にゃんぱす~(*^^*)
スタッドレスタイヤに履き替えたとたん、我が家の地域はいきなり氷点下ですよ!
「きっぱりと冬が来た」って感じでございます。
大阪北部は山が近いとはいえ、いきなり氷点下になるとは。
というか、大阪市内は5度くらいだから、そこより6度も低いというのはちょっと低すぎる気もしますけどね。通常はせいぜい3度低いくらいなんですが。
まあ、だからと言って快晴で積雪とかありませんから別にスタッドレスタイヤじゃないとダメなシチュエーションなんかにはなっておりません。
残念?
というわけで? すっかり旧聞に属する話題ではございますが、4年ぶりに開催された「サイクリングしまなみ」に参加してまいりましたので、そのレポートなどを。
正式名称は「瀬戸内しまなみ海道・国際サイクリング大会 サイクリングしまなみ2022」で、名称に関しては国内の自転車イベントではダントツの長さを誇ります。
2年に一度開催されるイベントで、おそらく国内では最多の参加者を誇ります。
今回も公式エントリーは約7000人(スタートした実数は約6400人)だそうで、ホノルル・センチュリー・ライドの比ではありません。
要するに高速道を封鎖して自転車で走ろう、というイベント。
私は第一回目を含めて過去2回参加しております。
一回目は折り畳みのミニサイクル、BROMPTONで参加。
二回目は同居人と自転車つながりで知り合った友人と3人で参加。
正直に言っちゃいますと「もう(参加はしなくて)いいや」と思っておりました(理由は後述)が、今年の春、ネットゲーム「FF14」で仲良くしていただいた師匠ともいえるプレイヤー「ありちゅ」さんから「参加しませんか?」とお誘いいただいたので二つ返事で三回目の参加を決めました。
ありちゅ師匠とはリアルでサイクリングをした仲でもありますし、もはやマブダチですからね。お誘いを蹴るなどという選択肢は(無職の)私にはありません。
だがしかし。
ありちゅ師匠が直前に負傷。
「走るのは無理だけど、スタートラインに立つだけでもいいから行ってみたい」
ともがいておられましたが、理性が優位になり断念。DNFとなりました。
なので参加は我が家のみとあいなりました。
ご存じの通り?しまなみ海道は自転車推しの観光エリアですが、特に愛媛県が熱いんですよね。
「しまなみハイウェイを自転車で走ったら面白いに違いない」というパッションが爆発して、関係省庁や自治体と粘り強く交渉して開催にこぎつけた話は「プロジェクトX」に取り上げてほしいストーリーだと私は思います。
愛媛・今治側はそういうわけでポジティブな推進派だったんですが、しまなみ海道を挟んでお向かいに位置する広島・尾道は「俺んとこは有名観光地だし、黙ってても客は来るし、高速道路封鎖するとか苦情がきたりして面倒なんですけど」と消極的で全く非協力的だったそうです。
それでも粘り強く交渉し、ようやく「わかったから勝手にやったら。でもサイクリングくらいで人は集まらないよ、ケッ」という感じで協力?を取付けたのでした。
蓋を開けてみたところ、ものすごい集客数を誇るイベントになりました。
それを見た広島・尾道側は手のひら返し。「俺たちの協力があったから成功した」ってな感じで、二回目からは積極派に転向したそうです。
開通前にウォーキングやサイクリングイベントを行うのは簡単ですが、実際に運用中の高速道路を封鎖してこういうイベントを行うのは素人考えでも本当に大変だろうと思います。
が、「やればできるだ」というお手本として他の自治体も注目。
東京都もその一つで、6年越しの準備期間を経て、今年ようやく実現しました。
レインボーブリッジを封鎖して自転車で走ろうってやつです(11月23日に開催されたもよう)。
あいにくの雨だったようですが2000人が参加したそうです。
私もこれ、参加しようと思ったんですが、調べてみると「サイクリングしまなみ」のようなファンライドイベントではなく、単純に「レインボーブリッジを自転車で渡る」だけのイベントだったので断念しました。
まあ、都会の真ん中をサイクリングしてもあんまり楽しくないですし、これはこれで完成されたいいイベントなんじゃないかと思います。継続を期待します。タイミングが合えば(そして雨が降っていなければ)参加したいです。
サイクリングしまなみの詳細については公式webサイトをご覧ください。
