やっはろー(^^)
先般、iPhone SEからSE2に買い替えた同居人はiPhone 12 miniに興味を持ったようですが、ホームボタン(あるいは指紋認証)がない事を知った瞬間に興味を失ったようです。
私?
私は先日iPhone XS Maxを売っぱらい、今はカタギの身でございます。
そんなことよりワタクシはこの度、ついに宗旨変えをしました
そう。宗旨変え、すなわち信教を変えたのです。
例えるなら昨日まで正統派ユダヤ教徒としてカシュルートを守った食事をしていたのに、今日はバリバリの?シーア派イスラム教徒になってメッカに向かって土下座している、みたいな?
というのは大げさで、デスクトップスピーカーを今まで使っていたパッシブスピーカーからアクティブスピーカーへ替えましたと、というお話です。
タイトルに書いてあるように、選んだのはEdifierのED-S880DBというアンプ内蔵のアクティブスピーカーであります。
ED-S880DBについては、前回のデスクトップスピーカー選びの記事で少し触れています。
今思えはあの記事はこの記事の予告編だったのかもしれません。
では、ED-S880DBを導入するにいたる、ながい冒険譚のはじまりはじまり……。
みたいな?
事の起こりはアンプの不具合です。
具体的にはノイズのが発生。
おそらく少し前から鳴っていたのでしょうけれど、それはほんの小さなもの。無音やピアニッシモ的な状態で、かつ相当にボリュームを上げていないと認識できないタイプの高周波ノイズです。
さっそくノイズの出どころ調査したところ、犯人はアンプだということが判明しました。
今はなき?ラステームシステムズのDAC内蔵アンプ、RSDA-302Uがついに音を上げたということのようです。まあ10年以上前のプロダクトですからモトは取ったと考えましょう。
まずは切り分けです。
パッシブスピーカー側に問題がある可能性は極めて低いのですが、念の為ということでスピーカーと、ついでにスピーカーケーブルを替えてみました。
案の定、アンプからスピーカーまでの経路はシロでした。
次に疑ったのはACアダプターです。
その辺に転がっている? 規格的に同じか似たような製品と交換してみましたが、変化はありません。
一応、PCとの接続に使っているUSBケーブルを交換しても全く変化はありません。
残るはアンプ本体かPC側の問題です。
というか、犯人はほぼアンプに確定なのですが、いちおう別のアンプにPCを同じUSBケーブルで繋いでノイズが出ない事を確認しました。
最初に考えたのはアンプのリプレイスです。今あるスピーカーなどはそのままで不具合があるモノを良品と置き換えるという、まあ自然な行動と言えるでしょう。
購入に当たりアンプに求める機能は次の通り。
・ハイレゾ対応(せっかくですから)
・USB入力対応(ハイレゾですから。というかこの時点でDAC機能付きは確定)
・バラ線用コネクタ付き(パッシブスピーカーにつなぐために必須)
・日本メーカーの製品(Amazonの中華アンプはいろいろ持ってます。でもここでは対象外)
・予算は5万円まで(ホンネは3万円以内で抑えたいところ)
そんな条件をもとに色々物色して見つけたのが、これ。
TEACのAI-301DA-SPです。
上記の要件はすべて満たしていますし、スピーカー接続端子はバラ線に加えバナナプラグにも対応していますので面倒がありません。ラステームのRSDA-302Uはバナナプラグ対応じゃなかったんですよね。
値段も4万円を切っています。なので余裕で予算はクリア。
メインのオーディオシステムでもプリアンプとして同じTEACの上位製品(500番シリーズ)を使っていますので、音質については問題ないと考えていいかな、とも思います。
「よし、決定!」
そう思ってポチろうとしたのですが、マウス(実はトラックボール)を持つ私の手がなぜかピタリと止まりました。
ええ、悪い虫が出てきたのです。
「今のスピーカーでこのアンプは生きるのか? オーバースペックなんじゃね?」
アンプを変えるわけですから、多分音は変わります。
RSDA-302Uとフォステクスの「かんすぴ」(FOSTEX P804-S)の組み合わせは確かに悪くはありませんでした。
AI-301DA-SPはTEACの300番台シリーズ、すなわち中級クラスですから、それなりのポテンシャルはあるはずです。
とはいえ絶対に良くなるという保証はないではないですか。
そもそも「かんすぴ」との相性は実際どうなんだろう?
