今回は座右の銘であるその一石二鳥を諦めたというお話です。
引っ越しをするというのは、なんといいますか、当たり前ですがいろいろと「違う」部分が存在します。
間取りもそうですし、通勤経路や使っているお店など、住環境がそもそも変わります。
とはいえ今回はそんな大局的な問題じゃなくて、実はもっと地味に「クル」変化の吸収に一役買ってくれたアイテムの紹介です。
そのアイテムとは「タオル掛け」でございます。
間取りが変わるとか、通勤経路が変わるとかそういうのはなんというか変わりすぎてますのでむしろいいんです。
ある意味問題ない。というか覚悟の上で引っ越すわけですからね。
いや、覚悟の上と言うと大げさですが、思ってもみないストレスが発生したりした場合も含めて「そういう事態もあるだろうな」と、引っ越しする前から織り込み済みなんですよね。
ええ、発生したストレスを許容しているわけではなく、もちろん文句やグチは出るんですが、「しょうがいないよね」というしかないことですからね。
間取りの違いによる家具の配置なんかは引っ越し前から最も議論と研究を重ねる部分ですから、ある意味変化前提の問題です。
でも、実際に引っ越して新しい部屋で暮らし始めてみると問題になるのが体に染み込んだ「習慣」というやつです。
いまだに慣れないのが、システムキッチンの引き出し。
の、開閉方法。
以前は下側を持って引き出していたんですが、新居のキッチンは上側を引っ掛けて引き出すタイプ。
いまだについ引き出しの下側に手を入れようとしてなにもないのに突き当り「ちっ」という感じになること多し。
そんでもって、引き出しの中身の大きさ(フットプリント)や容量、数、もちろん場所(レイアウト)なども違ってますから、今まで何も考えずに体が覚えていたキッチンでの動きがスポイルされてます。
要するにこれらは間取りというか広義でのレイアウトの違いから生じる問題なのです。
引っ越し直後はなんというか、大物は問題がないのですが、そういう動線を吸収する為の小物っていうのがなかなか導入し辛いんですよね。
とまあ、ごちゃごちゃ書いてきましたが、要するに我が家はまだまだ引っ越しが終わって「落ち着いた」という状態までに達していないのです。
なんというか、体が馴染んでいない。
さすがに「よその家」感はありませんので、違和感というかしっくり来ない部分を引きずったまま生活しているような状況です。
共働きなので平日はなかなかそういう懸案事項のツブシ作業はできませんのでそういうのは週末に時間をとってミーティングを重ねている段階です。
焦らず、徐々に、ですな。不思議な冒険じゃないですよ?
そんな感じでこれも引っ越しにまつわる備忘録として各懸案事項の顛末を書いていこうと思っております。
そういうわけで洗面所です。
新居の洗面所はマンションにはよくある洗濯機置場を兼ねたもの。そして風呂場と直結していて脱衣所としても機能します。これもよくあるというか普通ですよね。
そこまではいいんです。以前も同じでした。
新居の洗面所については基本的に気に入っているんです。浴室の半透明な扉経由で外光もたっぷり入るし、洗面台は二人並んでもゆったり使えるくらい横長に大きくなったし、目の前は天井まで全面が鏡で、それが三面鏡的に可動するという、これまたけっこう流行りらしい機材です。もちろん三面鏡的に可動する鏡はそのすべてが扉になっていて、その後ろ側は壁全体が収納スペースになっているなどなど、全体的に以前より快適になりました。
変化というか問題はそのタオル掛けの位置と大きさ。もしくはタオル掛けを設置できるスペースが皆無である間取りそのもの。
洗面所には一応、一箇所だけ申し訳程度にタオル掛けが造り付けられています。
でも、ワイズが狭い。ハンドタオルを半分折りにしないとかけられない程度。まあ、そうやってかけるしかないのですが。
で、それだけだと足りないんですよ、我が家的には。
「不便」ではないんです。
足りないなら増やせばいいんですが、増やそうにも後からとってつける場所がない。
つまり「便利じゃない」。
実に微妙な言い回しの使い勝手なんです。
こういうのはその家庭によっていろいろ流儀というか好みというか性質というか性癖……じゃなくて習慣的なものがあるのでAさんちにとってはなんの問題もないレイアウトだったりするのに、Bさんちである我が家では悩ましい問題になるんだと思います。
そしてそれは引っ越して初めて分かるんですよね。
こういう細かいところまでは事前に考えません。なぜなら他に色々考えないといけないことが多すぎるから。
基本的にものぐさなBさんである我が家は、几帳面な行動様式をとっているAさんの家庭からすると「ちょっと何言ってんのかわからない」事に悩んでいるのかもしれません。
洗面所で顔を洗った際、濡れた顔を拭くバスタオルが「手を伸ばしたところにない」というのがまず一つの問題。