今回は今治市内では好みの宿が見つからなかったので、少し離れますがお隣の松山市に宿をとりました。前泊だけでなく後泊もするので松山に連泊です
松山と今治はお隣の自治体ではありますが、そこそこ離れています。車で移動する場合に両市をつなぐルートは大まかに分けて3つほどあります。
瀬戸内海にそったR196を走る海岸線の西周りルート。
高速道路を利用して今治の東から攻める東回りルート。
そして両市を直線的につなぐR317の山越えルート
要するに松山と今治の間には山があって、山を左右どちらかに迂回していくか、山越えでいくかということですね。
我々のチョイスは山越えルートです。
理由は「交通量が少なそうだから」です。決して「Macanだからここは山越えワインディングロード一択でしょ?」というわけではございません。日本の山道、道幅は広くないので横幅のあるMacanというか、SUV的には向いていないのですよ。
そして戦闘服……という名前のサイクルジャージに着替えて「いざ今治」でございます。
「サイクリングしまなみ」は何しろ参加者が多いので、特設駐車場も複数用意されています。もちろんあらかじめ割り当てられております。
松山の宿から今治の指定駐車場まではざっと70分ほどかかりました。
誘導に従って車を止めます。我々はスタートが遅めなのでゆっくり移動しました。すでに駐車場はクルマだらけです。そして(私のおかげで)晴天。
さっそくバイクを下ろして準備開始です。スタンドに立てて空気を入れ、前日に配布されたゼッケンをヘッドチューブの前に固定します。でもこの手のビニタイで固定するゼッケンって、ブレーキとかディレイラーのアウターケーブルが「出てる」バイク用に考えられているのでMadonのようなアウターケーブルがない(外に出ていない)バイクには本当に装着しにくいんですよね。今回もブラッブラな状態にしか装着できませんでした。風もはらむし、もっとスマートな代替品が考え出されることを希望します。
普段の朝練とは装備が違います。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、トップチューブバッグを装着。私たちが使っているのはdeuterのエナジーバッグというヤツですが、Amazonを検索すると現時点では取り扱いがないもよう。5年くらい前に買ったので廃盤なのでしょう。deuterを使っているポイントはスリムであること、軽いことです。がに股の人はアレですけど、スマートフォンとか入る系のヤツだとペダリングの時に膝が当たっちゃうんですよね。Amazonで私が今買うならこれくらいかなあ。deuterに最も近いので代替品になりそう。
こういうのは人それぞれ好みや哲学?があるでしょうけど、私のポイントは軽いことと外側にジッパー付きポケットがあること、そして布素材であること。ハードやセミハードタイプは防水性が高くていいんですが、外見のサイズより容量が小さいしハードがゆえに形状に寛容性がなく、場合によってはギリ入る、とかそういう部分で不利になります。あと重いよね。
防水性はあったほうがいいけど、私はスタート前に雨が降っていたらそもそも走らないし、途中で雨が降ってきたら、一枚入れているポリ袋に中身を全部入れておくことにしております(一度もこの手法をとったことはありませんが)。そもそも濡れても困らないものしかいれていないので問題はありません。
普段使わないのはサドルバッグ。トップチューブバッグもそうですが、サドルバッグも本当にいろんなものを試しました。一体いくら使ったんだ?と恐ろしくなります。
サドルバッグは決定版というのはなく、距離というか走るシチュエーションによって容量を使い分けるようにしております。今回のものは最小サイズのシリカのもの。BOAシステムでサドルのレールに縛り付けるというシンプルな構造で軽量なのがポイント。
もう少しだけ容量が欲しい場合はちょっと太めのやつもあります。
写真でもわかりますが、このバッグの特徴はBOAシステムを使ってある程度のものなら外部に縛り付けることが可能なことです。今回はラップフィルムで包んだチューブを縛り付けております。
トップチューブバッグもサドルバッグも、今回は主としてパンク修理用品の格納のために装着しております(トップチューブバッグは+飴玉)。具体的にはチューブレス用のタイヤレバーとインフレーター、CO2ボンベ数本です。二人で分ければミニマムなストレージでも数を持てますね。