いつもはあんまりそんな事をかんがえずに「ダメならダメでまた考えよう」とポチっちゃう私ですが、こんな事を考えるなんてそろそろヤキが回ってきたのかもしれません。^^;
そこで、同じTEACの500番台のアンプを使っているメインシステムに「かんすぴ」をつないで鳴らしてみました。
単なる思い込みではありますが、同じTEACのDAC内蔵アンプなので、ベクトルが全く違う再生音にはならないはず。というか「かんすぴ」って実際にどれくらい鳴ってくれるのかの再確認のようなものでそう。
メインシステムに繋いだ「かんすぴ」が今より明らかに良い音が鳴ってくれるのであればAI-301DA-SPを導入してもがっかりすることはないでしょう。
反対にRSDA-302Uに繋いだ時とさほど変わらないような音しか鳴らないのであれば、それは「かんすぴ」のポテンシャルがそこまでだということです。
そうなるとAI-301DA-SPは宝の持ち腐れになる可能性があります。
というわけで、メインシステムに繋いで聞いてみました。
ついでに同じ曲をメインシステムのスピーカーと聴き比べてみました。
結果。
我が家のメインシステムは、やっぱりかなりいい音なのだということを再確認しました(個人の感想です)。
「かんすぴ」についても流石にRSDA-302Uにつなぐよりは明らかに良い鳴りっぷりをしているのが私のポンコツの耳でもわかります。
だがしかし。
同時に「かんすぴ」の限界も見えてしまいました。
誤解のないように言い訳を書いておきますが、あくまでも私の環境で引き出せる範囲での限界であって「かんすぴ」が持つ本来の限界とは別物です。
要するに今あるメインシステムが私の限界。なので、そこに繋いで鳴る音はすなわち私的には最善策なのです。
結果としてメインシステムのスピーカーと比べると、「かんすぴ」は数段劣化した音しか出ないという事実だけが私の中に残ってしまったのです。
「かんすぴ」には全く罪はありません。これは私の勝手な感情による「がっかり感」なのですから。
そう。私はメインシステムに繋いでしまったことで「かんすぴ」に対する愛情を失ってしまったのでした。AI-301DA-SPに繋いだら、RSDA-302Uよりは間違いなく音はパワーアップするでyそう。
でも……なんかつまんないや。
嗚呼、人間の欲望ってやつは全く……。
Edifier ED-S880DB。
「この夏に変更したばかりだけど、PC用のデスクトップ視聴環境、この際ゼロから考え直そうかな」
そう思った次の瞬間、私の脳裏に浮かんだスピーカーがこれ。
冒頭に書いた通り「かんすぴ」を選ぶ際に最後まで候補として考えてたスピーカーです。
その時は予算の関係もありましたし、何よりアクティブ・スピーカーではなくパッシブスピーカーにちょっとこだわっていた事もあって「かんすぴ」を導入したのでした。
その「かんすぴ」を否定した私が今Edifier ED-S880DBを再考するのは、客観的に見ても極めて自然な行動といえるでしょう。
しかも前回とちがい予算的にも全く問題ありません。
さらに当時と違って未知のスピーカーを買う「ばくち感」がありません。
なにしろこの間に信頼おける筋のレビューが上がっていたからです。
というわけで、こちらはもうポチる指にも迷いはありませんでした。
Edifier ED-S880DBの製品詳細はこちら。
https://www.princeton.co.jp/product/eds880db.html
Edifier ED-S880DBは筐体サイズも「かんすぴ」より一回り小さく、アンプも不要になりました((W)138×(D)168×(H)230mm)。すなわち私の物理デスクトップはバックロードホーンを置いていた頃に比べると、本当にスッキリしました。
色はホワイトと白木の組み合わせで、単なる直方体が多いパッシブスピーカーとは一味違った趣があります。
というか、このデザインは好きですね。
アクティブスピーカーの中には個性的なデザインをしたつもりで、安っぽさ全開っていうヤツも少なくありませんのでこのデザインは新しさの中にもクラシックな佇まいがあり、個人的にはかなりの良作、いや佳作だと思いました。
実のところ「写真を見ると結構良さげだけど、実物はかなり安っぽいんだろうな」なんて思っていたので、そのあたりには期待していなかったんです。でも実物はいい意味で私の予想を大いに裏切ってくれました。質感も仕上げもいいですし、これで3万円を切っている(店による)とかちょっと信じられないな、というのが開封した第一印象でした。
少なくとも安っぽさはまったくありません。
またこいつにはスピーカーの保護のためのサランネットがありませんが、私はサランネット不要派なので全く問題ありません。
