「MAJOR」を溺愛、もしくは盲目的に愛しているファンの方はお読みにならないよう強く強くお願い申し上げます。
今年の夏季休暇は同居人との休暇のタイミングが合わず、もともと計画していた遠征が流れて基本的にずっと自宅で過ごすことになりました。
幾つか来客予定などがあって全日ダラダラできたわけではありませんが、なんだかんだ言っても激混みの時期に外に出る必要がないというのはなんというか、素晴らしい休暇としか言いようがありません。
テレビやネットニュースなどで流れる各地の渋滞や交通機関の混雑ぶりを肴にして「フフフ。愚民どもめ」とつぶやきつつ冷えたビールを飲むのはまさに至福の時。
ああ、私ってなんて嫌な性格なんだろう。
だがそれがいい!(^o^)
冗談はさておき、「でかけない夏休み」を有効活用しようということで、かねてからの懸案だった大長編アニメ「MAJOR」一気見を敢行することにしました。
アニメ三昧というよりも「MAJOR」三昧ですな。
私は原作であるマンガのMAJORはリアルタイムで途中まで読んでおりましたので、大体のストーリーは知っています。途中までですが。
でもアニメ版のMAJORはタイミングが合わず第一期の序盤を見逃した事もあって、そのままスルーしておりました。
まあ原作については「毎週楽しみにしている」漫画ではありましたが「死ぬほど好き」というわけでもなかったので「絶対見たい」とまでは思っていなかったからです。
その後アニメ版MAJORは順調に続き、完結まで行ったようでしたので「縁があったらそのうちみよう」程度には思っておりました。
そして今期(2018年夏)、自動的に録画されていた「MAJOR 2」の第一回を視聴。
MAJORの続きではありますが、「2」ではMAJORの主人公の子供(達)になっていました。
しかも「天才で努力家で人間として何かが欠けているようなほぼ超人」だった浮世離れしたMAJORの主人公と違い、「2」に登場する彼の子供は意外や「ちょっと残念」なキャラとして描かれているではありませんか。
まあ、なんだかんだで「天才児」は出てきてしまうのですが、親父版(MAJOR)ほどではなく、個人的にはこの設定のほうが断然面白いと感じた次第。
「なるほど、そうきたか」と思った私は「MAJOR 2」を、より楽しむためにその前日譚というか設定集というか伏線として「今こそMAJORを見る時」と判断したのでした。
まあ、伏線大好き人間なので。
さて本題。
まずストーリー。
これは基本的にとても面白くて、最後まで飽きずに楽しめると思います。
さすが2クールものが何期も(6期)続くわけです。面白くなければ次のシーズンなんてないでしょうしね。
もっとも最終回というか原作が正しく終了したあとでのアニメ化だとおもわれますので長編になることを見越してけいかくされていたのでしょうね。
なにせNHKアニメなので作ると決まればふんだんにある資金(受信料とも言う)をつぎ込めばいいだけですから。
閑話休題。
そういうわけなので野球好きは必見。
私のように野球は別に好きじゃなくても一般的なスポ根ものとしてたのしめました。なので十分に佳作と言えるアニメだと思います。
巨人の星のような人外・異世界もの(異論は認める)ではなく、アレに比べればかなり現実的な設定なので「今」の価値観で普通に視聴できると思います。
全体に流れるイメージが暗くないのも○です。
基本的に明るくて、笑顔で視聴を終えられる、全年齢向けの優良なアニメーションだと思います。
個人的には小学生から中学生の、それも女の子に見てほしい。
惚れる相手の見分け方をこのアニメでじっくりと学んでほしいと思います。
老婆心ながら。
というわけで、おすすめ度が高いアニメ版「MAJOR」ですが、個人的にどうしても一言書いておきたい事があります。
私は最後まで主人公である茂野吾郎(旧姓本田)が好きになれませんでした。
基本的に悪いやつじゃないのがわかっているので嫌いにはなれませんが、「野球どころかどんな仕事でも、コイツとだけは一緒にやりたくない」と強く強く思いました。
持ち前の才能に嫉妬して……などではありません。
原因はそのキャラ付け、というか性格?
ざっくり行ってしまうと、主人公の茂野吾郎の言動はただの「チンピラ」もしくは「頭の悪いヤンキー」であって、それ以上でも以下でもありません。
「いったいどういう教育を受けているのだろう?」とか「親の顔が見てみたい」という感想しか出ないケンカっ早さと口の悪さ。もちろん「礼儀? なにそれ美味しいの?」という感じで口の聞き方をまったく知らない。
いや、間違えました。
いまどきチンピラや頭の悪いヤンキーでも茂野吾郎より礼儀は知っているし敬語のイロハくらいは使える。
茂野吾郎は敵対しているわけでもない初対面の目上の人にさえ「ですます」すら使えないのですから。
そういう意味では茂野吾郎は異世界人と言っていい存在です。
主人公に「型破り」というイメージを植え付けるための「チンピラキャラ」なのでしょうが、あの言葉遣いと態度のおかげで、私は最後まで茂野吾郎にシンパシーを感じることが出来ませんでした。
もちろん、すごいヤツだとは素直に思うんですよ?
才能があるだけじゃなくて、苦難や壁を乗り越えるために想像を絶する努力をしちゃう。というかできちゃう。
茂野吾郎は天才ですが、野球の天才というよりも、人ができなような努力をいとも簡単にできてしまうという点が天才的だと思いました。
でも、そこまでの努力ができる人間が、チンピラ口調や瞬間湯沸かし器的な感情任せの行動なんてとるものでしょうか?
そこのバランスというか嘘くささが茂野吾郎という人間がどうにも深みを感じない原因ではないでしょうか。
小学校4年生くらいから始まる長い長い物語なので、脇役も相当に多いのです。
しかし、チンピラ嫌いの私はチンピラにしか見えない茂野吾郎がどうしても好きになれず、どうしてもそれら脇役の方に肩入れして見てしまうのです。
高校野球編で茂野吾郎が負けたときは、思わずガッツポーズを取っちゃいましたよ。
ちなみにMAJORで私が好きなキャラ(男性)は
1.眉村健
2.清水大河
3.ロイ
です。
佐藤寿也は……。
うーん、きらいじゃないんです。ただ、なんというか腹黒いのに優等生っぽい、という点は好みなのですが、なんというか、どうにも言動が薄っぺらい感じで鼻につくというか。なので個人的には圏外です。
好きなキャラとしては二位ですが、私の性格に近い清水大河がどうにも憎めません。というか私がMAJORに出演したらこういうキャラにされるだろうな、なんて勝手に思い入れて応援してました。まあ、小柄な大河とは身長が違いますが。
アニメ版が残念だったのは、久里山高校戦、原作だと大河が完投しているんですが、アニメ版はどうあっても茂野吾郎を「どうだ、かっこいいだろ?」キャラに仕立てたいようで。
ついでに女性キャラでは
1.茂野桃子(旧姓:星野)
2.陣内アリス
3.川瀬涼子
いやもう、桃子さんの可愛らしさは異常。みたいな?
川瀬涼子はあの年頃なのにボッサボサの髪の毛で堂々としているところがキュート。
陣内アリスは……冷蔵庫を開けてとりあえず缶ビールをプハっするシーンがたまりません。というか、単なる好みです。
ということでMAJORを一言でまとめると
「野球が超うまいチンピラヤクザみたいなヤツが、なぜかトントン拍子にMAJORで優勝しちゃう話」です。