そもそも最近のこの手のプロダクトって、修理なんて受け付けてもらえるのだろうか?
今回はそんなお話です。
正確には購入(着荷)後、2年と7ヶ月位が過ぎました。
その間、雨の日も晴れの日も、ほぼ毎日のように通勤カバンとして活躍してくれました。
が……先日ついにファスナーの一部がダメになりました。
トップにあるポケットの止水ジッパーのかみ合わせ部分がほつれて、本体からパージし始めたのです。
それ以外は特に不具合はありません。
このデイパックはシェル素材の特性か、長く使っていてもヤレ感がでないので一見すると新品同様に見えるほどで、つまりはかなり堅牢なバッグだと言っていいと思います。
シェルは頑丈であっても、ジッパーやストラップと言った一日になんども何度も使う部分は消耗品と言ってよく、
言ってみれば驚きやがっかり感よりも「ついに来たか」と淡々と思ってしまいました。
問題は、このeveryday backpack、一見してこういう壊れたジッパー部分だけを修理できる作りになっていない事です。
もちろんパーツ単位にまで分解すれば修理可能でしょうけど、その七めんどくさそうな工程に支払う対価を考えると「新品買ったほうが安いだろうな」とも想像できてしまいます。
そんな訳で私は基本的に諦めておりました。
ただ、バッグ自体はずっと使っていても飽きることなく、むしろ使えば使うほど気に入っていましたので「じゃあ、今度は少し容量が大きい30Lタイプを買おうか」と考えました。
同じ20Lでもいいのですが、時々容量が大きいものが欲しいシーンに出くわすので、「大は小を兼ねる」でいいんじゃないかと考えていたのです。
とはいえ、実はこのeveryday backpack、ホイホイ買い換えるには多少プライスタグに高い金額が記載されているのです。
私はKickstarterというクラウドファンディングサイトでアーリーバードとして「支援」して買った口なので現在販売されている価格よりはお安くゲットしたのですが、新たに購入するとなると3万円を大きくオーバーします(日本の定価だと税込み4万円弱)。
※その時の記事がありました(ブログ移動の際に写真が失われていて文字だけですが)。
カジュアルなbackpackに4万円近く支払うのは庶民的な感覚としてやはり躊躇します。
もっともただのbackpackではなくて、カメラバッグとして使う場合にその英知に感心するバッグなので、内容を見るとプライスタグが不当に高いとは思いません。
everyday backpackについては、私がガタガタ紹介するより、PeakDesignのサイトを御覧いただいたほうが早いと思います。
日本ではあの銀一が代理店担っている模様。
ちなみに私が手に入れた時はまだ正規代理店などは決まっていなかったと思います。
サイトの価格をみておわかりのように、いくらなんでも値段の差が大きすぎるので、私は直接本体から購入することにしました。
同じ20Lにするか、やっぱり容量の大きな30Lにするか。
色はどうしよう?
なーんて感じでPeakDesignのwebサイトをチェックしている時でした。
ページの最下部にサイト内リンクの一覧があるのですが、そこに「LIFETIME WARRANTY」の文字を見つけたのです。
「あー、そういえば」
Kickstarterで予約した時に、進捗状況や会社の活動内容などを報告してくれるニューズレターが頻繁に届いていたのですが、その中で何回かその文字を見た記憶があったのです。
「勝手に1年保証だと思ってたけど、まだ保証期間内だというのなら、新しいものを買う前にこいつが修理ができないか聞いてみてもいいかな」
そう思った私は案内をたどって、webから修理を申し込んでみました。
海外相手ですから配送送料その他を考えると高くつく可能性がありますが、聞くだけならタダでしょう、と。
あと、受付窓口に日本代理店の銀一が使えるのであれば、送料はさほど高くつかない可能性もあります。
ちなみに修理申し込みにはけっこう時間がかかりました。
相手が順番に聞いてくるのですが、けっこう数が多いのです。
名前や購入年月日、どこで買ったか、等々いろいろです。
ネットでカード払いをしたので支払い領収書などありませんからそちらは無視。
破損部分については写真をアップロード。
英語なんて全く理解不能な私ですから、Google先生の翻訳機能をフル活用しました。
そして無事に送信。
後は待つだけです。
経験上、この手の海外サイトはけっこうレスポンスがいいものです。
日本とは時差がありますのでアレですが、半日くらいで返答が来ました。
内容はこんな感じ。
「ウチの製品を愛用してくれてありがとう。そしてご迷惑をおかけしちゃってごめんね。修理依頼については一応受け付けたけど、次のプロセスに進む為にはもう少し詳しい情報が必要なんだ。2つあって、一つは支払い済みだという証拠。これはウチから送った受領受付メールでいいから、画面の写真を撮るか、pdfにして添付してほしい。もう一つはプロダクトのQCコードなんだけど、場所は【ここ】を見て探してくれないかな? 待ってるよ」