あとはいつものサイクリングポーチ。これについては過去記事がありますので気になる方はチェックしえください。普段の朝練はバッグ類は付けずこれだけで走ってます。「飴ちゃん」も入りますぞ。
私たちが選んだコースは今治ICがスタート会場となります。
指定された駐車場からスタート会場入り口までは実は5㎞もあります。しかも駐車場は山の上にあって、会場までは下り基調。これが何を意味するかというと、コースを走り終えた後に待っているのは駐車場までのヒルクライムというヤツです。S仕様の駐車場でした。
ICまでのアプローチ道路でスタート順番を待つんですが、何しろ参加者が多いので、そのスタートに向かうアプローチ道路に出るにも順番があるんです。呼ばれるまで待機場所でじっとする感じ。
時期的にもそうですし、そもそも早朝でけっこう寒いので待ち時間の間にトイレに行く人も多く、けっこうな数が用意されていますが、それでもどこも長蛇の列です。
全体に進行が遅れているようで、けっこう時間がかかりましたが、ようやく呼ばれてアプローチ道路にでます。
アプローチ道路をこんな感じでダラダラ歩きながらICの入口を目指すわけです。外れてトイレに行く余裕はありまくりです。
ここから1㎞くらいダラダラと歩いて、ようやくIC入口に。
私たちは最後の方のスタートだったこともあり、進行の遅れが積み重なって予定より20分以上遅いスタートとなりました。
メインはイベントの主導である今治側からのスタートですが、参加者が多くていろいろまかないきれないことと、そもそも本州と四国を結ぶルートなのでアプローチの都合などもあって尾道側にもスタート会場があります(向島)。いわゆる一つの「同時多発スタート」ってやつでしょうか?
私たちが参加したのはGコース。選んだポイントは走行距離が長すぎず手頃であったこと、まだ行ったことがない島々を走れること、そしてゴールの「弓削島」から今治までフェリーで船旅が楽しめるからです。
まあ、このコースには地雷が仕込まれていたのですが、それは後述。
COVID-19が流行ってからこっち、我々の自転車活の目標である「ホノルル・センチュリー・ライド」が中止され、それに向けた長距離走行の練習がおろそかになっていることもあって、80kmというのはけっこうな長距離に感じます。
プロフィールマップを見てもけっこうアップダウンがあります。それにいわゆる獲得標高1200mは2倍の距離がある「ホノルル・センチュリー・ライド」とあまりかわりません。つまり上り強度は同じ、ということです。
貧脚の私にとって決して楽なコースではありません。時間内に完走できるか一抹の不安がありましたが、なんとか走り切りました。
最後の最後に立ちはだかったMacanを停めてあるある駐車場への上り坂がトドメでしたけれど……。
スタートは例によって号砲とともにインターチェンジをくぐって本線に出るという、上り坂スタートです。本線に出ると、あとはだだっ広くてダラダラ上るかダラダラ下るかという、あまりメリハリのない単調なコースがそのまま30㎞ほど続きます。ちなみにコースの3/8が高速道路です。
橋を渡り、島を渡り、4つ目の生口島に入ったところに最初のエイドがあります。
が。毎回そうなのですが、このエイドは人の列がすごい。あの列の後ろに並ぶのかー、と鬱になっているところに「このエイドステーションはそろそろ閉鎖する時間なのでとっとと出ていけ」的なアナウンスが繰り返しされる状態に。
気分を下げつつ、ICを下りたところに予備的に設けられているもう一つのエイドを目指すことにしました。
「瀬戸田サンセットビーチ」という名の第二エイドです。
芝生に棕櫚系の植生、そしてビーチ。
既視感があるなあ、と思っていると、ここは「ホノルル・センチュリー・ライド」の「第一エイド」に似た雰囲気なんです。規模は100倍ほど(個人の感覚です)も違いますけど。
もみじ饅頭とレモンケーキ。もみじ饅頭は普通の個装のヤツをそのまま提供してくれたようですが、レモンケーキのほうは商魂たくましい感じですね。私はレモンケーキの前のめり感に感動しました。ただ参画するだけでなく、こういうアピールをもっとやっていいと思います。
ちなみにどちらも「口の中の水分を持っていかれる系」の食べ物ですね。
この後、生口島を一周。
そして岩城島に渡りますが橋がつながっていません。なのでここは渡船を利用します。
