100%、タダのアホです。
はい。<(_ _)>
さて、前回のあらすじ。
15年前に賞味期限が切れたドライイーストを見つけた私は、そのイーストを試すことを決意したわけです。
食パン一斤分のロスを覚悟で!
断腸の思いで!
なぜかニヤニヤしながら!
というわけでさっそく。
1)「基本の食パン」のレシピ通りに材料を投入。
2)15年前のドライイーストを投入機にセット。
3)パイルダーオン!(注:釜を本体に挿し、カチっと音がするまで押し込んだ後に本体のフタをする一連の動作の事)
4)タイマーオン!
5)スイッチオン!
怨怨怨。
パン作るだけでどんだけ呪うのか。(´д`)
いや……。
つまらないボケツッコミはおいといて、ともかく実検に取りかかったのは遅かったため、その日はそれで寝ました。4時間もただ待ってられませんからね。
成否は翌朝のお目覚め時、一応6時に先送りする事に。
うまくできていれば「ドライイーストって15年前でもオッケーなんだなー」と生命の神秘に思いを馳せながら焼きたてパンを食べられます。
失敗していても、いやむしろ失敗というのはどういう状態で失敗するのか? そっちの方が興味深いわけです。
まったく膨らまないのか?
ガチガチの塊ができるのか?
食べられるのか?
食べるのもキツいものになるのか?
爆発するのか?
いやあ、いろいろと夢? が膨らみますね。
夢よりパンが膨らんで欲しいところですが。
とはいえ、成功率は低い。
というか、失敗は織り込み済み?
むしろ失敗かもーん! みたいな?
いやあ、やっぱり失敗ってロマンですからね。
失敗こそが唯一の大きな飛躍の為のカタパルトと言っても過言ではないと思います。
そんな妄想を胸に、私は眠りについたのでした。
そして朝。
待っている人にも、怖れている人にも等しくやってくる朝。
そしていつものように早起きの私。
残念ながらというか、やっぱりというか、アタリマエですがKBD-X100WFは爆発してはいませんでした。
リビングにはパンを焼成するいい匂いがただよっております。
そんなKBD-X100WFの前で正座してできあがりを待ち構えていると、指定時間ほぼぴったりに焼成終了の合図が「ピー・ピー・ピー」と鳴り響きました(注:別に響くほど大きくはありませんが)。
逸る心を抑えつつ、オーブン用のミトンを両手に填めて、期待に胸を膨らませて本体の蓋を開けました。
「うーん?」
口から出た言葉はこれ。
要するに結果は「ビミョー」
一応パンにはなっているもようですが、一目で膨らみが足りない事がわかります。
こんな感じ。
普通に焼くよりざっと7~10cmも低い。
でも、くどいようですが一応パンになってはおります。
ここでパンの定義を議論するつもりはありませんが、たぶんこれを単体で見た1000人のうち1000人がこれをパンだと言うに違いありません。つまりこれはもう、パン以外の何ものでも無いといおうことです。
そうすると、パンは焼けたということになり、実検は「成功」と言えるわけです。
何しろ化学の実検には成功か失敗しか存在しないのですから。
ああ、なんてデジタルなんだ。
んなわきゃーない。ヽ(*`Д´)ノ
さっそくその「パン」を食べてみました。
何しろ2003年に賞味期限が切れたドライイーストで出来たパンです。
まるでそのパンは時空を越えて私の目の前に存在しているかのようです。
両手を合わせ念仏を唱え(なぜ?)、まずはそのまま何もつけずに千切って口に入れて咀嚼をしたところ……。
「んん?」
続いてもう一口。
咀嚼。
嚥下。
「うまくない?(注:美味しいね、という相手に同意を求める現代語)」
いや、なんというか、食べると普通に美味しいですけど。(・∀・)
その後は何事もなかったかのように? バターやスプレッドをつけて美味しくいただきました。
だがしかし。
まったく同じではないはずです。
さっそくミーティングが開かれました。
私:「なんか気付いた事ない?」
同居人:「なんか普通のヤツよりもっちり感がある気がする」
私:「確かに。ただ、もっちりというよりはもっちゃり、というか、ニュアンスが違う気がする」
同:「同意。膨らみが足りない分、そういう食感になるのかもね」
私:「これだけで食べると美味しいけど、比較するとやっぱりちょっと味が落ちる気がするよね」
同:「同感」
そう。
比較すれば一目瞭然というか一口瞭然。正しく焼けたパンよりは味はチト劣ります。
なので焼きたてではなく、トーストにするともう少しパン感が出る気がしますね。
うーむ。
失敗じゃないけど成功というにはあと一歩足りない気もするし、普通にたべられるんだから成功といえなくもないし、なんというかまさに微妙。
どうにも中途半端ですね。
個人的には失敗だとおもっていますが、その失敗感がイマイチ弱いというか。
風邪引いたし、熱っぽい。これは会社を休めるぜ、と思って体温計で測ったら、36.9℃だった感じ?
要するに「ドライイーストは生きている。だがあまり元気がない」というところでしょうか。
そこでちょっとネットを調べてみました。
すると、ドライイーストの発酵を促す為に、水の一部をアルコール、具体的には料理酒などを使うと古いドライイーストでもふっくら仕上がる「事もある」そうな。
さっそく試してみました。
だって面白そうじゃん。(・∀・)
で、間を端折って結果を報告しますと、これが「まったく同じ」でございました。
うーむ。
少し悩んだ後、私は断腸の思いで苦渋の決断を行いました。
「賞味期限2003年のドライイーストは捨てよう」
「ゴメンよ、使えないわけじゃないけど、やっぱより1ランク落ちるパンができるとわかっていて使う訳にはいかないんだ」
そうつぶやきながらゴミ箱にドライイーストを放り込んだのでした。
食べ物を捨てるという悲しい出来事があったばかりですが、それでも私の心にはもう一つの希望がありました。
それが、コレです。
そうです。
賞味期限が2014年のドライイースト未開封新品一箱です。
2003年ものに比べると超新鮮じゃないですか?
ちなみにおフランス製です。
そうなんです。
引越のドサクサでパントリーから発掘されたのは、2003年ものだけじゃなかったんです。もう一つ、2014年ものもあったのでした。
その差11年。
これはもう、試すしか。(・∀・)
長くなったので、続く。