やっはろ~(^^)
そしてその数あるドヴォルザークのチェロ協奏曲(ドヴォコン)の名演奏の中でも私が愛してやまないのは「ロストロポーヴィチ × カラヤン盤」!
ではなく……「フルニエ × セル盤」です(オケはどちらもベルリン・フィル)。
前者を聞いていると「人に対するダークエルフの呪い」をぶつけられているような気がするのに対し、後者は「人に殺された同胞達に捧げるエルフの祈り」を浴びているように聞こえるからです。
ええ、個人の好みの問題ですね。^^;
というか、どちらにしろ「人」ってやっぱりこの世から滅亡したほうがいいのかもしれないな、という気持ちになるという曲ってことでしょうか、これ?
それはさておき、私はどちらかというとロストロポーヴィッチやフルニエよりもデュ・プレのファンです。
という話はおいといて、今回は音楽ではなくて、それを再生するオーディオ機器のお話。
具体的にはパワーアンプ。
と言っても「オーディオ」なんていう単語を持ち出すのはチト大げさかな、なんて感じの比較的お財布にライトな感じのヤツです。
テーマは「手持ちのスピーカーを有効活用する」です。
パワーアンプと一口に言ってもいろんなパワーアンプがあります。
なので最初に今回のお題(前提)を明確にしておきましょう。
これはアレです。
「チェロの練習用のお手本になる演奏を再生する」ことが目的です。
練習の合間に、CDからリッピングした演奏やYoutubeなどのネット上のライブ配信など、ちゃんとした演奏を聞いて自分のレベルとの彼我の差を思い知って絶望する……じゃなくて先生代わりにするわけです。
なお、私ではなく同居人用です。
場所:我が家では「チェロ部屋」と呼ばれている普段使っていないライブラリ的空き部屋(オーディオ機器が存在していない)
音楽ソース:主に同居人のスマートフォン(iPhone)
その他:この際、使っていない死蔵スピーカー(自作)を是非活用したい
というのがプロジェクトの発端でございます。
窓とクローゼットと扉以外はほぼ棚で囲まれている特殊な部屋で、はっきり言ってスピーカーを置く場所もありません。
そもそも目的は「音楽鑑賞」などではなく演奏やテクニックなどの確認作業なので、音質など二の次、iPhoneのスピーカーより多少なりともリッチであればそれでいいのです。まあ、できればステレオで。
昔、ありましたよね?
iPhoneを「ぶっ刺して」鳴らす外部スピーカーユニット的なもの。
私もいくつか買いましたっけ。いや、今もいくつか持ってますけど(もちろん死蔵状態)。
あの時代はiPhoneのいわゆる30ピンのコネクタ接続用で、iPhone以外でも使えるようにステレオミニジャックからの入力もできるようになっていました。
だがしかし。
人間ってどんどん楽をしたくなってくるもの。
いちいちケーブルを「ぶっ刺す」なんて面倒この上ありません。
せっかくケーブルからフリーになる為のスマートフォンなのに充電以外でわざわざケーブルに挿すなんて、それはもう退化現象、いや文明への冒涜と言っていいでしょう。
そもそも同居人はそのiPhoneでチューニングアプリやメトロノームアプリなどを利用しているのでケーブルで移動範囲を限定されるなんてのは「御免こうむる」と言って受け付けてくれないでしょう。
なのでここは選択の余地なし。Bluetooth入力可能なパワーアンプである必要があります。
これもBluetoothと同様にマストな条件です。
小型のパワーアンプの多くがアクティブスピーカー接続専用になっています。
つまり端子がRCAとかステレオミニジャックとかだけなのですよ。
電源に繋いだり電池を入れたりしない、つまり昔からのオーディオ用の普通のスピーカーを繋ぐ端子がないと話になりません。
なぜなら、手持ちの自作スピーカーを有効活用する事がそもそもの目的なのだから(そうだっけ?)。^^;
まず、今回はハイレゾ対応である必要は全くありません。
aptXだのLDACだのと小難しいことは今回はなし。
iPhoneのスピーカーより大きないい音でなればいいのですから。
というか、私が使う場合は多分こだわっちゃう気がしますが、同居人専用といってもいいので、その辺拘る必要がないのです。
そもそも「別にiPhoneでもいいけど」というような欲のない人なので充分です。
「これこれ、これだよね」とばかりに日本で発表後、即予約までして買ったAmazonのアレクサ端末、ECHO SHOW。
これはなんと10インチディスプレイを搭載したスマートスピーカーで、でかい図体を生かして当時はECHOでは唯一のステレオ再生機能持ちでした。しかもただのステレオじゃなくてサブウーファー(的なもの)まで付いていて、実は結構ズンドコ鳴らすのが得意なんですよね。我が家ではまったく生かしてませんが。
