プラスされた機能編とでもいいましょうか。
・フロントのコマンドダイヤル(ただしX-T10にはあったので全くの新参ではない)
ええ、上位機種とかX-T二桁シリーズにはある、フロント(サブ)コマンドダイヤルがX-E3に搭載されました。
こうなるとなんというか、ほとんど「X-T20のチルト液晶レス版」に近くなってきましたね。
とはいえコマンドダイヤルが前後にあるのは歓迎です。
もっともFUJIFILMとしてはX-E3にはフロントコマンドダイヤルとか着けたくなかったのかもしれませんが、そこはまあ「操作系の統一」というヤツでしょうかね。
というのはアレです。
新しい世代のFUJIFILM Xマウント用ボディですからX-Pro2から採用されている「天面の露出補正ダイヤルなど使わない、今風の人向けロジック(Cポジション?)」を搭載する必要がありますから。
Cポジションを運用する為にはなんだかんだで、もう一つダイヤルが必要だったのでしょう。
で、まんまX-T20の機械部分をブチこんだ、と。
いや。ひょっとしたらX-T20の機械部分を流用すると、どうしてもフロントコマンドダイヤルもついてくるから仕方なく穴(スリット)を開けた、というのが正解かもしれません。
「しかたねえな。じゃあCポジションもつけといてやるよ」みたいな?
やっぱりどう考えてもX-E3ってX-T20の双子機ですよね。
なんというか、フロントコマンドダイヤルの追加だけだとプラスにしにくいんですが、それでもやっぱりプラスはプラスなので5点追加(持ち点はあと75点)
・ジョイスティック……じゃなくてフォーカスレバー
十字ボタンを廃し、フォーカスレバーを搭載。
これこそがX-E3の最大の特徴といっていいでしょう。
私はX-Pro2で慣れてます。
というか昔からジョイスティック付きのデジタルデバイスを触ってきた私のようなユーザーからするとこのフォーカスレバー、「再評価されたか!」という思いでいっぱいです(たぶん昔は堅牢性の確保に難があってフェードアウトしたと思われます)。
これ、とてもいいです。
基本的に撮影時のAFターゲット移動用ですが、当然ながら「方向レバー」の役目を持っています。
メニューの操作もこのレバーでできますし、要するに今まで十字ボタンが担っていた役割は基本的にこのフォーカスレバーがカバーできます。
また十字ボタンの真ん中にOKボタンがあったように、このフォーカスレバーは押下可能。OKボタンの役割を担います。
AFターゲット移動後も、リカバリは簡単。このレバーをプッシュ(押下)すればセンタリングしてくれます。
なので本当に使い出がありますよね。
十字ボタンと違い、常時接触型インタフェイスという点も操作性の良さに繋がっています。常時接触型とはつまり指の移動距離が皆無というかレバーに触ったままグリグリ動かすだけなので「息を吸うように」使えると言っても過言ではないでしょう。
この操作性に自信があったからこそ、十字ボタンを廃止する快挙を(敢えて書こう、快挙だと)なしえたのでしょう。一部疑り深いユーザーからは「耐久性に不安がある」なんて言われるかもしれませんが、そういう人って、歩いていても頭の上に隕石が落ちてこないかと心配で心配で夜も眠れないのでしょうね、きっと。
出っ張り具合も高からず、低からずで違和感がありません。
もちろんこのフォーカスレバーというかジョイスティック、他社では既に採用されているモデルがあるわけで、FUJIFILMの専売特許でもなんでもありません。むしろ後追いです。
でもこういう後追い、モノマネは大歓迎です。「デザインをLEICAっぽくしました」みたいな志の低いマネとはまったくレベルが違いますから、これからもどんどんやっていただきたいと思います。
たぶん、デジカメのメインインタフェイスはゆっくりとこのジョイスティック型が浸透していくでしょうね。
というか、せっかくのフォーカスレバーなのにX-T20には搭載してませんね。そこまでなんでもアリだと収益のいい上位機であるX-T2が売れなくなっちゃうからムリヤリ外したのでしょうか。
