にゃんぱす~(^^)
それが今回のテーマ。
ではありません。
なんというか「やっちゃえ、ニッサン」的な?^^;
なんと申しますか……妄想が現実になった、いや「なってしまった」というお話でございます。
というわけで、ここからは「PORSCHE Macanが欲しくなっちゃったから絶対買うぜ、いやホンマ」編へ。
果たして私はMacanを無事ゲットできるのか?
第1回はそんなトチ狂った状況に至った経緯など。
拙ブログの妄想車選びシリーズ「次のクルマを考えてみる その6 PORSCHE Macan」を公開した直後のことでした。
ふと思ったんですよね。
「そういえばポルシェのショールームって、一度も行ったことがないなあ」って。
今にして考えると、ああいうのを「魔が差した」っていうんでしょうね。
ポルシェのディーラーは割とご近所に存在しているのでヤサ(ヤサ?)は知っています、というか頻繁に店の前を通っています。
というのも、件のポルシェディーラーのお隣はBMWのディーラーでして、そこは私が3シリーズ(E46)に乗っていた時の担当店でした。車検を受けたこともあります。つまりポルシェディーラーの存在を知らぬはずはありません。
自慢じゃないですが、そもそも私はポルシェにまったく縁のない庶民ですから物理的にBMWのすぐお隣りに存在していようが、ポルシェディーラーなんてそれはそれは遠い存在だったのです。まあ、特にきっかけがなかったってことなんですが。
だからこそなんでしょうけど、今回は(よせばいいのに)思っちゃったんですよね。
「丁度いいや(何が?)、『見せてもらおうか、ガソリンエンジン搭載Macanの最終形態というヤツを』」って。
今回のフェイスリフト(ビッグマイナーチェンジ)が最後のフェイスリフトで、あとはフェードアウトらしいですからね。消え去る前にツラを拝みにいくか、というノリでございました。
思い立ったらホイホイとすぐに行動できてしまうのが、毎日が日曜日系の人たちですよね。
ええ、私です。(^^)
そんな感じで「ちょっとPORSCHEのショールームを見てくるわ」なんてリモートワークで仕事中の同居人に声をかけてフラッとでかけたのでした。
同居人は「んんん?……いってらっしゃい」という感じで(突然何いってんだ、このスットコドッコイが)みたいな表情を浮かべたものの、あまり追求はせずに(仕事中ですからね)送り出してくれました。
嗚呼! 同居人、痛恨のミス!!^^;
注:「すっとこどっこい」とはハダカ(すっとこ)のブサメン(どっこい)という意味です。もちろん私は服を着てマスクもしてでかけました。
ポルシェセンター。ポルシェの正規ディーラーの事をそう呼ぶそうです。中国語で書くと「ポルシェ的中心」です(思いっきり日本語のような気がしますが)。ともあれそのポルシェセンターとやらに向かうことにした私です。
我が家から最寄りのポルシェ・センターまではクルマで12,3分といったところ。混んでいると何分かかるか不明です。どちらにしろ個人的にはけっこう近い感覚です。XC40を購入した最寄りのVOLVOのディーラーより少し近いな、という距離感ですからなにか合った時に足を向ける際、億劫に感じることはなさそうな立地条件といえるでしょう。
訪れたのは午前中でした。ヒマな時間だったのか、店にXC40を乗り入れると誘導の為にすぐにスタッフが出てきてくれました。それも複数人。
「通りすがりのスットコドッコイですけど、マカン見せて」
とは言ってません。確かこんな感じ。
「予約はしていないんですが、クルマを見せてもらえますか?」
近づいて来たスタッフにそう声をかけると、強いて言えば?爽やか系に属するかもしれない営業氏、満面の笑みを浮かべて「もちろんです」と、こんなスットコドッコイな私を歓迎してくれました。
このご時世ですから本来は予約などしておくべきでしたが、それに気づいた時はすでに車上の人になっていましたので勢いでそのまま行ったのですよね。
でもたとえそう思っていても「予約なしですか。残念ですが出直してください」なんて言いませんよね。いや、私なら平気で言いそうだな……だから仕事ができないんだろうな。^^;
そんな感じでポルシェセンターの第一印象は満点の接客ぶりだったと言っていいでしょう。まあ、今となってはこの時追い返してもらったほうが良かったのかもしれませんが……。
