ちゃろー(^^)
が、すでに2週間を過ぎちゃいましたので、タイトル変えて続けます
まずはその後の燃費報告。
この1週間で、市街地70%、山間路30%くらいの割合でざっと100kmちょっと走りました。
市街地は同居人が3名乗車で、山間路は私が2名乗車でステアリングを握って得た合計の走行距離でございます。
前回同様に満タン法ではないので結論じみたことは差し控えたいのですが、それでも明らかに燃費が(XC60と比べて)かなりいいので、ちょっと……いやとっても嬉しいです。
その数値ですが、満タンから100kmちょっと走行した時点でのオンボード燃費は、9.8km/lでした。
100%スタッドレスタイヤでの走行なので、タイヤ誤差の2.9%アップさせると……10.08km/lになります!
経験上、XC60だと同じモードで7.8km/lくらいだと思われます。
29.3%アップですね、計算上。
ざっと3割アップとは……ちょっとすごすぎます。
私の場合はメンタルが弱いので? 心理的な問題で無意識に燃費走行をしている可能性がありますが、同居人は無慈悲?に普通に走っているはず。
その同居人による市街地70km走行のみのオンボード燃費はそれでも9.3km/lでした。XC60なら7.5km/lといったところです。この時点でもすでに27.6%も良好な数値を叩き出しています。
要するにXC40 B4 AWDは基本的にXC60 T5よりも燃費はいいのだ、ということは間違いなさそうです。
確かにオンボード燃費表示の信憑性は未知数ですし、まず間違いなくドライバーを喜ばせる方向?に振れていると考えていいでしょう。
でも、さすがに20%も誤差があるとは考えにくいですし、ここはもう素直に喜んでいいと考えるべきでしょう。
オンボード表示と満タン法との誤差は、次回給油時のお楽しみとしておきましょう。
ちなみにXC60のオンボード燃費表示は満タン法と大した誤差がなかったり、場合によっては満タン法より厳しい数値を示したりしていました。
さて……。
燃費の話はこのあたりにして、ドライビング・インプレッションの続きを書いていこうと思います。
というか、エンジンのフィーリングです。
パワーやトルクは……まだ語るほど回してないので評価は変わるかもしれませんが、現時点で言えるのは「第3世代はもう別人(人?)だな」ということです。
まず、とりあえず静か。
特にアイドリングが静かです。
それはボディ側の遮音性とかそういう小手先の話ではなくて、そもそもエンジンが静かなのです。
あと、マイルドハイブリッドなので、エンジンスタート時にスターターモーターの音がしないのも地味にいい感じです。
そうそう。勘違いしないでほしいのですが、B4エンジンが絶対的な静音性をもつエンジンだといっているわけではありません。
あくまでも同じVOLVOのDrive-E系譜につながるエンジン同士の相対的な評価です。
私の2014年型XC60に搭載されていた第一世代のDrive-Eは、その直前まで乗っていたレンジ・ローバー イヴォークエンジン(奇しくも同じ2リッター。そしてターボ加給エンジン)と比べると「静か」で「振動も少ない」洗練されたエンジンだと感じましたが、第1世代と第3世代の差はその比ではありません。
洗練度ということでいえば、異世界ファンタジー的なたとえでいうと貴族と庶民ほど違いますね。^^;
アイドリングでもそうですが、アクセルペダルを踏み込んで回転を上げていった時に出す音に顕著な差を感じます。
第3世代は音ににごりが少ないのです。オーケストラに例えるなら、第1世代は各パートがてんでに音合わせをしている状態。第3世代は各パートが同じ旋律を奏でている……といった感じで音質的な純度が高いのです。
具体的にはゴロゴロとした他との共鳴音が混じっている第1世代、シューンという耳障りではない高めの整った周波数を出すのが第3世代です。
耳障りではないのでうるさく感じません。
もちろん「クォーンッ」という、より純度の高いソプラノやアルトで官能を刺激するような倍音を奏でるわけではないので、アクセルを踏んでもドーパミンがムダに流れ出ることもありません。
なんというか、そう……クセがないというか、サラっとした音になったと思います。
第2世代のDrive-Eを私は知りませんが、すべてのDrive-Eユーザーは、第3世代のDrive-Eに乗り、子孫の進化に涙すべきではないかと思う次第です。
さて、「曲がる」系のお話を。
結論書いちゃうと「軽やかなハンドリング、上質と言っていい乗り心地」です。
2014年型のXC60とはもはや全くの別物です。
まあ、全くの別物なんですけどね……。
というわけでまあ別物は別物なんですが、思っていた以上に別物でした。
XC60もアレはアレで意外にワインディングも楽しいし、個人的にはよく走るクルマだなと思っていたのですが、XC40に乗ると「ああ、XC60は実はちょっと重いクルマだったんだな」と思い知りました。
とはいえ物理的な重さは同じです。そしてパワーやトルクはT5のXC60の方がかなり上。なのにXC40に乗ると「軽いっていいよね」なんて思ってしまうのはなぜでしょうか。
やっぱりホイールベースが短く動的反応が速いから?