次にその顔を拭いたバスタオルを乾かしておけるモノ(タオル掛け)がないというのが2つ目の問題。
以前は目をつぶっていても振り向いて手を伸ばしたところにバスタオルがかけられていて、そのまま顔を拭いて手を離せば乾いてくれる、てきなタオル掛けがあったのです。
それが今回は振り返ると風呂場の扉。
以前は振り返ると壁。なので壁に干すのにも適したタオルハンガーを設置できたのです。
それが今回はダメ。
というか、新居では基本的に洗面所には壁がなくなりました。
すべて壁か収納か扉。
いわゆる扉は風呂場と廊下とキッチン側に3つあり、風呂場以外はすべて引き戸、そしてその内側になっているので、可動する壁みたいなものでここには基本的に何も取り付けられません。
そしてそれ以外はすべて収納庫の開閉扉。
うーむ。
収納スペースがそれなりにあるのはいいし、無駄がないといえば無駄がないのですが、無駄がなさすぎてカスタマイズ性が低いんですよね。
仕方がないので開き直ってこんなことしてました。
ええ、収納扉にクリーニング帰りのワイヤーハンガー使って引っ掛けておくという……。
あ、これはばタオルじゃなくてバスマットですけどね。
ちなみにこれだと乾きにくいので、実は小型のサーキュレーター使って下側から風送って乾かしてます。まあ、あっという間に乾くのでいいのですが……。
そもそもみっともない、というか見苦しいですよね。洗面書に入ったら収納庫の扉の一つにタオルがぶら下がっているとか。
なのでここは「最重要検討事項」として引っ越した当日からずっと議論されてきた案件なのです。
しかし「これ」という解決策がないままズルズルと時間だけがすぎていくばかり。
なので、ついに先日我々はある決断を下したのです。
すなわち
「一石二鳥」改め「二兎を追う者は一兎をも得ず」
「目をつぶって手を伸ばしたらバスタオルがそこにある」ことと「バスタオルを乾かすハンガー」を同一にしない、という、ものぐさな我々にとってはまさに苦渋の決断です。
ではどう対処するかというと、
「顔を洗う時はそばに洗面台にバスタオルを置いておく」
「顔を拭いたら、バスタオルはタオルハンガーにかけておく」
という、たぶんですが普通の几帳面なご家庭(Aさん宅)であれば普通の手順を踏むことにしたのです。
さようなら、ものぐさロジック。
まさに断腸の思い。
顔を洗う時に、いちいちそばにバスタオルを準備しておくなんて……。
めんどくさー。
ということで、タオルハンガーを単体で考えればいいことになりました。
つまり動線的に邪魔にならず、かと言って架け外しが不便ではない場所にハンガーがあればいい、ということで、白羽の矢を立てられたのが洗濯機の側面。
一石二鳥は諦めましたが、ただでは転びません。
新たに住居側の躯体をスペースとして削るのではなく、選択していないときはただのデクノボーである洗濯機を活用することで、一矢を報いたということでございますね。
私は一体何と戦っているのでしょうね。
そう、洗濯機のサイド部分にハンガーを貼り付けるんです。
ここは鉄(ステンレス)。
そしてチョイスしたのが今回ご紹介するこれ。
山崎実業のTOWERシリーズのタオルハンガー、その名も
「洗濯機横マグネットタオルハンガー2段 タワー ホワイト 2956 」
なんというか、身も蓋もない?商品名というか、極めてわかりやすいというか、割とシンプルでおしゃれっぽいパッケージのTOWERシリーズなのに商品名がなんか合ってないというか……。
うーん。
なんかなかったんですかね、もっといい商品名。
これ、例えるなら重い宿命を背負った主人公が血反吐を吐きながら世界を救う系のシリアスなダークファンタジーなのに、その主人公の名前がなんかミスマッチというか。
具体的なイメージとしては、アレですよ、「鋼の錬金術師」。
ハガレンが作品としてイケているのは、主人公の名前が「エドワード・エルリック」と「アルフォンス・エルリック」という耳障りがよくてなんとなくかっこいい「エルリック兄弟」という響きが秀逸であったからじゃないでしょうか。
その兄弟の名前がエルリックじゃなくて「ヘンナ・パーヤネン」と「パンツ・パーヤネン」という「パーヤネン兄弟」だとしたら、なんというか同じキャラ、同じストーリーであっても、なんかモヤモヤするというか、アレほど人気が出かどうか……。
「兄さーん!」
「パンツー!」
みたいな大きな吹き出しが何度も出てくるんでしょうな。
アニメだと声優さんが悲壮な声で「パンツー!」と叫ぶ声がお茶の間に響くのでしょう。
なんかシュールですなあ。
そして彼らにやられる敵役が相対的に低く見られる気がしますね。
「あれが噂のパーヤネン兄弟か」
みたいなセリフも多々でてきそう。
それを見るたびに「それって、どんな噂やねん」とツッコミを入れてしまう自分が想像できます。
「お笑い大会で優勝でもしたんか?」みたいな?
