、操作性は色々難があるものの、それでもNEX系よりよほどわかりやすくて辿り着きやすいと思います。
NEXより(たぶん)高機能なのに!

あ、NEXという単語が出ちゃいましたね。
なので言っちゃいましょう!
個人の感想を!!(ΦωΦ)

★「NEXより高画質」
個人の感想ですから。
物理的な撮像素子の面積の差からくる性能は別にすると、RX100の光学ズームの範囲で撮れる写真はNEX-7よりいいと思います。
というか、それだけNEXのレンズにロクなものがない、ということなんじゃないかと思います。
カールなんたらの単焦点レンズより、同じ画角だとRX100の方が描写はいいんじゃないかなあ、ってけっこうマジで思います。
いえ、私はカールなんたらというレンズをもっていないので100%妄想ですが、少なくともダブルレンズキットについてくるレンズよりは上です。
これははっきり言っておきたいです。
ただし、NEXの標準ズームは結構寄れるので、向こうの方が撮影は快適ではありますが。
ついでに言うと
★「Micro4/3より高画質」
とも言えます。
もちろんレンズに依りますが、先日発売されたPanasonicのGX 12-35mmとE-M5 vs DSC-RX100だと、私はRX100に軍配上げます。
寄れないけど!!(ΦωΦ)

という事で、個人の感想については色々アレでしょうが、感想なのでアレということで、一つアレでお願いします。

RX100、とってもいいカメラだと思います。
寄れないけど。
だからRX100を「コレ一台」で全部まかなう気には全くなれません。
GRD IVはまだまだ捨てられません。

そしてRX101がもしあるとしたら、以下のような機能を追加して欲しいです。(一部繰り返しになりますが)

1)インタバル撮影機能を是非(星景撮影をやるとGRD IVが手放せなくなるのはこの機能があるから)ついでにインタバル合成機能も是非!(あれはいい!)
2)スナップショット機能(シャッターボタンを押せば、あらかじめ決めてある距離にフォーカスが合って撮影出来る機能)
3)アートフィルター・ブラケット機能
4)NDフィルターを搭載(そしてon/offを動画ボタンに割り振れるようにして欲しいぞ)
5)ストロボにコマンダー機能を!
6)コントローラーにα900のようなジョイスティックを!(あれはいい)
7)フィルターが取り付けられるような仕組みを是非!(じゃないと日食撮れないじゃーん。もうしばらく撮らないけどさ)
8)望遠なんてどうでもいい(デジタル高解像ズーム技術で充分ッスよ)ので、24mm相当の画角スタートで出せませんかね?(NikonのP310はその一点でわが家的にレゾンデートルがある)

と、色々不満はありつつも(主に寄れない事くらいですが)、色々気に入った点もあって、しばらくつきあってみようと思います。

惜しむらくは……今GRD IVとP310で使っているポーチに「あと少し」で入らない事かなあ。(レンズ部分の大きさが問題)

とりあえず、広角端だと雲にAFが合うRX100で。