「目の前に見えているあそこ」に行くのに相当な「待ち」が入る船にいちいち乗るというのはウザったいなあ、というのは私のような部外者の感覚ですが、地元の皆さんはどうなのでしょうね。橋ができると渡船業者の商売がなくなるわけですが、そもそも一つの商売が永遠に続くわけがないってのは歴史を振り返ればわかることじゃん、と私なんかは考えますけど……。
この後ぐるっと岩城島の外周を回って、3番目の、そしてGコースでは最後のエイドに。
岩城港では歓迎?コンサートなんかもありました。上手な人、微妙な人いろいろいましたが、この場所は足元がコンクリートのみなんですよ。ホットドッグの下のそれです。
バイクラックは用意されていましたが、とにかく寛げない。スペースを考えると岩城島にここ以上の場所はないのでしょうが、疲れをとるというより、ホットドッグを食べるために寄る場所、みたいなかんじでございました。
岩城島から生名島を通り、佐島を掠めて弓削島へ。両島へは橋が架かっていました。
前言を撤回します。
橋があると楽なのはクルマというか人工的な駆動力がある乗り物だけで、人力便りの乗り物にとって橋を渡るということは「けっこうな上り坂を征服する必要がある」のでしんどいです。
低地同士を結んでくれる渡船、最高!
というわけで、ゴールの弓削港に到着。
ここでは「お疲れ様フード」がふるまわれておりました。
いや、食べきれないって。(^^;
炊き込みご飯とカツ?だけいただいて、あとは持ち帰りです。
弓削港から今治港までは渡船です。岩城島へのソレと違って2時間くらいかかりました。
あと、扉が解放されていて船内にいても超寒かったです。我々はウインドブレーカーを着てなんとか低体温症によるあの世行を回避できましたが、準備不足の方は無事に生き残ったのか心配でなりません?
小学生並みに体温が高いのか、半袖の人もいましたからねえ。我々は秋冬系ジャージ、つまり長袖で走っていたんですけどね。
「サイクリングしまなみ」は素晴らしいファンライドイベントだと思います。何しろ風光明媚な「しまなみハイウェイ」という自動車専用道路(高速道路)を閉鎖してそこをサイクリングできるわけですからね。このイベントに参加しないと走れないのです。
イベントを無事に走り終えての感想ですが、まずはイベントに携わったすべてのスタッフに感謝したいと思います。そして沿道で応援してくださった地元の方々にも心からの感謝を。
このイベントを盛り上げたい、参加者に楽しんでもらいたいという思いが織りなす大きな「気のうねり」というか「巨大な圧」を五感+αで感じました。いやもう「私みたいなつまらないヤツが参加しちゃってすみません」みたいな状態になりました。
という素直な感動とは別に、段取り系の世界に身を置いていた性はそれだけでは済ませられないのでございますよ。
というか、このイベントって、正直に言うと「一度走ったらもういいかな」と思っている派です。
理由はいくつもあります。
一番の理由は「高速道路を自転車で走るのはあんまり楽しくない」からです。だだっ広い道がだらだら上っているかダラダラ下っているかのどちらかで、景色も単調ですぐに飽きます。
これについては人によって感性が違うというか感じ方が違うので「良かった、素晴らしかった、また参加したい」と思う人も多いかもしれませんが、私は「一度で十分、おなか一杯」です。
言い方を変えると「高速道路を走る」という「売り」以外の部分が「並み以下」レベルのイベントだと思うからです。
沿道の応援は私が参加したライドイベントでもダントツですが、個人的に楽しみにしている「エイドステーション」がショボいというか、居心地が悪いというか……。
いや「並み以下」は言い過ぎかもしれません。「並み」なのでしょう。というか、参加者が多すぎるので収容できる「場所」が限られていて、それが「休まらない」感を醸し出しているのかもしれませんね。
運営はかなり良くなっていますが根本的な部分が改善されていません。
タイムスケジュールに余裕がないことと、能力を超えた参加人数を集めてしまっていることが根本的な原因です。
特に高速道路のタイムスケジュールは最悪です。閉鎖時間をできるだけ短くしないといけない大人事情があるのは私にも理解できますが、遅いスタートをするコースの貧脚組はタイトな時間設定のおかげでまさに時間との闘いになります。「私が最後尾です。私に抜かれると足切りですよ」というスタッフが後ろからけっこうなスピードで上り坂を追い立ててきますからね。貧脚組は景色を楽しむ余裕もなく、しょっぱなの高速道路部分で脚を使いまくらないといけないのです。
