◎後進国、日本
日本はChromebook後進国です
ええ、断言します。
というか、「Chromebook? なにそれ美味しいの?」というのが多くの日本人の感想ではないでしょうか。
私なんかその筆頭でした。
ノートPCもハンドヘルドPCもデスクトップPCもMacも、iPadもandroidタブレットもスマートフォンも使っている……つまり「そのへんの平均的な人(って何? というツッコミは敢えて無視して)」より、よほどIT系成分が高い私ですらそう思っていたくらいですから、そりゃもう、日本じゃそういう認識でしょう。
つまり「一部のITギーク系マニアが鼻の穴を膨らませて嬉しがっている尖ったニッチデバイス」というイメージ。
違いませんよね?
そもそも私のようにChromebookという単語を知らない人の方が多いような気がします。
日本では。
なので日本はChromebook後進国と言われても仕方がないだろうな、と思ったわけです。
発展途上ですらないような気もするんですが……。
それについては後述しましょう。
◎ノートPCのシェアはすでにWindowsを超えている
超えているどころか圧勝の模様。
「Macは?」
「話にもならんわ!」
みたいな状況のようです、本場のUSAでは!
私のようにChromebookに対する意識が低い人間にとって、この事実は青天の霹靂、曇天のトールハンマー、雨天のミョルニルみたいな?(中二病が発症しただけなのでスルーしてください)
まあ「教育現場に限る」という但し書き付きですけどね。
エビデンスについては私も単なる「へえ~」系なネット記事ウォッチャーなのでアレですが、「Chromebook シェア」あたりのキーワードで検索していただければいくらでも情報が出てくると思いますが、どれくらいすごいか
ざっくり言うと……。
2017年第3四半期データによると、幼稚園から高校生までの教育現場でのモバイルPCにおける主なOSのシェアはご覧の通り
Chrome OS 59.8%
Windows 22.3%
iOS 12.3%
ちなみに米を除く他国の場合はこれがまったく逆転して、66.5%がWindowsノートだそうです。
「なんだ、教育現場だけじゃん」
そう思ったあなたは甘い。
どれだけ甘いかと言うと、ルノワールのココアより甘い。
(ルノワールってまだあるんだっけ? 情報求む)
なお、このシェアはもう数年構図的なものは変わっておりません。
つまり「なんか妙に安いモデルがでていきなりシェアトップになったけど、それって一過性の台風みたいなもんじゃね?」ではないのです。
つまり「コイツらみたいなChromebookに慣れたガキ共が成長して大学とか社会人になっても、Chromebookユーザーになり続ける可能性が極めて高い、ということです。
味方を変えるなら「WindowsやMacのようなリッチなOSは緩やかに滅亡に向かっている」ということになります。
おごれるローマは久しからず。
もう何でもアリの肥大化したリッチOSは時代に合わなくなっている気がしてなりません。
◎とは言え
Chrome OSで劇場用映画の編集ソフトみたいな大規模かつ重量級アプリケーションを走らせるのは現実的ではないでしょう。
それらクリエーター用のソフトは、WindowsやMac、あるいはUNIX系のOS上で、スペックに物を言わせたハードウェアでブン回しておけばいいと思います。
なんでもかんでもパソコンで、なんてわがままを言うから、我々はリッチOSが内包する無駄な機能の奴隷になってしまうのです。
そう、我々はもう気づいているはずなんです。
「たいていのことはスマートフォンでできる」ということを。
そしてリッチOSを搭載した「パソコン」を必要としている人は一部なのだということを。
スマートフォン普及前夜の「PCは一家に一台、いやもはや一人に一台必要な時代です」なんて風潮が大時代的であると思う人は多いはず。
もちろん「PCでなければ出来ないこと」はまだまだあるでしょう。でも「PCでなくてもできること」はどんどん増えているのです。
翻ってChromebook。
もちろん「できること」という切り口でWindowsなどと比較すれば、そりゃあお寒い限りでしょう。
でも「やりたいこと」がChromebookでまかなえる範囲であれば、WindowsであろうがMacであろうがiOSであろうが能力的には何も変わらないのです。
つまり家から会社までの10kmを通勤する為だけなら、それはメルセデスのSクラスである必要はなく、スバル・サンバーでも全然オッケーなのです。
