ちゃろー(^^)
今回は最初から決めてました。
というか、やってきた。
そして日本は夏が長く暑い、いや熱い。
特に最近はそう感じます。
日本の夏といえば、真っ先に思い浮かぶのが「死」という単語……なのは私だけかもしれませんが、毎年過酷な暑さによる死者は相当数いるのは間違いありません。
夏場のドライブの最大の敵が「紫外線」と「暑さ」でしょう。
近年のクルマ、特に欧州車の窓はかなり以前からUV、つまり紫外線対策が施されていました。日本だと以前は一部の高額車だけでしたけどね。
だがしかし。
紫外線対策はアタリマエのようにしているのに、赤外線(熱)対策が一向に進んでいない欧州車。まあ日本車の現状はしらんけど。
Macanも当然ながら暑さには無策。
まあドイツなんていう寒い国の出身車ですから「暑さ対策?なんスかそれ?」みたいな感じなのでしょうけど、それにしては欧州車ってエアコンはけっこうちゃんとしてきましたよね。偉いぞ。^^;
そんな暑さにたいする対策として用意されているのがいわゆるウインドウフィルム。
私が最初にこのフィルムを施工しようかどうかを考えたのがRANGE ROVER Evoqueを買った時でした。
オプションでパノラマガラスサンルーフを設定したからです。
ガラス面積がそれまでのサンルーフとは比べ物にならないくらい大きかったので、上からの熱を遮断すべきだろうな、と考えたからです。
Evoqueが納車されたのは8月初旬。
夏真っ盛り。猛暑ど真ん中でした。
で、もちろん暑かったわけです。上からの熱を脳天で感じるほど。
ちなみに我が家にシェードを閉めるという選択肢はありません。
あれは駐車時に閉めるものであって、運転中は開け放つべきものだからです。
多少暑かろうが、外光を取り入れることによりもたらされるの車内の快活感、明朗感は気分を前向き、上向きにしてくれる効果がありますし、個人的に明るい車内が好きですから。
勘違いしてほしくないのですが、サンルーフは空を見上げるためのものではありません。というか、前席からは見えませんからね。天窓から空をみられるのは後席であって前席ではありません。
ガラスサンルーフの最大の存在意義、それは「明かり採り」なのです。
とまあ、私の主義主張はこの辺にしておきましょう。
とりあえず私と同じことを考えていた知り合いのEvoqueオーナーの何人かが「断熱フィルム」を試していたので感想を聞くと「効果抜群」「効果はまあまあ」「ないより合ったほうが絶対いい」という感じで意見は概ねポジティブ。
なので
「よし、じゃあウチも貼っちゃおうかな」
なーんて考えているうちにEvoqueはどんどん暗黒面に落ちていき、フィルムを貼る前に乗り換えることになったのでした。
その後は「在庫車」「インポーターの見込み発注車」を購入したため、ガラスサンルーフがないクルマが続きましたので、断熱フィルム熱?はさほど盛り上がらなかったのですが、今回のMacanはEvoqueと同じくフルオーダーしたので、当然のようにガラスサンルーフが復活。
同時に断熱フィルム熱?も復活。
Evoqueの時はグズグズしていたのですが、今回は納車前から、いや発注する時には「そうだ、断熱フィルムを貼ろう」って決めていました。
「Evoqueの敵をMacanで討つ」じゃないですけど、MacanがEvoqueの二の舞いにならないようにいろいろ「ゲン」を担いでいるんですよ。※
※同じフルオーダーで、長期間納車待ちをしたクルマ同士という類似点があるためMacanもEvoqueのように「不具合の見本市」のような個体だったら嫌だなあ、とちょっとビビっているので、できるだけEvoqueの時の「轍」をふまないようにしようとしているのです。
色々勉強した結果、件の断熱フィルムは「シルフィード」という中二病的というかパラケルスス的というか、とにかく私の気を引きまくる名称の商品をチョイス。
シルフィードとは某長編ファンタジーでは大陸の名称ですが、一般的には大精霊うち空気を司る精霊の総称です。北欧神話の戦乙女の総称がワルキューレ(バルキリー)、みたいなものですね。その中で固有名詞を与えられたシルフィードとしてはシェイクスピアの「テンペスト」におけるエアリエル(エアリアル)が有名ですね。個人的にはあんまり良い印象ないですけど。
あ、ワルキューレだと個人的にはブリュンヒルトが好きです。
閑話休題。
「名は体を表す」といいますが、断「熱」フィルムになんで「シルフィード」という名称をつけたのが謎で、メーカーであるIKCのサイトをチェックしましたが埒が明かず、気になって夜も眠れません。
結局「装着したのがわからないくらい薄いフィルム=存在感が空気=空気の精霊」という結論に(勝手に)達しました。
というわけでスッキリして夜も眠れるようになったところで、納車後に早速施工しました。
いや、自分でやってませんからただしくは「施工してもらいました」ですね。
今回は
「せっかくですから」
的な考えで、ガラスサンルーフだけでなく室内側も断熱対策をしようと、運転席と助手席が側にもフィルムを施工。
透明タイプのシルフィードを貼りました。透明になるとさらに「空気感」がアップですね。
ご存知の方も多いと思いますが、フロントウインドウと運転席側のドアウインドウには法律規制があります。
単純に説明すると「視界を妨げるな」とか「色をつけるな」というもの。
複雑にせつめいすると……複雑だからやめます。
ようするに「例外」はある、ということです。
本来ならこの手のフィルムを貼ると車検が通りません。
それは「透過率」の下限が定められているからです。
シルフィードの透明タイプは「透明」と謳ってますが「透過率100%」ではありません。
そもそも「どノーマル」の状態のクルマのウインドウが透過率100%じゃないんです。
何が言いたいかというと、すべてのクルマに「透明タイプのシルフィード(FGR-500)が晴れると思うなよ!」ということです。
保安基準による可視光線透過率は「70%以上」であることです。
データシートをチェックすると、透明タイプのフィルフィード、FGR-500の可視光線透過率は89%しかありません。
保安基準の考え方はフィルムの透過率ではなく、フィルムを貼った状態の透過率が問題なので、もともと透過率が100%以下のガラスに89%のフィルムを貼ると……わかりますよね? けっこうギリってことです。
例えば標準が透過率90%のガラスにFGR-500を貼ると、100✕90%✕89%で、総合透過率は80.1%まで下がります。
実際のクルマの何もつけていないガラス透過率は80%以下の物が多いといわれていますので、80%だと71.%でまさに「ギリギリセーフ」な感じになるのです。
が。
実際に専用の機械で透過率をチェックすると、この計算のようにはならないそうです。FGR-500だとほぼオリジナルのガラスの透過率プラスアルファ程度しか落ちないそうな。
私のアホな脳みそでは「????」ですが「メーカーのデータシートが悲観的な数字すぎる」のではないかと考えました。実際は透過率95%以上あるんだけど、劣化すると透過率下がるし、最初から低めにかいとこ」みたいな?
