(初出:2011/07/03)
ツール・ド・フランスが始まった。
また寝不足の日が続くなあ。
実は今回、一日違いでツール・ド・スイスがグリンデルヴァルトにやってきていたんです。(ゴール)
残念!
という事で?
今回はグリンデルヴァルト周辺のサイクリングならぬ、ハイキング・コースについて。
グリンデルヴァルトの周りはハイキングコースの宝庫なので、一ヶ月滞在してもOKなくらいです。
五日という短い時間で私が選んだのは、極めてポピュラーな
1)フィルストからバッハアルプゼー
2)メンリッヘンからクライネシャイデック
3)シーニゲプラッツ ヴィルダースヴィル〜シーニゲ・プラッテ(往復)60.00フラン
の3コース。
2)は例の有名なユングフラウヨッホ(スフィンクス)と組み合わせるパターンです。
詳細は割愛しますが、それぞれのコースについて簡単な感想を。
1)フィルストからバッハアルプゼー
正直どうでもいいコースのような気がします。(結論早っ)
グリンデルワルトの駅からテレテレっと10分も歩けばロープウェイ乗り場があり、そこから一気に1100mも上った場所、そこがFIRST(フィルスト。要するにファーストですな。ちなみにセカンドはありません←たぶん)
※往復54フラン
バッハアルプゼーは湖というより水たまりです(池かな)。
逆さマッターホルンが見えるわけでもなく(アタリマエですが。代わりに「逆さフィンスターアールホルン(フィンシュテルアアルホルン? ちなみにベルナーオーバーラント最高峰で富士山より遙かに高い4274m)」が、運が良ければ見えます)二つの池がある場所に向かってガレキを敷き詰められた道を歩いて、そして帰るだけのハイキングです。
いえ、景色は日本の富士山のあの沈鬱なあの世とこの世の境みたいな場所とは違ってすこぶるいいし、道も広く整備されているし、なによりジジババ渋滞がありません。(私が言った時は、ですが)
まあ、気になるのは牛の糞くらいでしょうか。
個人的には「そこまで言うなら行ってやるか」的なコースだと思いました。
「バッハアルプゼー? 行ったよ-」という「押さえ」みたいなところでしょう。
グリンデルヴァルトに行った人と話を合わせる為に行く場所、と言い換えてもいいでしょう。
難易度は最低レベルですが、空気は薄いので、あまりナメると辛くなります。
フィルストの駅で標高2100mなので、人によっては高山病っぽい(ぽい?)状態になる可能性アリ、です。
そんなもの要らねえよ、と言わず、水とあめ玉とかキャラメルは持っていきましょう。
キャラメルやあめ玉は鰯の頭ほどの効き目は望めますし、水はアタリマエに必要です。
気をつけるべきは水の確保と、ハイキングロードが角のあるバラスを文字通りバラまいているのでソールが固めのちゃんとした靴を履いている方がいいです。
というか、靴は基本なのでないがしろにしないで足に合った、ちゃんとした物を用意しておきましょう。(値段が高い必要はまったくありませんが、良い物は総じて高いプライスがついているのが世の中の常ですねえ)
その辺を歩くような格好のご婦人もいらっしゃいましたが、そうとうな健脚なのでしょう。
バッハアルプゼーに行かなくとも、フィルストは遊べます。
グリンデルヴァルトからフィルストまで上り、そこから「キャーな乗り物」で一つ下の中間駅(シュレックフェルト)まで下りて遊ぶ、という楽しみ方です。
正直に申し上げましてもはや「乗り物」と言っていいかどうかわからないほどプリミティブなものですが、長さ800m、最高速度84km/hというのは想像以上にスリリングではないかと。
・フィルスト フライヤー でYoutubeにもたくさん動画が上がっていると思われますので興味のある方はチェックして下さい。
私が「スリリンスではないかと」と人ごとのように書いたかというと、それは……
「人ごとだから」です。
ええ、やってません。
現地(フィルスト)に行くまでは、そりゃあもう、やる気満々でした。
ところが、現地に行ってみると誰も居ない。
営業してなかったみたいなんですよ。
いえ、それは言い訳で、フィルストの駅のオッチャンに聞けば「やるのか? いいとも、準備してやるよ」
と、意味はわからないけど英語かドイツ語かでそう言ってくれたんじゃないかと思います。
でも、私達にはムリでした。
ええ、チキンでヘタれで意気地無しでビビりで恐がりで口ばっかりなんです。
「あんなもん、楽勝楽勝」
「なんなら10回続けてやってやるぜ!」
と寝言で言っていたくらい(しりませんが)全然大した事ないぜ感あふれる自身を纏っていたのいですが、ね。
ええ、そうです。
営業していたとしても、やってなかったと思います。
だって誰もいないんですよ?
話に聞くと、自らの意思で飛び降りるバンジーの方がまだましで、要するに絞首刑みたいなもので、ハーネスつけて「GO」とかやられると足下が落ちて、そのままスタートするしかない、という拷問機具なんですよ?
さらに言えばボディ2つ、レンズ7本入ったリュックをおなか側に担いで、そこを縄みたいなものでぐるぐる巻きで固定されて放り出されるんですよ!
生身で84km/hですよ!
それに、私達はスタート地点より前にゴール地点を見てしまっていた為、その勇気ある撤退を決める決定打になっていたのです。
「あれ、どうやって止まるんだろう?」
「……」
「……」
「ヤバくない?」
「良く見ると、ゴールのあたり、濡れてない? 赤くない?」
「……」
「……」
「て、天気も悪いし、視界もないし(雲の中)、今日はやめとこうか」
「さ、賛成」
おお、ヘタレだ!
ということで、雲で視界がわるく、当然ながら霧雨も降っているという状況なので、楽しめないだろうと。
「天気のいい日に来よう」
「そうしよう」
合議の結果、そういうことに。
そしてその後二度とフィルストに足を向ける事はなかったのでした。
いや、天気のいい日は気持ちがいいと思いますよ、絶対。
おすすめです。
楽しいんじゃないかな。
せっかくグリンデルヴァルトに言ったなら、バッハアルプゼーなんてつまんない水たまり見るより、絶対おもしろいし、思い出に残ると思います。
やってない私が言うんだから間違いありません。うぇっへっへ。ヾ(≧∇≦)
ちなみに扉の写真の展望台? にある柱の天辺についているのはFIRSTの展望カメラ。
映像は↓