やっぱりオーバーハングが短くイナーシャが小さいから?
※WB
MY2014 XC60 T5:2775mm
MY2021 XC40 B4:2700mm
※全長
MY2014 XC60 T5:4645mm
MY2021 XC40 B4:4425mm
※車両重量
MY2014 XC60 T5:1770kg
MY2021 XC40 B4:1750kg
大きな違いは駆動方式。XC60はFFですが、XC40はAWD。
これも走行フィーリングに違いをもたらす要素の一つなのかもしれません。
あとは、シャーシですかね。
XC60はフォード時代から連綿と使われてきた前時代的?なシャーシ。
XC40はカネは出すけど口は出さない?という理想的なパトロンを得たVOLVOがとんでもない予算を投じて自社開発した最新のCMPというプラットフォームを使っているわけで、サスペンション方式や取り付け、あとはステアリングもそうですが、剛性が全く違うのは用意に想像がつきます。
また両者は同じ電動ステアリングですが、熟成の度合いが違いますのでいわゆる「パワステ感」が少ないのもまたXC40です。
まあ難しいことはわかりませんが、ステアリングを握って普段はロードバイクで汗やよだれや鼻水を垂らしながら走っている北摂の山道をオーバーサイズのスタッドレスを履いたXC40は、スーッと、ヒラッと、クイッと爽やかに駆け抜けて行くのでありました。
その日、人類というか、私は思い出した。
ブレーキで車速を自由自在に操る快感を。
「ぼーっ」と踏んでいても普通に止まれるブレーキに慣れきっていた私にとって、XC40 B4 AWD R-Disignのブレーキタッチは、まどろみ状態でいきなり背中に氷を入れられたようなショックを与えてくれました。
例えるならそれはリハーサルに遅れてやってきたグレン・グールドが無造作にスタインウェイの黒鍵で和音を奏でた瞬間、すぐそばにいたベルリン・フィルのコンサートマスターが思わず背筋を正し刮目した時にも似て……いるかどうかはさておき、とりあえず感動したということをご理解いただければ幸いです。
なんというかこのフィーリングは……踏めばわかる。^^;
それだけだとアレなのでヘタを承知で説明しましょう。
2014年型のXC60はもちろんのこと、多くのイマドキのクルマのブレーキは、踏めば踏むだけグイグイ踏み込んで行けて、ドライバーは無意識ながら踏み込む量でブレーキのパワーを調節してコントロールしているわけですが、XC40 B4のブレーキタッチは少し踏むとすぐに底を突くような、つまりそのストロークが極端に短いブレーキなのです。
とはいえ「超短いストロークで、底まですぐ達する」わけではなく、その「底」がブレーキパワーをコントロールする入り口であり、「俺達(ブレーキ)の戦いはこれからだ」的な舞台といっていいでしょう。
ゴホン。
もう少しわかりやすく説明しますと……。
ペダルを踏んでいくと、今までより明らかに浅い部分で硬いタッチに変化します。感覚的には5cmくらい?
