いきなり結論的なことを書いちゃいましたが、スマートフォンの使い勝手としてはかなり理想的な組み合わせです。
もちろんiPhoneに物理キーボードが搭載されても快適になると思いますが、多分地獄にいるスティーブ・ジョブズがそんなシロモノは許してくれないでしょうね。
そういえば私、かつて物理キーボード付きのiPhoneにあこがれてこんな記事書いてましたっけ。
さて、では物理キーボードとandroid osの組み合わせがスマートフォンとしてどれだけ快適かについて。
なんのことかわからないかもしれませんが、そういうことなんです。
物理キーボードはプチッと押さないと反応してくれませんが、言い換えれば押さなければキーボードとしては機能しません。つまり「押さない状態」のキートップに別の機能をもたせたわけです。キーボードの上を押さずになぞると画面のスクロールをしてくれるのです。
そんな単純な機能なんですが、使ってみるとこれが異様に快適です。
画面を触らずに指で上下左右にスクロールできるのがかんなに快適だとは実際に使うまではイメージできませんでした。
機会があれば実機でこの快適さをぜひ試していただきたい。
私はこれだけでもう、ついこの間買ったばかりのXperia XZ1 Compactから乗り換えることを決めちゃいましたよ。
個人的にはそれくらい感銘を受けました。
誤解のないように補足しておきますが、「ただスクロールパッドがあればいい」というわけではないのです。物理キーボードがスクロールパッドにもなるということが、そしてそれが実用的かつ快適な捜査官であるから感動的なのです。
物理キーボードにはショートカットキーがありますが、この柔軟性が半端じゃないんです。
ショートカットキーと任意のキーの組み合わせに割当できる機能の自由度がすごい。
それだけでなく、任意期のキーの長押しでも機能するんですよ、奥さん!\(^o^)/
言ってみればキートップ一つ一つがショートカットアイコンみたいなものです。
いちいちドックやホーム画面に戻って目当てのアプリアイコンをタップする必要はなく、思いついたら即起動って感じでいつでも目当てのアプリや機能を呼び出せるのですから。
一度この便利さに慣れてしまうと、他のスマートフォンではイライラします。
問題は……あまり多くの割当をしてしまうと、「アレはどのキーだっけ」状態に陥ることくらいでしょうか。
もっとも殆ど使わないようなアプリや機能をわざわざ割り当てる必要はないので問題にはならないでしょうが。
評価的には最初に書いておくべきことかもしれませんが、物理キーボードの官能評価など。
なんというか、押し心地は素晴らしいと思います。さすが連綿とちっちゃいキーボードを作り続けてきただけはあります。それに一応フラグシップ機ですしね。
見た目よりはるかに押しやすいですし、ミスタイプなどはしにくいと思います。キートップの形も考えられていますし、コストが掛かっていると思います。
というか、このキーボードを眺めたり触ったりしているだけで「いい買い物をしたなあ」とご満悦状態になれます。
いわゆる「いいもの感」のあるタッチと仕上がりを持っています。
もちろん物理キーボード以外の筐体の作りや手触りなどにも安っぽい感触は皆無。
ハードウェアとしての官能評価はかなり高いと感じました。
GPD WIN2のキーボードで私が不満点の一つとして挙げたのが「バックライトがない」ことでした。
しかしKey2はちゃんとこれがあります。
なんというか、まさに老舗の貫禄。わかってるなあ、としみじみ感じます。
変な表現かもしれませんが、画面にアクセスする際の手間が少ないというか、そんな感じの話です。
まず、指紋センサによる起動が快適です。
センサの認識能力や反応の良さで、なんというか一瞬で画面が表示されるような軽快感があります。
