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★SIGMA DP1sの開き直った操作性に関する一考察

カメラ

(初出:2010/04/03)


SIGMA DP1sの操作性のキモは上の写真が全てかな、と思います。
その開き直った姿勢には脱帽してもいいかと。
とは言え「そんなものが要らないシステムにして欲しい」と言うのも本音です。

ということを踏まえて、DP1s(つまりDP1も)をいじくり回して、だいたいわかった気がしているので備忘録がてらにちょっとボヤいてみたいと思います。

操作性については、コイツには致命的な欠点(欠陥ではない)がいくつかあると私は思ってます。

一つ目は「フォーカスポイントが動かせない」事。

いや。
ウソをつきました。4月ももう3日なのに。
フォーカスポイントは動かせます、はい。
正しく書くなら「動かす気になれないほど動かしにくい」です。

具体的に説明しますが、まずDP1sのフォーカスポイントは基本的に手軽に動かせるようには設定されていません。
そもそもよくある十字ボタンで上下左右のポイントをチョイスするというロジックではないんですよね。
デフォルトの状態ではメニューを辿って九つあるフォーカスポイントを選んだ上でシャッター半押しにして撮影モードに戻る、という感じ。
つまりダイレクトに十字ボタンに割り当てる事は不可能なんです。

で、こんなのやってられませんから対処方を考えるわけです。
フォーカスポイントを手軽に動かせるようにするには、デジタルズームボタン(ズームだから当然行ったり来たりさせるために二つある)にフォーカスポイント移動というコマンドをカスタマイズで割り当てる事になります。
WボタンとTボタンのどちらか好きな方に割り当てる。
で、Wボタンにそれを割り当てると、今度はWボタンを押すといきなり「フォーカス移動モードに移行するモード(わかりにくくてすみません)」に入ります。つまりWボタンを押すとフォーカスポイントが一つ移動するんです。

ここまでは理解していただけましたか?

つまり、いったんWボタンにフォーカスポイント移動コマンドを割り当てたら、そのWボタンを押してしまうとフォーカスポイントが移動してしまう、ということですな。
「アタリマエだろう?」
「お前、何言ってんだ?」
「アホ?」
などと突っ込みたくなる気持ちはよくわかります。(アホなのは否定しません、いやできませんし……)
まあ、私も自分の文章読んだらそう思いますしね。
でも、我慢してもう少し私の説明に付き合って下さいな。ここからがSIGMA DP1sがただのコンパクトカメラじゃない真骨頂なんですから。

いいですか、DP1sって
「フォーカスポイントは、Wボタンを押す度にしか移動しない」
んです。
十字ボタンとフォーカスポイントの移動は何の関連性もないのです。
移動させるにはWボタンを押し続けるしかないのです。
で、そのフォーカスポイントですが、ボタンを一回押すたびにポイントが「乙」字型に動きます。九つぶん。

想像して下さい。「あ、しまった。Wボタン押しちゃった」ってな時を。
もうわかりましたね。
元の中央部に戻そうとするには、あと八回Wボタンを押す必要があるのです。
そうです。だってこのロジックって一方通行なんですから。

これを回避する一番いい方法は「このカメラのフォーカスは真ん中固定しかないと考える」事です。
そうなるといわゆるコサイン誤差には目をつぶり、あとはレンズを振って構図を決めるしかないわけですが。
まあ、それでもいいんですが……。

その時私はハタと思いついたんです。
「なるほど、だから最短撮影距離がこんなに長いのか」
と。

こう書くとピンと来た方も多いでしょう。
フォーカスロックでレンズ振って構図決めてシャッターというやり方は、前出のいわゆるコサイン誤差が生じるわけです。奇天烈な像面湾曲のあるレンズだとむしろジャスピンになる可能性もありますが、まあ、奇天烈なレンズの事はほっといてここでは一般論を語らせていただきたいと思います。

つまり、シグマは寄れないレンズを正当化するためにフォーカス移動をわざと無理目にした、と。

いやいやいや。
違う。
これはそう、逆です。たぶん。

このロジックではフォーカスポイントの移動がやりにくことに気付いたシグマ設計陣は、最短撮影距離を長くすることで実質的に「真ん中固定でほとんどOK」とユーザーに思わせる事にした、という事ですね。
いやあ、操作性一つとってもこんなに深いストーリーがあるわけですね。

ってな事で今回はこれだけです。

え?タイトルの写真と何の関係があるんだ、ですか?

あ……
ですよねー。

忘れてましたよ。
ま、それについては後日、気が向いたら書くかも知れません。