私が参加したコースは高速道路を下りる直前にPAを利用したエイドステーションが設けられているのですが、遅いスタート組はここでも「あと○○分で(エイドステーションが)閉鎖されます。急いでコースに戻ってください」とハンドマイクでがなり立てられるのです。PAに続く上りを超えてようやくエイドステーションで一息つこうと思ったらこれです。「まだ○○分あるから補給食とか飲み物とかもらうくらいの時間はあるかな」と思っても、そこは長蛇の列。
「そうはいってもなんとかなるでしょ」と思えるメンタルの強い人とかそもそも人の言うことは聞かない系の人はともかく、我々のような小心者は「急いでコースに戻れ」とか言われたら「はい、すみません」と何もせずにコースに戻るしかないのです。
本線に出ようとすると、そこでも「あと○○分で生口島インターチェンジも閉鎖されます。急いでください」と言われる始末。
「お前らがスタートを遅らせるからその分余裕がなくなってんだろーが!」と心の中で呟いても、にっこり手を振ってエイドステーションを後にする小心者の私でございます。
悪い事は言いません。貧脚を自覚していてもし「サイクリングしまなみ」に参加しようと思っている人がいたら、スタートが早めのコースをチョイスしたほうがいいです。最後の方にスタートするコースだと、高速エリアは全然楽しめませんよ。
私は学習能力がないので3回とも最後の方にスタートするコースを選んで、毎回嫌な思いをして「ああ、そうだった!」と自分の記憶力と学習能力の差を呪うというスパイラルに陥っております。
あ、標準以上の「脚」をお持ちの人は関係ありません。大丈夫です。
あとは……これは一部スタッフだけの話になりますが、対応がイマイチです。まだ時間があるのに「あと○○で閉鎖だ。(撤収時間もあるから)さっさと退場しろ」的なアナウンスをし続けるのは、本人たちにはそんなつもりはないのでしょうが、ようやくたどり着いた人は本当に嫌な気分になります。同じ内容を伝えるにしても言い方、言い回しを変えるだけで印象は変わるものなのです。
他にもいろいろありますが、一番印象に残っているのが、渡船の案内担当。ゴールの島から今治港までチャーター船が出ています。確か15分ごとに出港するスケジュールだったと思いますが、この受付で参加者と受付が揉めているのを目撃しました。
受付は参加者の確認を行ったうえで乗船券を渡すという事務作業を行っています。ここでも「ゴールしたやつはすぐに受付しろー、受付で乗船券受け取らないと船に乗れないぞー、早くしろー」的なアナウンスを延々とやっているのです。でもまあ、それはいいでしょう。
問題はやっとゴールしてやれやれ、という人に「ゴールしたらすぐに渡船受付しろ」とせかすこと。そして受付では「次の船」のチケットしかくれないということです。
で、件の参加者が揉めていたのは
「次の次の船に乗りたいんだけど?」
「次の船に乗ってください」
「なんで? 船はまだまだあるんでしょ?」
「後の船のチケットはお渡しできません」
「次の船っていつ出るの?」
「5分くらいで出ます」
「いや、それはおかしいだろ」
という感じでございます。
私も「ああ、それは確かにおかしいよね」と思いました。
というのもゴール地点もエイドになっていて上の写真のゆおな「お疲れ様」的なエイド食なんかを配っているんですよ。「しんどかったけど楽しかったねえ」なんて港の景色を見ながら食べたり飲んだりしてちょっと一息、みたいなことをしたいでしょうし、ゴール地点にはくじ引きやらキャラクターと一緒に写真を撮ったりと、少し楽しめるアトラクション?もあったりしますからね。
で、補給食もまだ受け取っていない人に「先に受付してください」的な案内をして「5分後の船に乗れ」っていうのは……。
お役所仕事というか融通が利かないというか柔軟な対応がシミュレートできていないというか、最後の最後に嫌な気分になりました。
私はひねくれているので「先に受け付けしろ」という案内をされた時点でチャーター船の出発予定時刻表をチェック。まだ全然余裕あるじゃん、と判断。先にエイド食をのんびりいただき、その後に受付をいたしました。
そこで私の直前にいた人と受付スタッフが件のやり取りを始めたわけです。