というか、その兄弟、しょーもないことしかしてないんちゃうん? みたいな
あと、パーヤネン兄弟だとセリフは絶対関西弁でしょうな。
しかし、フィンランドって関西との親和性の高さ、ハンパないっすね。
関西国際空港から直行便が出てるのもうなずけます。
そういやそれ、私も一度使いましたっけ。
閑話休題。
洗濯機横マグネットタオルハンガー2段 タワー ホワイト 2956 の話でしたね。
「タオルハンガーをデッドスペース的な洗濯機のサイドにつけるといいんじゃね?」
「貼り付けるのはイヤなので、簡単に位置が変えられるマグネット式にしよう」
「よし、じゃあどんなのがあるか調査開始」
みたいな感じでチェックしたわけですね。
「洗濯機 マグネット タオルハンガー」的なGoogle検索ですな。
便利な世の中ですよ、まったく。
で、たぶん一番上の方に出てくるわけですね、山崎実業の「洗濯機横マグネットタオルハンガー2段 タワー ホワイト 2956」が。
まず、色が白。
これは我が家の洗濯機横と同じだし、タオルを掛けてない時でも変な自己主張はしないと思われます。
でもヘンナ・パーヤネンなんて名前だったらどれだけひっそり生きてても名前だけで自己主張激しすぎですな。
いや、パーヤネン兄弟の話はもうええですよね。
デザインも実にシンプル。
しかも「二段」というのがキモです。
そういえばキモネンというフィンランド人も……ってやめておきましょうね。
二段だと最大二枚掛けられますし、一枚をワイドに掛けて間に風を通すなんていう使い方もできますので機能的です。
あとはマグネットの強さ、つまり耐荷重ですが、こればかりは現物を見てみないと実際はわからない……。
ということでポチりました。
ちなみに通販ですが、Amazonではなく、今回はGILTでございます。
結局アメリカ企業なわけですが。
日本の会社の製品をメリケン企業から買うという、この文字にすると回りくどくなるものの、もはやどこでもシームレス、みたいな買い物環境ってすごいなあ、とつくづく思います。
今でこそ当たり前みたいに思っていますが、本当にすごいことだなあ、としみじみとしてしまいます。
そのうち中途半端な小売店とかなくなっちゃいますかね……。
あ、でも老人が大半を占めている日本の場合はキャッシュレス化もあと50年くらい掛かりそうですし、言うほどあっという間には変わらないかもしれませんね。
で、到着したので早速使ってみました。
梱包はシンプル。
IKEAほど真っ白じゃありませんが、たぶん影響を受けているんじゃないかな、という気がします。
取り出してみると実物は予想以上に重い。
カタログデータは998gだそうですが、もう1kgでいいんじゃね? と思うんですがね。
素材はたぶん鉄。それに白塗装。
大きめの調歩系のマグネットが3つ貼られていて、これも重さに一役買っていそう。
サイズは40×8.5×8cm。
我が家が使っているバスタオルは大きめで揃えているのでワイズ、つまり幅が足りないのですが、そもそもこれはバスタオルハンガーではなくタオルハンガーなのでその点について文句を垂れるのはお門違いですね。サイズは分かっていて買いましたので。
それよりフィッティングがすこぶる良くてちょっと笑っちゃいました。
というか、「もともとそうなんとちゃうんですか?」的な収まりの良さ。
懸念していた耐荷重もマグネットが強力で、そりゃもう「ビッターン!」と張り付いてバスタオルの一枚や二枚じゃ微動だにしない感じです。
というわけで、けっこう気に入ったお買い物でありました。