そこに満足感であるとか見栄であるとかシートの座り心地であるとか、それこそトラックにぶつかった場合に生き残れる確立であるとか、そういう要素を付け加えて行くとスバル・サンバーでは心もとない、という話になりますよね。
まあ、あまり適当なたとえではないと自覚していますが、要するに教育現場において求められる機能としては、Chromebookで十分だということなのです。
何が言いたいのかと言うと、「Photoshopがないじゃん」などという指摘は的外れであるということです。
約60%のシェアがそれを証明しているのですから。
もっともPhotoshop程度、すぐに使えるようになる気もしますけどね。
なにしろiOSやandroidアプリには「そういうこと」ができるものがあるのですから。もちろん100%同じ事は出来ないにしろ。
Photoshopばかり引き合いに出すのもアレですが、adobeもそのあたりに危機感を覚えているのかどうなのかわかりませんが、iOS(iPad)向けのフル機能Photoshopを開発中であると伝えられています。現在はiOSだけかもしれませんが、シェア最大のChrome OSを無視しているとは思えませんから、こういう環境はもう時間の問題なのです。
そもそもかつてはPhotoshopやExcelはMacでしか使えないなど、貧相なWindowsに対してMacが圧倒的なアドバンテージを持っていたんですよ?
それがどうです?
ExcleがMac専用に開発されたソフトだったなんて知らない人がほとんどじゃないでしょうかね。
ダラダラと書いてきましたが、Chromebookに興味を持った私が上っ面な情報を見て感じたのはそういうことでございました。
◎Chromebookとandroidタブレットの境界線
リッチOSが必要ないのだったら、Chromebookと同じようなことができるYoga Book android的なものでもいいんじゃないの?
逆にChromebookのキーボード切り離せば、androidタブレット的に使えてモアベターなんじゃね?
そう思う人もいるのではないでしょうか。
もちろん、Chromebookの特徴であるセキュリティ的な部分にプライオリティを置かなければ、という前提です。
あと、敢えて書きませんでしたが、管理コンソールで、端末を一括管できるという点で企業や教育現場で管理しやすい仕組みがある、などという管理側のメリットもChromeBookの大きな特徴、いやメリットなのですが、私はあくまでも個人、パーソナル、スタンドアロンで使う事が前提なので、そのあたりについてはあまり言及せず、パーソナルツールとしてのノートPCという視点でChromebookを評価しております。
オフラインでも普通に使えるキーボード付きクラムシェル型androidノートPCのほうが、ネット必須でクラウドがストレージ的なChromebookなどより運用はイージーなのでは?
もちろんセキュリティ的な相対比較ではChromebookに分があるのはわかりきったことですが、それでもWindowsと比べたらandroidのほうが圧倒的にセキュアじゃないですか。
とか考えると、両者の「線引」は「管理コンソール」以外に何があるんだろう? やっぱり教育機関や企業向けがChromebookなのであって、それ以外の普通のコンシューマモデルとしては真剣に考える必要はないのかも……。というか、PC=Windowsという固定概念しかない日本でそりゃあ、新しいOS搭載のノートPCとか受け入れられるはずないよねー。
パーソナルユースとか考えてるのややっぱり一部のマニアだけじゃん。というか日本はそれで(Chromebook後進国で)いいんだよな……。
とまあ、Chromebookを理解した今でも、この辺がスッキリハッキリしていない点では同じ状態です。
つまり「ガタガタ考えるより実際に使ってみろや」と思ったわけでございます。
◎日本版Chromebookは(選択肢が)少ない
さて、Chromebook買うことは決心しました。
新たな地平への旅立ちです。
で、どれを買うか。
調べました
Chromebookと聞いて真っ先に思い浮かべたのが、本家Googleのハード、Pixelbook。
まあ、「そのへんの人」よりちょっぴりIT色が濃い私なので名前くらいは知ってますからね。
だがしかし。
日本では販売してませんね。
IT色が濃い人にとっては常識なのでしょうが、私程度の濃度では知り得ない情報でございました。
てっきり日本展開していると思っていましたからね。根拠もなく。
