私にとっては未知の果物なんですからしょうがないじゃないですか
ということで、ポポー(ウィキペディア的にはポーポー)を生まれて初めて食べました。
事の起こりは間違いなくこの春引っ越したこと。
引っ越すと当たり前ですが環境が変わります。
環境の変化はライフスタイルの変化に直結します。
という感じで我が家の場合もその例に漏れず、主に食に関する習慣がガラっと変わりました。
以前は付近の商店といえば、マンションの玄関から歩いて5分ほどのところにコンビニがあるだけでした。
飲料以外の食品をあまりコンビニで調達しようと思わない我が家にとっては緊急時のパントリー的な位置づけで、日常的な買い物場所ではありませんでした。
また、通勤の導線上にも食品を購入するポイントは存在しなかったのです。
もちろんその気になって少しだけ足を伸ばせばいろいろとあるのですが、その「少しだけ」が億劫なんですよね。
特に仕事帰りで電車を2本、あるいはバスを2本遅らせてスーパーに寄って帰る、なんて事はなかなか勇気のいる行動だったのです。
故にほとんどやっていません。
日常的な食品は生協さんの宅配で済ませていました。
生協さんで賄えない部分は車で5〜10分くらいでいけるスーパーへ週末を利用して買い物に行く感じ。
ごくごくたまに「どっこいしょ」的に車を出して大手スーパーに買い出しに行く、という感じ。
そんな我が家でしたが、この春に引っ越すと、そういう食品調達メソッドがガラッと変わってしまいました。
まず、通勤路上、まさに道路の脇にスーパーマーケットがあります。ありがたいことに帰宅時には余裕で開いてます。
さらに徒歩圏10分以内に、件のスーパーマーケットを入れて3件もの食品系のマーケットが存在します。
なので、休日ともなると散歩を兼ねてそのどこか、もしくは複数のマーケットで買い出しが可能になってしまいました。
日常的なもの、牛乳とかそういうものは足りなくなったら帰宅時にスーパーマーケットにによって補充。もちろん「こんばんはアレが食べたいな」などと思ったら家にストックがない場合、その食材も買って帰ります。
それ以外の食材は週末に散歩がてら買えてしまうのです。
しかもスーパーマーケット以外の2つのマーケットはいわゆる産直系の作物販売所なので、かなり新鮮なものが格安で手に入るんです。
更に産直ということで、季節ごとに産地の特産品などが並んで我が家的にはそれをチェックするのが毎週の楽しみにさえなってまいりました。
そういうわけで、例えばじゃがいもだの人参だの玉ねぎだの、ピーマンだのレタスだのトマト、きゅうりといったいわゆる「メジャー」系の普通の野菜以外にも、いろんな野菜や果物を手にする機会が増えました。
生協さんのカタログショッピング(宅配)だと、どうしてもそういうメジャー系の作物に偏りがちで、要するに定番ばかり、おきまりものばかりの買い物になりがちなんですが、それがもう、ガラっと変わっちゃいました。
例えばこの夏、我が家は「ツルムラサキ」にハマっちゃいました。
ツルムラサキもスーパーマーケットなどでも最近は見かけるようになりましたが、我が家的には「あまりチョイスしない(できない)」食材だったんです。
それが産直系の店ではふんだんに、かつかなりお求めやすい、つまり我々庶民がためらわずに買える値段で手に入るようになりましたので。
茹でると漂うあの独特の土の香りが個人的に大好きなので、こんなに楽に新鮮なツルムラサキが手に入るのなら、と、多分殆ど毎週結構大量買いをしていたと思います。
そんな感じで、名前を知っているけど食べたことのなかった食材やら、初耳ですな、的な野菜や果物が週末5分から10分の散歩範囲で手に入るようになってしまいました。
駅までも徒歩数分なので、今までのように夜は駅までクルマで迎えに行く、なんていう必要もなく、買い物さえ徒歩圏内になってしまったということは、車の出番がどんどんなくなっている状況です。
そういえば、ホノルル・センチュリー・ライドから帰ってきてから一度もクルマを動かしていないような……。
閑話休題。
そんなわけで、ある日目にしたのが「ポポー」という未知の果物。
しかも安い。
扉の1パックで180円っす。
安い。
要するに「未知」「安い」「果物」のトリプルコンボ的な理由で何も考えずにとりあえず買ってみたのでした。
買うときに「コレってどうやって食べるんですか?」とお店のお姉さんに聞くと「そのまま食べられますよ」という回答を得ました。
意味不明。
「そのまま」って?
洗ってりんご的にまるかじり??
というわけでお姉さんのファジーな回答に満足しなかった私は、現代人のリーサルウェポン……いや死なないのでアルティメットウェポンか……。
いや、そういうのはどうでもいいですね、つまりネットでポポーを検索してみました。
なるほど!
私も形的にあけびにちょっと似ているなあって思っていたんですよ。その仲間か! と。
でも分類学的には全くといっていいほど他人でした。
ポポーはモクレン系。アケビはキンポウゲ系。
被子植物くらいまで遡らないと共通項がないという……。
明治時代に日本にやってきたそうです。
以外に歴史が古い。
てっきり去年くらいに輸入され始めたものかと……。
いや、だって私、全く知らなかったし。
かどうかは実際のところわかりませんが、木も葉っぱも果実の表面でさえ殺虫成分をまとった木だそうで、農薬いらずで育つんだとか。
なんか最強じゃね?
なるほど。
アケビっぽい外見で、味が柿っぽいから和名がが「アケビガキ」なのか。
そのまんまか!(^^)
ちなみに繊維質に富む果肉らしいです。
2つに割ってスプーンでくり抜くのが食べやすそうだと考えてそうしたのですが……
包丁では2つに割りにくいんです。
なぜなら種が巨大で多く、硬いから。刃が種に当たってスパンッと割るのはちょっと難しい。伝説のエクスカリバーとか妖刀ムラマサとかならいけるのか? しらんけど。
なのでぐるっと全周包丁を当ててパカっと開く感じで割りました。
まあそんな事はおいといて、食べてみました。
すると……。
確かに「柿」と言われると「なるほど」と思える系の味です。
くどくない優しい甘さ。
ただし、柿より微妙なエグみがある気がします。エグみというと誤解を招きそうなので「柿とは違う味成分がある」という言い方にしておきます。
ええ、美味しいですから。
味は柿ですが、食感がもっとねっとりしている感じ。
ねっとりというとねっとりみたいですが、ねっとりというよりはややネットリしていないような感じ……何言ってんでしょうね、私。
ネットではクリーミーとかいう表現が多いですが、クリーミー??
コレがクリーミーならバナナは全部クリーミーですな。
バナナほどネットリしておらず、熟した柿みたいにベッチャリもしていない。
バナナの半分くらいのネットリ感? といえば近い……のかなあ。
というわけで、結構気に入りました。
調べてみると中国地方ではアタリマエの果物なのだとか。
ホンマかなあ……。
安くて美味しいので結構リピートしております。
が、そろそろ季節は終わり。また来年楽しみたいと思います。