私は通勤時間にDAP、すなわちデジタル・オーディオ・プレイヤーで音楽を聞くことが多いんですよ。
まあ、これってよくあるパターンですよね。
そしてDAPの音楽を何で聞いているのかと言うと、真夏を除春~秋はSHUREのSE215のヘッドをぶっちぎって?
MMCX互換の安いバランスケーブルに取り付け、
ONKYOのRUBATOに挿して聞いております。
いやあいいですな、RUBATO。
リーズナブルなお値段で、十分な高音質。
コンパクトですし、MicroSDHCカードスロットが2つもあって容量確保が容易。
なんというかもう、大ファンですよ。
そんなRUBATOとSE215という、リーズナブル・コンビが私のDAP的お気に入り視聴環境なのです(ただし、バランス接続に限る)。
なのですが、冬場になるとアレです、アレ。
寒いんですよ、普通。冬ですから。
なのでヘッドフォンなのです。
冬っていうと、アレです、アレ。
手がかじかみますね。
なので手袋をします。他人はどうだかわかりませんが私はします。
手袋をしたことがある人なら大なり小なり共感を得られると思うのですが、手袋をしたままで作業をすると、素手で作業をするほど能率的というか精密なことができなくなりますよね?
手袋(ただし防寒機能があるもの)をしたほうが素手より精密な作業ができる、という人はたぶん人間ではないのでちょっと私には意味不明です、すみません。
えっと。
そう。SHUREのSE215でしたね。
SE215はSHUREですから、なんというかいわゆる「SHUREがけ」を行うわけですが、これが手袋をしたままだと思いっきりやりにくい。
なので手袋を外すわけですが、外すと寒い。なんと言っても冬ですからね。
なのですよ。冬は。
オーバーヘッドタイプでイヤーパッドがそれなりだと耳の防寒にも有効ですからね。
冬場になると活躍するbeats BT OV STUDIO WIRELESS。
※beats BT OV STUDIO WIRELESSのいい加減な? 記事はこちら。
だがしかし。
私は思い出したのですよ。
「すでに我が陣営にはbeats BT OV STUDIO WIRELESSは存在しない」ことを。
ええ、BT接続がおかしくなってダメになったんですね。
4年も経っていないのにね。
とはいえ、です。
実のところbeats BT OV STUDIO WIRELESSが手元にあったとしてもリプレイスしていたのは間違いありません。
理由は「音質を追求してみたい」からです。
誤解のないように申し添えておきますと、私はbeats BT OV STUDIO WIRELESSの音質はけっこう好きでした。
というか、かなり気に入ってましたね、音質。
じゃあなんで? という話になるのですが、そこはそれ、SE215とバランスケーブル&ハイレゾ対応ツインアンプ搭載のRUBATOという組み合わせに慣れちゃったので、その辺をもう少しこだわりたいと思っていたからです。
だって、beats BT OV STUDIO WIRELESSが出て4年。あれからヘッドフォン事情も色々と変わっていますから、ちょっと試したいって思っちゃうじゃないですか。
音質にこだわりたいとか、バランス接続だとか言っておきながらナンですが、最初からbeats BT OV STUDIO WIRELESSのリプレイスは同じWirelessヘッドフォンであることは既定路線です。
だって、コードとか面倒じゃないですか、冬場は特に着ぶくれとかするし。
beats BT OV STUDIO WIRELESSになれてるわけですから当然Wirelessです。
で、Wirelessの中でも「そこそこ音がいい」ヤツを選ぼうというお話です。
Wirelessで高音質……という「だけ」なら、beats BT OV STUDIO WIRELESSの後継機、Beats Studio3 Wireless
や定番中の定番ともいえるBOSEのQuiet Comfort Ⅱも候補に上がるのですが、今回はどちらもパス。
それらはiPhoneをDAP代わりにするユーザーが使うべきヘッドフォンであって、今回の私の要求にはマッチしないのです。
というか、Wirelessヘッドフォン使って、その上で音質がどうのこうのっていう人は普通iPhoneとはつなぎませんよね。ええ、音質の面でiPhoneはないわー、と考えるはず。
※iPhoneをあくまでDAPとして使いたい人はaptX HDやLDACに対応したポータブルアンプを使えばOK。
多少妥協してもいいからiPhoneとペアリングして使える「中で」音のいいWirelessヘッドフォンという選択肢としては大いにありかもしれませんが、少なくとも今回は「音質重視」いや「スペック重視」なのでBOSEもBeatsも落第です。
で、そのスペックですが……。
Wirelessヘッドフォンであることはまずもって既定路線ですが、今回はもう一つ「前提」がありました。
それが「aptX HD対応」というコーデックに対応しているという「スペック」です。
beats BT OV STUDIO WIRELESSが出た当時にはLDACと同様にまだなかったコーデックです。そもそも当時の私はiPhoneをDAPとして愛用していましたのでAACに対応していればそれでよかったのです。