というか、調べていくとAmazonで買えるChromebookの多くは「並行輸入品」じゃないですか。
ちゃんと日本の法人や正規代理店が販売している、つまり技適も当然あるであろうChromebookを出しているのは数社の模様。
Windows ノートPCの活況振りとは偉い違いですな。
いや、Windows ノートPCが活況なのかどうかは知りませんけど。
かつて参入していたDELLはすでに日本市場から撤退。
そもそも日本のメーカーはChromebookはスルー。
というか、日本メーカーってあんまりないのかもしれませんが。
とは言え、まったくないわけではないのですが、webサイトに商品説明はあるのにオンラインストアでは販売されていないAcerとか、教育機関向けにはあるようですが、いわゆるコンシューマ向けの販売は行っていないLenovoとか。
多分ソリューション向け商材なのでしょうね。
したがってそのへんは微妙なのでパス。
結局日本正規品と書かれているのはASUSのみの模様。
◎ASUS
・Chromebook Flip C101PA
・Chromebook Flip C213NA
・Chromebook Flip C302CA
◎ASUSか、amazon.comで好きに選ぶか
究極の選択ですな。
いつもの私だったらスペックと価格、そしてデザインなどをじっくりチェックして、気に入ったものを「買えるところから」買うところなのですが、Chromebookについてはまったくの初心者なのでWindowsノートやスマートフォンのようなノリではちょっとアレだな、とチキン方向に針が振れている状況です。
そんなわけで、日本向けのASUSのモデルをチェックして、どうしてもダメだったらamazon.comで買おう、と考えました。
◎チョイスの条件
サイズ、値段、スペック。
このあたりが決め手になるのは何を買うにも一緒。
もちろんデザインに一目惚れしたら、買えるか買えないかで悩むわけですが、今回はちょっと規制をかけています。
それは「値段」です。
「5万円以下」
これを第一条件にしました。
理由は「海のものとも山のものともわからないChromebookにいきなり巨額のマネーを投下するのはリスクが有る」と考えたからです。
ええ、大げさですね。
簡単に言うと「最初だから安いやつで様子を見よう」という事です。
実はこれでもう選択肢が限られます。
私が選べるのは次のモデル(価格は日本のAmazon調べ)
ASUS
・Chromebook Flip C101PA
・Chromebook Flip C213NA
二者択一。
で、実のところ両者の違いは次のような感じ。
C213NA | C101PA | |
重さ | 1260g | 898g |
サイズ | 307 × 199 × 20.9mm | 262.8 × 182.4 × 15.6mm |
ディスプレイサイズ | 11.6インチ | 10.1インチ |
ディスプレイ解像度 | 1366×768 | 1280×800 |
メモリ | 4GB | 4GB |
ストレージ(eMMC) | 32GB | 16GB |
CPU | intel Celeron N3350 | OP1 |
まあいろいろと違いはあるのですが、調べてみると要するにC213NAはタフモデル。C101PAは通常モデルということのようです。
C213NAの耐衝撃性能なんてミルスペック(米軍規格)を満たしているそうです。
教育現場では堅牢性が求められますから、工事現場じゃなかうてそちら狙いなのでしょう。
教育現場向きに設計されたハンドル付き、ポリカーボネートで耐衝撃仕様だったAppleの初代iBookを思い出しますね。あっちはミルスペックは満たしてなかったと記憶しておりますが。
というわけで細かい部分よりそっちの問題、つまり消去法で選ぶことができました。
ミルスペック必要ありません。
なので、大きくて重い方、つまりC213NAをオミット。
結果としてC101PAをチョイスすることになりました。
C101PAの見た目がどうしようもなくダサかったらあっさりと並行輸入品もしくはamazon.comで日本輸出OKのモデルを買おうと思っていましたが、けっこう気に入りました。
むしろ最初にカジュアルな気持ちで買うChromebookとしてはけっこういい線行っているんじゃないかと思います。
ということで、なんだかんだ文字数多い割に、実際に機種選定はさっくりと決まったというお話でございました。
次回からはいよいよASUS Chromebook C101PAを掘り下げていこうと思います。