そういえば最近ECHO SHOW 5なんていうちっちゃい画面のディスプレイ付きECHOが出ましたけど、サイズがまるで違うのでズンドコ感はECHO SHOWと比べるとかなり劣ると思います。
で、その我が家にあるでっかい方のECHO SHOWですが、Bluetooth接続の外部スピーカーとして機能するようなのですよ。音質はiPhoneと比較すると断然いいわけですからECHO SHOWを「チェロ部屋」に移設すれば「iPhoneよりいい音でお手本曲を聞く」という目的に関しては一件落着です(我が家のECHO SHOWは寝室用ECHOなのです)。
何より手持ちの機材を使うわけですから、追加コストも0円。完璧なアイディアです。もっともECHO SHOWの音は「ズンドコ」というか、いわゆるブーミーでオーディオ的とはとてもじゃないけどいえないのですが……。
が、しかし。
今回の真の目的は「使いみちのない自作スピーカーを活かす」事。なのでこの案は私が握りつぶしました。^^;
ただし、できるだけ出費は抑える方向です。
なので予算は「5000円まで」と決めてから物色することにしたのでした。
私のことですから、きっと「あ、こっちが良さそう」「こっちのほうがかっこいいな」とか言ってだんだん高いヤツに手を出してしまいそうですからね。
さて、さっそく便利な外資系通販サイト、Amazonで検索です。
Bluetooth、パワーアンプというざっくりしたワードで検索しますと……山程出ますね。
それにしてもAmazonの検索ってひどいですよね。Bluetooth接続機能がないやつまで結構上位に顔を出してきますし。うっかりポチらないように気をつけましょう。
今回は予算が決まっているので安いやつから探します。
結果、候補を2つに絞って、Amazonのサイトにある情報を比較して選ぶことにしました。
実物があれば聴き比べた上でチョイスしますけど、それはできないので今回は「音」以外の項目で比べることにしました。
ちなみに私、評価は一切読みません。Amazonの評価なんてハナからアテにしてません。というか信じられません。^^;
いい評価記事を掲載している人も結構いるのですが、大半は(書いている人の)頭が悪すぎてアレというかなんというか……。
候補に残ったのはこれと
もう一つはこれ
1つ目はクーポン適用で3500円くらい。
2つ目のは4800円弱。
値段差が1300円もあります。
2000円くらいのヤツもあるのですが、流石に安すぎるのでビビったのと、見た目がチープなのでパスすることにしました。
で、私の眼鏡にかなったのは2つ目の4800円もの。LEPY LP-S69Sというモデルです。
選定の決め手になったのは(外部)bluetoothアンテナの有無でした。
1つ目のほうは商品説明にbluetoothって書いてありますけど、明確な外部アンテナはみえません(FMアンテナはついてます)。
まあ、内蔵されているのでしょうけど。^^;
あとは、サブウーファー対応の有無です。
加えてこの手の製品って熱の問題もありますので、あんまり小さすぎてもアレかな、という気分的なものもありました。
予算内で視覚的に?安心。かつ高機能ということで、さっそくポチりました。
この機種選定に要した時間はざっと30分ほど。けっこう楽しい時間でございました。(^^)
ご覧のように本体は車用オーディオのパーツ的なガワをまとっています。
というか、実はカーオーディオ用なのかもしれません。ボードに貼り付ける(ボルト止めする)系のギミックもありますし。
外装はアルミのようですね。
ファンは搭載されていないようなので、この「表面積増やすぜ」系外装デザインとマテリアルは放熱を意識してのものなのでしょう。
という感じで、開封後の第一印象は結構いいものでした。というかイイモノ感があります。
なんというか、ソリッドで硬派なパーツ感があるというかなんというか。^^;
単にアルミ外装が好きなだけ7日もしれませんが、少なくとも安物感は本体にはありません。
翻って使うか使わないかわからないリモコンはひどい。^^;
ユーザーインタフェイスというものを否定というかほとんど無視したリモコンですね。
オーディオ系以外にも使える汎用なのでしょうけど、汎用にも程があるというか。
ユーザーインタフェイスと言えるのはボタン(もちろんシートボタンです)に印刷された記号や文字のみ。
まあ、いいんですけどね。
多分同居人はこのリモコンは使わないでしょう。
というか、利用シーンを考えるとリモコンを触る必要は全くなさそうですし。
付属品にいきましょう。
まずは外部アンテナが2つ。
一つはBluetooth用、もう一つはFMラジオ用の電線アンテナです。
これでFMラジオは聞きません……というかラジオなど聞きませんし、そもそもコイツ、日本のFMラジオの帯域をカバーしてるんでしょうかね?
