(初出:2010/06/03)
(GF1/LEICA GD 45mm)
ささっと触ってこう思う。
「軽くてけっこういいね。質感も悪くない」
少し触って首をひねる。
「これ、GF1やE-P2のライバルじゃないな」
でも、きっとそれは私のようなベテランの意見。
普通の人には違いはわからない。
きっと。たぶん。
軽い。
圧倒的に軽い。
GF1やE-P2と持ち比べても、全然違います。
全然違う、という程重量差があるわけですね。
ズームレンズはそれなりに大きいけれど、軽くてスリムなボディがそれを苦にしません。
ズームは寄れる。かなり寄れちゃいます。
これならストレスはないな、と思いました。
でも「これはダメだな」って思いました。
たぶん、私はNEX-5を愛せません。
AF枠が自由にいじれない。
説明書を読んでないので断言しませんが、少なくとも直感で移動させられるロジックが見つかりませぬ。
いろいろなモードを選べるけど、それはかりそめ。たぶん見せかけ。
いや、言い訳のような機能なんだと思います。
本質はフルオート機。
いや、フルオートでもいいんです。
でも、フルじゃないのにフルオート。ISOが1600まで? 高感度が売り物なのに?
でも、モードを変えるのは非常にめんどくさい。
だったらもうフルオートでいいか、なんて、触っているうちにだんだん去勢されていく自分を見つけ出すわけで。
もう少し硬派な所があると思っていたんですが、実物は予想以上に軟派でした。チャラチャラしただらしない格好が「カッコいい」という価値観を持ち、大型スクーターをふんぞり返って運転するのが「カッコいい」と思っていて、何を喋っているのかわからない、滑舌と日本語がめちゃくちゃな日本人のようなカメラだと思いました。
わがままなオヤジみたいなカメラも大嫌いだけど、NEX-5には志というものが感じられません。
GF1でNEX-5を撮っていて、GF1の真面目な性格に惚れ直す私がいました。
チャラいカメラ同士なら、まだE-P2の方がマシだと思う私もいました。
申し訳ないけど、私はこれはやっぱりダメだと思います。
テスト撮影に出かけようかな、なんて気分にもならない。
久しぶりに吐き気がするカメラに出会ったような、そんな残念な6月3日。
グリップが良くて持ちやすくて、断然使いやすい可動液晶。AFも充分な速度で合焦するし、シャッターのキレもそれほど悪くない。
だから、悪くないカメラだと思うんだけど、私にはゴミにしか見えない。
SONYさん、ゴメン。私は「次」に期待します。