趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★旅行用機材選びの旅シリーズ 雲台篇

カメラ

(初出:2012/07/07)

KTCの自由雲台が大中小とある。
評判が良く、ある人に強く強く勧められて購入した梅本の自由雲台もある。
三脚に付いてきたおまけの自由雲台も複数ある。
なのに!
さらにまた自由雲台かよっ!!

的な展開ですが、こんな事でもなければ買わないと言いきれます。
アルカスイスの自由雲台。
なぜ?

だって、私は普段、自由雲台なんか(なんか、とか……)使わないので。
自由雲台って、結局「微調整」がやりにくいじゃないですか。
激動調整は超やりやすいですが。


これはもう性格の問題なのですが、ギア雲台みたいな三軸それぞれ単独に微調整ができる雲台じゃないと生理的にダメみたいなんですよね、私。
まあ、アルカスイスにもギア雲台あるんですけど、rMBPとMacBook Airを買えちゃうくらいの金額なのですよ。
ウルトラかっこいいけど!(・∀・)
まあ、なので私は安価なマンフロットのギア雲台二個を使い回して満足しています。(405と410)

自由雲台って、正直にいってどれもイマイチ。
梅本の雲台はちょっと宗教入っている? みたいに熱狂的なファンの人がいますが、私的には締めた時の垂れ下がりが少ないだけで、緩めたら全部の軸がグラグラになる、要するに普通の自由雲台でしかないわけで。

とは言え、マンフロットのギア雲台は、ジュニアの410でも相当重くてかさばります。
そうなると
「旅行用にはやっぱり自由雲台だな」
という事に。

で、今まで使ってきた方式の自由雲台は結局つまみを緩めたら油断大敵。カメラはカックンとお辞儀しちゃう、というモノばかり。
だったら、もうアルカスイス型しかないよね、というのが自然な流れなわけで。
調べてみるとアルカスイス型、ようするにコピー品が中国メーカーから出てたりして、結構安価です。
海外旅行に一度使えればOKなのでそっちでもいいかな、と思ったものの、
「傍系を知るにはまず本流を知れ」という我が座右の銘? を思いだし、アルカスイス型、ではなくてアルカスイスの「それ」を購入しました。

ちなみに届いた梱包を見ると、クイックシューのシューがない事に気付きました。
シューというか、カメラ側に固定するアタッチメントは別売りなんですね、これ。
様々なサイズ(というか長さ)のモノがあって、好きなのを選べということのようです。
届いた雲台を眺めるだけではどうしようもないので、アタッチメントを二種類オーダー。
一つはアルカスイス純正のモノ。そしてもう一つは興味があるので、そのコピーメーカー? のパチモン? を。

で、さくっと使ってみてのまさにファースト・インプレッションですが……。

「自由雲台、サイコー(・∀・)」

いやあ、良いもんですね、自由雲台。
気軽だし、使いやすいし、シンプルだし。
三軸ギアヘッド雲台?
ああ、微調整楽だけど、結局は重厚長大な大艦巨砲主義の産物だよねー。

と、あっと言う間に宗旨替えをしてしまいましたよ!!
今までの自由雲台は何だったんだろう?
いや、自由雲台なんだろうけど。
全然別物だと言う事がわかりました。
なんというか、言語圏が違うというか、異次元です。
もっと早くアルカスイス型の自由雲台に出会っていれば、ギア雲台は買わなかったかもしれません。

だって、ウメモトのモノと比べていただければわかりますが、こんなにコンパクトなのに耐荷重が約60kgってんですから、ダンナ!
いや、三脚側の耐荷重が付いてきませんけどね。
ちなみにウメモトの雲台は耐荷重が6kgなので十倍近い差がありますね。

プレート込みのクイックシューを含めた雲台重量はそれぞれ、
アルカスイス Z-1R + プレート 660g+55g=715g
ウメモト SL-60AZD + SG-80(プレート付き)  440g+160g=600g
で、やや太めのアルカスイスが100g強重いのですが、100g強くらいの軽量化の為に敢えてウメモトを選ぶ必然性はなし、と判断しました。

念のために書いておきますが、ウメモトの自由雲台がダメだといっているわけではありません。
目的が違うというか、向いている方向が違う製品だと思いました。
ただ、私が目指す方向がウメモト系の自由雲台とは違って、アルカスイス型の方向にドンピシャだったというだけの話です。

一番大きな違いは、フリーに対する考え方ですね。
ワンアクションで全ての方向をフリーにし、カメラの構図をほぼリセットするウメモト系に対し、手を離しても動かないけど、カメラを持って動かせば簡単に動き、離せば止まる、という微調整域重視のアルカスイス。

ちなみにアルカスイスはウメモト系と違い、雲台本体の水平方向は自由になりません。別レバーで締める・緩めるという動作をしないと動かないのです。
もちろんカメラ本体を回せばいくらでも水平方向には回りますので普通の撮影では全くこまらないのですが、90度倒して使う、要するに縦位置や真下を向けるような使い方……において、アルカスイス型は2アクション必要になります。
つまり!
雲台のスリットが固定式のアルカスイス型に対し、ウメモト型はそのスリット部分もフリーになる、という事です。

それから、特筆すべきはその締め付けのフィーリングです。
梅本型はギュッとある程度のトルクで締め付けないとそれこそガタンっとカメラがお辞儀して場合によってはレンズあるいはボディが三脚や雲台の一部に当たって破損したりしますが、アルカスイス型は「え?本当にこんなんでいいの?」と言う程柔らかく回すだけでガッチガチに拘束されてしまいます。もちろん止まるところまで締め付けられるのですが、その必要は全くありません。

あと、クイックシューの脱着方式もアルカスイス型は「これでいいの?」と言う程あっけなくてびっくりしました。
緩め方は二段階で、レールに沿ってフリーにして外す第一段階と完全フリーになる第二段階があって、それぞれリリースレバーを90度、180度(ざっとのイメージ角度?です)にしてチョイスできます。またそれぞれに違うロックのロジックがあって、そのロジックにもニヤリとします。
「よっこいしょ」という感じでレバーをひねるだけの普通のクイックレリーズとは違ってこちらも力は全くいらない方式で、実にエレガントだと思いました。

ということで、アルカスイス型、大変気に入りましたということでこれで旅行用の三脚と雲台は決定しました。(・∀・)