かんすぴのサランネットも外して使っていましたしね。
サランネットって音が多少なりとも劣化します。目を閉じてサランネットの有無で音が変化するのがわかります。
微々たるもの、誤差、数値的には一切変わらない、なんて言う人もいますが、変わるかどうかは本人が試してみればいいと思います。変化がないというのであれば多少なりとも保護はできるのでカバーをすればいいいと思います。
私はユニットをむき出しにすることによるスピーカーのデザインや個性なども楽しみたいので、音が同じであっても外します。
どうでもいい話ですが、カメラ用レンズの保護フィルターも同様の理由で使わない派です。^^;
机上に置いてみて、強いて言うことがあるとすれば、ダーク系の私の机とのマッチングはイマイチ、ということくらいでしょうか。まあコントラストがあってむしろいいんじゃないかとおもっていますが、贔屓目でしょうかね。
デザインやレイアウトの問題でIN/OUT系のものはすべて右(向かって)ユニットの背面にあります。ご覧のように入力はほぼなんでもござれです。これはもうTEACのAI-301DA-SPと比べてもまったく遜色がないといえるでしょう。
まずデジタルでは
・USB
・光
・コアキシャル(同軸)
の3系統。共にハイレゾ(24bit/192kHz)対応となります。
アナログはRCAが2系統あります。
無線はBluetoothで、コーデックは流石にLDACはありませんがSBCに加えaptX対応です。
欲を言えばLINE入力も備えたネットワークアンプ機能があるとベストですが……いや、3万円のプロダクトにそこまで求めるなよというお話ですよね、ハイ。
出力系では、ボリュームは当然として、独立した高音と低音のコントロールダイヤルがあります。
ボリュームダイヤルは無段階。高音と低音のコントロールダイヤルはクリック感があります。ダイヤルはすべて背面にありますので裏を見ながら調整、というのはやりにくいのは確かながら、慣れればさほど困らないと思われます。
多彩な入力に合わせて、付属するケーブルが豊富なのも嬉しいところです。
それぞれ1.5m以上の長さがあるので充分使い物になると思います。
・RCA-3.5mmステレオミニプラグ(PCなどのイヤホン端子用)
・RCAケーブル(AUX出力がある機器用)
・光ケーブル
・USBケーブル
アクティブスピーカーですから、左右のスピーカーを繋ぐ専用ケーブルが付属しますが、長さは3mあります。
安価なアクティブスピーカーだと、マジで机の上限定専用に考えられているのか1.5m程度しかない場合もありますが、3mもあればリビングのメインスピーカーとして使うことも可能でしょう。またサラウンドにこだわらなければリビングのテレビ用外部スピーカーとしても運用可能です。
今までと違ってハイレゾ音源に対応したシステム(スピーカー)なのでPCとの接続は当然のようにUSBです。まあ、今までもUSB接続だったんですけどね。^^;
音出しチェック用にはハイレゾ音源です。
ハイレゾ対応らしいですからね。
用意したのはこれ。
「A REALM REBORN: FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack」
最初に結論を。
音自体は今まで運用していたラステームシステムズのRSDA-302Uと「かんすぴ」ことFOSTEX P804-Sの組合わせより、確実に1ランク上です。評価の仕方にもよりますが、個人的には2ランクくらい上じゃないかと思ってます。
なにしろとりあえず設置しただけの、つまり調整やセッティングなど全くしない状態で音出しをした瞬間に「あ、これは買ってよかったヤツだな」と思ったくらいですから。
ただし、Edifier ED-S880DBと「かんすぴ」では目指している音自体がかなり違いますから、好き嫌いの問題で「かんすぴ」の音が好きだと言う人がいる可能性も当然ながらあります。
それくらい出てくる「音」の方向性というかベースになるものが違うのです。
両者の違いを強いていえば「オーディオ畑のなかで平穏に、そして慎ましく暮らしているFOSTEX P804-S(かんすぴ)」一方で「サウンドの森という異世界でのびのびと冒険をしているEdifier ED-S880DB」と言った感じでしょうか。
さらに卑近なモノで例えるなら、クラシックギターとエレキギターの違いといいますか。
ええ、かすぴはフォークギターじゃなくてガットギター系のイメージなんです。
これはあくまでもイメージであって、「アルハンブラ宮殿の思い出」をEdifier ED-S880DBで聴いたらエレキギターで演奏しているように聞こえる、とかそういうたとえではないです。
