まあ、RX10M4がオーパーツじゃなかったってことはすぐにわかったんですけどね。
一瞬でもそんな夢を見た自分のオツムのお花畑っぷりには呆れるばかりです。
だって、数日使っただけですが、私にとっては良いところより欠点の方が圧倒的に多い気がするんですよ、このカメラ。
要するに「全能感」どころか、むしろ「使えねーな、お前」感がハンパじゃ無い感じ?
「寝落ちしないうちに新品同様品として売るか」
現時点ではほとんどそう考え中です。
とはいえ、感想文は書いておきましょう。
ということでRX10M4を使ってみて感じた事をいろいろと書いていきたいと思います。
というか、けなしまくるぞーヽ(*`Д´)ノ
まずはいきなり画質の話から。
いつも書いてますが、画質なんて人それぞれの好みですし、何かと比べての相対評価である場合が多く、その時点で一般的なものとはいいにくくなります。また私に関してはこう言っちゃなんですがその日その時の気分で同じカメラの評価が変わったりします。なので定量化した評価なんてできねーよ、というスタンスなのですが、まあ、それでも敢えて今の気分を書いておこうと思います。
レンズの優劣があるのでアレですが、そっち側の問題を除いた評価だと思って下さい。
まず、同じ1インチセンサーを使っているNikon 1シリーズよりはいいです。
でもX-E3にはまったくかなわない。
さらにμ4/3にも届かない。
でも1/2.3型の極少センサーのカメラと比べるのはさすがにRX10M4に失礼。
そんな立ち位置です。
小型センサーのカメラは論外として、じゃあμ4/3やAPS-Cのセンサーを使ったカメラとどこがどう違うのかというと、それはもう明らかです。
「階調性」
それがまったく違います。
なので階調性が求められない画像同士だと「タメを張れる」んです。
それからもう一つ違うのが高ISO耐性。
要するにISOが上がると画像が破綻する度合いが強いということです。
これはもう、どちらも物理的なサイズの違いに起因するもの、つまり物理の法則なのでどうしようもありません。
もちろん性能の悪ーーーいAPS-Cセンサをスチャラカな画像エンジンを使って生成した画像より、最新の1インチセンサーと画像エンジンを搭載したRX10M4を比べたら後者の方が明らかに上、ということはありえるかもしれませんが、それは「前提」を無視した話です。
どちらも最新版で比較しないと意味がありません。
画質の話の続きですが、その「画質が悪い」と思うのはどちらか一方の理由ではなく、私の場合はほぼ「合わせ技」によるものです。
だって高ISOになるほど階調性が失われていくわけですから。
具体的には「室内において、定常光を使ってブツ撮りをする」というシチュエーションにおいて、「ああ、これは使えねーわ」と思う事が多い、という感じです。
実は今回、RX10M4に一番期待していたのは、この室内のブツ撮りでした。
でかくて重くても室内であれば携帯時のストレスとは皆無ですし、24-600mmで、テレマクロっぽい事も可能なら、すレンズ交換も不要。もうコレ一台でオッケー? と思った私を誰が責められましょう?