起動方法はいくつかあります。
1.電源ボタンを押す→ロック解除(pinを入力するかパターン入力するか、指紋センサでロックを解除)
2.画面をダブルタップ→ロック解除
3.指紋センサに振れる(押さなくていい)
まあ、他のandroid端末でも似たような感じでしょうね。物によってはカメラによる画像認証や音声認証などでロック解除をするものもありますが、Key2にはそういうものは備わっていません。
で、普段使うのは圧倒的に指紋センサ。
そこに指を触れるだけですでにロック解除された画面がパッと現れるのです。
本当に触れるだけでスパパンッと画面が出ます。
Key2の指紋センサは、物理キーボードのスペースバーに内蔵されています。
Xperia系のサイドにある電源ボタン兼用ものと違って本体を保持する手と違う方の指で解除する動作が自然で楽です。
両手を使わないといけないという点ではXperiaなどより不便と言えますが、かなり軽快なので不便さよりその快適さの方が上回る感じです。
まあ、このへんは好みでしょう。
Key2に搭載されているいわゆるSOCはsnapdragon660というもので、いわゆるミドルレンジの立ち位置です。今使っているXperia XZ1 Compactに搭載されているsnapdragon 835で、こちらはハイエンド系。
つまり単純にスペックを比較すると劣りますが、私の利用する範囲でXZ1より遅いと思ったことは今の所一度もありません。むしろアプリの更新などでデータのダウンロード速度は速いんじゃないかと思えます。
これはRAMが6GBもあるからなのかもしれませんが、何をしても、多くのアプリを立ち上げたままでもまったく引っかかりを感じません。
もちろんゲームなどをすると差は出るのでしょうが、これは言い換えるとゲームをしなければ差はないということになります。
ゲーム目的でKey2を買う人はいないと思いますので無駄にハイエンドのSOCを搭載する必要はないのです。
賢明な選択であろうと思います。
まあ、想定ユーザーはビジネスパーソンでしょうから、SOCのスペックを競う必要などそもそもないのでしょう。その分、価格を抑えることが出来ているのではないかと思います。
搭載されている4.5インチディスプレイですが、サイズ、解像度ともにに見るものはありません。
今どきフルHD、つまり2K解像度(1920×1080)でもない1620×1080。
もっとも今使っているXZ1 Compactは4.6インチ1280×720なのでそれよりは高精細。つまり私としてはなんの不満もないのです。
むしろ16:9という普通のスマートフォンに多い長めの比率より3:2というKey2の比率の方がほぼ同じサイズながら画面が大きく感じますし、比率的にしっくりきます。
まあ、これも好みの問題でしょう。
それから、使う前に保護フィルムなどを貼ってしまう人が多い昨今、あまり意味はない評価かもしれませんが、裸の状態のディスプレイの指ざわり? はかなりヌルヌルで官能的だと言っておきましょう。
私にとってはどうでもいい機能なのですが、この端末は意外にもカメラには力を入れているようです。
昨今の「インスタグラム」を始めとするSNS写真投稿ブームを無視できないといったところでしょうか。
まあ、ビジネスシーンでもカメラは必要でしょうし、力を入れているというアピールのためにも見てわかりやすい性能であることは間違いありません。
2つのレンズを使って、例えば片方のレンズは人物にフォーカスを合わせ、もう一つのレンズは思いっきりアウトフォーカスで撮影して合成することで、背景のボケたポートレート写真なども撮れる……そうなのですが、個人的にスマートフォンのカメラに興味が無いので試していませんし、試す気もありません。ごめんなさい。(._.)
