ちゃろー(^^)
とか
「百歩譲ってXF16-80mmF4 R OIS WRでしょ、JK(死語?)」
などとツッコみを承知の上で(?)あえて言おう。
「わが選択に悔いなし」と。
まずはこのレンズの呪文を解呪していきましょう。
・XC
XFマウント用レンズにはメインストリームのXFとは別にXCから始まるレンズがあります。
XFレンズはレンズの鏡胴にアイリス、すなわち絞りを操作するためのリングがあります。
XFマウント用のレンズ、FUJIFILMが「あらまほし」とし、実践しているレンズがXF系レンズです。XFマウントではXFレンズこそが主流派と言っていいでしょう。
たいしてXCレンズはアイリス操作用のリングがありません。割愛されています。つまりCはCutのCで、XCレンズとなります。
・15-45mm
これはもうそのままで、焦点距離が15mmから45mmまでに可変するバリフォーカルレンズ、俗に言うズームレンズである、という意味です。
焦点距離は物理的なものなのでこういう表記になりますが、「画角」的には135版フルレームサイズ換算だとざっと23mm-69mm相当になるもよう。
メエインストリームのXFレンズの中には22.5mmそうとうの画角をカバーする標準ズームはなく、このレンズはその点でXFマウントのレンズの中でもキラリと光る個性を有しています。
・F3.5-5.6
これは焦点距離によって開放F値がこの範囲で変化しますよ、という表記。
15mmだとF3.5、45mmだとF5.6の開放F値になるということです。
要するに開放F値は大きい、つまり暗めのレンズであるということがわかります。それが意味することはすなわち「安い系のレンズ」であるということです。
・OIS
Panasonicユーザーは「おいっす」と呼びますが、意味は同じです。
Optical Image Stabilizerの頭文字をとって3レター表記をしたもので、FUJIFILM的な光学式の手ブレ補正機能内蔵レンズという意味です。
Panasonicと同じ表記なので、Panasonicから技術供与されているのかな、と考えられます。
会社によって表記が違う為、レンズ内手ブレ補正の一般名称としては4レターでILISと表記されます(In-Lenz Image Stabilization)。
つまり、このレンズは手ブレ補正機能付きだということです。
・PZ
Power Zoomの略です。
鏡胴にあるヘリコイドを回すと機械的にレンズ群が動いてズーミング(とフォーカシング)を行うのではなく、バイワイヤ、すなわちヘリコイドを回すという入力により、電動モーターがレンズ群を動かすシステムを採用しています。
どちらでも結果は同じでズーミングが行えるわけですが、通常のメカ式ズームがいつでも動作可能なのと違い、バイワイヤ方式はカメラの電源が入っていないとヘリコイドを回しても何も起きないということです。
また、バイワイヤ方式のレンズの多くは電源投入後にキャリブレーションを行います。そのため「電源入れて即撮影したい!」という切羽詰まった状況に対応しきれない事があります。
加えてメカとバイワイヤ方式では入力に対する反応の「リニア度」が違う……具体的にはヘリコイドを回してモーターがレンズを実際に動かすまでにタイムラグがあります。その為、違和感を覚えたり使い勝手の悪さを訴える人が多いと言えるでしょう。
特に中間焦点域で意図する画角ピッタリにしたい、なんていうのは大の苦手です。行き過ぎたり戻りすぎたりとなってイライラが募るわけです。
私の場合はズームレンズは基本的にワイド端とテレ端の2焦点しか使いません。つまり任意の焦点距離で止めるなんてことがないのでまったく問題とは思いません。
4つあります。
・小型軽量
・安い
・標準ズームでワイド端が15mmスタートなのはこれだけ
・それなりに寄れる(ワイド端だけ)
私にとっては特に小型であることが重要です。
重さよりも容積が小さい事が何より美点であると考えます。
それについては後述します。
ご立派なプライスタグをぶら下げているXF16-55mm F2.8も、便利ズームとして我が世の春を謳歌されているXF16-80mm F4も描写力を鼻にかけることはできても、肝心要の小型軽量さで覇を競うのはちょっと、いやかなりムリがあります。「目くそ鼻くそを笑う」レベルです。
このXC15-45mmは現在も、いや過去を振り返っても、XFマウント用の標準ズームレンズとしてはもっとも小型軽量のレンズと言って差し支えありません。
・マウントがプラスチック
・バイワイヤ(電動)方式による隔靴掻痒感
・純正フードがない
・付属のリアレンズカバーが安物(安っぽい、ではない)
とはいえ私はプラマウントに偏見はありませんし、リアレンズカバーが白いプラスチックのかぶせ式であっても目くじらを立てる事もなくなりました。純正フードがないのは「コーティングをしっかりしているから(フードは)なくてもいいんだよ」というメーカーの自信の現れだと思えば納得してもいい気がします。
安いから?