その辺は詳しい方がいれば教わるとして、とりあえず業者さんに相談し、現物合わせをして問題ない数値だったら施工する、という事になりました。
なお、私がお願いした業者さんは「シルフィード(FGR-500)でも、フロントウインドウには貼らない」主義の人でした(理由は後述)。
もともと私はフロントウインドウには貼るつもりはなかったので問題はありません。
貼らない理由は「視界が歪む可能性が0ではないから」です。
「歪む」と書くとめっちゃユガンでみえたりするみたいですが、そういうのではなくて、フロントウインドウって常時それを通して外を見る必要があるわけで、そこに違和感のタネを蒔きたくなかったのです。
ホラ、なんというか施工しちゃったら私のことですから、運転している間ずっと
「どこかが歪んでないか?」
「劣化して変色していないか?」
「貼り付けた境界線はどうなっている?」
などなど、粗を探し続けるでしょう。
それってフォーカスをフロントガラスに合わせることになりますから前方不注意運転しているってことですよね。
でも、こういうのってチェックしないと気になって気になって仕方がないじゃないですか?
という自分の神経質な面をよく理解しているのでフロントウインドウは合法であっても貼るのはNGだと考えました。
サイドウインドウのうち、特に運転席側についてはサイドミラーを見るエリアを除くと使用?頻度はそうとう低くなりますので多少の事は無視できるでしょう。
というわけで、サイドウインドウは透明のFGR-500。
Macanのサイドウインドウに重ね合わせてテスターでチェックしてもらいましたが問題ナッシング(死語?)でした。
ガラスサンルーフも私としては同じもので良かったんですが、Macanのガラスサンルーフをチェックした業者んいわく「FGR-500はおすすめしない」とのこと。
実はその理由はフロントウインドウにはFGR-500であっても貼付しない主義、というところに結びつくのです。
それは「3Dを描くガラスにはFGR-500は向かない」からだそうです。
FGR-500と他の着色系シルフィードでは貼付剤が違っているそうです。
考えてみれば透明なFGR-500には透明な貼付剤が必要ですが、その「貼付パワー(調布パワーではない)」がFGR-500のものはやや落ちるんだそうな。
つまり曲がりがあると剥がれる「可能性がある」ということで「現段階では」おすすめできないとのこと。
着色系なら問題ないとのことで、ガラスサンルーフには一番色の薄いSC-7045をチョイスしました。
サンルーフはもともとプライベートというか着色ガラスだったので、出来たら透明タイプを貼りたかったのですが、ここはプロのアドバイスに従うことにした次第です。
IKCではシフフィードを「断熱フィルム」ではなく「遮熱フィルム」と読んでいます。断と遮ってどっちが「強い」んでしょうかね?
「遮断」って言葉もあるし、同列?
「断つ」と「遮る」の違い……うーん、今まで考えたことがありませんでしたが、「光」を防ぐという意味では「遮光」とはいいますが「断光」っていう言葉はあんまり効いたことがありません。
つまりシルフィードは「熱」ではなく「光」そのものを遮る機能があるからあえて「遮」という感じを使ったのでしょう。
それを裏付けるのがスペックです。
可視光線透過率 | 紫外線カット率 | 赤外線カット率 | |
FGR-500 | 89% | 99% | 90% |
SC-7045 | 46% | 99% | 92% |
なんかすごくない? もともとUVガラスだし、もはや紫外線は入ってきませんね。
結果として着色タイプにしたことで、ガラスサンルーフの「断熱」効果は2%上がったことになりました。
色は多少濃くなってしまいましたが、個人的には特に問題ないレベルです。少なくとも採光窓としての能力に違いは感じません。
で、肝心の「断熱」効果ですが……。
「夏の車内がジリジリと熱くてしんどいと嘆く、すべての日本人にオススメ」
いや、マジで「全然」ちがいます。イマドkな言い回しだと「神」アイテム。いやシルフィードだから「精霊アイテム」か?
業者にも寄るでしょうが、こういうのは施工技術に対する対価なので、単純比較はできませんが、ご想像どおりそこそこのお値段がします。
が、私はここでもう一度言いたい。
効果は「お値段以上」である、と。