あとはそうですねぇ……「かんすぴ」が撮って出しのフラットな……要するにやや眠い写真だとすると、Edifier ED-S880DBはそれにPhotoshopで軽くアンシャープマスクをかけ、彩度を少し上げたような感じ。
端的に言うとEdifier ED-S880DBはアクティブスピーカーがもつメリットを充分生かしていると言うことでしょう。DACからの信号を自身のスピーカー専用に調整しているわけですから、ユニットのポテンシャルを引き出せているに違いありません。
そのへんが汎用であるパッシブスピーカーと、音としてはクローズドな作りのアクティブスピーカーとの大きな違いと言っていいわけですが。
ED-S880DBには予め「味付け」されたイコライザーセットがいくつか内蔵されていて、付属のリモコン(無線)にあるボタンひとつで切り替えが可能ですが、基本的な傾向としては明るくクリアな高音が出る割に低音がたっぷりと鳴るところでしょうか。
下手にブーストされただけのブーミーな音とは一線を画していてちゃんと低音がなっている感が味わえます。
中高音ユニットの特徴は音の直進性がいいところでしょうか。その為か定位がしっかりしています。
目を閉じて音楽に没入すると、もっとずっと大きなスピーカーが朗々と鳴っているような錯覚に陥る、といえばED-S880DBが持っている音のスケール感が伝わるでしょうかね。
デザイン有線なのでしょうね。丸いカタチをしたリモコンです。
でも、極めて重要です。
なぜって、基本的にED-S880DBはこのリモコンですべてを操作する必要があるからです。スピーカー本体でできる事って、ボリュームと高音・低音のコントロールだけですから。
まあ、操作といっても実際にどうしても必要なのは電源のON/OFFと入力の切り替えくらいでしょうかね。
私のばあいはUSB接続のみでしか使わないので入力は固定。
でも音楽を聞く場合は停止やスキップ、一曲戻しなどがキーボードではなく手元で行えるのはやっぱり便利ですね。
音質のところで少し紹介しましたが、予め用意されている4種類のイコライザーのプリセットがこのリモコン側からワンタッチで選べます。
種類は「MONITOR」「CLASSIC」「DYNAMIC」「VOCAL」で、それぞれボタンを押すとガラリと変わりますので、お好みのものをチョイスしましょう。
ちなみに「MONITOR」がいわゆるED-S880DBの「素」の音です。
聞く曲と好みにもよりますが、前出のFF14のサウンドトラックだと「MONITOR」にして本体側のダイヤルで高音と低音を少しブーストするといい感じ。
アニソン的なポップスを聞く場合は「DYNAMIC」でもいいですし「CLASSIC」+低音ブーストなんかも悪くない感じです。
「VOCAL」はビミョウかな……。
いろんなスピーカーを聴き比べたわけではないのにこんな事を言うのは無責任とは承知の上で、敢えて書きます。
Edifier ED-S880DBはこの値段で買えるニアフィールド用スピーカーとしては、ベストに近い選択肢だと思います。
視聴に使ったこのアルバムの中でも、私が特に好きな一曲「蛍たちの舞踏会 Dance of the Fireflies」なんかを聴いていると、月明かりの中でホタルが飛び交う向こうで、ゆったりと回る水車が影が見えるような気がしました。反対に「水車の調べ Wailers And Waterwheels」では森の水車が上げる水しぶきに木漏れ日が反射する一枚の絵をながめているかのようです。これらは「かんすぴ」では得られなかった体験です。音場に奥行きがあり、中高音の粒立ちがクリアだからこそ描ける「音」なのではないかと愚考する次第であります。
実はアンプを探している時に目的のモノとは違うのですが「いっそこれにしちゃおうかな」なんて考えたモノがありまして……。
「それ」は「これ」。
その名もTEAC WS-A70。
これを導入した場合はUSB接続は諦めて? PCとは光で接続して運用することになりますけれど。
あと、正面におかなければならないので、ディスプレイを上方にスライドさせなければいけませんし、運用には色々あるのですが……。
それでも「欲しい」と思っちゃいました。
理由は……ほぼ100% デザイン?^^;
でもというか、しかしというか、おかげさまでというか、WS-A70は10万円を軽く超えるお値段だったので事なきを?得ましたが……。
それでもある日ある時、ふと正気を失ったはずみでポチる日がくるかもしれません。
というわけで、予算が3万円あるならば、ED-S880DBはお勧めですぞ、というお話でございました。