いいえ、安いことはありがたいことですが、実は大した理由ではありません。
いえ、見栄じゃなくてピュアな?本心ですヨ?
一番の理由はこれです。
標準ズームをX-H1の「つけっぱなしレンズ」的に使うつもりであれば、私は現在のラインナップの中からなら迷わずXF16-80mmをチョイスします。
レンズのクオリティ、F値、カバーする画角と値段のバランスが最もいいXF標準ズームレンズだと判断するからです。
でも、X-H1は私にとって「基本的に単焦点レンズ」を運用するためのボディなので、標準ズームをメインレンズとして使いません。
すなわち、ほとんど使いもしない重厚長大系の標準ズームに高いお金を払うことは実にバカバカしいことなのです。
そうなんですよ。
メーカー側が標準ズームとしている16-55とか16-80とか18-55mmというのは私にとっては「ちょっと望遠より」と思ってしまうのです。
というわけで、私がX-H1用に用意した「標準ズーム」はCanon EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM。
XFマウントだとXF8-16mmかXF10-24mmが該当するのでしょうが、かつてXF10-24mmは使っていてもう一度買うっていうのも面白みがありません。
そもそもそんな「私の標準ズームレンズ」も使いみちは海外旅行でのスナップ用途。要するにほとんど防湿庫の番人なので、ここでも「高いお金を払うことは実にバカバカしい」わけで、要するにXF8-16mmを買うのは避けたいところ。
で、キヤノンの中古ズームをこれにあてた、というわけです。
その辺は先日の記事にまとめてあります。
問題はここです。
矛盾するような理由ですが「なくてもいいけどあると便利」感といいますか、そんな感じ。
言語化するならこういう事になります。
・別に「いわゆる標準ズーム」を否定してはいない
・カバー率が高いので、あると便利なのは確か
・X-H1には残念ながら「デジタルズーム機能」がない
・邪魔に鳴らない小型標準ズームなら、欲しいかも
・あ、値段が高いのはいらないかも
とまあこんな感じ。
具体的には「ついでに持っていく気になる軽やかな標準ズーム」です。
μ4/3勢だと、ピッタリのレンズが新旧いくつもあるので、そういうのを求めているわけですが……。
で、XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZならば、まあなんとか合格かな、という事になったのでございました。
ええ、FUJIFILMの純正レンズなので、これは新品を買いました。
普段はX-H1にXF23mm F2 R WRを付けて撮ることが多いのですが、このズームレンズをポケットに忍ばせておけば「もうちょっと広く!」と思った時などのスーパーサブとして活躍してくれそうです。EF-S10-22mmだと、さすがに「ポケットに忍ばせて」なんてレベルじゃないですからね。
スーパーサブとはいいつつも、正体は見極めておきたいですからね。
3日ほどX-H1につけっぱなしにして色々と撮ってみました。
・ワイド端の中央部は開放でも十分で文句なし
・テレ端は全体にいろいろと「緩い」
・逆光耐性は普通。個人的に不満はない
・周辺部の収差はいろいろと値段なり
つまり、「画質命」の人はXF16-55mmを買うべきだし、標準ズームが常時レンズの人はXF16-80mmを買うほうが値段の差など関係なく幸せになれるということです。
私はそれよりもこのコンパクトで軽いレンズのワイド端が予想以上にシャープな写りだったので十分満足です。
レンズに限っていえば、小は大を兼ねます。が、その逆はないのです。持ち出さない(持ち出す気にならない)レンズは存在しないに等しいのです。
その点、このXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZなら、持ち出すことにためらいを感じません。
X-H1とXF23mmの時でも「ついでに」って手にとれますし、X-H1にXF90mmを付けた時はより積極的に手にする気になるのは、圧倒的な大きさ、軽さ故なのです。テレ端はともかくワイド寄りの画質は特に文句をつける必要がないですし、ワイド端であれば異様に寄れてしまうのも「愛い奴め」と思ってしまう美点ですね。
テレ端を酷使する人でなければ、このレンズはけっこうオススメかもしれません。