けっこう大きな声でやり取りをしていたので「ああ、そういうシステムか」と理解した人たちが受付の列からサッと離れたのには笑っちゃいました。
その人がどうなったのかはわかりません。私は別の人が相手をしてくれてサクっとその場を離れてしまったので……。
とまあ、いろいろありましたが、基本的にはもう参加することはないと思います。最後に理由をまとめておきましょう。
・スタート地点で延々と待たされる
・高速道路なんて一度走れば十分
・しまなみ海道の島々は、自分のペースでのんびり走ってこそ
・参加者が多すぎてエイドは快適ではないし、運営が追い付いていない印象
健脚の人は好きにすればいいでしょう。貧脚の人はコース選びは慎重に。
コースの内容によってはそもそも貧脚だとチョイスしにくいものもあります。距離が長いとか。でも、できればスタートが早めのコースを選ぶことをお勧めします。既述のとおり「ケツ」が決まっているので最後にスタートするコースを選ぶと高速道路でもエイドでも「閉鎖!閉鎖!」と喚かれてのんびりできませんし、序盤で脚がなくなって、あとはただの苦行になります。
「サイクリングしまなみ2022」はほかのライドイベント同様募集人数は枠がきまっています。人気イベントということもあって当初は申し込み即終了、なんてこともありました。抗議もあってその後は基本的に抽選となっています。
「基本的に」と書いたのは某人外キャラ遊園地などにもある「優先チケット」が別途用意されているからです。
要するに「カネさえ出せば参加を確約してやる」という、資本主義国家らしい合理的な抜け道が用意されているわけです。それが「プレミアムエントリー」という申し込み方式で、こちらは「先着順」です。ちなみに「プレミアム料金」は一般エントリーフィーより2万円も高額です。
で。
2万円も高額なのにもかかわらず、プレミアムエントリーは大人気です。さすがに一瞬でなくなることはなかったかもしれませんが、すぐに完売になっていたようにおもいます。
私も迷わずこのプレミアムエントリーをチョイスしました。だって「走ろう」と決めたんだから走りたいじゃありませんか。「抽選に当たったら走れる」のと「必ず走れる」では天と地ほどの差があります。
参加費が一般エントリーに比べて2万円も高いプレミアムエントリーですが「参加確定権」が2万円というわけではありません。そこはそれ、協賛企業とのタイアップ+参加者へのお得感とのバランスが考えられていて、「確約権」に加えて「お土産代」が含まれているという寸法です。
もっともその「お土産」が「いい」と思うか「イマイチ」と思うかは人によりますが……。
私はお土産なしで+10000円でいいと思う派です。
で、件のプレミアムエントリーの見返り?というか申し込んだ人への特典は、出走の1週間前に我が家に届きました。
二人参加なので段ボール箱も2つ。
蓋を開けるとこんな感じでパッキングされていました。
まずはジャージ。
オリジナルデザイン。というか専用デザインですね。フルカラー+金色(っぽい)で「プレミアム」感を演出しております。ちなみに大会オリジナルジャージは別途小売り?されていて予約さえすれば誰でも購入できるんですが、そちらは「一般向けジャージ」で、この「プレミアム参加者専用ジャージ」とはデザインが違うんです。あからさまに違います。
プレミアムの全体図はこれ。
誰でも買える一般向けがこれ。
そう、派手さが違います。文字の大きさが違います。インクを使う量が違います。実際の制作コストがどれだけ違うのかは不明ですが、要するに「プレミアム感」は演出されています。
とはいえジャージ自体の作りというか機能は同じなのでそこは気にする必要はないでしょう。
私もそろそろ新しいジャージが欲しいなと思っていたので「ちょうどよかった」となるかと思いきや、私には不満なジャージでした。というか優待で否応なく送り付けられたから着るけど、カネを出してこのジャージを買おうとは思わないです。
それはデザイン云々じゃなくて、機能の問題です。
理由は2つ。
1つはサイズ。いえ、着用サイズはあらかじめ指定するのでそちらはもんだいはありません。問題はこのメーカー?の型紙が私の体系と好みに合っていないというお話です。具体的には首周りのサイズです。ジッパーを閉めてもゆるゆるなんですよ。襟部分が風圧でビロビロするくらい首回りが太いです。WAVE ONEって有名・人気どころのジャージメーカーでしょうに、なんで?