その時の感触は今までのブレーキだとグーッと深く踏み込んでバルクヘッドにくっつくくらいまでいかないとたどり着かないような「底」感です。
しかし、XC40の場合は「そこ」が「底」ではない、というか「そこ」でブレーキを踏む足の力を止めるべきではないのです。
「そこ」からの減速は、その「底」をどれだけの力で踏んだかで決まるのですから。
ああ、懐かしい。^^;
これは踏力で減速パワーをコントロールしていた、古き良き時代の「風味」を洗練させつつも万人が使えるようにイージーに仕上げた佳作ブレーキと言っていいのではないでしょうか。
誤解を恐れずにもう少しわかりやすい例えを言っちゃいますと、ブレーキライン(ホース)をステンレスに換えた時のようなタッチなんです。
ブレーキペダルを踏むと、まずブレーキホースが膨らんじゃってそこにパワー伝達のロスが生じますが、ホースをステンレス巻きにして膨張を抑え込むと、ペダルを踏んだ瞬間に硬質なフィードバックを得られると共にブレーキパワーの状態を感覚的に理解できる、あのタッチに少し似ています。
はっきり言っちゃいますと、私がXC40に乗り換えて一番驚き、そして感心したポイントはこのブレーキタッチなのです。
ああ、このブレーキタッチについて誰かと語り合いたい!^^;
最初はとまどいまごつく人もいるかも知れませんが、自分のクルマのブレーキなんですから、すぐに慣れます。そしてXC40 B4のブレーキに慣れちゃうと、他の車に乗った時にはこう思うでしょう。
「ちっ、このフニャチン野郎!」
えっと、間違いました。
「あれ、なんでこんなにスポンジーなの? 怖い!」
そしてカックンブレーキしちゃう。^^;
そう、XC40はカックンブレーキとは無縁。極低速域から停止するまでの繊細なコントロールがイージーモードでできちゃうので、いままでスムーズに止まれなかった人は自分の運転がうまくなったと勘違いするに違いありません。
このタッチが出せる理由ですが、もちろんブレーキホースがステンレス巻きしてあるわけではないと思います。
というか、そもそも2021年モデルのB4/B5といった最新XC40のブレーキペダルは、ただのスイッチに変更されています。ブレーキホースとつながっていないのです。
バイワイヤ。
そう。シフトレバー、アクセルペダルに次いで、ついにブレーキペダルまでもバイワイヤ方式、つまり電気信号を発する装置であって、実際にブレーキを動かしているのはコンピューターです。
つまり、ペダルの「タッチ」とか「フィーリング」はブレーキシステムの剛性などは一切関係なく、単体として味付けすることが可能になっているのです。
タッチパネルに例えるなら、タッチペンで液晶画面に触れている時間で強さを信号化しているのが一般的なブレーキタッチで、筆圧で強さを信号化しているのがXC40のブレーキに与えられた味付け、というわけです。
VOLVOがXC40のブレーキペダルに求めたのは、ストロークによる信号変化ではなくペダルを踏む力に応じてストッピングパワーをマッピングするスポーツカー的な味付けだったのでしょう(正確には回生ブレーキ込みのこのユニットはコンチネンタルの部材なので、共同開発ってやつでしょうね)。
タイムラグがない、ブレーキの回生エネルギーが高効率で行えるなど、初代エスティマ・ハイブリッドから始まったバイワイヤ方式のメリットは色々とあるのですが、最大の利点は「ストッピングパワー・ファースト」なブレーキシステムのレイアウトが可能な事です。
「このクルマはマスターバックが左側のままなので、ブレーキタッチと剛性がぁ~」なんて自動車評論家に批判されることもなくなります。シフトやアクセルのバイワイヤ化にも言えることですが、ムダなラインや管が這いずり回ることがないため、ボンネット内のレイアウト、キャビンレイアウトの自由度が増すのですよ。
で、これが実に私好みである、と。
悪いことはいいません。2021年モデル以前のXC40のオーナーは騙されたと思ってこのバイワイヤブレーキを搭載したB4やB5を試乗してみてください。そしてこのブレーキタッチが気に入ったなら乗り換えもアリなんじゃないでしょうか。
まあ「ブレーキタッチでそこまで言うか」と笑われそうですが、クルマを運転するということは何万、いや何億回とブレーキペダルを踏む行為でもあるわけです。
アクセルペダルを踏む時のタッチよりよほど重要な部分ではないかと考えてもよろしいかと。
ちなみに同居人の反応。
「うーん」
「あ、わかった」
という感じで、ホントいいブレーキなんスよ。
で。
ブレーキがバイワイヤになったことで一つ不安というか疑問を持たれる向きもあるでしょう。
「エンジンがストップした時はどうするんだ?」と。
大丈夫です。
実は市販車のブレーキバイワイヤは故障時を想定して通常の油圧ブレーキのラインも併設されているのです(たぶん法律で決まっている)。
つまりエンストしてもノーブレーキになるわけではなく、今までのクルマと同じで「重いけど、頑張って踏みつけていればいつかは止まる」のです。
ご安心あれ。