FUJIFILMの場合、X-T20でもX-T2でもX-Pro2でもX-E3でも出てくる画質は同じですから、「防塵防滴がー」なんていう人以外はほぼX-T20でオッケーですもんね。上位機種には機械的、あるいは機能的なアドバンテージがあるだけであって画質そのものはどのカメラも同じって、そもそもフィルム時代はそうだったので、FUJIFILMの現状が普通なのかも知れません。
ジョイスティック(フォーカスレバー)の話ですが、X-E3に敢えて搭載したのは「シンプルなカメラ」とやらを謳うため、つまりX-E2からの買い替え需要を喚起するためにどうしても劇的な変化としての十字ボタンの廃止が必要だったのでしょうね。X-E2とX-E3を二台並べて背面をみると、今までどれだけ十字ボタンが「デカイ面」をしていたのかよくわかります。あと、背面のデザインをどれだけ損ねていたのかも。
X-T20にフォーカスレバーがないようにX-E3にはチルト液晶がありませんし、その辺は基幹部分とは関係のない、ジョイントモジュール部分ということでしょう。
そうなると完全な双子機というよりは、お互いがお互いの亜種といったところでしょうか。
ま、理屈や理由はどうあれ、このフォーカスレバーはスグレモノです。
これがあったからこそ、私はX-E2からX-E3に乗り換えたと言っても過言ではないのです。
マジでこのフォーカスレバーがなかったら、買い替えてませんよ。「別にX-E2でいいや」ってなっていたと思われます。
私みたいなX-E3ユーザーは多いのではないでしょうか。
X-Pro2のようにジョイスティックで楽をしたいという欲求が満たされるボディ、それがX-E3なのです。
ま、そりゃ買うわな。(・∀・)
特にX-E系ユーザーは買い替えに悩みに悩めばいいさ。わっはっは。
みたいな?
というわけで、これはもうプラス20点(持ち点はあと95点)
・タッチパネル
これもFUJIFILMとしては新機軸といっていいデバイスです。
他社がどんどんタッチパネルを採用しているのを尻目に、頑なにノータッチディスプレイを採用していたFUJIFILM。
フォーカスレバーを搭載しない代わりに、X-T20ではじめてこのタッチパネルを採用。
そして味を占めた……というか入門機なら「うるさがた」も文句は言うまいってことでX-E3にも採用。
というか、X-T20のパネルを流用しているだけ、という見方もありますが。
まあ、コレによりタッチパネルとフォーカスレバーの両方を搭載しているのはFUJIFILMのラインナップでもX-E3のみという現象が発生してしまいました。
ある意味フラグシップ?
まあ、そんなこじつけはともかく、FUJIFILMのラインナップでは今もっとも尖った存在がX-E3なのは確かじゃないでしょうか。
ノスタルジー系の基本デザインで素性を隠していますが、実はかなりロックなカメラなのです、X-E3。
言うなれば、セーラー服を来たロックンローラー、またの名を「ミス・ワビサビ」(・∀・)
すみません、ミス・ワビサビのファンなのでこじつけました。
てへ。(・∀・)
このタッチパネルですが、もちろん普通にタッチAFが可能です。
また他社のいくつかのカメラと同様にEVFを覗きながら右手の親指でAFポイントも動かせます。タッチパネルではあってもこの機能に対応していないカメラも多いので、ちょっと甘口かもしれませんがここは○をあげてもいいでしょう。
また芸が細かいというか、右半分だけのエリアを使う、とか左半分だけを使う、というチョイスも可能。もちろん全面状態にすることもOFFにすることも。
EVFを覗きながらの操作だと範囲を狭めた方が使いやすいのは確か。ここも評価はちょっとプラス。
また三脚などに据えてのマクロ撮影などで便利なのがダブルタップでのライブビュー拡大表示機能。地味に直感的でいい機能ですね。
再生時にはピンチイン・アウトで画像の拡大・縮小は当然、スワイプで画像の切替もOK。ダブルタップでも拡大できます。
この項目ではプラス5点(持ち点はあと100点)
ということで、続きは「タッチパネルその2」編につづく。