もう一つは背中のポケットに+1,つまりジッパー付きのポケットがついていないこと。
サイクリングを初めてジャージもいろいろ買いましたが、ジッパー付きポケットがあるのとないのとでは個人的に使い勝手に大きな差が出るんです。というかジャージはけっこうな枚数を持つに至ってますけど、普段使うのはジッパー付きばかりになってしまっています。
つまり「もう一着欲しい」のは「ジッパー付き」であって、ジッパーポケットがないジャージなど私は二度と買うまいと思っているわけなんです。
以上、どちらも個人的な好みの問題であって、私以外の人には全く当てはまらないかもしれません。
まあ、もったいないので使いますけど……。
それより未使用のままヤフオクに流すほうがいいのかな?
そうそう、このジャージを当日着ることはそもそもありえないと思ったので当然もっていきませんでした。
理由は季節。10月末で半袖ジャージはないわ、と判断しました。少なくとも過去に参加したときは「けっこう寒い」としか思いませんでしたし。
この辺も人によりますよね。あと、当日はあったかいかもしれませんし。
事実、会場にはこれらオリジナルの半袖ジャージを着用した「冬の京都でけっこう見かける半袖半パンの白人」的な人がけっこういました。スタート前とか案の定けっこう寒かったのに、皆さん寒さにつよいのね……。ジャージは一般向け、プレミアム用、両方ともけっこう見かけました。
我々的には春秋用長袖ジャージ+ウインドブレーカーで大正解でした。
このジャージは来年までお預けですね。
ちなみにこのジャージですが、一般向けの価格が12,650円(税・送料込み)です。プレミアム用のジャージの値段はそもそも単品で販売していないので不明ですが、一般向けジャージ以下の値段ってわけはないでしょうから、このジャージが「いいな」と思った人はこの時点で「プレミアムエントリー」の実質上乗せ金額は7,350円以下ってことになります。というか、一般向けジャージを買うつもりの人は漏れなくプレミアムエントリーでいいんじゃないの?とこの時点で考えちゃいますけどね。
ジャージの話はそれくらいにして、中身全体はこういう感じでした。
右下の箱にはこういうものが入っておりました。
消えもの+実用品という感じですね。個人的にはどれもオッケーです。特に気に入ったのは小さめのトートバッグ。ロードのプリントもかわいいですしちゃんと「サイクリングしまなみ」のタグも縫い付けてあって「専用品」「限定品」的プレミアム感もそこはかとなくただよっているような、いないような……。小さめのトートは個人的にいろいろ使い途があるので、ジャージよりこっちのほうが嬉しかったです。ちなみにこのトートは一般販売リストにもなく、プレミアム・エントリー専用品のようです。
タグの縫い付けがイマイチなのはご愛敬でしょう。もう一つの方はちゃんとしていました。
今治タオルが入っているのも「らしい」ですね。いいです。フェイスタオルは何枚あってもいいですし、こういう実用品は○でしょう。廉価品のようですが、その方が気兼ねなくガンガン使えますからかえってありがたいです。
タオルとトートバッグでざっくり2000円と考えると、5000円くらいで参加確定権をゲットできて、けっこうたっぷりおやつがもらえると考えると、どうですか? プレミアムエントリーってむしろお得だと思いませんか?
そう思った人が多かったので、即完売となったのでしょうね。
あとは前日の受付で渡された参加賞ですが……すみません、こちらは写真を撮ってませんでした。サイクリングしまなみのロゴがプリントされた「背負える」ビニール袋にゼッケンとともに「ポンジュース」のミニボトルが入っていた……までは覚えてるんですが、それ以外になにがあったかは現時点では忘却の彼方です。もう全部捨てちゃいましたしね。
というわけで長くなりましたが、「サイクリングしまなみ2022」参加レポートでございました。