領収書はないけど、PeakDesignから支払い確認したよ、的なメールは貰っていたはず。
探すとありました。
もう一つのQCコードですが、指定されたページを見たけど……。
「大雑把過ぎて場所なんてわからねー」でございますよ。
一応、バッグをひっくり返してめぼしいところはチェックしたんですけど、それらしきものはなし。
私のeveryday backpackは初期ロットものだと思われますので、それにはなかったんじゃ? なんて勝手に想像。
で、見つけられないので受領メールのpdfだけ添付。
QCコードについては「お前の言ったページ見たけど、あんな写真で場所がわかると思うのなら少し考え方を変えたほうがいい。あれはガイドになってない。具体的にタグのあるのですが、場所を教えてくれたら画像を送るけど?」と文句を貼り付けておきました。
するとまた半日くらいたって返事が来ました。
「何度もありがとう。オッケー、それじゃあこれで正式受付ってことにするよ。少し待っててほしい」
ふむ。
待ちますとも。
で、待ちました。
本当に「少し」後に2通のメールがほぼ同時に届いたのです。
一通にはこう書かれていました。
「バッグの問題については、ご迷惑をおかけして申し訳ない。でも良い知らせがあるよ。新しい代替品が君のところにすでに向かってるんだ。さっき発送処理したところだから、後で別途発送メールが届くはずだよ。
それから君が持っている故障したバッグの事だけど、不具合を我慢してなんとか使えるようだったら使ってくれて構わないよ。君が要らないなら友達にでも声をかけてみてよ。本当に使えなくなるまで使ってもらえると嬉しいな」
えーっと……?
それは私がマンションの設備点検の立会で年次有給休暇を取った6月26日。
「新しいバッグを送ったよ」メールを受け取った3日後でした。
日本郵便のおじさんが届けてくれたのです。
ええ、新品のeveryday backpack 20Lチャコールを。
早っ。
PeakDesignのアウトソーシング工場はベトナム。デリバリー拠点は香港で、私の荷物は香港から届きました。
もとが0円なので消費税もかかりません。
早速開封してみました。
間違いなく新品です。
2年と7ヶ月使い倒した割には色褪せも見られませんし、毎日ウエスでホコリを拭ってあげているので汚れによる変色もありません。
にしても堅牢だな、everyday backpack。
というか、太っ腹だな、PeakDesign!
ファスナー壊れたんだけど、修理できる? って思って問い合わせたら「修理できないけど生涯保証だから新品送るね」ときたもんだ。
おまけに「今持ってるやつも別に返却しなくていいからね?」ですって。
すごくない?
私はPeakDesignのバッグをけっこうたくさんもってます。
everydaybackpackと、everyday tote。あとフィールドポーチとテクポーチ。
バッグ以外だとストラップとかカメラホルダーとか小物もけっこうあります。
そいつらも全部同じように「壊れたら新品交換」扱いなのでしょうね。
うーん。
いろんな意味で唸りつつも、ありがたく使わせていただくことにしました。
古いやつは……どうしよう。ファスナーの一部だけが問題であとはちゃんとしてるんだけど……置いといても場所とるだけで邪魔だし……やっぱり廃棄?
送料くらい払うから送りつけるのも手かもしれませんが、向こうも迷惑なんだろうなあ。
という感じで、今回はちょっといい話でした。
で、一見全く同じに見えた新旧のeveryday backpackですが、微妙に改良が施されておりました。
まだ全部気づいていないかもしれませんが、今回はその気づいた点を2つ報告。
背負うパッドですね。左右に二本あるやつ。
このパッドなんですが、オリジナルの旧モデル?は「分厚すぎじゃね?」ってくらい分厚かったんですが、送られてきた新型?の方は「そうそう、これくらいでいいんだよ」という厚みに落ち着いていました。
分厚いほうがいいだろ? と思う人もいるかもしれませんが、分厚いと圧迫感が強いきがするんです。
今回新旧両方を背負い比べてみたんですが、新型のほうが確実にコンフォータブルでした。
メインコンパートメントの内側。フラップのフックがある裏側に当たる部分にマチのないちょっとしたポケットがあるのですが、ここが地味に深くなっていて使い勝手が上がってます。
以前は「もうちょっと深いといいのになあ」っておもっていたのですが、私と同じことを多くの人が思っていたのでしょう。改善されていると思いました。
他にもあるかもしれませんが、気づいたら加筆しておきます。
以上、私がますますPeakDesignのファンになってしまった、というお話でした。
あと、PeakDesignのぷろだくとって、ある意味「一生モノ」だということを知ったお話でもあります。