手が空いていた件の若い営業氏に案内され、ショールームへと入ります。
ショールームには3台ほどの白いPORSCHE車が展示されていましたが、残念ながらその中にお目当てのMacanはありませんでした。
ちょっとがっかりしつつも私のお目当てはMacanだということを告げると、「お客さん、ラッキー」的な笑みとともに「試乗車があるから乗らないか」というお誘いを受けました。
私としては試乗するつもりなどさらさらなく、展示車を見て、シートを合わせて座り心地などを確かめた後、少しダッシュボードの景色でも堪能しようかな、くらいしか考えてませんでした。そのあとで熱い日本茶などすすりながら新型マカン(EVね。当分買えないけど)の情報など聞いて、そそくさと退出するつもりだったのです。
が……。
チラっと店内に目をやると、その時に客は私だけの様子。
外を見ても客と思しき人影はなく、言ってみれば「閑古鳥が鳴いている接客には余裕がある状況」に見えます。
こちらは冷やかしなのでもうしわけないとは思いつつも、これだったら迷惑でもないかな、と思い、お言葉に甘えて試乗させてもらうことになりました。
高額車(私のイメージではPORSCHEは実用的なスポーツカーメーカーであって高級車メーカーじゃないと思ってます。なので高額車)ばかりを扱っているという事情もあるのでしょう。試乗する為には事前に免許書の提示に加えて念書にサインを求められました。
最近ではプジョーのディーラーでサインさせられた記憶がありますが、それ以外はどこも「え、そんなに簡単にのせちゃっていいの?」って思うくらいイージーに試乗させてくれます。
もちろんすでに顧客リストに載っている人だったらまた違う対応なのでしょうけど、こちらはノーアポでふらりとやってきたスットコドッコイ……というか不審人物?ですからね。当然の措置だと思います。
誤解がないように付け加えておきますと、私はこういう手続(免許証の提示と念書へのサイン)が鬱陶しいと言っているのではありません。むしろ全てのディーラーが実施すべきだと考えています。
「軽い気持ちで試乗に来てください」っていいますけど、凶器になる物体、しかも不慣れなソレを動かすんですから「軽い気持ち」で運転してはいかんのですよ。気持ちを引き締める為にも必要な儀式だと思います。
用意された試乗車は白いMacanでした。
2022年モデル、グレードは「S」です。
ちなみに、ディーラーのスタッフをはじめとするポルシェの関係者は今年の夏にマイナーチェンジしたいわゆるモデルイヤー2022のMacanを便宜上Macan 3と呼ぶそうです。つい最近まで現行モデルであったMacan 2はリアのテールランプが左右でつながったモデルの呼称だそうな。なんでも「マイナーチェンジとはいえ、かなり違うので」らしいです。
現れたのがMacan Sだったので、私の気分は俄然上がってしまいました。Macan SはV6エンジン搭載車だからです。
通常、こういう試乗車ってベース車が多いからです。Macanのベース車は2リットルの4気筒で、今回の車選びのテーマである「6気筒以上」からはハズレたモデルですから。
試乗するつもりはなかったのに、試乗できるとわかるととたんに要求水準を挙げてくる私って……。
しかもそのMacan S、「来たばかり」「下ろしたて」だそうな。
積算計をチェックするとまだ130kmちょっと。マジで新車です。
営業氏が一通り外観の説明をしてくれたあと、いよいよ運転席へ。
そこでも操作方法を丁寧にレクチャーしてくれますので、全く初対面のクルマに対しての理解が深まります。つまり運転の不安要素が少なくなりますからこういうのはウェルカムですよね。
試乗車のMacan Sのオプションをざっとチェックしたところ、概要は次の通り。
メカバネ(標準装備)
スポーツクロノパッケージ付き(166,000)
レザーパッケージ内装(547,000円)
パワーステアリングプラス(44,000円) ※以上営業氏の説明より
といったところ。
PORSCHE的には「吊るし」に近い装備ですが、それでも75万円以上のオプションがついていますね。
いきなりですが質問です。
皆さんは突然頭の中に歌や音楽が流れてくることありませんか?
