とはいえ、失敗は失敗。
そして失敗は教訓にしなければなりません。
いやね、パンを作ったんですよ。
作ったのはヘルシー系の「大豆粉ふすまパン」です。
王道のPanasonicではなくTIGER製のホームベーカリーをチョイスした理由の一つがこのパンなのです。
ちなみにTIGERのレシピに記載されている材料は次の通り。
・大豆粉 65g
・ふすま粉 30g
・小麦グルテン 75g
・生卵 50g
・水 110cc
・バター 20g
・エリスリトール 20g
・塩 3g
・ドライイースト 1.5g
とまあ、こんな具合で、ミックス粉のようにあとは水を入れるだけってわけにはいかず、けっこう複雑(材料が多い)です。
なお、ぴったり50gの卵なんてありませんので、水と合わせて160ccにしろ、という指示があります。
でも、アレですね。
卵Mって書いてあるヤツ、優秀ですね。ほとんど50gで誤差はいつも2~3g程度です。
これらを入れて、あとはこのパン用の専用メニューを選んでスイッチを押すだけです。
材料が多いだけで、実はやることは単純。ホームベーカリーってマジすごいですよね。
ちなみに失敗したこの大豆粉ふすまパンですが、初めて作るというわけではありません。
既に我が家の朝食パンとしては定番でして、たぶん今回が5回目か6回目の制作だったと思います。
まあ、むしろ慣れから来るミスだったことが後ほど判明したわけですけど。
ついでに書いておくと「大豆粉ふすまパン」の特徴では、
・膨らみにくい(イーストのエサである砂糖がないから)
・タイマー焼成ができない(生卵を使うので、主に衛生的な見地でメーカーが許可していない)
・正直に言うと「美味い!」パンではない(個人の感想です)
対して美味くないパンをなぜ定番にしているかというと、そこはソレ、食パンなんていう高カロリーな食品を毎朝毎朝食べるなんて不健康な事は避けるべき、というわかったようなわからないような理由です。
六枚切りや八枚切り一枚が基準の関東圏の食パン事情と違って、関西系は四枚切り一枚が一食という感じです(もしくは5枚切り)。
実は我が家も5枚切りでいこうと考えていたのですが、諸般の事情で四枚切りになりました。
諸般の事情も敢えて書いておきますと、
◆ホームベーカリーの食パンサイズは、いわゆる市販の食パンサイズよりやや小さい
◆購入した食パンをカットするスケールとTIGERのホームベーカリーで作られる食パンとの組み合わせだと、5枚切りが切りにくい
◆ガイドの位置合わせが容易な四枚切りが、色々と面倒がなくていいんじゃね?
ということに。
ついでに「色々と面倒がない」という「色々」について説明しておくと
◆二人で食べるので、四枚切りだとちょうど二食分で食べきれる
◆いろんなパンを作りたいので、「あまり1枚」ができるとなんとなくリズム? が狂う
◆手持ちのフリーザーパック(ジップロック)のサイズが、ちょうど四枚切り二枚分のサイズだった
※ちなみにパンそのものは一枚ずつポリ袋小に入れて冷凍させています
つまり割り切れない5枚切りより割り切れる四枚切りでいこう、ということに落ち着いたのです。
えっと。
そうそう、大豆粉ふすまパンの失敗について、でしたね。
何が失敗かはトビラの写真のとおりです。
要するにこれは「膨らみすぎ」というヤツです。
一目見てわかりました。これが噂の? イーストの過発酵といわれる現象です。
過発酵による膨らみすぎがなぜいけないかというと、中に大きな空洞ができてしまう事。だから冷えるとご覧の通りしぼんじゃうんですよね。
まあ、キメが細かくないだけで、食べ物として耐えられないとかそういうものではないので普通に食べられます。
もともとそれほど美味しいパンじゃないのである意味キメが多少粗かろうが違和感なく食べられるので、ある意味見てくれだけの問題なのかもしれませんが、カットしにくいんで。(´д`)
不幸中の幸い? なのは最近はドライイースト自動投入機を使っていなかった事、今回はレーズンパンにしなかったので、具材自動投入機も使っていなかった事。要するにパンに押されて途中で蓋が開いたりせず、焼成自体が失敗にならなかったことでしょうか。
膨らまないのが特徴のパンなのに、なんでこんなに膨らんでしまったのか……。
というか、なぜ過発酵したのか?
最初に疑ったのは水温です。
今回は、少しドライイーストの発酵の手助けをしてやろうかと思って、水道から出た水ではなく、少し置いた水、つまり水道水よりはやや温度の高い水を使用した事なのですが、比べて見たところ目くじらを立てるほど、要するにドライイーストがあれほど過発酵するほどの差はありませんでした。
うーん。初心者に原因追及は難しいなあ……と色々と手順を考えていて、フト思いつきました。
「塩」です。
そうなんです。今回、私、「慣れ」が災いして「塩」の投入を忘れていたのです。
前回まではレシピ本(というかマニュアル)を見ながら全部の材料を量って、マニュアル通りの手順で作成していたのですが、今回はさすがに完全に暗記してしまっているのでマニュアルなしで作業をしたのです。
材料の重さや手順は当然全て暗記していますけど、目の前にある紙に印刷された文字の通りに行動するのと記憶に頼って動くのとはちょっと、いや「指さし確認」という点において大きな違いがあったようです。
今回はその「おさらい」部分がなかったのでした。
ちなみに「塩」は、もちろん味の問題もありますが、イースト菌のブレーキ役という側面も大きいのです。
塩はイースト菌の発酵を押さえる働きをします。今回はそのブレーキ役がいなかった為に、イースト菌が調子にのってやりたい放題してしまったという訳です。
それでも、今回の失敗は冗談抜きに「いい勉強」になりました。
これがパンこね用の羽根を装着し忘れてたりすると、そもそも食べられない塊が焼成されていたでしょうからね。
「慣れ」による失敗をするな、という大きな教訓を得た上に、パン自体は普通に食べられるものだったので痛みを伴わない失敗で、得たモノは大きいというかなんというか。
そうそう、あまり美味くもない大豆粉ふすまパンを食べる利点はヘルシーさ以外にもあります。
それは「他のパンがよりいっそう美味しく感じる」からです。
一応、「大豆粉ふすまパン」と「その他のパン」を日替わりで食べることにしています。
つまり二日に一回食べるパンが「めっぽう美味しい」んですよ。
大豆粉ふすまパンを食べる事により、有難みが増すというか。これも一つのギャップ萌えというか……。違うか。
参考までに、「大豆粉ふすまパン」のコストは、「基本の食パン/パン・ド・ミ(熟成食パン)」の約1.5倍で、313円/1斤です。
高くてマズ……美味しくないなんてね。(・∀・)
ということで「初心忘るべからず」というお話でございました。