なので動画についてもそうですが、画質などの評価は割愛です。
ああ、私がスマートフォンのカメラ機能をカメラとして認めて使う日が果たしてやってくるのでしょうか。
バッテリの容量に加え、ミドルレンジのSOCを使っていること、そして解像度の低い(というか、高くない)ディスプレイを採用している事も功を奏しているのでしょう。バッテリーの持ちはかなりいいです。
XZ1 Compactは私の利用方法だと2日はムリですが、Key2は2日いけますね。
この差は大きいと思いました。
ちなみにコネクタ形状はUSB3.0のTypeC。
Wi-Fiのつかみがいいのにも驚かされました。
XZ1 Compactとの比較ばかりで恐縮ですが、例えば家のWi-Fiルーターとの接続距離が、あからさまにKey2の方がいいんです。
具体的にはKey2はルーターから最も遠い屋外、XZ1 Compactだと切断されるベランダの端であってもまったく問題ありません。
というか、エレベーター降りた瞬間に自宅ルーターに繋がっているほど。
Bluetoothのネゴ距離も長く、腕にはめているGARMINのVOVO Smart HR+とのネゴシエーションは家のどこにいても途切れる事はありませんでした(XZ1 Compactは場所によって途切れる)。
惜しい。
まあ、防水機能を搭載しているスマートフォンの方が圧倒的多数なので弱点と言ってしまうと語弊がありますが、防水機能が備わっていて当然と考えているXperiaユーザーとしてはまさに「うーん、惜しい」と言わざるを得ません。
この辺、Xperiaなどと違って物理キーボード搭載しているKey2的には「無茶言うな」ってところでしょうね。
ええ、文句はいいませんよ。
NFCについては外した理由がわかりませんが、この辺もBlackBerryの哲学が反映している仕様なのかもしれません。個人的にはあったほうが便利なんですがねぇ。
他人に見られないアプリ(うーん、エロいやつとか?)などを格納しておけるセキュアホルダーを作って管理できる、なんてことは当然便利でしょう。
個人的にはそれよりもPrivacyに関わるデータにアクセスしようとしているアプリを常時監視していて、「○○が××にアクセスしようとしています」なんて振動とともにアラートメッセージを出してくれたりします。
なんというか、このアプリを使ってみて、驚くほどの頻度で様々なアプリが個人データ部分にアクセスしようとしているのが可視化できたというか、改めて認識する事になりました。
嫌なら不許可とする動作も都度できますし、さすがセキュアが売り物だったビジネスシーン重視のBlackBerryですね。ある意味、このアプリはBlackBerryの「矜持」と言えるでしょう。
サイドにあるプログラマブルな「便利キー」が文字通り「便利」かも。
Xperiaなどにある「カメラボタン」の位置にあるのが「便利キー」で、これにいろんな動作を割り当てることができます。Xperiaより一歩進んだ使い勝手を提供してくれるということで、まだ使い込んでいませんが、ある意味、ショートカットキーの親玉的に便利に使えそうです。
画面の左右(どちらか)に配置できるタブもKey2のDTEK同様、ソフトウェア的な特徴の一つでしょう。
よく使う情報やメッセージなどをまとめておけるもので、SNSやメール、ニュース配信などをまとめておけば、隠れているタブをさっと広げるだけで「いつもの」情報に簡単にアクセスできるという機能です。
これもある意味ショートカット的な存在ですから、Key2って「ショートカット・ジャンキー」なスマートフォンと評価しちゃいたいくらい。
ひと目で他とは違うスマートフォンであることが、まずは最大の特徴でしょう。
希少性というか、他人とは違う感にヨロコビを感じる人にとってはこれはかなりの性能です。
ゲームで使った場合やカメラの性能は試していませんが、それら以外の用途に関してはまったくもって快適な反応をしてくれるスマートフォンです。
防水機能とNFCが必要な人にとっては残念ながらチョイスの対象にはならないかもしれませんが。
「ショートカット・モンスター」という称号を与えたくなるくらい、タスクへのアクセス性が圧倒的です。
これはまさに「ビジネスデバイス」の名に恥じない性能でしょう。
人とは少し違う個性的なスマートフォンがほしいな、などと思っている人はBlackBerry Key2、一考に値するのではないでしょうか。
個人的にはかなりオススメです。
といことで、スマートフォンとしてのKey2インプレッションは以上。
そもそもの本題である「至上の親指タイプマシンを求めて」的な評価については次回、「刮目して待て??」