私はあります。
そう言えば同居人が、先日通勤電車の中でなぜか突然頭の中に「アノーイング!さんさんウィーク!」が流れ始めて、その日は一日中ヘヴィ・ローテーション状態だったなんて言ってましたっけ。
実は私もこの日、つまりMacanを試乗した日がそれでした。いえ、私の場合は「アノーイング!さんさんウィーク!」じゃないですけど。
Macanのドアを開けシートに腰掛け、ポジションを合わせてさあ走り出そうとした時、なんの脈絡もなく頭の中にいきなりある楽曲が流れ始めたのです。
走り出したら 何か答えが出るだろうなんて
俺もあてにはしてないさ してないさ♪
あれ? 脈絡がないわけでもないですね。むしろ「試乗」というシチュエーションにピッタリな歌詞かもしれません。むしろ試乗用テーマソングと言っても過言ではない……のか?
でも、試乗の時に頭の中にこの曲が流れたり、この歌詞を思い浮かべたりした経験はありませんので、初めての出来事でした。
とにかく、その後は一日中この名曲が私の頭の中でリフレインし続けていたのです。
今思えばこれは脳が無意識に伏線を張っていたか、もしくは警鐘を鳴らしていたのかもしれません。
おっと、試乗の話でしたね。
まずは結論を書きましょう。
失敗でした。そりゃもう大失敗です。
「乗らなきゃよかった……」
試乗したことをこれほど後悔したことはありません。いえ、今まで後悔したことなんかなかったので初体験です。
そう、何もかも初体験なのです。
試乗は時間的に30分くらい割いてくれるようです。比較的丁寧ですね。
高速道路などはルートに入っていませんが、ディーラーの周りをちょっと走ってみるだけ、みたいなケチくさい(失礼!)マイVOLVOディーラーとは違い、比較的ゆったり試乗できました。
試乗ルートはディーラーから我が家(の直ぐ側)まで行って帰るというコース。特別なはからいということではなく、そのディーラーの基本試乗コースの一つなのだそうです。
私はわがままを言って、基本ルート、つまり同じ道を往復するのではなく、復路は違う道を通りぐるっと円をかいて帰るコースを走らせてもらいました。
その心はもちろん、より多くの「いつもの道」を走りたかったからです。せっかく我が家まで来ているんですからXC40で走り慣れた道をXC40と同じような速度で同じように走って感触を確かめたかったのです。
ついでなので車庫入れも……と思ったのですが駐車場ゲートのリモコンキーはX40の中なので諦めました。まあ、マンションの駐車場は余裕ですれ違いができるくらいですから通路の広さは充分確保されていますし、ありがたいことに我が家のブースは横方向もゆったり広々としているので駐車にはなんの問題もないのですが、そこはほれ、ちょっと収めてみたいというか。いつもの駐車場だからこそ駐車のしやすさ、もしくはしにくさが理解できるってもんじゃないですか。
そんなわけで試乗を終えて今に至るわけです。
端折りすぎましたかね、すみません。
補足説明を行いましょう。
男だったら 流れ弾のひとつやふたつ
胸にいつでもささってる ささってる♪
そんな楽曲を頭の中で鳴り響かせながら結局30分以上もMacan Sのステアリングを握っていたのですが、実のところ家の周りのいつもの道を走って感触を確かめる、なんて必要はなかったのです。
白状しますと、ディーラーを出ていつも混んでいる国道171号線に入り、ゆるゆるとほんの100mくらい走って新御堂筋との交差点で信号に引っかかって止まったあたりで、「あ、これはアカンわ、マカンだけに」な状態に陥っていたんです。
「これ以上乗ったら絶対戻れなくなる。やめるんだ、まだ引き返せる!」と私の中の人が盛大に警報を鳴らしたくらい。
でも引き返せなかったと。
いえ、本当に普通に走っていただけなんです。
ディーラーから出る時に段差を超え、親切に譲ってくれたクルマに会釈をして左折しながら道路に出て、スルスル進んですぐ止まっただけなんです。
「それで何がわかるんだ?」って思われる人もいるでしょう。
でもね、わかる時はわかっちゃうんですよ。
「あー、そういうのわかるよ」ってうなづいてくれる人もけっこういるんじゃないでしょうか。
親友Aなどはその昔、私のLOTUS ELISEに初めて乗った時に「クラッチミートして5m走った時点で全集中で脱帽した」みたいなことを言ってました。私は100m、彼は5m。私なんてむしろニブいほうかもしれません。
個人的にこれほど「すぐ」に感動したのは、今のXC40に乗り換える際に候補車として試乗したCITROËNのC5 AirCross SUVでしょうか。
ディーラーから道路(新御堂筋の側道)に出るところにあった段差を超えた時に「あ、このクルマは全然違う」って思いましたが、あれは走り出して15mくらいだったような気がします。
つまりC5 AirCross SUVに比べてもMacanの場合はむしろ遅い方かも。
もっともC5 AirCross SUVは感動してもどんでん返しがあって結局購入には至らなかったので感動の差はMacanの方が大きかったのでしょうね。
というか、大きかったんですが。
ではMacanのいったい何が私をそれほど感動させたのか?