でも、全然……というと語弊がありますが、ダメでした。
RX10M4を使うくらいなら、例えばX100Fのデジタルテレコンを使った方が断然綺麗に上がります。
RX10M4の場合、特に白飛びがひどい。白飛びを押さえようと露出補正をするとあっと言う間に暗い部分が潰れてしまう。
特にこういう銀色金属系のブツ撮りなどは大の苦手。ノッペリとして平面的になってしまいます。
そこで「できるだけダイナミックレンジが稼げる設定を使おう」となるわけですが、RX10M4の場合だとパラメーターをいじる余地がほとんどありません。
せいぜい色あいを「スタンダード」から「フラット」にするくらい。
HDR処理というものもありますが、これは数Shot撮影したものを合成するものなので基本的に三脚にすえてつかうもの。
ンなことするくらいならX100Fのデジタルテレコン使った方が簡単で綺麗だろ? って事になります。
そのままでもRX10M4が裸足で逃げ出す階調性を確保していますが、さらに階調が欲しい場合、X100FやX-E3には、FUJIFILMが誇るHDR処理がありますからね。
正直にいって最新の1インチセンサだったらもう少しマトモになっているかと思ったのですが、これについては期待が高すぎた模様。実際には大した進歩はないと感じました。というか、APS-Cと比べると決して越えられない大きな壁があるのだな、という「格差」を思い知る事になっただけでした。
結論:「135判フルフレーム並の画質」、とかは「断じてありえない」。
画像処理前提だろうと無かろうとそんな事はどうでもよくて、出てくる画像が全てというスタンスの私に言わせると、センサーの解像度とレンズの高性能っぷりからくる解像感は「素晴らしい」としか言いようがありません。
そうです、これについてはもう、手放しで褒めるしかないというか、完全に脱帽です。
なので画像の鮮鋭度、収差を含む画面全体の均質性、歪曲の少なさなどを画質と捉えるならば、135判フルレームのボディにサードパーティ製の安いズームレンズをとりつけて撮った画像より明らかに「上」です。
というか、レンズ交換式カメラの広角から望遠までをカバーする高倍率ズームでRX10M4のレンズに太刀打ちできるものがあったら是非おしえていただきたいくらいです。
プロやハイアマのマストアイテムとも言われる135フルフレームをカバーするF2.8通しのハイエンドズームレンズが各社から出ていますね。標準ズームの24-75mmと、望遠ズームの80-200mmがそれです。
私が知る限り、80-200mmには多少かなわないところがありますが、標準ズームの24-75mmとかは総合性能で比較するともはや完全に凌駕しているんじゃないかと思います。
「ンなこたーない」と思われる人もいるでしょうが、「果たしてそうかな」というのが私の意見です。
少なくとも収差や画面の均一性などはRX10M4を上回るレンズなんてないんじゃないでしょうか?
撮影した画像同士で比較して「画質がいい」と思える要因は、レンズじゃなくてセンサーの画質なんじゃないでしょうか?
プロでもないのにでかくて重くて、おまけに値段が高いレンズを見栄のために装着してドヤ顔で写真をとる時代じゃないんですよ。
24-75mmF2.8を一本買うより、RX10M4を一台買うほうが幸せになれるような気がしてなりません。
だってRX10M4だと、80-200mmどころか、600mmF4.0までついてくるんですからね。
ボケ?
画質?
あなたが取ってる写真、本当にそんな要素にこだわる必要がある写真ですかね?
ええ、ホントーに余計なお世話ですね、すみません。
でもRX10M4のレンズの描写力「だけ」を見ているとそんなことを本気で思ってしまいます。
私?
いや、エラそうな事を言っているように思われるかも知れませんが、私は全然ダメですよ。まさに「そんな要素にこだわる必要以前の話」みたいな感じです。
というか、留まっている鳥を写すのがせいぜいですからね。
カラスとかスズメとか、あと鴨川名物? のトンビとか
「見せてもらおうか、600mmの実力とやらを」ってな感じで、通勤途中にちょっと足を伸ばして鴨川でカモでも、とか思ったんですがセンスも腕もないと漫然とした写真しか撮れませんね。出勤前の慌ただしい数分だと特に、なんて言い訳しておきましょう。
あと600mmでは短いって思っちゃいますね。
まあ、少なくとも私はもう24-75mmF2.8と80-200mmF2.8というハイエンドズームレンズは買うことはないと断言できます。
※16-35mmF2.8はほんの少し可能性がある、かもしれません。(・∀・)
そういうわけで、結論。
「1インチというセンサーが馬脚を現すようなシチュエーションがさほどない、つまり日中の屋外が主戦場? の人はRX10M4の導入を真剣に考えて欲しい」
そう本気で思ってます。
「D850と24-75mmF2.8をRX10M4に変えたら、肩凝りがウソのように解消しました」
「D850と80-200mmF2.8をRX10M4に変えたら、腰の痛みから解放されました」
「A900をRX10M4に変えたら、彼女ができました」
みたいな?
って、なんか全然けなしてないな。(´д`)