なのでFMアンテナは無視してBluetoothアンテナのみ取り付けます。
電源はACアダプター方式。
日本向けの2プラグタイプの電源コードが入っていました。日本向け感があります。
マニュアルは……あってないようなものですね。でも日本語です。
ボタン類の説明程度のペライチ系です。
マニュアルにはペアリングの記載なし。
ペアリング用ボタンがあるわけでもなさそうです。
ま、こういうのは「まずはやってみる」系でいけちゃうものです。
まずは電源オン。
正面のボリュームボタンが電源スイッチを兼ねる系のロジックです。
電源が入ったあと、入力切り替えボタンを押してBluetoothモードにします。
ディスプレイにBLUEという文字が表示され、点滅状態になっています。
おそらくこれは待受状態なのでしょう。
というわけでiPhoneのBluetooth接続画面で検索。
ありました、それらしきものが。
パワーアンプの型番(LP-269)が表示されているのでそれをチョイス。
ややあってアンプ側のBLUE表示が点滅から点灯状態に変化しました。ペアリング終了です。
以上、ペアリングは超簡単でした。
なお、電源を切っても直前のモードを覚えているようで、次回電源を入れると直前のモードになります。
つまりBluetooth接続モードで電源をオフにすると、次回電源を入れるとBluetoothモードのままということになります。
さて、電源は入った。iPhoneとのペアリングも終わった。
というわけで、さっそく現場に持ち込んで設置です。
「チェロ部屋」こと我が家のライブラリ(倉庫部屋とも言う)にコンパクトとはいえ自作スピーカーを置く場所はありませんでした。なので場所は無理やり作りました。
今回もっとも時間がかかったのは、この場所づくりだったように思います。
同居人はスピーカーに対面し、椅子に座ってチェロを抱えて聞く感じです。
見た目はアレですね。
本体が小さいのでオーディオシステムというより「スピーカーがただ置いてある」って感じですね。
スピーカーは小型なりに本格的な?バックロードホーン。
ちゃんとしたシステムに繋ぐとそれなりにちゃんとしたバックロードホーンっぽい音がなります。まあバックロードホーンだし。^^;
ちなみにbluetoothの接続強度? ですが、こいつは望外に強力でした。
リビングに置いたiPhoneから何の問題もなく鳴らせます。というか、家の中ならどこでも問題なし。接続エラーはまったく出ませんでした。
※ベランダは試してません。
bluetooth機器によってはこの距離では接続困難なものもありますから、さすが外部専用アンテナのおかげって事なのかもしれません。
いきます。
チェインジ!
スイッチオン!!
1,2,3!!!
ではなく。^^;
スイッチ入れて適当なところまでボリュームを上げます。
ディスプレイのニキシー管……ではなくLEDパネルにBLUEと表示され、それが点灯している事を確認。
そしてiPhoneでフルニエ/セルのドヴォルザークのチェロコンチェルトの第三楽章をプレイ。
「おお!」
鳴ります。
不良品ではなかった模様。^^;
肝心の音質ですが……。
一言でいうと「ドンシャリ」です。
実はこのアンプ、ボリュームとは別に高音と低音をブーストできるブースターがあります。
紛らわしいことにボリュームと同じサイズのダイヤルです。
念のためにブースターのダイヤルを見ると……どちらもマックス側に振り切っています(写真では12時の方向にそろえていますが、これは私がいじった後だから)。
ダイヤルのポイントが非常に見にくいのでわからなかったんですが、出荷状態でポジションが振り切られているところにあるということは、これが標準?というか推奨?
音自体は悪くないです。自慢の?バックロードホーンがそれらしく鳴ってます。
ドンシャリ系が嫌いではない人ならいい音だと思うんじゃないでしょうか。
ブースターを色々調整してみましたが、標準でダイヤルがMAXに振り切っている意味が理解できた気がしました。
試しに高音・低音どちらも中間、つまり12時の位置にセットして聞いたところ、あからさまに帯域不足感のあるこもった音に聞こえます。
もっともこのへんは個人の好みと間隔なのであまり事細かに感想を述べるのは控えますが、私の好みだと高音マックスだとちょっと耳に刺さるので少し戻したあたり。低音はマックスじゃないと「鳴ってない」感があるのでデフォルトのままMAXで、という感じでしょうか。
まあ、LDACでもaptXでも、ましてやAACでもない単なるSBC接続ですから、情報量がそもそも少ない。なのでこういうドーピングを使って調整するのはアリ派です、私。
というか、高音・低音のブーストダイヤルがある時点でSBCオンリーなので過度な期待はしないでね、ということなのかもしれません。
どちらにしろブースターのおかげでiPhoneのスピーカーよりはいい音で鳴ってくれるし、手持ちの自作スピーカーを運用できているので当初の目的としてはOKだと思います。
個体差かもしれませんが曲と曲との間にプッっというノイズが入るのが気になりますが、音はかなり小さいので、同居人的には無視できる範囲でしょう。
どっぷり音楽に浸りたい、という向きにはかなり気になる可能性があります。
少なくとも私の場合はこれをこの状態でオーディオ用に使いたいとは考えないでしょう。
5000円という値段を考えると値段なりといったところ。
過度な期待は禁物ですが、様々な理由でスピーカーが余っていて捨てるのもなんだしなあ、なんて思っている人がイージーリスニング用にチョイスするのは充分アリだと思います。
なお、私のような普通のオーディオ用のパッシブスピーカーが余っている人向けです、念の為。