Beatsなどはそもそもアップル傘下になってしまったので、android御用達? ともいえるAptX系には対応しないでしょうね。というかiPhoneはaptX HDじゃなくてLDACに対応するのかもしれませんが……。
閑話休題。
私は幸か不幸か? 現在、スマートフォンをDAPとして使っていません。
単純にお気に入りのONKYOのRUBATOが持っているもっともスペックの高いコーデックであるaptX HDに対応したヘッドフォンにしよう、と考えたのでした。音質重視ですから、高音質コーデック対応じゃないと意味はないでしょう。
(ONKYOはLDAC陣営? でもありますが、残念ながらRUBATOはLDACには対応していないのです)。
aptX HDについての簡単な説明は、私がくどくど書くよりもちょっと古いですがこちらのAVウォッチの記事をご参照下さい。
AACとaptXの根本的な哲学の違いや、aptXとHDの違い、そして気になる? LDACとの違いなども比較的わかりやすく記述されています。
もっとも記事はクァルコムサイドからの情報なので、まるっと信奉しないようにしたほうがいいですけど。
そういう条件でチェックすると、意外に国産メーカー主流となりました。
なんだかんだでaptX HDを実装したヘッドフォン(オーバーヘッドタイプ)は少ないですね。
そんな中で候補としたのは、日本が世界に誇る? Panasonic SONY Audio-Technicaの三社。
実は大阪企業つながりのPioneerからもSCENE STYLE SE-MS9というaptX HD対応のヘッドフォンが発表されているので候補に挙げたかったのですが、物色を初めた時点で未発売でしたので泣く泣く候補から外しました。
Panasonic RP-HD600N
SONY WH-1000XM3
Audio-Technica Sound Reality ATH-DSR9BT
Audio-Technica Sound Reality ATH-DSR7BT
他にも個人的に未知のメーカーから製品が発売されているようでしたが、今回は冒険はせず、既知のメーカーのみを候補とさせていただきました。
あしからず、でございます。
では早速候補を絞っていきましょう。
4台をフィルタにかけるわけですが、それにはもう一つ重要な条件を加える事にしました。
これは予算でございます。
当然ですよね。
なので「4万円以下」という条件を加えました。
今回はbeats BT OV STUDIO WIRELESSのリプレイスなので、その値段を超えない事、という線引。
購入価格はざっと4万円でしたので。
ということで、ここでまず1台フィルタに引っかかりました。
さようなら、Audio-Technica Sound Reality ATH-DSR9BT。
お次のフィルタはこれです。
畳と同レベルで語るのはアレですが、この手のデバイスは日進月歩のテクノロジーの恩恵を受けているというのが私の(勝手な)持論です。
なので、2016年に発売されたAudio-Technica Sound Reality ATH-DSR7BTがオミットされることになりました。
なんというか、こういうのって「実際に聞いてナンボ」なのはアタマでは理解しているんですけど、フツーの人は試聴する機会がないわけです。
たぶん職場から少し離れているものの、京都のヨドバシのオーディオ階に行けばたぶん全部試聴可能なのでしょうが、底に行くのがめんどくさい。
つまりこはものぐさな人のヘッドフォン選びなのでございますよ。
(賢い消費者の皆さんは、ぜひ試聴して決めましょう)
残るは地元大阪代表のPanasonicと東京代表のSONY。
さて……。
では両者の違いは何か?
スペック上でそれをチェックすることにしました。
細かい点では多少違いはありますが、音質は数字ではわかりかねますので、私がポイントとしたのは「使い勝手」の部分。
バッテリの保ち | 充電時間 | 短時間充電での稼働時間 | アプリ対応 | NFC対応 | USBポート | |
Panasonic RP-HD600N | 20時間 | 4時間 | 15分で120分使用可能 | × | × | microUSB |
SONY WH-1000XM3 | 30時間 | 3時間 | 10分で300分使用可能 | ○ | ○ | TypeC |
これ以外にも、WH-1000XM3はイコライザ対応(カスタム対応)で、BOSEに追従して? Googleアシスタントにも対応。
イコライザなどはどうでもいいかもしれませんが、アプリで色々楽しめるというのは個人的にヒキが強いです。今風でもありますね。このあたりはSONYのPanasonicの芸風の違いを感じます。
あと、ほとんど最後の決め手になったのが充電用のスロットが「USB TypeC」であること。
地味にストレスが貯まるmicroUSBと違い、裏表とか考えないでぶっ刺すことができるTypeCはそれだけでスペック表に赤線を引いてもいいんじゃないかと私などは思っています。
というわけで、4年ぶりのオーバーヘッドタイプのヘッドフォンはSONYのWH-1000X Mark3ことWH-1000XMK3に決定いたしました。