ガスペダル(アクセル)を底づきさせてもいない、ワインディングを攻めたわけでもない、高速域からブレーキペダルを蹴飛ばしたわけでもない、本当にただノロノロと走ってすっと止まっただけなのに。
この手のいわゆる官能評価を第三者に理解してもらうのは非常に難しいですね。いつも思います。でも今回は車の運転感覚なので、靴に例えるとおわかりいただける方が増えるかもしれませんね。
なので想像してみてください。
ショップに行き、気に入ったデザインのジョギング用シューズを見つけたので早速試着しました。
ピッタリサイズを選ぶと、足にきもちよくフィットしていて、自分の足に合うシューズだと感じられました。
その場でちょっと足踏みをしてみたら、なんかいい感じ……。
「コレにします」
みたいな?
靴も自分に合うものを見つけた時は感動しませんか?
厳密な意味でフィットする靴はあまりなくて、私なんかはワンサイズ大きめのものを買って靴下で調整していることが多かったりします。既製品なんてそんなものでしょう。
たまにピッタリの靴を見つけると超嬉しくなって衝動買いしちゃいますよね。
今回もそんな感じでした。
走り出してたったの100mで私はあっけなく白旗をあげたわけですが、その時の感動はどういうものだったのか? それを少しだけ説明します。
私の背中とお尻と足先と手が、同時にこう叫んだのです。
「私はこいつをよく知っているぞ!」と。
そして遅れて海馬(わかりますよね?)が肯定したのです。
「そうだ、これはスポーツカーだ」って。
ああ、そうか。そうだったんだ。
そう納得した時、頭の中では例の歌が流れていたことは言うまでもありません。
俺とお前は まるで懐かしい友達さ
初めて出会った筈なのに 筈なのに♪
私はかつてスポーツカーもしくはスポーツカー的なものを都合3台ほど所有していました。全て2座のオープンです。
Macanを走らせてすぐにその時の感覚が蘇ったのです。
スポーツカーは、遅く走っていてもスポーツカーなのです。
スポーツカーは、カーブをゆっくり曲がっていてもスポーツカーなのです。
そしてスポーツカーは、いつだってスポーツカーなのです。
そう、スポーツカーは車型じゃないんです。
「そうかMacanよ、お前はスポーツカーなんだな」
そう理解した私は心が震えるのを感じました。そしてあることに気づきました。
「そうだ、Macanを買えばいつもスポーツカーに乗れるじゃん」
Macanなら私のライフスタイルに必要なSUVの機能性をなんら損なうことはありません。あまつさえスポーツカーも手に入る、まさに「一粒で二度美味しい(古い)」状態……え? よく考えたらこれってすごいラッキーな出会いなんじゃ? むしろ出来すぎな話じゃない?
そして「その日、人類は思い出した」
じゃなくてその時、私は思い出したのです。
何をって、Macanがインドネシア語で虎という意味だということを。
そう、今年は寅年。私は新年早々虎にであい、その虎に惚れたのです。つまりこれはもはや運命と言っていいでしょう。いや、むしろ必然か!
「こ、これは買うしか!!」
そしてココはアレです、あの名コピーを使う時が来たようです。
「スポーツカーに乗ろうと思う。」
そう決心した時、私の頭の中には当然のようにあの歌が流れていたのでした。
Pick Up Your Head
Throw Away Your Blue’s
どうせ一度の人生さ♪
続く。